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やまねこ10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」レビュー集>ネスレ子どもの本賞(旧スマーティーズ賞)レビュー集(0〜5歳部門)
 

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 やまねこ10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」レビュー集

ネスレ子どもの本賞(イギリス) レビュー集 :1
旧スマーティーズ賞(0〜5歳部門)
 

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最終更新日 2008/09/01 レビューを4点追加

0〜5歳部門レビュー集 / 6〜8歳部門レビュー集 / 9〜11歳部門レビュー集

ネスレ子どもの本賞リスト(やまねこ資料室) 
ネスレ子どもの本賞の概要

このレビュー集について 10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」においてやまねこ会員が個々に書いたレビューを、各児童文学賞ごとにまとめました。メ ールマガジン「月刊児童文学翻訳」「やまねこのおすすめ」などに掲載してきた〈やまねこ公式レビュー〉とは異なる、バラエティーあふれるレビューをお楽しみください。
 なお、レビューは注記のある場合を除き、邦訳の出ている作品については邦訳を参照して、邦訳の出ていな作品については原作を参照して書かれています。


"Leon and Bob"『ふしぎなともだち』 * "The Gruffalo"『もりでいちばんつよいのは?』 * "Penguin"『ペンギンさん』(リンク)←追加 * "That Rabbit Belongs to Emily Brown"『そのウサギはエミリー・ブラウンのっ!』(リンク)←追加 * "We're Going on a Bear Hunt"『きょうはみんなでクマがりだ』(リンク)←追加 * "Tadpole's Promise"追加


1997年スマーティーズ賞(現ネスレ子どもの本賞)0〜5歳部門銀賞

"Leon and Bob" (1997) Simon James サイモン・ジェームズ作
『ふしぎなともだち』 小川仁央訳 評論社 1999
その他の受賞歴
2000年(第47回)産経経児童出版文化賞【推薦】

 レオンはママといっしょに、この町にこしてきた。パパはぐんたいにはいって、遠くにいってしまった。でもよく手紙を書いてくれる。レオンには、ボブという友だちがいる。ボブは、レオンにしか見えないけど、いつも一緒だ。だからママがいないときでも、さみしくなんかない。あるどようび、となりの家に、新しいかぞくがひっこしてきた。レオンがのぞくと、男の子が手をふっている。あした、あいにいってみようかな。レオンはそうおもった。

 ほんとうに「ふしぎなともだち」。レオンは、新しい町で、まだあまり友だちがいない。ただひとり、自分の心の中にいるボブに話しかけ、手紙を読んで聞かせ、いっしょに朝ごはんを食べていた。ところがある日、となりの家にあたらしい家族がひっこしてくる。そこには男の子がいて……。
 子どもが新しい友だちに出会うときの、繊細な気持ちが伝わってきて、ドキドキした。サイモン・ジェームズの絵がなんともステキだ。

(大塚道子) 2008年5月公開


1999年スマーティーズ賞(現ネスレ子どもの本賞)0〜5歳部門金賞

"The Gruffalo" (1999) Julia Donaldson ジュリア・ドナルドソン文 Axel Scheffler アクセル・シェフラー絵 
『もりでいちばんつよいのは?』 久山太市訳 評論社 2001
その他の受賞歴

 森の中を歩いていたネズミくんが、キツネにでくわします。キツネはにやっと笑って、「いっしょにお昼を食べようよ」。お昼ってぼくのことだよね、と思ったネズミくんは、こんなでまかせを言います。「ぼく、グラファロとお昼を食べる約束なんだ」そして、グラファロの恐ろしい容貌を説明するのでした。「好物はキツネの焼肉だって」と、念押しするのも忘れません。
 こんな風に、キツネ、フクロウ、ヘビと、天敵を次々とかわしてくネズミくんでしたが……。

「虎の威を借る狐」の故事をモチーフにしたお話。くりかえしにどんでんがえしと、昔話の手法が使われていて、聞き手は否が応でもひきつけられます。キツネ、フクロウ、ヘビへと話すうちに、グラファロの容貌がどんどんおそろしくなっていくところも愉快です。
 アクセル・シェフラーの少しとぼけたような愛嬌のある絵も、グラファロや動物たちの特徴を楽しく表しています。シェフラーとドナルドソンとのコンビで、これまでにいろいろな絵本が出版されており、息もぴったりというところでしょうか。
 Wikipedia のサイトによると、この絵本は世界中で350万冊売れたそうです。ミュージカル化されて、ロンドンのウェストエンドをはじめイギリス各地で上演された後、海を渡ってブロードウェイでも上演されたとのこと。また、グラファロの歌のCDやジグソーパズル絵本も販売されたりと、人気のキャラクターになっています。

 なお、続編に "Gruffalo's Child" があり、こちらは2005年チルドレンズ・ブック賞幼年向け部門のショートリストにあげられました。

(植村わらび) 2008年5月公開

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2007年 ネスレ子どもの本賞0〜5歳部門銀賞

"Penguin" (2007) 追加
 by Polly Dunbar ポリー・ダンバー Amazon
『ペンギンさん』 もとしたいづみ訳 フレーベル館 2007.11 Amazon bk1

 やまねこ公式レビュー 月刊児童文学翻訳2008年5月号

その他の受賞歴
 ・2008年 (2007年度)ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト
 ・
2008年チルドレンズ・ブック賞幼年向け部門 受賞作品
 ・Booktrust Early Years Awards (Pre-School Book Award)


ケイト・グリーナウェイ賞ラリー集を参照のこと

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2006年 ネスレ子どもの本賞0〜5歳部門金賞

"That Rabbit Belongs to Emily Brown" (2007) 追加
 illustrated by Neal Layton ニール・レイトン, text by Cressida Cowell クレシッダ・コーウェル
『そのウサギはエミリー・ブラウンのっ!』 まつかわまゆみ訳 評論社 2007.12

その他の受賞歴
 2008年(2007年度)ケイト・グリーナウェイ賞ロングリスト


ケイト・グリーナウェイ賞ラリー集を参照のこと

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 1989年スマーティーズ賞 (現ネスレ子どもの本賞)0〜5歳部門受賞&大賞(Overall Winner)

"We're Going on a Bear Hunt" (1989) 追加
  by Michael Rosen マイケル・ローゼン(再話)
 illustrations by Helen Oxenbury ヘレン・オクセンバリー

『きょうはみんなでクマがりだ』 山口文生訳 評論社 1991

 やまねこ公式レビュー 洋書でブレイク(原書)

その他の受賞歴
1989年度ケイト・グリーナウェイ賞 特別推薦作品
1991年絵本にっぽん賞〈日本〉特別賞


ケイト・グリーナウェイ賞レビュー集を参照のこと

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2003年 スマーティーズ賞(現ネスレ子どもの本賞)0〜5歳部門銀賞

"Tadpole's Promise" (2003) (未訳絵本) 追加
 by Jeanne Willis ジーン・ウィリス文 Tony Ross トニー・ロス絵 

その他の受賞歴


 池に垂れ下がる柳の葉の上で育つ青虫と、池の中で育つおたまじゃくしが、はじめて会った途端に恋に落ちた。「ぼくのレインボーちゃん」(青虫には『はらぺこ青虫』のようにきれいな色がついている)、「わたしの黒パールくん」と呼び合う双方は、とにかくお互いの全てが大好きなのだ。「わたしの黒パールくん、絶対に変わらないって誓ってね」「ああ、誓うとも」。え〜、おたまじゃくし君ったら、そんな約束して大丈夫? ほらほら、後ろ足が生えてきて、「あなた、約束をやぶったわね」と、青虫ちゃんになじられることに……。はたして、二人の恋はどうなるのか!?

 たて向きにページをめくっていくという、珍しい体裁の絵本。上半分が水の上、下半分が水の中、というページ構成で、タイトルページの柳の葉の上の卵と水の中の卵から はじまって、青虫とおたまじゃくしがじょじょに成長していく。「変わらないって約束したじゃない」と青虫に責められて、「ごめんね、どうしようもなかったんだ。ぼく、こんな足なんかいらないのに。君さえいればいいんだよ」なんて言い訳するおたまじゃくしや、何度も約束をやぶられて怒ったり泣いたりする青虫に、「あらかわいい」と笑っていると、最後のシビアな展開に驚 くことに……。
 ところが、小学校2年生の子どもに読んでやると、最初に約束をするところで「無理無理、どっちも、かえるやちょうちょになるんだから」と、冷静なコメント。昆虫好きで、毎日網を持って虫を追いかけている彼は、この絵本を楽しみ、かつ、最後もすんなり受け入れたのでした。

(植村わらび) 2008年9月公開

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