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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2008年5月号 =====☆ ☆===== =====★ 月 刊 児 童 文 学 翻 訳 ★===== =====☆  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ☆===== Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary No.100 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌 http://www.yamaneko.org 編集部:mgzn@yamaneko.org 2008年5月15日発行 配信数 2540 無料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●2008年5月号もくじ● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎賞情報:2008年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞候補作発表 ◎注目の本(邦訳絵本):『ペンギンさん』 ポリ―・ダンバー文・絵/もとしたいづみ訳 ◎注目の本(未訳絵本):"Little Mouse's Big Book of Fears" エミリー・グラヴェット文・絵 ◎注目の本(未訳読み物):"What I Was" メグ・ローゾフ作 ◎賞速報 ◎イベント速報 ◎世界のお祭り:第13回 母の日 ◎読者の広場 ◎100号発行のご挨拶 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞情報●2008年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞候補作発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 4月18日、カーネギー賞およびケイト・グリーナウェイ賞のショートリスト(最終 候補作)が発表された。英国図書館協会が主催するこの賞は、イギリスでは最も権威 ある児童文学賞である。昨年11月にロングリストが発表され、カーネギー賞に45作品、 ケイト・グリーナウェイ賞に32作品が挙がっている。受賞作の発表および、授賞式は 6月26日。ショートリストは以下の通り。ロングリストは、やまねこ翻訳クラブウェ ブサイトの「速報(海外児童文学賞)」コーナーに掲載中。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award ※両賞は、2007年より、出版年度(前年)の表記から授賞年表記に変わりました。そ れにならい、当メールマガジンも今号より2007年以降の表記方法を改めました。なお、 やまねこ翻訳クラブウェブサイト内資料に関しましては、2007年以降も年度表記とな っているリストがございます。ご了承ください。 【カーネギー賞候補作】〜 Carnegie Medal 〜(作家対象) "Gatty's Tale" by Kevin Crossley-Holland (Orion) "Ruby Red" by Linzi Glass (Penguin) "Crusade" by Elizabeth Laird (Macmillan) "Apache" by Tanya Landman (Walker Books) "Here Lies Arthur" by Philip Reeve (Scholastic) "What I Was" by Meg Rosoff (Puffin) "Finding Violet Park" by Jenny Valentine (HarperCollins) 本年ショートリストに選ばれたのは7作品。歴史ものや、何十年か前に舞台が設定 されているものが多い。一方、ショートリストに選ばれなかった作品の中にも、これ から発表となるブランフォード・ボウズ賞、チルドレンズ・ブック賞、ビスト最優秀 児童図書賞のショートリストに選ばれている作品が多く、まだまだ目が離せない。 Kevin Crossley-Holland の "Gatty's Tale" は、13世紀のエルサレムへの巡礼の 旅を描いた歴史物語。主人公のガティは、"The Arthur Trilogy"(「ふたりのアーサ ー」シリーズ/亀井よし子訳/ソニー・マガジンズ)に登場した少女だ。持ち前の明 るさとたくましさで、困難な旅を通して大きく成長していく。中世の生活が鮮やか、 かつユーモラスに描かれており、各書評誌での評価も高い作品だ。 デビュー2作目の "Ruby Red" がショートリストに選ばれたのは、Linzi Glass。 1976年の南アフリカ、アパルトヘイト時代が舞台だ。白人の主人公ルビーの家族はま わりに言えない秘密を抱えていた。17歳のルビーの初恋、反アパルトヘイト蜂起と、 物語はドラマティックに展開していく。 カーネギー賞ではおなじみの作家 Elizabeth Laird の "Crusade" は、2007年コス タ賞児童書部門のショートリスト作品だ。12世紀末の十字軍の遠征が舞台で、キリス ト教徒の少年とイスラム教徒の少年が、数奇な運命のもと最前線で顔を合わせること に……。さまざまな立場の登場人物の信条や胸の内が、丁寧に描写された作品。 Tanya Landman の "Apache" は、19世紀後半、メキシコ国境に住むアパッチ族の少 女が弟をメキシコ軍に惨殺されて復讐を決意し、部族の女戦士となって戦う物語。作 者はこの時代を詳しく調べあげ、背景や風景、主人公の心情を豊かに描き出している。 Philip Reeve の "Here Lies Arthur" は、これまで Reeve が発表してきたSF作 品とは趣が異なっている。紀元500年、奴隷少女グウィナの新しい主人となった吟遊 詩人マーシンはアーサー王の物語を語りはじめるが、実在するアーサーは騎士道から は程遠い男だった。物語の持つ力、人は物語に何を求めるのかを考えさせられる作品。 昨年の受賞者 Meg Rosoff は、3作目の "What I Was" で今年もショートリストに 選ばれた。思春期の少年少女の胸の内を見事に描き出す Rosoff は、今回、1962年に 片田舎のパブリック・スクールに入学した16歳の少年を主人公にすえた。学校に嫌気 がさした主人公は、浜辺で自由気ままに暮らす少年フィンと出会い友情を育てていく のだが……。詳しくは、本誌今月号の「注目の本(未訳読み物)」を参照のこと。 そして、今年のショートリストで唯一、現代のイギリスが舞台になっているのが、 Jenny Valentine の デビュー作 "Finding Violet Park" だ。16歳のルーカスが骨つ ぼの老婦人の秘密をたどっていくと、失踪中の自分の父親へとつながっていった、と いうミステリー風の話。高齢化、家庭崩壊といったイギリスの問題点が反映されてお り、2007年ガーディアン賞を受賞した。本誌2007年12月号「注目の本(未訳読み物)」 を参照のこと。 【参考】 ▼Kevin Crossley-Holland 公式ウェブサイト http://www.kevincrossley-holland.com/ ▼Linzi Glass 公式ウェブサイト http://www.linziglass.com/ ▼Elizabeth Laird 公式ウェブサイト http://www.elizabethlaird.co.uk/ ▼Tanya Landman 公式ウェブサイト http://www.tanyalandman.com/ ▼Philip Reeve の "Mortal Engines" 公式ウェブサイト http://www.mortalengines.co.uk/ ▼Meg Rosoff 公式ウェブサイト http://www.megrosoff.co.uk/ ▽エリザベス・レアード作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/l/elaird.htm ▽フィリップ・リーヴ作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/r/preeve.htm ▽メグ・ローゾフ作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/r/mrosoff.htm ▽"Finding Violet Park" のレビュー(本誌2007年12月号「注目の本」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2007/12.htm#myomi2 (植村わらび) 【ケイト・グリーナウェイ賞候補作】〜 Kate Greenaway Medal 〜(画家対象) "Silly Billy" by Anthony Browne (Walker Books) "Penguin" by Polly Dunbar (Walker Books) "Little Mouse's Big Book of Fears" by Emily Gravett (Macmillan) "Monkey and Me" by Emily Gravett (Macmillan) "The Lost Happy Endings" by Jane Ray text by Carol Ann Duffy (Bloomsbury) "Ottoline and the Yellow Cat" by Chris Riddell (Macmillan) "Banana!" by Ed Vere (Puffin) このところノミネートされた作品がすでに邦訳出版されている場合が目に付くが、 今年もロングリスト32作品中から出版された邦訳5作品のうち、2作品がショートリ ストに入っている。また、大御所、中堅、新人とバランスよく選ばれているのが、今 年の特徴ともいえる。 2度の受賞経験がある Anthony Browne の "Silly Billy"(『びくびくビリー』灰 島かり訳/評論社)は、心配性のビリーがおばあちゃんから〈しんぱいひきうけ人形〉 をもらったことから話が展開していく。原書の表紙は濃淡がはっきりした色でインパ クトがあるのに対し、邦訳では白い背景にカラフルなふちどりがあり、やさしい雰囲 気になっている。 昨年ロングリストに選ばれた Polly Dunbar による "Penguin"(『ペンギンさん』 もとしたいづみ訳/フレーベル館)は、2007年ネスレ子どもの本賞5歳以下部門銀賞 も受賞している作品。男の子がプレゼントにもらったペンギンは、なぜかひとことも しゃべらない。ペンギンと話がしたい男の子は、あらゆることを試みるが……。詳し くは、本誌今月号の「注目の本(邦訳絵本)」を参照のこと。 2005年度に "Wolves" で本賞をはじめて受賞した Emily Gravett は、2作品もノ ミネートされている。そのうちの1冊、"Monkey and Me" は、女の子がぬいぐるみの サルといっしょに、動物のまねっこ遊びをするもの。ストーリー自体は、かわいらし いが、色味の押さえた絵の雰囲気は大人びていておしゃれ。もう1冊の "Little Mouse's Big Book of Fears" は、こわがりのネズミが主人公。詳しくは本誌今月号 の「注目の本(未訳絵本)」を参照いただきたい。 たびたびノミネートされるものの、なかなか受賞に至らない Jane Ray。"The Lost Happy Endings" は、ベッドタイムのお話が〈めでたし〉で終わるよう見守る仕事を している少女が主人公。ところがある日、悪い魔女につかまってしまい……。Jane Ray による、豪華絢爛かつ迫力満点の絵が特徴だ。 2度の受賞歴があり、ここ数年毎年のように候補に挙がっている Chris Riddell は、"Ottoline and the Yellow Cat" でノミネートされた。この作品は、2007年ネス レ子どもの本賞6〜8歳部門の金賞にも選ばれている。絵本にしては文章とページ数 が多いのが特徴で、カーネギー賞のロングリストにも選ばれた。謎解きが大好きな女 の子が相棒とともに事件を解決する、凝った作りの冒険物語。どのページにもある、 表紙と同じ赤色がアクセントになっている細かい筆致の絵が、話を盛り上げている。 続編の "Ottoline Goes to School" も出版されている。 Ed Vere は、"Banana!" ではじめて本賞の最終候補に選ばれた。サルは2匹、でも、 バナナは1本しかない。そんなとき、相手にどういえばいいの?というシンプルなス トーリーと、大胆ではっきりとした絵柄はインパクトがあり、小さな子どもに好まれ るにちがいない。同じ作者による "The Getaway" もロングリストにノミネートされ、 今後の活躍が期待される。 近年、作家のウェブサイトが多数オープンされたおかげで、原書情報を早く知るこ とができるようになった。だが、候補作が発表されると同時に入手が困難になる場合 もあり、実際に手にとることが容易でないのが悩ましい。 【参考】 ▼カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞公式サイト http://www.carnegiegreenaway.org.uk/ ▼Polly Dunbar 公式ウェブサイト http://www.pollydunbar.com/ ▼Emily Gravett 公式ウェブサイト http://www.emilygravett.com/ ▼Jane Ray 公式ウェブサイト http://www.janeray.com/ ▼Chris Riddell 公式ウェブサイト http://www.chrisriddell.com/ ▼Ed Vere 公式ウェブサイト http://www.edvere.com/ ▽アンソニー・ブラウン作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/b/abrowne.htm ▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞について (本誌1999年7月号情報編「世界の児童文学賞」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/1999/07a.htm#a1bungaku ▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品リスト (やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/carnegie/index.htm http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/greenawy/index.htm (横山和江) |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●注目の本(邦訳絵本)●目は口ほどに……さて、どうかしら? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『ペンギンさん』 ポリ―・ダンバー文・絵/もとしたいづみ訳 フレーベル館 定価1,260円(税込) 2007.11 33ページ ISBN 978-4577034507 Amazonで詳細を見る |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●注目の本(未訳絵本)●あなたの怖いものはなに? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『小さなねずみの恐怖大全集』(仮題) エミリー・グラヴェット文・絵 "Little Mouse's Big Book of Fears" by Emily Gravett Macmillan Children's Books, 2007 ISBN 978-1405089487 32pp. Amazonで詳細を見る |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●注目の本(未訳読み物)●海辺で出会った理想の「自分」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『フィン――遠い日の思い出』(仮題) メグ・ローゾフ作 "What I Was" by Meg Rosoff Penguin Books, 2007 ISBN 978-0141383439 199pp. Amazonで詳細を見る |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★2008年ローカス賞ファイナリスト発表(受賞作の発表は6月21日) ★2007年度アンドレ・ノートン賞発表 ★2008年エズラ・ジャック・キーツ賞発表 ★2008年アガサ賞受賞作発表 ★2008年ブランフォード・ボウズ賞ショートリスト発表(受賞作の発表は7月9日) ★2008年オランダ金・銀のキス賞受賞作発表 ★2008年MWA賞(エドガー賞)受賞作発表 ★2008年産経児童出版文化賞発表 ★2008年アメリカス児童・ヤングアダルト文学賞発表 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を ご覧ください。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●イベント速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★展示会情報 高知県立美術館「美術館に行こう!」 滋賀県立近代美術館「ブルーノ・ムナーリ展」など ★講座・講演会情報 大阪YWCA専門学校「子どもと子どもの本の講座」 メリーゴーランド「あべ弘士さん講演会」など ★イベント情報 パナソニックセンター東京「ムーミンの日の集い」など 詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、 空席状況については各自ご確認願います。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event (冬木恵子/笹山裕子) |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●世界のお祭り●第13回 母の日(世界各地) 5月第2日曜日など ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本で5月の第2日曜日といえば、「母の日」ですね。母親の日ごろの苦労をいた わり、感謝を表す日としてみなさんもよくご存じのことと思います。母の日を定めて いるのは、日本だけではありません。そこで今回は、イギリス、アメリカ、フィンラ ンド、そして日本で祝われるようになった経緯をご紹介したいと思います。 イギリスで母の日を祝うようになったのは、17世紀ころからです。当時より、復活 祭の40日前(日曜日は数えない)から始まる四旬節の第4日曜日を、母の日 "Mothering Day" としています。四旬節というのは40日間の断食が行われる非常に厳 しい時期であり、その息抜きとして奉公人たちは年に1度実家に帰ることを許され、 懐かしい母親と再会できたからです。また、実の母だけでなく、聖母マリアにも感謝 するという宗教的な意味合いもこめられていました。 アメリカでは1907年5月、アンナ・ジャービスという女性が、亡き母を偲んで追悼 会を開き、母が愛した白いカーネーションを参加者に渡したことがきっかけと言われ ています。アンナの母アン・ジャービスは、熱心な社会活動家で、南北戦争では敵味 方の区別なく傷病兵を看病しました。アンナは支援者たちとともに、全国的な「母の 日」の普及運動を始め、1914年にはアメリカの正式な祝日として認められるまでにな りました。なお、この日を「母の日」と呼ぶのは、アン・ジャービスが南北戦争時に 結成した社会活動クラブ、"Mothers' Day Work Club" にちなんでいます。 フィンランドで最初に母の日が祝われたのは、1918年。アメリカを訪れたヴィルホ・ レイマという教師が、母の日の習慣に触れ、フィンランドでも祝おうと提唱したのが 始まりと言われています。フィンランドでも5月の第2日曜日に祝いますが、南部で はこの時期、野生のアネモネの一種が咲くことから、この花を摘んで贈る子どもも多 いそうです。 一方、日本で初めて母の日が祝われたのは、明治末ごろと言われています。徐々に 広まっていき、昭和に入ってからは香淳皇后(昭和天皇の皇后)の誕生日である3月 6日に祝っていたのですが、戦後しばらくしてアメリカの例に倣って5月の第2日曜 日に祝うようになりました。 母の日は世界中で祝われていますが、中国、台湾、カナダ、オーストラリア、ドイ ツ、イタリア、南アフリカなど、5月の第2日曜日に祝っている国が大変多いのも興 味深いところです。スウェーデンやフランスは、同じ5月でも最後の日曜日、ノルウ ェーは2月の第2日曜日、グルジアでは3月3日、アルゼンチンは10月の第3日曜日、 そしてロシアでは11月の最後の日曜日を母の日としています。どこの国でも、大体お 母さんが好きな花や、お母さんへの感謝の言葉を書いたカードを贈るようです。日本 では、やはり赤いカーネーションが主流でしょうか。 子どもにとって、お母さんはやっぱり特別な存在ですよね。これからご紹介する 『すえっこメリーメリー』(ジョーン・ロビンソン作/松野正子訳/大日本図書)の 中でも、5人きょうだいの末っ子のメリーメリーが、大きいお兄ちゃんたちに負けな いくらいすてきな母の日のプレゼントを贈りたくて知恵をしぼります。用意したのは、 しめった土が入った植木鉢。さて、なにが生えてくるのでしょう? *〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜* メリーメリーにも、なにがはえてくるか、わかっていませんでした。でも、それは、 いわないでおきました。どうしてわからないかというと、まだ、なんにも、うえてな かったからでした。どうして、なんにも、うえなかったかというと、お金をなくして しまったからでした。それで、メリーメリーは、昨日、あんなにきげんがわるかった のでした。 *〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜* メリーメリーは、どうやらプレゼントを買うお金をなくしてしまったようです。で もこの後、お母さんがびっくりするようなことが起こるんですよ。今年の母の日、何 もしなかったなという方がいらっしゃったら、今からでも遅くはありません。メリー メリーを見習って、ぜひあなただけの「母の日」を祝ってあげてくださいね。 ★参考文献・ウェブサイト 『世界のおまつり』ほるぷ出版 Mother's Day World http://www.mothersdayworld.com/index.html (村上利佳/笹山裕子) |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ ください。 ※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。 ※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。 ※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。 ※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編 集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●100号発行のご挨拶● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ おかげさまをもちまして、本誌は今月号で創刊100号を迎えることができました。 毎月ご愛読くださっている皆さまをはじめ、今まで取材にご協力くださった皆さま、 本誌に関わるすべての方々に、あらためて感謝申し上げます。 これからも「月刊児童文学翻訳」を、末永くよろしくお願いいたします。 メールマガジン「月刊児童文学翻訳」編集部一同 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お知らせ● 本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。 こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/info/order.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲▽▲▽ 海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります ▽▲▽▲▽ やまねこ翻訳クラブ(info@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆☆ FOSSIL 〜 Made in USA のカジュアルウオッチ ☆☆ 「FOSSIL は化石って意味でしょ? レトロ調の時計なの?」 これは創業者の父親が FOSSIL(石頭、がんこ者)というあだ名だったことから誕生したブランド名。オーソ ドックスからユニークまで様々なテイストの時計がいずれもお手頃価格で揃います。 2005年より新しいスローガン "What Vintage are you?" を掲げ、更にパワーアップ した商品ラインナップでキャンペーンを展開。Vintage を表現する重要なツールが TIN CAN(ブリキの缶)のパッケージです。年間200種類以上の新しいTIN CAN が発表 され、時計のデザイン同様、常に世界中のコレクターから注目を集めています。 http://www.fossil.co.jp/ (株)フォッシルジャパン:TEL 03-5981-5620 やまねこ賞協賛会社 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 吉田真澄の児童書紹介メールマガジン 「子どもの本だより」 http://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/info/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆ 出版翻訳ネットワーク・メープルストリート ☆★ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm 新刊情報・イベント情報などを掲載いたします。詳細はmaple2003@litrans.netまで。 出版翻訳ネットワークは出版翻訳のポータルサイトです http://www.litrans.net/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆メールマガジン『海外ミステリ通信』 隔月15日発行☆★ http://www.litrans.net/whodunit/mag/ 未訳書から邦訳新刊まで、あらゆる海外ミステリの情報を厳選して紹介。翻訳家や 編集者の方々へのインタビューもあります! 〈フーダニット翻訳倶楽部〉 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *=*=*=*=*=*= やまねこ翻訳クラブ発行メールマガジン&ウェブジン =*=*=*=*=*=* ★やまねこアクチベーター(毎月20日発行/無料) やまねこ翻訳クラブのHOTな話題をご提供します! http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆次号予告は毎月10日頃、やまねこ翻訳クラブHPメニューページに掲載します。◆ http://www.yamaneko.org/info/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●編集後記●10年という月日は、生まれたこどもが10歳になると聞けば、それほどの 変化を感じないが、10歳だったこどもが20歳になると言われると、その長さを実感す る。100号の節目を迎え、101号へと繋ぐ責任に、気を引き締めねばと思う。創刊のこ とばどおり、翻訳家として第一歩を踏み出したやまねこたちの名前を、今では書棚に 見ることができるようになった。今日を視野に入れ、「月刊児童文学翻訳」を送り出 してくださった出版翻訳ネットワークの小野仙内さん、惜しまず助けてくださった編 集者の長澤國雄さん、毎号コメントを送ってくださる読者のお二人、欠番なく発行を 続けたやまねこ翻訳クラブの諸先輩に、この場をかりてお礼を申し上げます。(お) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行人 植村わらび(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編集人 大原慈省/井原美穂(やまねこ翻訳クラブ スタッフ) 企 画 植村わらび 尾被ほっぽ かまだゆうこ 児玉敦子 笹山裕子 冬木恵子 美馬しょうこ 村上利佳 横山和江 協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内 ながさわくにお ヒダニレイコ html版担当 ハイタカ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・このメールマガジンは、「まぐまぐ」( http://www.mag2.com/ )を利用して配信 しています。購読のお申し込み、解除もこちらからどうぞ。 ・バックナンバーは、http://www.yamaneko.org/mgzn/ でご覧いただけます。 ・ご意見・ご感想は mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。 ・無断転載を禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
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