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2012年6月号
   =====☆                    ☆=====
  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
   =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====
                                No.140
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児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2012年6月15日発行 配信数 2370 無料 
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●2012年6月号もくじ●
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◎注目の本(邦訳読み物):『雨あがりのメデジン』
                 アルフレッド・ゴメス=セルダ作/宇野和美訳
◎世界の本棚(スペイン語):"La nina, el corazon y la casa"
                      マリア・テレサ・アンドルエット作
◎速報:2012年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞発表!
◎賞速報
◎イベント速報
◎お菓子の旅:第59回 甘くてスパイシーなおいしさ 〜シナモンロール〜
◎読者の広場

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●注目の本(邦訳読み物)●「ついてるな、おれたち」「うん、すっごく」
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『雨あがりのメデジン』 アルフレッド・ゴメス=セルダ作/宇野和美訳
鈴木出版 定価1,470円(税込) 2011.12 173ページ ISBN 978-4790232506
"Barro de Medellin" by Alfredo Gomez Cerda
Editorial Luis Vives, 2009
Amazonで詳細を見る  Amazonで原書の詳細を見る

 コロンビアのメデジン市にあるバリオ。この貧しい地区に10歳の少年カミーロは住
んでいた。舗装されていない道路が雨のたびにどろどろになっても、しょっちゅう断
水や停電があってもへっちゃらだ。だけど、最近できたロープウェーや大きな図書館
を自慢する人たちにはうんざりしている。立派な施設なんかより、メデジンの町や周
囲の景色を一望できることのほうが、ずっとすばらしいと思っているからだ。
 そんな感性豊かなカミーロだが、家には寝るときしか帰らないことが多く、食べ物
もどこからか自分で手に入れている。飲んだくれの父親にお金もなしで使いに出され、
酒なしでは帰ってくるなと怒鳴られるからだ。
 カミーロには、アンドレスという親友がいる。学校に通えなくなったふたりは、い
つも一緒にそこらをほっつき歩いていた。ある日、カミーロはなりゆきでアンドレス
の誘いに乗せられ、絶対に行かないと決めていた新しい図書館へ行くことになってし
まう。しかし本を読むどころか、アンドレスが止めるのにも全く耳を貸さずに、シャ
ツの下に本を1冊隠し持って図書館をあとにした。父親の酒代にするためだった――。
 父親が原因で盗みを働くようになったカミーロは、これからもずっと泥棒をして生
きていこうと決めていた。そして、アンドレスにも泥棒になれとしきりに誘っている
のだが、彼はかたくなに拒み続ける。誘いを受け入れないその気持ちもまた、やはり
貧しさから生まれたものだ。アンドレスの言葉からは、泥棒にだけは絶対なりたくな
いという心の叫びが聞こえてくるようで、胸が痛む。
 そんなふたりに一筋の光をもたらしたのは、図書館員のマールさんだ。関わりすぎ
ず、でも決して目を離さずに、ふたりを見守っている。無理強いせず、おのずと本に
興味が持てるようにうまく導いてあげることが大切なのだ。本を読むことは、狭い世
界で生きている子どもたちにとって、身近ではない知識を得る最善の方法だ。知るこ
とで考え方や行動範囲が広がり、自分たちの将来だけでなく、まだ見ぬどこかの未来
をも、いい方向へと変えていく力になるのではないだろうか。メデジンに実在するこ
の図書館のユニークで巨大な姿が、力強い未来への希望となりますように。

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【作】アルフレッド・ゴメス=セルダ(Alfredo Gomez Cerda):1951年スペイン、
マドリード生まれ。1970年代から劇や映画の脚本を手がけたのち、児童文学と出会う。
1983年のデビュー以降、幼年向けからYAまで100作品以上を出版。読者との交流活
動などにも精力的だ。本作はスペインの国民児童文学賞を受賞し、2011年秋にはメデ
ジンでミュージカルにもなった。

【訳】宇野和美(うの かずみ):大阪府生まれ。東京外国語大学スペイン語学科を
卒業後、出版社勤務を経てスペイン児童文学の翻訳に携わる。主な訳書に『ベラスケ
スの十字の謎』(エリアセル・カンシーノ作/徳間書店)、『エロイーサと虫たち』
(ハイロ・ブイトラゴ文/ラファエル・ジョクテング絵/さ・え・ら書房)、『ティ
ナの明日』(A・マルティネス=メンチェン作/あすなろ書房)などがある。

【参考】
▼アルフレッド・ゴメス=セルダ公式ウェブサイト(スペイン語)
http://www.almezzer.com/

▼ミュージカル "Barro de Medellin" 公式ウェブサイト(スペイン語)
http://www.barrodemedellin.com/

▼スペイン公園図書館(Parque Biblioteca Espana)紹介ページ(スペイン語)
                       (Red de Bibliotecas サイト内)
http://www.reddebibliotecas.org.co/sistemabibliotecas/Paginas/parque_
biblioteca_espana.aspx

▽宇野和美(うの かずみ)訳書リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/kuno.htm

【特殊文字】
「Barro de Medellin」:「Medellin」の「i」の上にアクセント記号(´)がつく
「Alfredo Gomez Cerda」:「Gomez」の「o」と「Cerda」の「a」の上に
                          アクセント記号(´)がつく
「Parque Biblioteca Espana」:「Espana」の「n」の上にティルデ(~)がつく

                               (赤間美和子)

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●世界の本棚(スペイン語)●別々に暮らす家族が、幸せになるために
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『ティナの日曜日』(仮題) マリア・テレサ・アンドルエット作
"La nina, el corazon y la casa" by Maria Teresa Andruetto
Sudamericana, 2011 ISBN 978-9500735261(Argentina)
92pp.
Amazonで詳細を見る

 マリア・テレサ・アンドルエットは2012年国際アンデルセン賞作家賞において、深
く詩的で繊細な文章が高く評価され、受賞の栄誉に輝いた。本作でもその感性は光り、
風景の描写が詩情豊かで美しく、また悲しみや寂しさをたたえた登場人物たちのせり
ふが深く心に残った。
 日曜日、家の庭で遊ぶ男の子と女の子、そして父親と母親はデッキチェアに座って
子どもたちを眺めている。どこにでも見られる、幸せそうな家族の光景だ。しかし日
が暮れてくると、父親は女の子に声をかけた。「ティナ、もう時間だよ。ママにさよ
ならのキスをしなさい」「もう? 今度はいつここに来られるの?」「また次の日曜
日に」。ティナはママとキスを交わすと、もう一度とねだる。そのぬくもりが、次に
会う日曜日まで残るようにと。
 5歳のティナは、パパとおばあちゃんと3人で暮らし、毎週日曜日に、ママと8歳
の兄ペドロを訪ねている。離れ離れに暮らすティナの家族を、幼稚園の友だちは不思
議に思い、どうしてママは一緒に住んでいないのかと尋ねる。ティナは、ママは別の
家で病気の兄の世話をしなければならないからと答えると、口をつぐんでしまう。
 はっきりとした理由も分からずに大好きなママと同じ家に住めないことや、日曜日
にしか会えないことは、小さな子どもにとってどんなに寂しいだろうか。先天性の障
害を持つ兄、おばあちゃんともパパとも関係がぎくしゃくしているママなど、家族の
事情をかすかに感じて健気にふるまうティナが切ない。だがペドロが入院し、ママと
会えない日曜が続くと、さすがにティナの不満は募る。久しぶりに訪ねたママの家で、
帰りたくないとティナが言うと、パパとママにわがままだとたしなめられるが、幼い
子のその態度は当たり前だろう。
 家族が別々に暮らすことにいつしか違和感を持ち始め、どうしたらいいか考えるテ
ィナに、おばあちゃんは「お前には幸せになってほしい」と声をかける。ティナはど
こで暮らすことが幸せなのか――。ティナにとって特別な日だった、家族がそろう日
曜日。それが日常になるようにと願わずにはいられなかった。

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【作】Maria Teresa Andruetto(マリア・テレサ・アンドルエット):1954年アルゼ
ンチン、アロヨ・カブラル生まれ。コルドバ国立大学で文学を学んだあと、子どもの
読書の推進活動に携わり、1993年に作家としてデビュー。さまざまな文学賞を受賞す
るなど、スペイン語圏を代表する女流作家のひとり。作品に "El anillo encantado"、
"Veladuras" などがある。

【参考】
▼Maria Teresa Andruetto 公式ウェブサイト
http://www.teresaandruetto.com.ar/

▽2012年国際アンデルセン賞発表(本誌2012年4月号「賞情報」)
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2012/04.htm#sokuho1

▽国際アンデルセン賞受賞者リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/andersen/index.htm

                                (井原美穂)

【特殊文字】
「La nina, el corazon y la casa」:「nina」の2つ目の「n」の上に
    ティルデ(~)、「corazon」の2つ目の「o」の上にアクセント(´)がつく
「Maria Teresa Andruetto」:「Maria」の「i」に上にアクセント(´)がつく

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●速報●2012年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞発表!
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 昨日6月14日、イギリスで最も権威ある児童文学賞のカーネギー賞、ケイト・グリ
ーナウェイ賞が発表された。同じ作品がダブル受賞という史上初の結果には、驚く読
者も多いことだろう。また、カーネギー賞については、昨年受賞した作家が今年も名
誉を授かった。連続受賞は1979年1980年の Peter Dickinson に続いて、史上2度目
の快挙である。この結果は公式ウェブサイトでの発表のほか、ツイッターでも配信さ
れた。

【カーネギー賞】(作家対象)

The Carnegie Medal 2012

★Winner

  "A Monster Calls" by Patrick Ness (Walker)

【ケイト・グリーナウェイ賞】(画家対象)

The Kate Greenaway Medal 2012

★Winner

  "A Monster Calls" by Jim Kay, text by Patrick Ness (Walker)

 ダブル受賞を果たした "A Monster Calls"(『怪物はささやく』池田真紀子訳/あ
すなろ書房)は、故 Siobhan Dowd の原案をもとに Patrick Ness が完成させた物語
だ。13歳の少年コナーは、母とふたり暮らし。その母は病に苦しみ、コナーは毎晩、
悪夢にうなされている。ある夜、悪夢が現実となり、裏庭に怪物がやってきて……。
Jim Kay による白黒の挿絵は、怪物のすさまじさそのままに読者に迫ってくる。スト
ーリーと挿絵の両方が高く評価された本書は、英国のみならずドイツやイタリアでも
児童文学賞にノミネートされ、日本では、第58回(2012年)青少年読書感想文全国コ
ンクールの課題図書(中学校の部)に選ばれている。

【参考】
▼カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞公式ウェブサイト
http://www.carnegiegreenaway.org.uk/

▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞について
               (本誌1999年7月号情報編「世界の児童文学賞」)
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/1999/07a.htm#a1bungaku

▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品リスト
                        (やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/carnegie/index.htm
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/greenawy/index.htm

▽ショートリスト(最終候補作)一覧(本誌2012年4月号)
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2012/04.htm#sokuho2

※編集部より
 当クラブでは、読書室掲示板にて「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞候補
作を読もう会」を開催中です。
http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=3388;id=dokusho

                                (大作道子)

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●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2011年チェント賞発表
★2012年MWA賞(エドガー賞)受賞作品発表
★2012年オーストラリア児童図書賞候補作品発表(受賞作品の発表は8月17日の予定)
★2011年度アガサ賞児童書及びヤングアダルト部門受賞作品発表
★2012年ブランフォード・ボウズ賞ショートリスト発表
                      (受賞作品の発表は7月5日の予定)
★第59回産経児童出版文化賞発表
★2012年イタリア・アンデルセン賞受賞作品発表
★2012年ニュージーランド・ポスト児童図書賞受賞作品発表
★2012年エズラ・ジャック・キーツ賞発表
★2011年度アンドレ・ノートン賞発表
★2012年LIANZA児童図書賞候補作品発表(受賞作品の発表は8月6日の予定)
★2012年ボストングローブ・ホーンブック賞発表
★2012年ビスト最優秀児童図書賞発表

 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を
ご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

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●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 Bunkamura ザ・ミュージアム「スイスの絵本画家 クライドルフの世界」
 岡山県立美術館「五味太郎作品展 『絵本の時間』」 など

★講演会情報
 板橋区立美術館「荒井良二さん講演会」 など

★イベント情報
 第19回東京国際ブックフェア など

 詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、
空席状況については各自ご確認願います。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                           (笹山裕子/冬木恵子)

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●お菓子の旅●第59回 甘くてスパイシーなおいしさ 〜シナモンロール〜
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She had asked Ben if he wanted to join her. "There's a great used bookstore
next door and a bakery next to that with the best cinnamon rolls I've ever
had. It'll take me an hour at the most." She was already in the car when she
had asked him.
              "The Birthday Room" by Kevin Henkes
                            Harper Trophy(1999)
               Amazonで詳細を見る
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 上記の一節は、12歳の誕生日の贈り物をきっかけに成長する少年の物語から。主人
公のベンへ、誕生日に届いた1通の手紙。それは、ずっと音信不通だった叔父からの
ものでした。ベンは母親と一緒に、オレゴン州にあるその叔父の家でひと夏を過ごす
ことになります。が、ベンの母親と叔父との間には何やら深い溝が……。引用の場面
前夜もふたりは大げんか。そのせいで、ベンは叔父との外出がふいになり、朝からふ
てくされていました。ベンを気の毒に思った叔母は、町で評判のおいしいシナモンロ
ールをちらつかせて外出に誘います。
 米国では専門店もあるほどポピュラーなシナモンロール。シナモンシュガーが入っ
た渦巻き状のパンで、レーズンやナッツが巻き込まれていることもあります。表面に
はアイシングがたっぷりかかっていて、食べるときに手がべたべたになることから
"Sticky Buns" とも呼ばれます。その起源については定かではありませんが、同様の
パンは北欧や中央ヨーロッパで多くみられ、ルーツもその辺りにあるのではないかと
考えられているようです。このパンが米国で食べられるようになったのは18世紀頃。
ドイツと英国からの移民たちがそれぞれフィラデルフィアにもちこんだものが、元に
なっているのだとか。凝った見た目にくらべて作り方は意外に簡単。甘さのなかにス
パイシーな香りがあふれ、ふくれっ面もほころぶこと間違いなしのおいしさです。ぜ
ひお試しあれ。

*-* シナモンロールの作り方 *-*
                 画像はこちら(やまねこ翻訳クラブ喫茶室)
材料(10個分)

 強力粉             300g   ブラウンシュガー       40g
 砂糖               25g   シナモンパウダー    大さじ1
 塩             小さじ1/2   バター(フィリング用、無塩) 30g
 バター(生地用、無塩)      40g   レーズン           50g
 卵(L)1個と牛乳(32〜33度に温めておく) (できればラム酒につけたもの)
             合わせて180cc   粉砂糖            80g
 ドライイースト       大さじ1/2   水           大さじ1
 ぬるま湯(32〜33度、イースト用)20cc   レモン汁        小さじ1
                      照り用溶き卵        適宜

1.ドライイーストをぬるま湯で溶かして5分ぐらいおく。
2.ボウルに強力粉と砂糖、塩を入れ、卵と牛乳を合わせて混ぜたものと1を加えて
  混ぜる。ひとまとまりになったら、室温に戻したバターを加えて10〜15分かけて
  よくこねる。
3.2を丸め、バター(分量外)を塗ったボウルに入れてラップをして30度前後で60
  分ほどおき、2倍の大きさになるまで発酵させる。発酵にはオーブンなどの発酵
  機能を利用したり、一回り大きなボウルに40度の湯をはり、生地のボウルを重ね
  て湯せんするとよい。湯せんの場合は、冷めてきたら湯を足して、できるだけ温
  度を保つこと。
4.打ち粉をふった台の上に出し、めん棒で30cm×25cmの大きさに四角くのばす。
5.室温に戻してやわらかくしたフィリング用のバターを、巻き終わりになる部分2
  cmを残して全面に塗る。その上にブラウンシュガーとシナモンパウダーを混ぜ合
  わせたものをまんべんなくふり、レーズンも散らす。長い辺のほうからきつくな
  りすぎないように巻き、巻き終わりをしっかり閉じる。
6.包丁で10等分に切り、オーブンシートを敷いた天板に渦巻きを上にして、くっつ
  かないように間隔をあけて並べる。乾燥しないように固くしぼったぬれぶきんを
  かけ、暖かい所(室温25〜30度)で2倍の大きさになるまで発酵させる。
7.表面に照り用溶き卵をはけでやさしく塗り、175度に熱したオーブンで10分焼く。
8.粉砂糖に水とレモン汁を加え、よく混ぜてアイシングを作る。オーブンから出し
  たパンの粗熱がとれたら、表面に線を描くようにアイシングをかける。

★参考図書・ウェブサイト
『ニューヨークスタイルの人気のパン』(梅澤佳代著/世界文化社)
The food timeline http://www.foodtimeline.org/

                   (加賀田睦美/冬木恵子/かまだゆうこ)

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●読者の広場● 海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!
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 このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる
お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ
ください。

※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。
※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。
※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。
※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編
集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。

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●お知らせ●

 本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。
こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。
http://www.yamaneko.org/info/order.htm
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           ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・

 次号では、2012年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞の受賞作品・候補作品
の中からレビューをお届けする予定です。
 詳細は10日頃、やまねこ翻訳クラブHPメニューページに掲載します。
          http://www.yamaneko.org/info/index.htm
 どうぞお楽しみに!

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▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽

  やまねこ翻訳クラブ(yagisan@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。

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     ☆☆ FOSSIL 〜 Made in USA のライフスタイルブランド ☆☆
 独創的なデザインで世界100ヶ国以上で愛用されているフォッシルはアメリカを代
表するライフスタイルブランドです。1984年、時計メーカーとして始まったフォッシ
ルは時計をファッションアクセサリーの一つと考え、カジュアルな「TREND」ライン
からフォーマルなシーンにも使える「CERAMIC」など、年間300種類以上のモデルを発
売し続けています。またフォッシル直営店では、時計以外にもレザーバッグ、革小物、
ファッションサングラスなどのラインも展開しています。
TEL 03-5992-4611
http://www.fossil.co.jp/     (株)フォッシルジャパン:やまねこ賞協賛会社
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             「子どもの本だより」
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  やまねこ翻訳クラブのHOTな話題をご提供します!
                 http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm

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●編集後記●今月号のレビューでは、スペインの作家によるコロンビアを舞台にした
作品、そしてアルゼンチンの作家の作品と揃い、ラテンの風を感じていただけたこと
と思います。遠い国に心を寄せて知識を得ることは、子どもに限らず大人にとっても
素晴らしい経験だと改めて思います。今、やまねこ翻訳クラブ内では多言語の翻訳が
話題にあがることが多く、いつか特集を組んでみたいと思っています。(う)
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発 行 やまねこ翻訳クラブ
編集人 植村わらび/蒲池由佳/大作道子(やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画 赤間美和子 井原美穂 尾被ほっぽ 加賀田睦美 かまだゆうこ 小島明子
    児玉敦子 笹山裕子 佐藤淑子 冬木恵子 村上利佳 森井理沙
協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内
    ながさわくにお
    html版担当 shoko
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