2007年12月刊行
★Best Illustrated Children's Books 2007★ 作者から金曜日はいつも、息子のマイケルと、ちかくのダイナーであさごはんをいっしょにたべています。マイケルが3つになったときから、わたしたちふたりのとてもだいじな時間になりました。ふたりとも金曜日を楽しみにするようになりました。みなさんも、わたしたちのように、ちいさな行事をつくってみてください、ぜひ。絵本を開くと、作者からのメッセージがこんな風に書かれていました。 ですから、当然、子どもにこの絵本をはじめて開いたとき、私はここから読みはじめました。 すると子どものひとりが、「ぎょうじってなあに?」と聞いたのです。 「この絵本を読んだら、“ぎょうじ”がわかると思うよ」とこたえ、パパとぼくの金曜日の様子を読みすすめました。 ダン・ヤッカリーノの描く色づかいは、にごりがなく、のびやかにすっきりしています。 金曜日を楽しみにしているぼくとパパ。通りを歩く顔見知りの人たちとの挨拶。 絵に添えられている言葉は最小限に、それでいて、絵をふくらます言葉が選ばれ、ふたりにとっての日常であり大事な金曜日の行事が語られているのです。 「“ぎょうじ”ってこういうことなんだ」 【作】ダン・ヤッカリーノ Dan Yaccarino
|
2007年9月刊行
英国の子どもたちのみならず、翻訳を通して、世界各国の子どもから愛されているバーニンガムの絵本。 私の子どもたちも、バーニンガムのちいさい絵本を繰り返し、そらんじて読めるほど愛読してきました。 そのバーニンガム自身による自伝は、大判ながらソフトカバーで読みやすいつくり。 最初に目に飛び込んでくるのは、若かりしバーニンガムと、ヘレン・オクセンバリーのツーショット。 モーリス・センダックによるチャーミングな文章や、英国の子どもの本研究者であるブライアン・オルダーソンによる興味深い文章も読める。 ちなみに、センダックは、こんな風に50年代、60年代の絵本界を振り返っている。 50年代は情けない時代であり、同時にすばらしい時代でもあった。申し分のない見習い期間とでもいうのだろう。金も稼げずに、ばかげたことをしていたが、子どもの本の新たな世界を創りだす仕事の一旦を担ってもいた。それは子どもたち自身の途方もない世界に近い世界であり、豊かなデザインや、進歩した印刷やカラー製版の技術の成果に満ち満ちた世界だった。そして60年代に入ると、わたしは創作活動の新たな第一歩を踏みだした。きみもそうだったに違いない。19世紀的な子どもの本の世界、束縛だらけでがんじがらめの世界は、もう過去の話になっていた。われわれは自由の身となってスタートを切り、走り続けた。 バーニンガムは、トレイラーハウスで暮らしていた子ども時代から、豊富な写真と共に、学生時代のポートフォリオや自画像も紹介する。妻のヘレン・オクセンバリーとの写真も多い。ふたりは中央美術工芸学校在学中に知り合ったので、学生時代からの写真が残されているのだ。画家として活動しはじめた初期の頃に作成したポスターもまたすばらしい美しさで目を奪われる。しかし、ポスターを制作し続けるよりも、イラストレーターとして仕事がしたかったバーニンガムは雑誌社や出版社を熱心にまわり、自分で物語も絵もつける絵本を造ろうと決意した。それでできあがったのが、『ボルカ はねなしガチョウのぼうけん』だ。この絵本はケイト・グリーナウェイ賞を受賞する。それから次々作成していった絵本についても、制作裏話がたっぷり描かれ、画家の軌跡を追うのにこれほどワクワクするものはない。 本書は「パート1終わり 続く……」となっている。パート2も多いに期待したい。 ジョン・バーニンガム John Burningham 1936年イギリスのサリー州に生まれる。若いころは、兵役を拒否し、さまざまな仕事をしながら世界中をまわった。その後、ロンドンにある美術学校に通いながらイラストの勉強をし、ポスターなどを描いていたが、はじめて手がけた絵本『ボルカ はねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、絵本作家として鮮烈にデビューした。その後、『ガンピーさんのふなあそび』で再度受賞し、この賞を2度受賞したはじめてのイラストレーターとなる。『ガンピーさんのドライブ』『おじいちゃん』『ねんころりん』『旅するベッド』『エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』など多数の作品を発表しており、いま、世界で最も注目されている絵本作家のひとり。
|
2007年4月刊行
たまごはおとなしい……あたりまえ? 命がはぐくまれているたまごの中はきっといそがしいけれど、表面上は静か。 たまごはいろとりどり……絵を見てわぁっと声が出る。オレンジもあれば、赤もあり、画家が彩色したようなカラフルなたまごも。 かたちもいろいろ……ふくろのようなたまごもあるなんて! このふくろのようなたまごには、なんとまきひげもついているんですよ! たまごはかしこい……たまごの擬態のようすをみていると、ほんとにどこにたまごがあるのやら。 こんな感じで、たまごのはなしは、たまごのイロイロを教えてくれます。親しみやすい手書き文字で、たまごについてシンプルに説明されているのを見ていると、たまごのもつ命に思いを馳せるでしょう。 生き物の智恵や不思議をたまごから見つめる絵本。オススメです。 ダイアナ・アストン Dianna Aston アメリカのテキサス生まれ。大学ではジャーナリズムを専攻。2人目の子どもが生まれた1996年から子どもの本を書きはじめた。裏庭で過ごすのが大好きで、葉っぱの裏をのぞき、木の枝を観察し、堆肥をひっくり返しては卵がないかと探している。ときには夫や2人の子ども、ペットたちの手まで借りることもある。現在はテキサス州に家族とともに住んでいる。
|
2006年10月刊行
|
2006年9月刊行
ちいさなもみのきが、町の丘の上にはえていました。 ちいさなもみのきは、いつか大きなもみの木がはえている丘に暮らしたいと夢みていました。 ある日、男の人がもみのきを何本も切り、町に売りに行きました。 ちいさなもみのきもそのうちの一本でした。 なかなか売り手が見つかりませんでしたが、最後の最後にちいさなおじいさんとおばあさんの家に売られていきました。そして……。 ちいさなもみのきの願い、ちいさな老夫婦の願い、クリスマスは奇跡のおこるとき。 彼らには何が贈られたでしょう。 大きさも小さい絵本ですが、大きなあったかさがつまっています。 【作】ファビエンヌ・ムニエ Fabienne Mounier
|
2001年の新刊紹介
|
株式会社 ほるぷ出版
〒113-0033 東京都文京区本郷3-2-6
TEL 03-5684-8871
Copyright (C) 1999-2008 HOLP SHUPPAN. Publishers.
Last Modified: 2008/01/09
HTML編集: 出版翻訳ネットワーク・やまねこ翻訳クラブ/さかな