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2017年3月号
   =====☆                    ☆=====
  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
   =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====
                                No.176
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児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2017年3月15日発行 配信数 2580 無料
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●2017年3月号もくじ●
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◎プロに訊く:第37回 西本かおるさん(翻訳家)
◎プロに訊く連動レビュー:『レイン 雨を抱きしめて』
                    アン・M・マーティン作/西本かおる訳
◎賞速報
◎イベント速報
◎やまねこカフェ:第12回 国内レポート 東京(青山)
◎お菓子の旅:第67回 フランス生まれニューオーリンズ育ち 〜プラリーヌ〜
◎読者の広場

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●プロに訊く●第37回 西本かおるさん(翻訳家)
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 今回ご登場いただくのは、2014年のやまねこ賞読み物部門大賞に輝いた『ルーシー
変奏曲』(サラ・ザール作/小学館)の翻訳者である、西本かおるさんです。翻訳者
になるまでの経緯から、実際の翻訳作業、手掛けられた作品にまつわるエピソードま
で、貴重なお話をたくさんお聞かせいただきました。ご多忙な中、快くインタビュー
をお受けくださった西本さんに、心から感謝いたします。

【西本かおる(にしもと かおる)さん】
+――――――――――――――――――――――――――――――――――――+
|東京外国語大学フランス語学科卒。2002年、『アリスの眠り』(マギー・オファ|
|ーレル作/世界文化社)で翻訳家デビュー。絵本、児童書から一般書まで、幅広|
|く翻訳を手掛ける。訳書に、『バレエものがたり』(スザンナ・デイヴィッドソ|
|ン、ケイティ・デインズ再話/アリーダ・マッサーリ絵/小学館)、『賢者の贈|
|りもの(オー・ヘンリー作/ポプラ社)など。最新刊は『骨董通りの幽霊省』 |
|(アレックス・シアラー作/金原瑞人共訳/竹書房)。東京都在住。     |
+――――――――――――――――――――――――――――――――――――+

【西本かおるさん訳書リスト】
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/knishimo.htm

【西本かおるさんインタビュー ロングバージョン】(3月16日公開予定)
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/knishimo.htm

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Q★子どものころはどのような本がお好きでしたか? また、強く印象に残っている
作品があれば教えてください。

A☆子どものころ、福音館書店の「こどものとも」を10年ほど定期購読していて、な
にかと影響を受けたと感じています。バックナンバーを調べたら、2歳の年の配本で
もよく覚えている作品がいくつもありました。特に好きだったのが、スロバキア民話
の『12のつきのおくりもの』(内田莉莎子再話/丸木俊絵/福音館書店)。最近図書
館で見つけて、懐かしくて涙が出そうになりました。ストーリーも好きでしたが、色
彩がとてもきれいなんです。これが、最初に好きになった外国の物語ということにな
ると思います。

Q★英語に興味をもったきっかけ、翻訳者になろうと思われたきっかけは何ですか?

A☆小学校のころ、外国の物語を読むのが好きで、英語にあこがれがありました。中
学、高校のころは英語が得意科目で、文章を書くのも得意だったので、翻訳の仕事が
向いているかもしれないと思ったこともあります。大学卒業後は商社に就職し、主に
アメリカの取引先とのコミュニケーションを担当して、毎日英語に触れていました。
社内で契約書、技術文書などの翻訳も手掛けました。8年勤めたのち独立し、フリー
ランスで3年ほど実務翻訳をしていましたが、専門的な文書よりもっとおもしろいも
のを訳したくて、文芸翻訳をやりたいと思うようになりました。

Q★文芸翻訳の勉強はどのようにされたのですか?

A☆当初から児童文学、YAを訳したいと思っていたので、翻訳家の金原瑞人先生の
講座を1年間受講しました。講座では月2回の翻訳の課題と、月1回のシノプシスの
課題があり、文芸翻訳の基本を学びました。その後は、リーディング、原文との突き
合わせ、下訳などをして、経験を積みました。

Q★翻訳者デビューのきっかけについて教えてください。

A☆講座で、提供された原書の中から1冊選び、シノプシスを作成する課題がありま
した。そのシノプシスを知り合いの編集者を通じて出版社に持ち込んだのがきっかけ
です。これが『アリスの眠り』で、デビュー作となりました。

Q★児童書の翻訳で、特に気をつけているのは、どういったことでしょうか?

A☆中1のころ、課題図書だった1冊の本が読みにくかったのがきっかけで、本が嫌
いになってしまいました。それまでは読書が好きで、どんな本でもすいすい読んでい
たので、戸惑いが大きくて、その本を途中でやめてほかの本を読めばいいと気づかな
かったんだと思います。それで中学時代はほとんど本を読みませんでした。実際に同
じような経験をする子どもも多いと思うので、貴重な経験をしたのかもしれません。
そんなことから、自分の訳した本がきっかけで子どもたちが本嫌いにならないように
したいと思っています。原書は難しくないのに訳書が難しくなっていたら、それは翻
訳者の責任ですよね。読みやすければいいというものでもないので、なかなか難しい
ですけど。

Q★これまでに出版された本は、持ち込みと、出版社からの依頼と、どちらが多いで
すか?

A☆持ち込みで本になったのは、デビュー作『アリスの眠り』と昨年秋に出た『レイ
ン 雨を抱きしめて』(アン・M・マーティン作/小峰書店 ※本誌今月号「プロに
訊く連動レビュー」を参照のこと)の2冊です。編集者からの依頼で訳すことが多か
ったのですが、2年前くらいからもっと自分でも本を選んで持ち込もうと思うように
なり、サンフランシスコに本探しの旅に行きました。そのときに出会った本の訳書が、
今年刊行される予定です。

Q★西本さんが訳された『ルーシー変奏曲』は、2014年のやまねこ賞で読み物部門の
大賞を受賞しました。この作品の翻訳についてエピソードなどありましたら教えてく
ださい。

A☆この作品はリーディングがきっかけです。訳す際には長くやっていたピアノの経
験が役立ちました。得意なもの、身近なものは、自然に訳文が浮かんでくるんですよ
ね。作中に細かい描写が出てくるサンフランシスコの街は、訳した当時あまり詳しく
なくて、Google マップのストリートビューを利用して調べました。後に訪れて街歩
きをした時、なるほどと納得しました。また、やまねこ賞をいただいたこともうれし
かったのですが、第26回(2014年度)読書感想画中央コンクール(公式ウェブサイト
http://www.dokusyokansoubun.jp/kansouga/ )の課題図書に選ばれて、訳者として
授賞式に招かれたのもうれしいできごとでした。入賞した3人の学生さんに会い、こ
の物語のイメージがちりばめられた素晴らしい作品に触れて、とても感動しました。
優秀賞に輝いた絵はカレンダーになっていて、今も机のそばに貼ってあります。

Q★『レイン 雨を抱きしめて』について伺います。はじめに、持ち込みの経緯をお
聞かせください。

A☆原書を読んでいる最中からぐいぐい引き込まれ、夢中になりました。持ち込みし
たいと強く感じた、思い入れのある作品です。読んでいて主人公の淡々とした語り口
が自然と入ってくるような感覚で、情景が浮かびました。出版社に持ち込んだ当日に、
編集者から前向きな返事をいただきました。

Q★本作はアスペルガー症候群の少女の一人称で綴られ、文体に特徴があります。そ
の語り口について、訳す上で工夫されたことや、苦労されたことはありますか?

A☆原文が読みやすく、シンプルだったので、感じたままに訳し、それほど苦労する
ことはなかったです。語り口についてはあまり意識しませんでした。ただ、主人公の
ローズはおしゃべりでお転婆な女の子ではないため、口調が弾んだ感じにはならない
ように気をつけました。

Q★この作品を訳すにあたって、アスペルガー症候群についての調査はどのようにな
さったのでしょうか?

A☆アスペルガー症候群といっても症状はひとりひとり違うので、あえて一般的な傾
向を把握する程度にとどめました。原文でわかりやすく書かれているので、それをそ
のまま訳しました。コミュニケーションの難しさ、自分のこだわりと周囲との折り合
いのつけ方などは、障害のあるなしにかかわらず、誰でも抱えている普遍的な問題だ
と思います。

Q★作中に同音異義語がたくさん出てきますが、翻訳する上で難しかったこと、工夫
されたことを教えてください。

A☆同音異義語が好きなのはローズの特徴ですが、アルファベットを縦書きで載せる
のはやめようと決めたので、難しい言葉やなじみのない言葉など、省略したり、変え
たりしたところもあります。同音異義語を減らす代わりに、ローズが同じように興味
を持っている素数に置き換えることもしました。

Q★犬を飼っていらっしゃるそうですが、犬のレインの描写など、翻訳で役立ったこ
となどはありますか?

A☆犬が好きだからこそ、自然に行間を読み取れるようなところはありました。犬好
きな人が読んだ時、原文と同じレベルでそれが伝わる訳文にしたいと思いました。

Q★何か作品に対する反響はありましたか?

A☆出版後、自閉症のご家族を持つ知り合いに本をお渡ししたところ、とてもリアル
で、フィクションだということを忘れて読みましたというご感想をいただいて、感激
しました。

Q★今後の出版予定について教えてください。

A☆昨年末に刊行された『骨董通りの幽霊省』に続き、アレックス・シアラーの作品
が6月に求龍堂から金原先生との共訳で刊行される予定です。父親を海で亡くした少
年の成長と癒しの物語で、仮題は『海とぼくとガラスの封筒』。刊行前に作品のパイ
ロット版(試作版)を配って読者の意見をきくことになっていて、その反響によって
は邦題が変わるかもしれません。その他に2冊の刊行がほぼ決まっています。うち1
冊は、サンフランシスコの本探しの旅で見つけた作品で、犬が主人公の児童書です。

Q★今後やってみたいことや、訳してみたい作品についてお聞かせください。

A☆犬やピアノに関わる本など、得意な分野の本、自分に向いている本を訳したいで
すね。翻訳家としてめざしているのは、翻訳ものだと意識せずに読めるような、訳者
の存在を感じさせないような訳です。作品のなかでは、なるべく目立たない、黒子の
ような存在でいたいと思っています。

Q★最後に、児童文学の翻訳学習者へのアドバイスをお願いします。

A☆子どものころから本が大好きだった方が多いと思いますが、1冊の本がきっかけ
で本嫌いになったり、翻訳ものに苦手意識を持ったりする子もいることを知ってほし
いと思います。訳文に関していえば、特に初心者の場合、見直すと余分な言葉が見つ
かることが多いので、いらない言葉はないかという視点で訳文を見るのがおすすめで
す。また、文法に忠実であることは大切です。難しいと感じたところは、文法的に読
み取れていない場合が多いんですよね。受験英語も役に立つことがあると感じていま
す。文法が弱いと思ったら、文法の勉強をやり直すのが早道かもしれません。

 *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***

 ひとつひとつの質問に、穏やかな口調で、ていねいに答えてくださった西本さん。
「1冊の本がきっかけで本嫌いになることもある」という言葉にはドキッとしながら、
背筋が伸びる思いでした。作品や作者に対してはもちろん、その本を手に取る読者に
対して誠実に向き合うとはどういうことなのか。インタビューを通じ、翻訳者として
大切な姿勢を教えていただいたように思います。

                           (取材・文/平野麻紗)

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●プロに訊く連動レビュー●レインが教えてくれたこと
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『レイン 雨を抱きしめて』 アン・M・マーティン作/西本かおる訳
小峰書店 定価1,500円(本体) 2016.10 233ページ ISBN 978-4338287111
"Rain Reign" by Ann M. Martin
Feiwel & Friends, 2014
Amazon で検索する:書名と作者名   Amazonで検索する:ISBN
★2015年シュナイダー・ファミリーブック賞 Middle School 部門受賞作品

 嵐を予感させる真っ暗な空を背景に、やわらかなタッチで描かれた少女と犬。表紙
から、かすかに触れ合う背中のぬくもりが伝わってくる。少女の名はローズ。ニュー
ヨーク州の小さな町に父親とふたりで暮らしている。アスペルガー症候群と診断され、
もうすぐ12歳だが5年生のクラスにいる。犬の名はレイン。雨の日に拾われてきたか
らだ。ローズ式に紹介すると、「雨」を意味するレインは、「手綱」と「支配する」
の意味の同音異義語を持つ特別な名前だ。
 主人公のローズは同音異義語や素数、ルールが大好き。しかし、そのこだわりのせ
いでクラスメートと会話がかみ合わず、学校では問題ばかり起こしてしまう。父親は
毎日の生活に精一杯で、ありのままのローズを受け止める余裕がない。ぎくしゃくし
がちな父娘をサポートし、優しく見守ってくれているのがウェルドンおじさんだ。父
親の弟にあたり、ローズにとっては気兼ねなく同音異義語の話ができる唯一の存在で
もある。そして、いつもひとりぼっちのローズにそっと寄り添ってくれるのがレイン
だ。そんなある日、観測史上最大のハリケーンが町を襲った。近くの橋が濁流に飲ま
れ、ローズの家は完全に孤立し、レインは行方不明になってしまう。ローズは自分の
力でレインをさがす決心をする。次から次へと保護施設に電話をかけ、週末はおじさ
んの車で保護施設をめぐり、必死にレインをさがし回るが……。
 物語は主人公ローズの一人称で淡々と語られる。「ふつう」に振る舞おうと努力し
ているのに、ことあるごとにまわりと摩擦を起こしてしまうジレンマ。教室に紛れ込
んできたレインをきっかけに、友だちと話が弾んだときの喜び。身の回りの出来事を、
日付や時間といった具体的な数字を交え、忠実に再現するような独特の語りに最初は
戸惑うかもしれない。しかし、ごまかしのない言葉はまっすぐ心の奥に届き、いつの
間にかローズの世界に引き込まれていく。いつも一緒だったレインがいなくなり、初
めて「さびしい」という言葉の意味を実感する場面はあまりにも切なく、レインのた
めに外の世界へと足を踏み出していくローズを応援せずにはいられない。自分の思い
を相手に伝えること、相手の気持ちを思いやることを学び、成長していく力強い姿に
胸が熱くなった。

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【作】アン・M・マーティン(Ann M. Martin):米国ニュージャージー州生まれ。
スミス・カレッジを卒業後、教師や編集者を経て作家になる。テレビドラマ化された
"The Baby-Sitters Club" シリーズをはじめ、これまでに100冊近い作品を書いてい
る。邦訳に『宇宙のかたすみ』(金原瑞人・中村浩美訳/アンドリュース・プレス)、
「アナベル・ドール」シリーズ(ローラ・ゴドウィン共著/三原泉訳/偕成社)など
がある。

【訳】西本かおる(にしもと かおる):本誌今月号「プロに訊く」参照。

【参考】
▼アン・M・マーティン紹介ページ(Scholastic ウェブサイト内)
http://www.scholastic.com/annmartin/

                               (手嶋由美子)

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●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2017年カーネギー賞ロングリスト発表
★2017年ケイト・グリーナウェイ賞ロングリスト発表
(カーネギー賞およびケイト・グリーナウェイ賞ショートリストの発表は3月16日、
                      受賞作品の発表は6月19日の予定)
★2016年アガサ賞児童書及びヤングアダルト部門候補作品発表
                     (受賞作品の発表は4月29日の予定)
★2016年度アンドレ・ノートン賞最終候補作品発表
                     (受賞作品の発表は5月20日の予定)
★2017年ボローニャ・ラガッツィ賞発表
★2017年チルドレンズ・ブック賞ショートリスト発表
                     (受賞作品の発表は6月10日の予定)

 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を
ご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

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●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 軽井沢絵本の森美術館
  「ふしぎの国のアリス展〜画家たちが織りなす多彩な世界〜」
 高畠華宵大正ロマン館
  「オリエンタル・ファンタジー展〜華宵とアラビアン・ナイトの物語〜」 など

★講座・講演会情報
 朝日カルチャーセンター新宿校
  「これが翻訳家の条件だ 西崎憲と三辺律子はこう考える」
 世田谷美術館 開催記念講演会
  「エリック・カール〜その人生と受け継がれていくもの〜」(仮) など

★イベント情報
 Jテラスカフェ(岡山大学 津島キャンパス内)
  第2回瀬戸内ブッククルーズ「小さな春の本めぐり」 など

 詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、
空席状況については各自ご確認願います。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                          (山本真奈美/冬木恵子)

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●やまねこカフェ●第12回 国内レポート 東京(青山)
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   〜トークイベント「Wonder 3:イコと二人の編集者
             『トンネルの森 1945』から見えるもの」〜

 2017年2月2日、外苑前駅から徒歩数分、大通りから少し離れた隠れ家的なカフェ
「GLOCAL CAFE」で、角野栄子さんが2015年に発表した『トンネルの森 1945』
(角川書店)をめぐるトークイベントが行われた。本作は、太平洋戦争のさなかに、
継母と生まれたばかりの弟と共に千葉の田舎に疎開する少女イコの不思議な体験と成
長を描いた物語である。
 店内に入り奥へ進んでいくと、鮮やかなサーモンピンクのワンピースを身にまとい、
朱色のふちの眼鏡をかけ、真っ赤なリップをひいた角野栄子さんの姿があった。角野
さんは、児童文学のノーベル賞とも呼ばれる「国際アンデルセン賞」の2018年の作家
賞候補に選ばれている。その選考に向けた資料作りに大きく貢献したのが、今回の
「二人の編集者」――元小学館編集者で児童文学評論家の野上暁さんと、金子みすゞ
の生涯と詩を英語で紹介した絵本 "Are You an Echo?" の著者であり、現在アメリカ
で出版の仕事をしているデーヴィッド・ジェイコブソンさんである。
『トンネルの森 1945』をめぐる鼎談は、選考資料のひとつとして本作の推薦文
を執筆したジェイコブソンさんの感想から始まった。

〜目を1ミリよけいに開けば見える世界〜

【ジェイコブソンさん】(以下【ジェ】)英語で読むことができる日本の戦時中の物
語というと、広島・長崎の原爆やアメリカにおける日系人の強制収容所をテーマにし
たものが多いのですが、この『トンネルの森 1945』は、ふつうの日本人の日常
を描いているという点で、とても新鮮に感じました。
【角野さん】(以下【角】)この作品の8割は、わたしの実体験に基づいています。
幼いころに母を亡くし、父は再婚後まもなく出征。継母は、いわゆる昔話に出てくる
ようないじわるではありませんでしたが、なかなかなじめませんでした。そこに戦争
による食糧難という問題が加わり、母親は愛情というより責任で子どものおなかを満
たす、というところがありましたね。子どもはそれを敏感に察して遠慮するんです。
物語に出てくるトンネルの森――両側から木がかぶさるようにしげっている森の中の
トンネル――は、疎開先に実際にあったもので、学校に行くときに通らなくてはなり
ませんでした。本当に怖かったんです。戦争が終わって15年くらいしてから、再訪す
る機会があったのですが、大人が見ると、なんてことはないトンネルでしてね。子ど
もというのは、大人にはできない「ものの見方」をします。豊かな想像力が加わるん
です。そのときに抱いた感情が、目の前の風景を変えるんですね。
【野上さん】(以下【野】)子どものときの森の怖さというのが、よく伝わってくる
よね。角野さんの作品は、ブラジルへの移住、亡き母との思い出、娘さんとの関係な
ど、ご自分の体験がベースになっているものが多い。『魔女の宅急便』(福音館書店
/角川書店)にしても、ちょうど娘さんが育ってきているときに書かれたものだよね。
ファンタジーなんだけど、皮膚感覚で感じるような具体的な体験が盛り込まれている
ところが、角野作品の特徴じゃないかな。
【角】わたしの書くファンタジーは、日常に近いところにある不思議なのね。目を1
ミリよけいに開いたときに見える世界。ものすごく大がかりな魔法や、正義の戦いに
は、あまり興味がないんです。たとえば、アラジンのお話では、魔人が大層な願いを
次々とかなえますけれど、幼いころ、あの話を聞いて「うそっぱち」と思いましたね。
わたしはあくまでも、日常の中にある人間の心の不思議が見る風景を書きたいと思っ
ています。

〜自然にあらがうか、折り合いをつけるか――「壁族」と「柱族」〜

【ジェ】「指輪物語」も「ナルニア国物語」も、自分の住んでいる世界からまったく
違う世界に逃げる物語です。「ハリー・ポッター」も、現実と非現実の世界は、完全
に切り離されています。でも、たとえば角野さんの『魔女の宅急便』は、魔女のキキ
がいかに人間社会に溶け込んでいくかという話です。現実と非現実の境界線が曖昧だ
と感じました。
【野】日本人は、日常と非日常の隔壁、あるいは現実と非現実の隔壁が薄いんだよね。
それは、まさに角野さんの作品にも感じることです。障子紙にちょっと穴を開ければ、
別の世界が見えてくる。これは、ガラスで仕切る欧米にはできない。
【角】そう、境界線が薄いの。「壁族」「柱族」という考え方があるんですけど、伝
統的な日本家屋は、まず柱をたてて、屋根をのせ、それから壁を作るのね。で、壁を
開けると、もう庭と一体なんです。外からは鳥の声が聞こえるし、風だけじゃなく虫
も入ってくる。内を作ると同時に、外を作っていく感じね。でも、たとえば、2年暮
らしたブラジルや訪れたほかの国々では、まず壁をたてます。外から守るように家を
作っていくんです。
【ジェ】そういえば、主人公のイコは、トンネルの森を通り抜けるとき、「イコがと
おりまーす」と声に出していいます。怖いはずの森と仲良くなることで、恐怖を消そ
うとするんです。アメリカでは、恐怖の対象には「立ち向かう」ものですから、この
考え方には驚かされました。
【野】日本には美しい四季があって、自然の恩恵を存分に得ているから、自然はあら
がうものではなく仲良く付き合っていくものなんだね。「八百万の神」という言葉が
あるように、日本にはいたるところに神がいるでしょう。妖怪だって神様なんです。
ちゃんと奉られなかったから、恨んでいたずらするんですよ。物にだって命があると
いう考えもあって、針供養はそのいい例だね。使い古した物には感謝して捨てないと、
化けて出てくるから。
【角】『魔女の宅急便』のキキは物を運ぶ仕事をしますが、物といっしょに思いも運
んでいるんですよ。物の思い、頼んだ人の思い、届ける人の思い、そして、受け取る
人の思い……。
【ジェ】使い古した靴下を捨てるときに「ありがとう」と感謝する文化は、アメリカ
にはありません。物や自然に対する思いやりといえば、金子みすゞの詩にも同じもの
を感じました。たとえば「鯨法会」は、捕鯨によってお母さんを亡くした鯨の子に思
いをはせた詩です。鯨の子が、村の漁師たちによる弔いの鐘の音を聞いて涙を流しま
す。

〜魔女のルーツとイメージ〜

【角】魔女といえば西洋というイメージがあるかもしれませんが、調べてみると、案
外日本的なんですよ。ローマなどの町は城壁で囲まれていて、内と外がはっきりと分
けられていますが、魔女は、その壁つまり境界線の上にいて自由に行き来していたと
いわれています。これは、柱族の考えとよく似ていませんか? また、魔女のルーツ
についてですが、「母」から始まっているとわたしは思っているんです。ある母親が
薬草で作ったお茶がおいしいと評判になり、お茶ついでに悩みの相談が始まる。それ
から、お産も手伝うようになる。こんなふうに、もともとは母親だった人が、スペシ
ャリストになっていき、不思議な力を持った魔女だと考えられるようになったのでは
ないか、と。そうそう、わたしは、マトゥラグーナという薬草を取りにルーマニアま
で行ったことがあるんですよ。このときの話は、『魔女に会った』(福音館書店)と
いう本に詳しく書いてあります。ところで、『魔女の宅急便』の英語版を出すとき、
はじめの題名は "Witch's Delivery Service" だったんです。でも、witch という言
葉は少し差し障りがあるということで、"Kiki's Delivery Service" になった、とい
う経緯があるのだけど……。
【ジェ】アメリカにおける魔女のイメージは、1600年代のピューリタンの入植と大き
く関係していると思います。彼らは、自分たちの共同体を守るため、異端者を魔女と
して追い出す必要がありました。魔女は怖いもの、という考えが根強いんですね。た
だし、「ハリー・ポッター」の登場によって、それも多少変わってきたような気がし
ますが。
【野】日本では、「奥さまは魔女」のようなアメリカのテレビドラマがきっかけで、
魔女が日本の家庭に浸透したんだよね。それから「魔法使いサリー」や「魔女っ子メ
グちゃん」などが出てくる。
【角】ドイツのお祭りには、季節や新しい年を運んでくる存在として、原始的な魔女
の姿が残っているんですよ。たとえば春を運んでくるお祭りで、たき火がたかれるん
ですけれど、その上を魔女が飛ぶんです。
【野】日本でも、季節の変わり目に鬼が出てくるよね。節分なんかはいい例だ。
【角】魔女はほうきに乗りますが、ほうきには災いをはらうという意味があります。
日本にもほうきの神様がいて、お産の神様なんですね。ほうきで妊婦のおなかをはら
うと、災いをはらえると信じられているわけです。世界のどこに住んでいても人間と
いうものは、不安をなくして幸せになりたいという気持ちが根底にあるんでしょうね。

〜『トンネルの森 1945』の脱走兵の正体〜

 主人公の少女イコは、学校の行き帰りに通るトンネルの森で、そこに1年以上前に
逃げ込んだといわれる脱走兵の気配を感じる。はたして脱走兵は、今も森で生き延び
ているのか、それともイコの心が見たまぼろしなのか――。

【ジェ】『トンネルの森』を読んで難しかったのは、脱走兵は本当にいたのか、いな
かったのかということです。
【角】それに答えてしまったら、身もふたもないじゃない(笑)。どっちにも取れるよ
うに書いたつもりです。この脱走兵は、全国民が戦争という同じ方向を向いていると
きに、自分だけ違う道を選びます。自由になるというのは、孤独を覚悟するというこ
とです。イコは脱走兵を軽蔑している一方で、心のよりどころにもしているんですね。
【野】本当にいたかいないか、曖昧なところがいいんだよね。
【角】この作品を書くにあたって、自分の主義ははっきりしていたのだけれど、それ
を読者に押しつけたくはなかったの。「トンネルの森」を「死者の森」にしようか、
などということも考えました。でも、イコの気持ちに寄り添いながら、自分の心に正
直に書いていった結果、こういうものに仕上がったのね。どの作品についてもそうで
すけど、わたしは書くのは大好きなんですが、自分の作品を解説するのはとても苦手
なんです。解釈は、読者たちにゆだねています。

〜最後に〜

 今回のトークイベントで強く印象に残ったのは、「魔女」や「魔法」、「自然」と
いったキーワードを元に日本やアメリカ、他国の文化をひもとき比較すると、その国
独特の文化とともに、根底にある人類共通の意識のようなものがくっきりと浮かびあ
がることだ。そして、この「違いを学びつつ共感する」という体験を子どもたちに与
えるのに、海外の児童文学ほどうってつけのものはないのではないだろうか。
 わたしたちやまねこ翻訳クラブは、まさに海外の児童文学を紹介するネット上のク
ラブである。そう考えると、当クラブの存在意義が保証されたと感じた鼎談でもあっ
た。
 最後に、質疑応答のコーナーより、心に残った言葉をご紹介して、このレポートを
終えたい。

【角】好まれるものを選んで訳すのではなく、自分が好きなものを訳すのがいいと思
いますよ。
【野】日本の児童書のバリエーションは世界に誇れる。欧米で日本の作品をもっと読
んでもらいたい。
【ジェ】"Are You an Echo?" では、金子みすゞの詩の持つ普遍性を文で伝えつつ、
日本独特の文化を絵で紹介しました。このように、アメリカとの相違点と類似点の両
方を持っている日本の作品を探していきたいです。

                                (相良倫子)

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●お菓子の旅●第67回 フランス生まれニューオーリンズ育ち 〜プラリーヌ〜
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My mother came upstairs first. She handed me a small box with see-through
plastic on top.
  I brought you your favorite. Praline with pecans.
                 "Paperboy" by Vince Vawter
                           A Yearling Book(2014)
                 『ペーパーボーイ』 ヴィンス・ヴォーター作
                         原田勝訳/岩波書店/2016年
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 お父さんと二人でニューオーリンズに行っていたお母さんが、お土産にピーカンナ
ッツ入りのプラリーヌを買ってきてくれました。「大好物を買ってきたわ」と言って、
主人公に渡そうとするのが引用部分です。
 プラリーヌはアーモンドにシロップをからめて作る糖菓の一種で、17世紀フランス、
ルイ13世の治世で権力を誇っていたプレシ=プララン伯爵のお抱え料理人が考案し、
主人である伯爵の名からその名がつけられたと言われています。プラリネと混同され
がちですが、プラリネはアーモンドなどをキャラメルでコーティングして細かく砕い
たもの、もしくはそれをペースト状にしたもので、プラリーヌとは違います。
 フランスで生まれたプラリーヌがアメリカに伝わったのは、18世紀の初めのこと。
当時フランス植民地だったニューオーリンズで、入植者の花嫁となるべく本国から渡
ってきた娘たちが、花嫁修業の一環としてプラリーヌの作り方を教わったのです。年
月とともに、アーモンドの代わりにアメリカで豊富に採れるピーカンナッツが使われ
るようになり、砂糖たっぷりのクリーミーなキャンディーへと変わっていきました。
ピーカンナッツのプラリーヌはニューオーリンズ一帯に広まり、今ではすっかり名物
になっています。
 実は、主人公はプラリーヌが好きではありません。その理由は想像するしかありま
せんが、ニューオーリンズ風のプラリーヌを作って食べてみれば、少しは気持ちがわ
かるかも? 吹きこぼれないよう、鍋は大きめのものを使ってください。

*-* ニューオーリンズ風プラリーヌの作り方 *-*
                    画像はこちら(やまねこ翻訳クラブ喫茶室)

材料(直径3cm程度のアルミカップ約30個分)
 グラニュー糖        200g    食塩不使用バター     55g
 きび砂糖          210g    バニラエッセンス     小さじ1/2
 エバミルク         120cc    ピーカンナッツ      165g

1.150度に予熱したオーブンでピーカンナッツを10〜15分程度焼いておく。溶けや
  すくするため、バターは冷蔵庫から出して小さく切っておく。アルミカップを並
  べておく。
2.グラニュー糖、きび砂糖、エバミルクを鍋に入れて中火にかける。木べらでかき
  まぜ、砂糖がとけたら、温度計を差し込み、115度になるまでかきまぜ続ける。
3.115度になったら火からおろし、バターを加え、かきまぜずに1分間待つ。
4.1分たったら、ピーカンナッツとバニラエッセンスを入れ、手早くかきまぜる。
  固まり始めたら、すぐに手を止める。
5.ティースプーンでアルミカップに入れ、冷めるまで放置する。

★参考図書・ウェブサイト
『お菓子の由来物語』(猫井登著/幻冬舎)
【とっておきのヨーロッパだより】シンプルだけど奥が深い菓子 プラリーヌ
(辻調グループ 総合情報サイト 「食」のコラム&レシピより)
http://www.tsujicho.com/column/cat/post-423.html
Southern Candymakers
https://www.southerncandymakers.com
プラリーヌ紹介ページ(The Spruce - Make Your Best Home ウェブサイト内)
https://www.thespruce.com/praline-recipes-521184

お菓子の話題は喫茶室掲示板へどうぞ。
★「やまねこ翻訳クラブ喫茶室掲示板」
        http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa

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っておりました。

誤:http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/thajiri.html
正:http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/thajiri.htm

羽尻利門さま、ならびに読者のみなさまに謹んでお詫び申し上げ、ここに訂正いたし
ます。

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●編集後記●年明けから、号外、増刊号、3月号と、休みなく編集作業が続いた怒涛
の3か月でした。無事に3月号もお届けすることができ、今は充実感と達成感でいっ
ぱいです。今年から編集人もひとり増え、あらたな気持で引き続きがんばっていきま
す。次号もどうぞご期待ください。(か)
 今年から編集人のひとりに加わりました。年明けからさまざまな企画が続き、活気
あふれる編集作業の場で充実した時間を過ごしています。これまでの伝統を受け継ぎ
つつ、最新の話題をお届けできるようがんばります。どうぞよろしくお願いいたしま
す。(ひ)
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