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2008年9月号
   =====☆                    ☆=====
  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
   =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====
         Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary
                                No.103
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児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2008年9月15日発行 配信数 2480 無料
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●2008年9月号もくじ●
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◎新人応援!:第6回 村上利佳さん
◎新人応援!連動レビュー:『気むずかしやの伯爵夫人』
                      サリー・ガードナー作/村上利佳訳
◎注目の本(邦訳読み物):『シルクの花』
                   キャロリン・マースデン作/代田亜香子訳
◎注目の本(未訳読み物):"Gatty's Tale"   ケビン・クロスリー=ホランド作
◎賞速報
◎イベント速報
◎お菓子の旅:第44回 さわやかな味が広がる素朴なおいしさ 〜シードケーキ〜
◎「月刊児童文学翻訳」100号記念「読者プレゼント」当選者決定!
◎読者の広場

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新人応援!●第6回 村上利佳さん
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 新人応援の第6回は、地方在住でありながら、ご自身の持ち込みで『気むずかしや
の伯爵夫人』(サリー・ガードナー作/偕成社)が出版に至り、現在続編の出版に向
けて準備が進んでいる、村上利佳さんです。
 村上さんはまた、やまねこ翻訳クラブ10周年記念絵本翻訳コンテストで最優秀賞に
輝き、その受賞作品も出版される予定です。日々まい進中の村上さんを、同じく地方
在住の会員と、児童文学翻訳者を目指す新人会員がインタビューしました。

【村上利佳(むらかみ・りか)さん】
+――――――――――――――――――――――――――――――――――――+
|南山大学外国語学部英米科卒。商事会社勤務、結婚を経て、本格的に翻訳の勉強|
|を開始。やまねこ翻訳クラブ会員、現在はスタッフとして活動中。訳書に『気む|
|ずかしやの伯爵夫人』、『フルハウス ステフ&ミシェル2 ステフの“ケータリ|
|ング大作戦”』(デブラ・N・スペレーゲン作/マッグガーデン)などがある。|
+――――――――――――――――――――――――――――――――――――+

Q★次々と出版のご予定、素晴らしいですね。まずは、初の単独訳書となった『気む
ずかしやの伯爵夫人』(以下『伯爵夫人』)出版の経緯を教えていただけますか。

A☆わたしは翻訳学校に通ったことも通信教育を受けたこともなく、持ち込み先にま
ったくあてはありませんでした。もともと持ち込みたかったのは別の本だったのです
が、その本の内容が偕成社に合っていると思い、トライしてみようと考えました。月
刊児童文学翻訳(以下、メルマガ)の「持ち込み対談」記事(※注)に、手紙や電話
でコンタクトを取ったとあったので、やまねこ翻訳クラブ(以下、やまねこ)のご縁
で知り合ったある翻訳家の方に「偕成社は手紙と電話のどちらがいいでしょうか」と
ご相談してみました。その方は偕成社から訳書を出していらっしゃったからです。す
ると、ご親切にも担当者をご紹介くださるという話になったのです。最初は固辞した
のですが、最終的にご好意に甘えて紹介していただきました。

Q★なるほど、ご紹介があったのですね。でも、ただ「知り合い」というだけでは紹
介はしてもらえないと思うのですが、その翻訳家の方に、村上さんのシノプシスや訳
文を見せていらしたのでしょうか?

A☆わたしの文章は、メルマガのレビューなどでご覧くださったことはあると思うの
ですが、訳文やシノプシスをお見せしたことはなかったです。ご紹介いただいた以上
は、その方の顔に泥を塗るわけにいかないので、緊張度が高まりました。よい結果が
出て本当によかったです。

Q★レビューで確かな文章力をご覧くださっていたということでしょうか。やまねこ
での活動がそういう形で認められるのはうれしいですね。では、そのやまねことの出
会いや、入会されてからの活動はどのようなものだったのでしょう。

A☆大学では英語を専攻し、翻訳の勉強もしていました。その後一般企業に就職した
のですが、結婚し、子どもが生まれて少し落ち着いたころに、翻訳の勉強を再開した
くなりました。当時たくさんあったコンテストに手当り次第に応募しましたが、まっ
たく結果が出ず、なにがどう悪いのかもわかりませんでした。そんな時、始めたばか
りのインターネットでやまねこをみつけ、早速入会したのです。絵本・児童書コンテ
スト事後勉強会に参加して、コメントをつけあったことで、目から鱗がボロボロ落ち
ました。それを機に、どんどん勉強会に参加しました。専業主婦だったわたしにとっ
て、やまねこは学費不要で勉強できる最適の場でした。それに、通信教育では添削が
かえってくるまでに時間がかかりますが、勉強会では翌日どころか数時間後にはびっ
しりコメントがついてきます。その後、メルマガで記事も書かせてもらうようになり、
そこでもさらに勉強できて、本当にやまねこの仲間には感謝しています。お金をかけ
なくてもやまねこで学べるという、生きた見本みたいなものでしょうか(笑)。

Q★勉強会をフルに活用すれば、結果はついてくるという希望がわきますね。では、
出版が決定した後、地方在住で困ったことはありませんでしたか?

A☆困ったことはまったくなかったですね。出版までのやりとりは、すべてメールと
電話と郵送ですませることができたので。今は本当に便利だと思います。ただ、最近
上京し、やはりお会いして直接話をしたほうが、表情や会話のトーンで細かいニュア
ンスも伝わるし、自分をしっかり覚えてももらえる、とは感じました。

Q★ところで、学習者の立場で考えると「持ち込みはまだまだ」という気持ちと「そ
ろそろトライしてみよう」という気持ちとの間には高い壁があるような気がしますが、
どんな状態になったときに最初の持ち込みを決断されたのですか?

A☆大きなきっかけは、やまねこの原書マラソンです。そのときまで「持ち込み」を
考えたことはありませんでしたが、マラソンで読んだ中で1冊、とてもいいなと思え
るものがあり、自分から動いてみようという気持ちが出てきたのです。ただし、それ
は、最初にお話ししたように『伯爵夫人』ではありません。『伯爵夫人』は、実はピ
ンチヒッターだったんです。
 わたしの場合、リーディングをはじめ翻訳関連の仕事をまったくしていなかったの
で、かえって「自分で動くしかない」というふんぎりがついたのではないでしょうか。
もし仕事をしていたら、「そのうち声をかけてもらえるかも」と思って行動に移さな
かったかもしれません。

Q★やまねこでの積極的な活動が引き金となったわけですね。お話に出てきた、『伯
爵夫人』が「ピンチヒッター」とはどういうことでしょうか?

A☆最初に持ち込もうと思った作品は、実はすでに偕成社で検討されていました。ご
あいさつのメールを送った段階でそのことがわかったのですが、それで終わりにせず、
なんとか紹介していただいたご縁を保ちたいと思いました。そこで手持ちの原書の中
からみつけたのが "The Countess's Calamity"、『伯爵夫人』でした。急いでシノプ
シスと試訳を作って連絡したところ、検討予定の本だったのですぐに見たいというお
返事がありました。そこでシノプシスと原書、3章分の試訳を送ったんです。こうし
て『伯爵夫人』は始まりました。

Q★勇気と積極性、そして、落ち込まずに次につなぐという気持ちの切り替えの早さ
も大切なのですね。では、なぜ『伯爵夫人』を選ばれたのでしょうか。また、どうい
う点をアピールポイントになさったのでしょうか。

A☆設定にひかれたからです。そして、それをアピールしました。人形が生きている
という設定自体は多いと思うのですが、肝心の人形同士が初対面というのがおもしろ
いと感じました。また、伯爵夫人のいかにも現実にいそうなキャラクター設定もいい
と思いました。そして、控えめで本来なら脇役で終わってしまいそうな別の人形が、
実はだれよりも大冒険をすることになる意外性、伯爵夫人の劇的な変身、そして最後
に救いのある展開も気に入りました。

Q★めでたく続編も出版の運びとなったわけですが、最初からシリーズであることを
強調して持ち込まれたのでしょうか?

A☆シノプシスには書きました。その後、シリーズとして企画を出したほうが通りや
すいという理由で、2巻のシノプシスも依頼されました。ただし、2巻の邦訳が出る
と決まったのは、1巻が出てからです。最初は出るかどうかわからないと言われてい
ました。1巻がそれなりに評価していただけたので、2巻が決まったんだと思います。

Q★持ち込むときのメールや電話はとても緊張すると思うのですが。

A☆そうですね。ある出版社に持ち込みができるかどうか問い合わせの電話をしたら、
「訳書をお持ちの先生ですか?」と聞かれてびっくりしたことがあります。今考えれ
ば訳書があるかというだけの意味だったのでしょうが、「先生」じゃないし、と内心
焦りました。また、持ち込みたいというお願いだけして、あとから履歴書を送ったと
ころ、「やまねこの方だったんですね」とメールをいただいたこともあります。出版
社の方と話をすると、こつこつと資料室やメルマガを続け、やまねこをここまでの存
在にされた先輩方の努力にあらためて敬服することが多いです。わたしもその名に恥
じないよう、また、その名を汚さないよう、修行を続けたいと思っています。

Q★『伯爵夫人』が出版されてから、偕成社さんとの関係はどういうふうに保ってこ
られましたか?

A☆この企画が動き始めた後、別の本のリーディングなど、特に仕事の依頼はありま
せんでした。自分の力不足なのかとも思いましたが、悩んでいても始まらないと、思
い切って「リーディングをさせてください」とメールしました。すると、依頼が来る
ようになったんです。やっぱり自分から言ってみるのが一番なのかもしれません。

Q★そういったところでも「勇気と積極性」というわけですね。ところで、日本語の
語彙(ごい)を豊かにするため、また、英語の読解力を維持・向上させるために、ふ
だんの生活の中で心がけていることはありますか?

A☆できるだけ本は読むようにしています。それと、なるべくやまねこと接している
ことでしょうか。掲示板への書き込みをはじめ、レビューや記事も書くように心がけ
ています。メールも含めて「見られている」という意識は常に持っています。やまね
このメンバーの水準はかなり高いので、そういう人たちとのやりとりで日本語の力が
向上するように思います。

Q★あれもこれも、すべてやまねこから始まっているのですね。では、今後の抱負、
目標、夢などを、ぜひお聞かせください。

A☆一番近い目標は「次の訳書を出すこと」です。コンテストの絵本と『伯爵夫人』
の続巻は決定していますが、「その次」を出したいという意味です。
 今後の抱負としては、とにかくコンスタントに原書を読みたいです。これについて
は、幸いリーディングをさせていただいているので、そこで修行を続けるつもりです。
 最終的な夢は「子どもたちにしっかりと覚えていてもらえるような文章で、児童書
を翻訳する」ということです。いつかかなうといいなあと思っています。

Q★最後に、地方在住で翻訳家を目指している方、持ち込みデビューを目指している
方、コンテストで優勝を目指している方、それぞれに向けて、おくりたい言葉、これ
だけは伝えたいということがありましたらぜひお願いします。

A☆地方在住は、ハンディキャップにはなりません。今の世の中、インターネットが
あれば地方も東京も海外も一緒だと思います。そういう意味ではパソコンが使えない
と困るとは思いますが、地方に住んでいて困ることはありません。
 持ち込みは確かに勇気が必要です。会ったこともない方にいきなり電話をして「わ
たしの話を聞いてください」と切り出すわけですから、勇気がいらないわけがありま
せん。でも、その勇気を持ってください。きっといつか道が開けると思います。
 コンテスト入賞を目指す方は、ぜひやまねこの勉強会に参加してください。そして、
いただいたコメントを目を皿のようにしてじっくり読み返してください。やまねこ仲
間のコメントほど役に立つものはありません。

 何をうかがっても「積極性」と「勇気」が感じられる村上さんのお話。主婦として、
母として、また仕事を持つ身としてもお忙しい中、オンラインの勉強会をフルに活用
して勉強を続けてこられた村上さんの姿勢は、「通う学校が近くにない」「通信教育
にお金をかけられない」と消極的になりがちな地方在住の会員に、「勇気」を与えて
くれます。
 今後ますますのご活躍が楽しみです。

                             (構成:冬木恵子)

(※注)やまねこ翻訳クラブ出身翻訳家対談「持ち込み」について
    月刊児童文学翻訳2003年4月号
    http://www.yamaneko.org/bookdb/int/vesbun.htm

【参考】
▼やまねこ翻訳クラブ 勉強会紹介記事
 通訳翻訳ジャーナル特別編集『[新版]あなたも出版翻訳家になれる』
                 イカロス出版 2008年9月9日発行
 ※当クラブのオンライン勉強会について、詳しくご紹介いただきました。
  通訳翻訳ジャーナルトップページ http://www.tsuhon.jp/
  なお、記事内容はこちらでご覧になれます。
  http://www.yamaneko.org/honyaku/jisseki/club_ikaros.htm

▽村上利佳さん訳書リスト(9月15日公開)
 http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/rmurakam.htm

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新人応援! ☆☆読後アンケート☆☆
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 みなさま、今回のインタビュー、楽しんでいただけましたか。
 本誌では、これからも「読者と翻訳に役立つ」記事を掲載していきたいと考えてい
ます。そのために、できるだけ多くの声をいただき、あなたの「ここが知りたい」を
今後の企画に役立てたいと思います。
 そこで今回は、インタビューの読後アンケートを実施することにしました。
 地方や海外在住の方、翻訳家を目指して勉強中の方はもちろん、すでに翻訳家とし
てご活躍の方や、出版、編集関係の方も、是非ご意見、ご感想をお聞かせください。

 下のフォームをメール文面に貼り付けて内容(一部だけでも結構です)をご記入の
上、9月30日(火)までに、mgzn@yamaneko.org までご返送下さい。
 たくさんのご意見、ご感想をお待ちしております。

************** 切り取りここから **************

1)該当するものの( )内に○をつけてください。(複数回答可)

 (  )東京近郊在住(新幹線、特急、飛行機を利用せず日帰り可能な範囲)
 (  )地方在住
 (  )海外在住
 (  )翻訳家としてデビューを目指している
 (  )訳書がある
 (  )出版業界関係者(翻訳家以外)である

2)今回のインタビューへのご意見、ご感想をお聞かせ下さい。


3)もっとこんなことを詳しく聞きたい、ということはありますか?


<地方・海外在住の方へ>
4)インタビュー記事を読んで、不安や疑問は解消されましたか?
 どちらかに○をおつけ下さい。
 (  )はい
 (  )いいえ

5)どういう点が解消されましたか?


6)どういう点が解消されませんでしたか?


7)自分の場合はこうだった、というご経験はありますか?


<訳書をお持ちの方へ>
8)後進の参考になるようなご体験があれば、ぜひお聞かせ下さい。


※いただいたご意見を匿名・在住地非公開で、本誌に掲載してもよろしいでしょうか。
いずれかに○をおつけ下さい。
 なお、掲載に際しては、個人情報や企業名など、ご本人や取引先の不利益につなが
る情報はすべて非公開としますのでご安心下さい。

 (  )掲載してよい
 (  )一部なら掲載してよい
     掲載してほしくない回答の番号(                )
 (  )掲載してほしくない

 ご協力ありがとうございました。

************** 切り取りここまで **************

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新人応援連動レビュー●公園が海のように広く感じられる物語
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『気むずかしやの伯爵夫人』 サリー・ガードナー作/村上利佳訳
偕成社 定価1,260円(税込) 2007.05 170ページ ISBN 978-4035215103
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bk1で詳細を見る
"The Countess's Calamity" by Sally Gardner
Bloomsbury Publishing Plc, 2003
Amazonで詳細を見る
★2003年スマーティーズ賞(現ネスレ子どもの本賞)銅賞(6〜8歳部門)受賞作品

 とあるにぎやかな公園のやぶの下に、箱がひとつ置いてありました。あたりが薄暗
くなってきたころ、1匹のネズミがその箱を見つけます。はしごをかけてのぞいてみ
ると、なかには5つの人形が。船のりのキルト、赤いほっぺのチンタン、かっこいい
ブーラー、小さな男の子のスティッチ、そして上等な服をまとった伯爵夫人です。
「自分たちはだれかの誕生日プレゼントに違いない」そう信じようとする人形に、ネ
ズミはここが公園であることを教えてやりました。でも、気位の高い伯爵夫人には捨
てられたなんて理解不能です。ネズミの奥さんがせっかくの手料理でもてなしても、
つんけんしてばかり。「箱のなかで待っていれば、きっとだれかが迎えにきてくれま
すわ」の一点張りです。ある日、小さな女の子が箱を見つけ、うれしそうに母親のも
とへ持っていきました。ところが母親はそれをごみ箱へぽいっ。夕方になれば管理人
がごみ回収にやってきます。管理人に捕まったおもちゃには恐ろしい運命が……。
 すみずみまで丁寧に作られていることが伝わってきて、本を持つ手がじんわり温か
くなるような作品です。読み物でありながら絵本のように充実した挿絵は、細部まで
工夫が凝らされており、それだけでも楽しめるほど。もちろん文章も読み応えじゅう
ぶんです。登場人物の視点に立った表現がとてもしゃれているんです。たとえば〈足
たち〉は公園を闊歩(かっぽ)する人間たちのこと。ネズミの感情表現は「しっぽ」
がキーワードで、「しっぽもびっくり」なんて具合です。表現に対する細やかな配慮
が物語の世界に奥行きを与えています。そうそう、ネズミの奥さんの手料理も忘れて
はなりません。文字からほっこり湯気がただよってきそうでした。
 物語の後半は魅力的な登場人物が次々と現れ、意外な展開を見せます。伯爵夫人は
高慢ちきの気むずかしやですが、だれの心だってひとつの色からできているわけでは
ありません。ラストシーンもすてきだけれど、物語のなかほどで伯爵夫人がつぶやく
「ありがとう」の一言で、彼女がぐっと身近に感じられました。正しいとわかってい
ても素直になれないもどかしさ、自分にも身に覚えがありますから。
 公園を小さき者たちの視点で描いた優しい物語、秋の夜長にいかがですか?

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【作】サリー・ガードナー(Sally Gardner):英国人作家、イラストレーター。難
読症のため14歳まで読み書きができず、学校を転々とした。やがて美術の才能を開花
させ、舞台美術や衣装デザイナーとして活躍。出産を機に児童書の執筆を始め、初の
長編小説 "I, Coriander" が2005年ネスレ子どもの本賞を受賞。本書以外の邦訳作品
に絵本『フェアリーショッピング』(神戸万知訳/講談社)がある。

【訳】村上利佳(むらかみ りか):今月号「新人応援!」参照

【参考】
▼サリー・ガードナーの公式ウェブサイト
http://www.sallygardner.net/

                               (岡本由香子)

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●注目の本(邦訳読み物)●タイ農村部に住む少女の夢と厳しい現実
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『シルクの花』 キャロリン・マースデン作/代田亜香子訳
鈴木出版 定価1,470円(税込) 2008.03 157ページ ISBN 978-4790232100
Amazonで詳細を見る  
bk1で詳細を見る
"Silk Umbrellas" by Carolyn Marsden, Walker Books, 2004
Amazonで詳細を見る

 タイ農村部の森の中、11歳のノイは姉のティンと一緒に、おばあちゃんがシルクの
傘に絵を描くのをうれしそうに眺めている。絵が大好きなノイは、ときどき手伝わせ
てもらう。3人を囲んでいるのは、黄色、ピンク、紫といった色とりどりのシルクの
傘。木の葉の間から、差し込むおひさまの光がまぶしい。物語は、こんなのどかな風
景から始まる。しかし、どんよりとした雨季の到来とともに、ノイは自分の家族を取
り巻く厳しい現実に気づかされていく。借りていた畑に外国人用の別荘が建てられる
ことになり、父さんは農業を続けられなくなった。母さんは蚊帳を縫う内職を始めた
が、家計はひっ迫するばかりだ。そして、とうとうティンまでもが、ラジオの組立工
場で働くことになる。最初こそ抵抗したティンだが、わがままを言っていられない現
状を理解すると、工場も意外と楽しいかもしれないと自分に言い聞かせるように語る。
一方、ノイはそんな姉に対し、日に日に同情の念を深めていくと同時に、自分も小学
校を卒業したら同じように工場で働かなくてはならないのだろうかと不安を募らせて
いく。ノイは、おばあちゃんのように傘に絵を描く仕事につきたいと思っているのだ。
 サムローと呼ばれる三輪の自転車、高床式の住居、窓に張られたバナナの葉。物語
は、東南アジアの香りに満ちている。また、乾季から始まり、長い雨季を経て収穫期
へと移りゆくタイの季節に、ノイの心の動きが巧みに重ねられているため、少女の微
妙な気持ちが読者の心により一層深く届く。物語の後半で、収穫の季節とともにやっ
てくるロイクラトン(灯ろう流しのお祭り)で、ノイが川に流す灯ろうには、彼女の
夢の光がともっているのだろう。
 この物語は、ノイだけではなくティンの物語でもある。過酷な工場の仕事を続ける
ティンに、ノイは「ティンはなんで、がまんできるの?」と問う。すると、ティンは
きっぱりとこう答える。「たまにつらいこともあるけど、ずっとってわけじゃないわ。
母さんが、かせいだお金からすこしくれるし」現実を変えるのはなかなか難しい。だ
が、現実を受け入れると、別の現実が見えてくることもある。そしてまた、そんなテ
ィンを見て、ノイは自分の尺度で他人を計ってはいけないことを学ぶのだ。このよう
な気づきこそ、大人になっていくということなのではないだろうか。

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【作】キャロリン・マースデン(Carolyn Marsden):メキシコシティ生まれの米国
児童文学作家。"The Gold-Threaded Dress" とその続編 "The Quail Club" では、米
国に移住してきたタイ人の女の子を描いている。その他の作品でも、中国人やベトナ
ム人といった東洋系の登場人物が多い。タイ人の夫、娘2人、カメ2匹、ネコ2匹と
暮らす。

【訳】代田亜香子(だいた あかこ):立教大学英米文学科卒業。訳書は、2005年ニ
ューベリー賞受賞作『きらきら』(シンシア・カドハタ作/白水社)や絵本『ふゆの
まほうつかい』(ジュリー・モンクス文・絵/小峰書店)、「プリンセス・ダイアリ
ー」シリーズ(メグ・キャボット作/河出書房新社)など多数ある。

【参考】
▼キャロリン・マースデン公式ウェブサイト
http://www.carolynmarsden.com

▼キャロリン・マースデンのインタビュー掲載記事
http://wordswimmer.blogspot.com/2007/04/one-writers-process-carolyn-marsden.html

                                (相良倫子)

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●注目の本(未訳読み物)●少女を大きく成長させたエルサレムへの旅
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『ガティ 巡礼団の少女』(仮題) ケビン・クロスリー=ホランド作
"Gatty's Tale" by Kevin Crossley-Holland
Orion, 2006 ISBN 978-1842555705(PB)
388pp.
Amazonで詳細を見る
★2008年カーネギー賞ショートリスト作品

 1203年イギリス。14歳のガティは小さな荘園で野良仕事をして働いていた。身寄り
がなく常にお腹を空かせているガティに、ある日、転機が訪れる。別の荘園の未亡人
グウィネスにその天使のような歌声を認められ、エルサレムへの巡礼に小間使いとし
て同伴することになったのだ。生きて帰れる保証のない危険な旅だったが、神に罪の
許しを請いたいというグウィネスの意思は固かった。フランスに渡り、アルプスの山
を越えて進んでいく9人の巡礼団に、強盗、詐欺、事故、病気など、難題が次々とふ
りかかる。ガティたちはイスラエルにたどりつくことができるのだろうか。
 本作より前、作者クロスリー=ホランドは、中世の時代を生きる少年アーサーの物
語にアーサー王伝説を重ねた「ふたりのアーサー」シリーズ全3巻(亀井よし子訳/
ソニーマガジンズ)を見事に紡ぎ上げた。その登場人物の中から、アーサーが誰より
も信頼をおく少女ガティを主人公に据えて、ヨーロッパから中東へと続く壮大な冒険
物語に仕上げたのが本作だ。前シリーズからは構成や雰囲気ががらりと変わり、のび
のびとした明るいタッチが特徴。最初から最後まで夢中になって読み進めた。
 物語を支えているのはガティの魅力だ。世間知らずで無鉄砲であるがゆえに、最初
は旅の仲間から反感を買うこともあったが、ガティは持ち前の勇気と熱心さ、たくま
しさと機転で、なくてはならない存在になっていく。アーサーが彼自身の旅で「聖な
る戦いとは?」と自らに問い続けたように、彼女もまた「荘園の神父が言う通り、サ
ラセン人(イスラム教徒)は本当に神の敵なのか?」と問い続けるのだった。そして、
実際にサラセン人に出会い、曇りのない目で接していく中で、その答えを確信する。
彼らは自分たちと何ら変わりがない、良い人もいれば悪い人もいるのだ、と。さまざ
まな経験を通してガティが成長していく様子は、まばゆいほどだ。
 さて、ガティは折にふれてアーサーへの思いを吐露する。そのアーサーはといえば、
前シリーズの3巻で、ガティより1年前にエルサレムへ旅立っていた。前シリーズを
読んでいなくても十分に楽しめるが、読んでいればより一層おもしろみが増すだろう。
ふたりの再会はかなうのか? どうぞお楽しみに。

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【作】Kevin Crossley-Holland(ケビン・クロスリー=ホランド):1941年、英国に
生まれる。詩人、児童文学作家。アングロサクソン語からの翻訳や神話・民話の再話
など、活動は幅広い。『あらし』(島田香訳/ほるぷ出版)が1985年度カーネギー賞
を受賞、『ふたりのアーサー1 予言の石』は2001年ガーディアン賞を受賞している。

【参考】
▼ケビン・クロスリー=ホランド公式ウェブサイト
http://kevincrossley-holland.com/

▽ケビン・クロスリー=ホランド作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/author/c/kchollan.htm

                               (植村わらび)

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●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2008年オーストラリア児童図書賞発表
★2008年ミソピーイク賞発表
★2008年エスター・グレン賞/ラッセル・クラーク賞/エルシー・ロック賞/
    Te Kura Pounamu(マオリ語で書かれた児童書およびYA向け小説対象)発表
★2008年ブックトラスト・ティーンエイジ賞候補作発表
                      (受賞作の発表は11月18日の予定)
★2008年エルサ・ベスコフ賞発表
★2008年ガーディアン賞ショートリスト発表

 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を
ご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

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●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 西宮市大谷記念美術館「2008 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」
 国立国会図書館国際子ども図書館「童画の世界――絵雑誌とその画家たち」
 秋田県立近代美術館「南極発! ピングーからのメッセージ!!」など

★講座・講演会情報
 クレヨンハウス「菱木晃子さん講演会・石津ちひろさん講演会」など

 詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、
空席状況については各自ご確認願います。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                           (笹山裕子/冬木恵子)

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●お菓子の旅●第44回 さわやかな味が広がる素朴なおいしさ 〜シードケーキ〜
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Mrs Moggs was very much obliged indeed for the eggs, and fetched the trowel
and a piece of seed-cake for Milly-Molly-Mandy's own self. And Milly-Molly-
Mandy went on her way with the empty basket.
           "Milly-Molly-Mandy Stories" by Joyce Lankester Brisley
                            Puffin Books(1976)
           Amazonで詳細を見る
          『ミリー・モリー・マンデーのおはなし』
            ジョイス・L・ブリスリー著/上條由美子訳/福音館書店
          Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 引用部分は、主人公のミリー・モリー・マンデーがご近所のモッグスさんのところ
へおつかいに行った場面です。移植ごてを返してもらうついでに、おすそわけの卵を
届けたので、たねいりケーキ(シードケーキ)を一切れおだちんにもらいました。こ
のお話の初版が発行されたのは1928年。両親、祖父母、おじおばに囲まれながら、イ
ギリスの田舎でのどかな子ども時代を送る様子は簡素な中に豊かさが感じられ、今の
時代から見ると少しうらやましく感じるほどです。
 シードケーキには従来、キャラウェイ(ヒメウイキョウ)の種子(植物学上は実)
が使われてきましたが、もともとは春の種まきや秋の収穫を祝う席でふるまわれたケ
ーキのことをそう呼んだのが始まりだ、という説があります。
 キャラウェイにはツンとした独特の風味があり、噛むと舌先にしびれるような感覚
がほのかに残ります。最近はケシの種子を使ったものが主流になっていますが、長く
読み継がれているミリー・モリー・マンデーのお話のように、この素朴なケーキはず
っと愛され続けているようです。わたしの住むシドニーの街でも、一切れずつラップ
に包まれたシードケーキがカフェのカウンターに並んでいるのを見かけることがあり
ます。ちょっとお腹がすいたとき、ちょうどいい大きさと甘さなのかもしれません。

*-* シードケーキの作り方 *-*

材料:(18cmのパウンドケーキ型1個分)

薄力粉         185g      アーモンド粉      大さじ1
ベーキングパウダー   小さじ1
キャラウェイシード(ポピーシードで代用してもよい)       小さじ3〜4
塩   少々     砂糖      120g      無塩バター    120g
卵   2個     レモンの皮   1個分     牛乳       100cc

1.オーブンを180度にセットしておく。
2.薄力粉、アーモンド粉、ベーキングパウダーをあわせてふるい、キャラウェイシ
  ードと塩を加える。
3.バターと砂糖を白っぽくなるまで混ぜる。そこにレモンの皮をすったものを入れ、
  溶き卵を少量ずつ加えて、さらに混ぜる。
4.2のボウルに3と牛乳を少量ずつ交互に加え、混ぜ合わせる。
5.型に4のタネを流し込み、オーブンに入れて約45分焼く。
6.焼きあがったらラックの上にケーキを取り出し、冷ます。

★参考ウェブサイト
"Baking for Britain"(September 2006)
http://bakingforbritain.blogspot.com/2006_09_01_archive.html

★「やまねこ翻訳クラブお菓子掲示板」
        http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi

                         (かまだゆうこ/冬木恵子)

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●プレゼント当選者発表!●
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「月刊児童文学翻訳」6、7月号で実施されたメルマガ100号記念読者アンケートに、
多数のご応募をいただきありがとうございました。
 厳正なる抽選の結果、30名の方が当選されました。おめでとうございます!
 当選のみなさまには、メールでご連絡の上、やまねこ翻訳クラブ会員による訳書を
1冊ずつお送りいたしました。
 なおアンケートの結果や寄せられたコメントにつきましては、10月号にて発表いた
します。どうぞお楽しみに!

 当選者の方から、さっそくご感想をいただきましたので、ご本人に承諾いただいた
ものを下記に掲載いたします。

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「ゆめみるリジー」本日届きました。ありがとうございました。

ストーリーが、予想していたよりも良かったです。読み進むに連れてどんどんニコニ
コしてきます。絵も独特のタッチで、丁度今自分の絵の塗り方に悩んでいるところで
したので、とても参考になりました。

今後とも、よろしくお願いいたします。

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アンケートでお送りいただいた本が届きました。
『朝のひかりを待てるから』
表紙も美しく、読むのが楽しみです。
記事も楽しみにしております。
ありがとうございました。

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100号記念アンケートプレゼントの本、『救助犬ベア』
本日、無事に届きました!

動物好きなので、読むのが本当に楽しみです。

どうもありがとうございました!

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●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!
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 読者の佐野リディア様より、メールをいただきましたので紹介いたします。

 いつも、貴重な情報を送っていただきありがとうございます。
 未訳絵本の翻訳コンクールの開催予定はありませんか?
 今から。楽しみにしてお待ちいたしております。

【「月刊児童文学翻訳」編集部より】
「月刊児童文学翻訳」をご購読くださり、ありがとうございます。
 やまねこ翻訳クラブでは、創立10周年を記念して未訳絵本の翻訳コンテストを開催
いたしましたが、参加資格は会員に限らせていただきました。
 コンテストの訳文提出後には事後勉強会が開かれ、活発な意見交換が行われたよう
です。
 なお、本誌今月号「新人応援!」に登場された村上利佳さんが、そのコンテストの
最優秀賞を受賞され、村上さんによる課題本の邦訳出版が決まっております。
 今後も機会があればコンテストを開催するつもりでおりますが、目下その予定はあ
りません。

 未訳絵本の翻訳コンクールは、いたばし国際絵本翻訳大賞が今年も開催される予定
だそうです。詳細がわかり次第、本誌「イベント情報」でもご紹介いたします。

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 このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる
お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ
ください。

※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。
※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。
※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。
※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編
集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。

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●お知らせ●
 本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。
こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。
http://www.yamaneko.org/info/order.htm
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「FOSSIL は化石って意味でしょ? レトロ調の時計なの?」 これは創業者の父親が
FOSSIL(石頭、がんこ者)というあだ名だったことから誕生したブランド名。オーソ
ドックスからユニークまで様々なテイストの時計がいずれもお手頃価格で揃います。
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した商品ラインナップでキャンペーンを展開。Vintage を表現する重要なツールが
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され、時計のデザイン同様、常に世界中のコレクターから注目を集めています。
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●編集後記●「新人応援!」の記事が完成したころ、偶然、やまねこ翻訳クラブがオ
ンライン勉強会の取材依頼を受けました。不思議な出合いを呼び寄せた誰かに感謝。
/当編集部は今月で編集長が交代します。新しい副編集長も登場します。10月号より
新編集体制でお届けする「月刊児童文学翻訳」を今後ともよろしくお願い申し上げま
す。(当編集人はもうしばらく居残りますが……。)(お)
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企 画 植村わらび 岡本由香子 かまだゆうこ 児玉敦子 相良倫子 笹山裕子
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