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2007年10月号
   =====☆                    ☆=====
  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
   =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====
         Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary
                                 No.94
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児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2007年10月15日発行 配信数 2430 無料
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●2007年10月号もくじ●
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◎プロに訊く:第28回 鈴木仁子さん(翻訳家)
◎プロに訊く連動レビュー:「4と1/2探偵局」シリーズ全5巻
             ヨアヒム・フリードリヒ作/鈴木仁子訳/絵楽ナオキ絵
◎注目の本(邦訳読み物):『フーさん』 ハンヌ・マケラ作/上山美保子訳
◎注目の本(未訳絵本):"The Arrival" ショーン・タン作
◎賞速報
◎イベント速報
◎お菓子の旅:第40回 シナモンたっぷり、りんごもたっぷり 〜アップルパイ〜
◎読者の広場:海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!

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●プロに訊く●第28回 鈴木仁子さん(翻訳家)
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 今回は、ゼーバルトの翻訳で定評のあるドイツ語文学翻訳家の鈴木仁子さんに登場
していただきます。7月にゼーバルト・コレクション3『土星の環 イギリス行脚』
(W・G・ゼーバルト作/白水社)を上梓されたばかりの鈴木さんを、現在お勤めの
椙山女学園大学の研究室におたずねして話をうかがいました。鈴木さんの作品と言葉
への愛情をひしひしと感じる2時間半でした。お忙しい中、時間をさいていただいた
ことに、心より感謝申し上げます。

【鈴木仁子(すずき ひとこ)さん】
+――――――――――――――――――――――――――――――――――――+
|1956年、岐阜県に生まれる。名古屋大学文学部を卒業、名古屋大学大学院博士課|
|程前期中退。名城大学非常勤講師を経て、現在は椙山女学園大学国際コミュニケ|
|ーション学部准教授。ドイツ文学の翻訳家として多数の訳書を出しており、『ア|
|ウステルリッツ』(W・G・ゼーバルト作/白水社)で、レッシング翻訳賞を受|
|賞。ほかに『生きつづける―ホロコーストの記憶を問う』(ルート・クリューガ|
|ー作/みすず書房)や、ヤングアダルト作品、児童書の翻訳書もある。    |
+――――――――――――――――――――――――――――――――――――+

【白水社エッセイ 鈴木仁子「ゼーバルト、トリップ、そしてヴァルザー」】
 http://www.hakusuisha.co.jp/essay/2006/01/post_2.html

【(株)バベルの情報サイト 翻訳者インタビュー 鈴木仁子さん】
 http://www.knowledge-garden.net/webmagazine/etrans/etrans0401/interview0401/
suzuki.php

【鈴木仁子さん訳書リスト】
 http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/hsuzuki.htm

【鈴木仁子さんインタビュー ロングバージョン】
 http://www.yamaneko.org/bookdb/int/hsuzuki.htm

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Q★ドイツ語を専攻されるようになった経緯を教えてください。

A☆もともと、外国語と文学を勉強したいと考えていました。英語が好きで、高校時
代はESSに入っていたくらいですが、なぜか英語を専攻するつもりはありませんで
した。当時はヘッセが好きな作家のひとりでしたし、影響を受けた若い先生の真似を
してわけもわからないままドイツ哲学の本を開いてみたりしていたので、ドイツ文学
が身近にありました。それでドイツ語を選んだというわけです。

Q★それでは、ドイツ語の翻訳をするようになったきっかけを教えてください。

A☆大学院生の時に、当時名古屋大学教養部で教鞭を取っておられた池田信雄先生の
全学部向けヘーゲル講読の授業を受けたことがきっかけで、池田先生や夫人である池
田香代子さんと親しくなりました。それで、美術書の下訳を紹介していただいたのが
最初でした。真っ赤な原稿が返ってきましたね。その後、池田先生たちは東京に移ら
れ、私は名古屋で非常勤講師としていろいろな大学でドイツ語を教える仕事をして、
翻訳からは遠ざかっていました。でも、なにか心の中にぽっかりと穴があいたようで
……自分はいったい何をやりたいのだろうと、精神的にかなり苦しい状況に陥ってし
まいました。それで池田香代子さんに手紙で「翻訳のお手伝いをさせてほしい」と気
持ちを伝えたところ、「いそぎの仕事があるから」と文学作品の下訳の仕事をくださ
ったんです。文学の翻訳はそれがはじめてでした。一語一語の手触りを確かめながら、
音を聞いたり、言葉と言葉の隙間を見つめたりしながら、舐めるように読みました。
そのとき、作品に深く触れる喜び、言葉が自分の中に落ちてくる喜びをひしひしと感
じたんです。訳すのが楽しくてたまりませんでした。そのことを後日池田さんに話し
たら、「訳文から喜びが伝わってくる」と言っていただいて嬉しかったことを、今も
覚えています。それからは、大学の講師の仕事をしながら、下訳の仕事をしたり共訳
で翻訳書を出したりするようになりました。
 ある時、大学の研究会で「ドイツ語圏における女性の文学」の発表を担当すること
になりました。好きだったエルフリーデ・イェリネクで発表しようと準備を進めてい
たのですが、途中でルート・クリューガーのある作品を読んだらすごくおもしろくて、
どちらを取り上げるかで悩みはじめました。それで、信頼できるふたりの方に手紙を
書いて、クリューガーはこんな内容のこんなすばらしい作品を書いているのだけれど、
と詳しい内容も添えて相談しました。そのうちのひとりが池田香代子さんで、池田さ
んからの返事は「すごくおもしろそうだから訳してごらんなさい。出版社に紹介して
あげるから」でした。そんな経緯で、思いもよらず、1997年に『生きつづける―ホロ
コーストの記憶を問う』が、はじめてひとりで訳した作品として出版されました。ほ
れこんで訳した本ですから、大変だったけれどとても嬉しかったですね。池田香代子
さんは、師匠でもあり、恩人でもあります。

Q★『ブループリント』(シャルロッテ・ケルナー作/講談社)が初の児童書となり
ますが、どのような経緯で児童書を訳すようになったのでしょう。この作品は2000年
ドイツ児童文学賞ヤングアダルト(以下YAと表記)部門受賞作品ですね。
 
A☆YAということであれば、『インゲへの手紙―ある真実の愛の記録』(ラインハ
ルト・カイザー作/白水社)のほうが先です。こちらも、1997年にドイツ児童文学賞
ノンフィクション部門を受賞しています。『生きつづける』を目にとめてくれた編集
者さんが、同じホロコーストものということで紹介してくださいました。
『ブループリント』は、編集者さんがブックフェアでゲラ段階のものを探してこられ
て、リーディングさせてもらいました。読んでみると、作品の厚みには欠けるけれど、
クローン人間というタイムリーな問題をはらんだものが小説の形になっていて、しか
もクローンの視点に立って書かれているところが独特で、おもしろいと思いました。
『生きつづける』から関心のあった、母と娘の関係というテーマにもひかれました。
全体的に力強いメッセージを感じる作品です。

Q★「4と1/2探偵局」(ヨアヒム・フリードリヒ作/ポプラ社)は、語り口が生
き生きした楽しいシリーズですね。このような楽しい児童書と一般書では、訳す際の
気持ちの切り替えが必要かと思いますが、どうされていますか。

A☆このシリーズは、ポプラ社の新人編集者さんが英語のレジュメを読んで決められ
たものです。とても愉快なシリーズで、ドイツではもう15巻も出ているんです。日本
では5巻で終わってしまったのですが、またいつか機会があればつづきを訳せたらな
とときどき思うんですよ。
 それまでのYA作品2冊を訳すにあたっては、一般書の時と大きな違いは感じませ
んでしたが、これは初の児童書で、私にとっては新しい体験でした。冒頭部分を訳し
て提出したら、原稿にびっしりアドバイスが書き込まれて戻ってきました。真っ赤と
いうか、鉛筆書きだったので真っ黒でしたが(笑)。「この場面のこのセリフだと、
この言い方のほうが良いのでは?」と、改案も提示してありました。アドバイスを取
り入れてみると、とたんにキャラクターが生き生きと動き出して、私に語りかけてく
るようになりました。この時に、作品が「日本語の文学の世界」として自立していな
ければならないんだ、と身にしみて感じました。日本語の作品として読者に届けると
いう意識ですね。児童書のほうが読者への配慮が大きくなるなどの違いはありますが、
一般書も基本は同じであって、ここで学んだことは一般書を訳す際にもおおいに役立
っています。

Q★日本や英米とくらべて、ドイツ文学の特徴をどう考えていらっしゃいますか。ま
た『生きつづける』などホロコーストの作品を訳しておられますが、ドイツの「過去
の克服」についても少しお話しいただけますか。

A☆一般的に言えるかどうかわかりませんが、ドイツ文学は良くも悪くも「くそまじ
め」ですね。ひとつの問題を、真正面からもほかの側面からも徹底的に考え抜きます。
それは奥深さでもあるし、狭さでもあるかもしれません。遊び心やユーモアに乏しい
といった面もあります。そういった息苦しさはあるけれど、ドイツ文学の持つまじめ
さは、私の好きなところです。
 また、ドイツという国が、自分たちが過去にしたことに向き合っていく姿勢を持っ
ているのはやはりすごいことだと思います。例えば、高校生の教科書ひとつとっても、
現代史の厚みがすごい。一般市民がヒトラーにどう関わっていたのかということまで、
踏み込んで紹介しています。日本とはずいぶん違いますね。陸続きのヨーロッパにお
いては、そうしないと生き延びてこられなかったという面もあるでしょう。
 ただ、ドイツではよく「過去の克服」という言葉が使われますが、過去とは「克服」
という言葉で向き合えるものではないような気がしています。文学においては、過去
をどう呼び出すのかも問題になってくるのではないでしょうか。過去のできごとを物
語の中で飼いならしてしまうのではなく、文学として、どんな形式で、どんな語り口
で書くのか――ドイツの作家が過去をどう語っているのかに私は興味があります。そ
の点で『生きつづける』は力ある作品でした。ホロコーストを体験した作者の自伝な
のですが、今の自分と過去の自分を往復することによって、文体そのものが過去を封
じ込めることを拒んでいます。また青少年に向けた『インゲへの手紙』も、独特なア
プローチをとっていました。編著者であるカイザーが1991年にオークションでせりお
とした手紙の束を元にした作品で、ユダヤ人男性とスウェーデン人女性の現実にあっ
た悲恋物語なのですが、著者はそれをフィクション仕立てにせずに、自分自身が取材
を通して過去をたどっていく、その過程そのものを書くんですね。読者も著者ととも
にたどることができるわけです。

Q★今後のお仕事の予定について教えてください。

A☆白水社の「ゼーバルト・コレクション」があと3冊あって(6巻は『アウステル
リッツ』の改訳)、4巻の『空襲と文学』が来夏に出る予定です。またYAでは、ア
メリカのゴールド・ラッシュの時代を舞台にした『ハザウェイ・ジョウンズ(仮題)』
(カティア・ベーレンス作/白水社)と、ホモ・セクシュアルの男の子が主人公の作
品が他社で予定されています。

Q★翻訳家をめざすみなさんへのアドバイスをお願いします。特に、ドイツ語など、
英語以外の言語からの翻訳を目指しているメンバーに対しても、一言お願いできます
でしょうか。

A☆作品への愛がすべてではないでしょうか。もちろん自分への自戒を込めて言うの
ですが、言葉ひとつひとつにこだわって作品を読み込んでいかなければならないと思
っています。その元にあるのが愛情ですし、また日本語文学として、読者の方を向い
て訳すという姿勢も大切だと考えています。
 ドイツ語はマイナーな言語で、裾野があまり広くありませんから、翻訳者がもっと
増えるといいですよね。埋もれている良い作品はきっとたくさんあるはずなので、た
くさん読んでさがしていただき、どんどん持ち込みをして、紹介していただければと
思っています。

 椙山女学園大学の機関誌に掲載された鈴木仁子さんの翻訳に関する寄稿文を読んだ
ことがきっかけとなり、名古屋在住のやまねこ会員で今回のインタビューをすすめて
きました。名古屋から「プロに訊く」が発信できることを、とても嬉しく思います。

                           (取材・文/植村わらび)

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●プロに訊く連動レビュー●みんな違う、だからいっしょにいると楽しい
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「4と1/2探偵局」シリーズ全5巻
『宝の地図のひみつ』2004.08 239ページ  Amazonで詳細を見る bk1で詳細を見る
『消えた先生のなぞ』2004.09 239ページ  Amazonで詳細を見る bk1で詳細を見る
『天使の追跡大作戦』2004.11 239ページ  Amazonで詳細を見る bk1で詳細を見る
『名探偵の10か条』2005.01 227ページ  Amazonで詳細を見る bk1で詳細を見る
『探偵犬、がんばる!』2005.04 247ページ Amazonで詳細を見る bk1で詳細を見る
ヨアヒム・フリードリヒ作/鈴木仁子訳/絵楽ナオキ絵
ポプラ社 定価各1,155円(税込)
ISBN 978-4591078310, 978-4591078822, 978-4591082515, 978-4591084052, 
978-4591086216
"4 1/2 Freunde"                   Amazonで詳細を見る
"4 1/2 Freunde und die verschwundene Biolehrerin"  Amazonで詳細を見る
"4 1/2 Freunde und die Weihnachtsmann-Connection"  Amazonで詳細を見る
"4 1/2 Freunde und der ratselhafte Lehrerschwund"  Amazonで詳細を見る
"4 1/2 Freunde und die wachsamen Gartenzwerge"    Amazonで詳細を見る
by Joachim Friedrich
Thienemann Verlag, 1992, 1994, 1995, 1996, 1998

 子ども探偵が活躍する、楽しく魅力的な物語は数多い。その中でこのシリーズの特
徴は、1巻ごとに語り手が交代することだ。語り手となるのは、4と1/2探偵局の
仲間たち――カレ、フリートヘルム、ふたごのラディッちとシュテフィ、そしてこの
4人に加わる1/2人分の誰かさん。4人はどこにでもいる普通の、だが個性を持つ
子どもたちで、起きた出来事、仲間のことや自分の事情を独自の視点で主観たっぷり
に語る。シリーズを通して読むと、4人それぞれの立場や考え、仲間への思いがわか
り、ひとりひとりの姿が多面的に、生きた人間像として立ち上がってくる。
 たとえばフリートヘルムは1巻で、カレに従うダサい子分という感じで登場する。
語り手のラディッちは、ある問題を抱えていて自分のことに精いっぱいだから、フリ
ートヘルムの気持ちまでふみこんで考えない。読む者には、フリートヘルムは無邪気
な食いしん坊で、なんの悩みもないように見える。ところが、フリートヘルムが語り
手となる2巻では、家庭の事情がわかり、フリートヘルムが特にカレに対して劣等感
を抱き、くやしい思いをしていることが見えてくる。
 各巻で完結するストーリーは、テンポのよい愉快な会話がもりこまれ、おおよそ次
のように進む。まず日常生活にちょっと変わった出来事があり、自称名探偵のカレが
犯罪のにおいをかぎつける。頭のきれるシュテフィは辛らつな言葉をあびせかけて否
定するが、カレの思いこみは止まらない。その勢いに残りのメンバーがまきこまれる
うち、本当に怪しい出来事が起き、ものごとは思いがけない方向へ転がっていく。お
しまいには無事解決するが、推理はまったく見当違いだったりする。このひねった展
開は巻を追うほど巧妙になり、私も何度か推理をくつがえされた。
 探偵局の仲間はいつもいっしょに行動する。たがいに気に食わないこともあるけれ
ど、仲間といればいろいろあって楽しい。彼らは、ともに危ない目にあい冒険するう
ち、理解しあい、友情を深めていく。私も読むほどに彼らのことがわかって好きにな
り、すっかり探偵局の一員になっていた。ドイツでは15巻まで出版されているという
人気シリーズだ。私ももっと、彼らと推理し冒険したい。続編の邦訳出版を待望する。

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【作】ヨアヒム・フリードリヒ(Joachim Friedrich):1953年ドイツに生まれる。
ミステリー好きの母親の影響をうけて育つ。会社員、教授、経営コンサルタントの仕
事を経験した後、作家となる。多数の人気作品があり、日本では他に『アナ=ラウラ
のタンゴ―パパの謎を追って』(平野卿子訳/ポプラ社)が紹介されている。

【訳】鈴木仁子(すずき ひとこ):本誌今月号「プロに訊く」参照。

【絵】絵楽ナオキ(えがく なおき):1974年生まれ。下書きから仕上げまでパソコ
ンで製作する。絵柄は暖かく親しみやすい。『リビスの翼』(円山夢久作/電撃文庫)
のイラストも手がけている。

【参考】
▼ヨアヒム・フリードリヒ公式ウェブサイト
http://www.joachim-friedrich.de/

▼絵楽ナオキ公式ウェブサイト
http://www7.plala.or.jp/egaku/

【特殊文字】
「ratselhafte」:最初の「a」の上にウムラウト(¨)がつく

                                (寺岡由紀)

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●注目の本(邦訳読み物)●癒し系? 不思議系? ただのおじさん?
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『フーさん』 ハンヌ・マケラ作/上山美保子訳
国書刊行会 定価1,575円(税込) 2007.09 175ページ ISBN 978-4336049476
Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る
"Herra Huu" by Hannu Makela
Otava, 1973
Amazonで詳細を見る

 町はずれの森にある小さな家に、フーさんはひとりで住んでいる。子どもを脅かす
のが仕事らしく、いつも目いっぱい恐ろしく振る舞うが、どうもうまくいかない。帽
子も服も靴も真っ黒ないでたちで、怪獣のような大声をだしても、恥ずかしがり屋の
フーさんはすぐ真っ赤になるし、しどろもどろになってしまう。
 そんな少し情けないフーさんの周りでは、不思議な事がよく起きる。もちろんフー
さんはあわてるが、代々伝わる魔法やフーさんなりの知恵でなんとかやりすごす。そ
の後、自分にとって何が大事か考え、結果に納得し、満足する。ひょうきんものに見
えるが、実は冷静で、現実的で、自分の生活スタイルをよく知っているのだ。巻き込
まれた人たちは、いささか常識はずれの対応に驚きつつ、フーさんの意思とは無関係
に笑い、幸せになる。まじない使いのようであり、妖精のようでもある風変わりな主
人公は、心温まる愛すべきキャラクターなのである。めでたしめでたし。と、それだ
けでは終わらないのが、さすがムーミンを輩出し、子どもの読解力が世界一といわれ
る国の物語。なんと後半には、まるで哲学者のような、フーさんの別の一面が用意さ
れている。暖炉の火を見つめ、1年を振り返り、宇宙を語り、人生を語るのだ!
 2006年に原作第6巻が出版された本シリーズは、10か国語以上に翻訳され、テレビ
アニメや舞台にもなったベストセラーである。大人のくせに不器用ではにかみ屋とい
う違和感が、子どもには面白いだろうし、幼年向けの語りの中でたまに出てくる大人
びた言葉も、刺激があって興味をひくのだろう。フーさんは人が誰でも1度は遭遇す
る数々の疑問に向き合う。恐怖とは、病気とは、自分とは……? 現実の世界で幸せ
な生き方を望むなら、社会の都合を優先して答えをだすことも多い。ところが、社会
から少し離れた場所で暮らすフーさんは、自分の事情を第一に考え、それでも最後は
いつだって幸せになる。ある意味、自己中心的な切り口で真理を探求していく姿を見
ていると、たとえ結果は同じでも、豊かさの種類が微妙に異なるのを感じる。黒ずく
めで見てくれの悪いフーさんは、こっけいだけど、ちょっとかっこいい。うらやまし
いような、わくわくするような、おじさんなのである。

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【文】ハンヌ・マケラ(Hannu Makela):1943年フィンランド、ヘルシンキ生まれ。
詩・小説・児童読み物・絵本と活動は幅広く、1995年には一般書 "Mestari" でフィ
ンランド最高の権威を持つフィンランディア賞を受賞。現代のフィンランド文学界を
代表する一人。「フーさん」シリーズでは挿絵も手がけ、風変わりな味わいで人気に
一役買っている。邦訳に『ぼくはちびパンダ』(坂井玲子訳/徳間書店)がある。

【訳】上山美保子(うえやま みほこ):1966年東京生まれ。東海大学文学部北欧文
学科卒。現在、フィンランド技術庁 Tekes 東京に勤務。フィンランド語翻訳のほか
通訳、講師を勤める。フィンランド語監修作品に『アキ・カウリスマキ』(遠山純生
編/エスクァイア マガジン ジャパン)がある。本シリーズ邦訳は、2巻が2007年
11月に、3巻が2008年1月に刊行予定。

【参考】
▼ハンヌ・マケラ公式ウェブサイト(フィンランド語、一部英語)
http://hannumakela.com/

▼ハンヌ・マケラ紹介ページ(Otava 内、フィンランド語)
http://www.otava.fi/kirjailijat/kotimaiset/makela_hannu/fi_FI/makela_hannu/

【特殊文字】
「Hannu Makela」:「Makela」の「a」の上にウムラウト(¨)がつく

                                (大原慈省)

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●注目の本(未訳絵本)●未知の国にたどり着いた移民の言葉なきアルバム
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『到着』(仮題) ショーン・タン作
"The Arrival" by Shaun Tan
Lothian Books, 2006 ISBN 978-0734406941
40pp.
Amazonで詳細を見る
★2007年オーストラリア児童図書賞絵本部門受賞作品

 オーストラリア出身の気鋭アーティスト、ショーン・タンが4年の歳月をかけて創
り上げた力作。文字なし絵本という言葉ではその深い魅力を言いつくせない、まさに
珠玉のサイレント・グラフィック・ノベルだ。裏表紙に記された「住み慣れた故郷を
あとに、未知の世界へと向かったすべての移民、難民、流民の物語」という言葉が示
すように、過去にアメリカやオーストラリアへ渡った移民が題材になっている。
 トランクに家族の写真をしまい、旅支度をしているひとりの男。妻と幼い娘に別れ
を告げ、故郷を離れる日がとうとうやって来た。駅に向かう途中に通り過ぎる質素な
町並みは貧しい東ヨーロッパを思わせ、町を包む暗い影は社会の重苦しさを感じさせ
る。男が乗り込んだ船には、それぞれの思いを抱えて新天地をめざす人たちがいた。
静かで長い旅の末、船はようやく新生活の始まる町に到着した。
 コマ割りを巧みに使って、移民の姿を追うセピア色の写実的なスケッチは、古いア
ルバムに貼られた写真のように読者を過去へと引き戻す。しかし、このタイムスリッ
プのすぐ後には、全く予期せぬ場面が待っていた。男がたどり着いたのは、アメリカ
でもオーストラリアでもなく、シュールな風景が広がる奇妙な都市だったのだ。まる
で、いきなりクラシック映画の舞台からSFの世界に放り込まれたような、強い違和
感を覚えた。いびつな形の食べ物、奇怪な動物たち、解読不可能な文字などが目に飛
び込んできて、その異質さにどう反応したらいいのかわからず、困惑した。けれども、
この戸惑いや混乱こそ、新しい環境で暮らし始めた人間が必ず味わう感覚そのもの。
それを意図した作者の手法に、私は見事にはまってしまったのだと、後になってよう
やく気がついた。そして、この作品に登場する移民一人一人の姿に、作者が常に惹か
れ続けていると話す "Belonging"、「自分のいるべき場所、その喪失と発見」という
テーマがしっかりと刻まれていることが見えてきた。
 多くの人がたどった歴史の1ページを、真実味をそこなうことなく幻想的な世界の
中で再現し、芸術へと昇華させた確かな表現力、想像力、独創力に心から感嘆する。
まだ33歳というこの若きアーティストは、次はどんな方法で読者の心を揺さぶり、驚
かしてくれるのか。私は子どもにかえったような気持ちで、今から待っている。

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【作】Shaun Tan(ショーン・タン):1974年オーストラリアのパース生まれ。1995
年、西オーストラリア大学で美術と英文学課程を修める。学生時代からSF雑誌のイ
ラストを描く仕事を通して幅広いテクニックを学ぶ。 "The Rabbits"、"The Lost 
Thing" をはじめ、これまで出版したすべての作品が高い評価を受け、多くの賞を受
賞している。邦訳には『レッドツリー―希望まで360秒』(早見優訳/今人舎)がある。

▼ショーン・タン公式ウェブサイト
http://www.shauntan.net/

▼ショーン・タンのインタビュー記事(The Japan Australia News 内)
http://www.janews.net/journal/special/?num=1780

                              (かまだゆうこ)

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●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2007年ガーディアン賞発表
★2007年度ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)賞発表
★2007年エルサ・ベスコフ賞/ニルス・ホルゲッソン賞発表
★2007年 Booktrust Early Years Awards 発表
★2007年金の石筆賞発表
★2008年度アストリッド・リンドグレーン記念文学賞候補者発表
                     (受賞者の発表は2008年3月の予定)
★2007年全米図書賞(児童書部門)最終候補作発表
                      (受賞作の発表は11月14日の予定)
★2007年ネスレ子どもの本賞ショートリスト発表(受賞作の発表は12月の予定)
★2007年度ドイツ児童文学賞発表

 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を
ご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

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●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 国立国会図書館国際子ども図書館「ゆめいろのパレットIII」
 高浜市やきものの里かわら美術館「2007 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」
 安曇野ちひろ美術館
「ちひろとケーテ・コルヴィッツ――戦争と平和を描いた二人の女性画家」など

★セミナー・講演会情報
 国立国会図書館国際子ども図書館
「エジプトの児童文学と公共図書館――エジプトの読書運動」
 大阪府立国際児童文学館「グローカルに児童文学を語ろう!」など

 詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、
空席状況については各自ご確認願います。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                                (笹山裕子)

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●お菓子の旅●第40回 りんごがたっぷり、シナモンもたっぷり 〜アップルパイ〜
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Making an apple pie is really very easy. First, get all the ingredients at 
the market. Mix them well, bake, and serve.
Unless, of course, the market is closed.
                            by Marjorie Priceman
    "How to Make an Apple Pie and See the World", Alfred A. Knopf(1994)
                             Amazonで詳細を見る
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 材料さえあつまれば、アップルパイ作りはとっても簡単。そう思って買い物に出か
けたら、マーケットがお休みで……こんな書き出しで始まる絵本 "How to Make an 
Apple Pie and See the World"(邦訳『アップルパイをつくりましょ りょこうもい
っしょに しちゃいましょ』角野栄子訳/BL出版)では、材料を調達するために、
アメリカの少女が世界旅行をしてしまいます。イタリアで小麦の束、フランスで卵を
産むにわとり、スリランカではクルンド(シナモン)の皮と、次々に材料をあつめた
ものの、かんじんのりんごを忘れて帰ってきてしまい……。
 りんごの原産地は、カスピ海と黒海に挟まれたカフカス地方といわれています。先
史時代から栽培が行われ、ギリシャ・ローマを経てヨーロッパ各地に広まりました。
そして17世紀、移民たちの手によって、りんごは北アメリカ大陸にも運ばれたのです。
 一方、アップルパイは、中世からヨーロッパ、とくにイギリスで好んで食されてい
ました。アメリカに渡った移民たちは、パンよりも小麦の量が少なくてすむというこ
とで、ミートパイなど食事用のパイをよく焼いていましたが、りんごの栽培に成功す
ると、アップルパイも作るようになりました。19世紀後半には西海岸のワシントン州
でも栽培が始まって、やがてアメリカは世界有数のりんご生産国となり、アップルパ
イも、いつしかアメリカを代表するお菓子になっていきました。
 今回は、この本で紹介されているレシピを参考にした、アメリカでは一般的な、り
んごを煮ないタイプのアップルパイをご紹介します。とても簡単なので、いつもとは
ちょっと違うアメリカンな味を、ぜひお試しください。

*-* アップルパイの作り方 *-*

                  画像はこちら(やまねこ翻訳クラブ喫茶室)

材料:(直径21cmの金属パイ皿1枚分)
市販のパイシート  4枚
りんご       4個        シナモン          小さじ1
砂糖        3/4カップ      塩             小さじ1/4
バター       大さじ2      卵黄            1個分

1.オーブンを220度にあたためておく。
2.皮をむき、芯をとったりんごを1cm弱の厚さのくし形に切り、塩水につけてから
  軽く洗って水気を切る。
3.2枚重ねてめん棒で伸ばしたパイシートをパイ皿に敷き、フォークで全体に穴を
  あける。残りの2枚も重ねてめん棒で伸ばしておく。
4.ボウルに砂糖とシナモン、塩を入れてまぜ、2のりんごを入れてよくあわせる。
5.3のパイ皿に4を中高に盛り、こまかく刻んだバターをちらし、その上にパイシ
  ートをかぶせて縁をおさえる。表面に空気抜きの切り込みを入れる。
6.少量の水で溶いた卵黄をはけで全体にぬる。
7.オーブンで約45分、りんごがやわらかくなり、表面がこんがりするまで焼く。
8.オーブンから出して冷ます。

★参考図書、ウェブサイト
『果樹園芸の世界史』小林章著、養賢堂
『果樹園芸博物学』間苧谷徹著、養賢堂
 "The food timeline" http://www.foodtimeline.org/
★「やまねこ翻訳クラブお菓子掲示板」
        http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi

                         (冬木恵子/かまだゆうこ)

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●編集後記●ドイツ語の翻訳家の方のインタビュー、ドイツ、フィンランド、オース
トラリア作品のレビュー。どこか違う欧風の空気の中、アメリカン・タイプのアップ
ルパイを味わうことができれば……、至福のときかもしれません。(い)
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発行人 村上利佳(やまねこ翻訳クラブ 会長)
編集人 井原美穂/大原慈省(やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画 植村わらび かまだゆうこ 児玉敦子 笹山裕子 寺岡由紀 冬木恵子
    村上利佳
協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内
    ながさわくにお
    html版担当 ハイタカ
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