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月刊児童文学翻訳

─2005年10月号(No. 73)─

児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、
電子メール版情報誌<HP版+書店街>
http://www.yamaneko.org/
編集部:mgzn@yamaneko.org
2005年10月15日発行 配信数 2340

もくじ

 ◎特別企画:レビューを書く (実践編)
   『最後の宝』 ジャネット・S・アンダーソン文/光野多惠子訳
   『ジュディ・モード、有名になる!』
     メーガン・マクドナルド作/ピーター・レイノルズ絵/宮坂宏美訳
   『こんにちは アグネス先生 アラスカの小さな学校で』
     カークパトリック・ヒル作/宮木陽子訳
   『ジュリエッタ荘の幽霊』 ベアトリーチェ・ソリナス・ドンギ作/長野徹訳
   『めがねっこマノリート』
     エルビラ・リンド作/エミリオ・ウルベルアーガ絵/とどろきしずか訳
   "Traction Man is Here!" ミニ・グレイ文・絵
   "Mutt Dog!" スティーブン・マイケル・キング文・絵
 ◎賞速報
 ◎イベント速報
 ◎世界のお祭り:第5回 ハロウィーン(欧米) 10月31日
 ◎読者の広場:海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!

●このページでは、書店名をクリックすると、各オンライン書店で詳しい情報を見たり、本を購入したりできます。

 


●特別企画●レビューを書く (実践編)

 翻訳家になるのに欠かせないのがよいシノプシスを書くことだ。シノプシスをまとめるうえで役に立つ文章修行を、できたら楽しんでやりたい。そこで本誌2003年11月号では、ひとつの方法としてレビューを書いてみようと提案した。しかし、ひとりでは勉強のためだけにレビューを書くのが、なかなかむずかしい。それならば、みんなで書いてみようと、やまねこ翻訳クラブでは第1回「レビュー勉強会」を9月に開催した。
 勉強会掲示板では、毎月の本誌編集部の掲示板以上に熱気あふれるやりとりが交わされた。自分の文章を人に読んでもらったり、人のレビューにコメントを書いたりするなかで、ひとりよがりな文章を修正し、表現を磨き上げていった。今月はレビュー勉強会で完成したレビューを7本お届けする。


【参考】
本誌2003年11月号情報編「特別企画」


『最後の宝』
ジャネット・S・アンダーソン文/光野多惠子訳

早川書房 定価1,890円(税込) 2005.06 390ページ ISBN 4152500336
"The Last Treasure" by Janet S. Anderson
Dutton Children's Books, 2003

★2004年MWA賞(エドガー賞)ヤングアダルト部門候補作品

 今から150年ほど前のこと。家族を愛するジョン・マシュー・スミスは、広大な土地「ザ・スクエア」を購入し、子どもたちのために家を建てた。そして、そのうちの3軒に、将来の財政難に備えた3つの宝を隠した。やがて訪れた2度の危機。工夫された仕掛けの謎を解き、財宝を見つけて一族の窮地を救ったのは、その時々のスミス一族の子どもたちだった。そして今、3度目の危機が訪れようとしている。
 13歳の誕生日、エルズワースの元に、今も「ザ・スクエア」に住む遠縁のおばさんから手紙が届いた。「最後の宝の謎を解いて、わたしたちを助けてください」一族との関係を断った父とふたりで暮らしているエルズワースにとって、父から聞くスミス家の古い歴史や宝の謎を解いた子どもたちの話は、遠い世界の物語にすぎなかった。それが突然、現実のものとなって目の前に現れたのだ。勇み立ったエルズワースは、反対する父を説得し、一族の元へ出発する。そのころ、同じ血を引く13歳のジェスも、運命に引き寄せられるように「ザ・スクエア」を訪れていた。果たしてエルズワースとジェスは、力を合わせて最後の宝を見つけ、一族の危機を救えるのだろうか。
 本作では、スミス家の悲しい過去や現在直面している危機と、家族に問題を抱えるエルズワースやジェスの心の傷を描いている。それでいて重苦しさを感じさせないのは、過去の悲しみと人間の愛憎が、わくわくするような宝さがしと交互に語られ、話がスピーディーに展開していくからだ。いくつものエピソードが織り込まれたこの物語は、どの登場人物に寄り添うかで読み方も異なる。わたしは、繰り返される親子の葛藤に共感を覚えると同時に、過去を引きずりすぎることの悲しさをも強く感じた。また、取り戻せない過去の過ちや心に封印した悩みも、自分が心を開くことでいつしか乗り越えられるものだ、と改めてこの作品から教えてもらった。
 さて、この話では2つの大きな謎解きが楽しめる。1つは宝を守る仕掛けはどんなものかという謎、もう1つは大人たちが過去を語りたがらないのはなぜかという謎だ。自分も一緒に謎を解く興奮が味わえ、読み終わった後には、古い屋敷で宝さがしを始めたくなるような作品である。

(村上利佳)


【作】ジャネット・S・アンダーソン(Janet S. Anderson)

米国ニューヨーク州生まれ。名門コーネル大学に学ぶ。高校英語教師を経て、図書館や州教育委員会で働く。カナダ、ドイツ、スウェーデンなどで暮らしたのち、児童文学の執筆を開始。主な著書にヤングアダルト作品 "Going through The Gate" や絵本 "Sunflower Sal" がある。

【訳】光野多惠子(みつの たえこ)

津田塾大学英文学科卒、英米文学翻訳家。翻訳学校フェロー・アカデミー講師。『名犬?エリックのおかしな冒険』(アンドリュー・ノリス作/金の星社)、『恐竜大行進』(キャシー・E・ダボウスキー作/金の星社)など訳書多数。

【参考】
▼光野多惠子さん公式ウェブサイト
http://tmitsuno.umu.cc/

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『ジュディ・モード、有名になる!』 
メーガン・マクドナルド作/ピーター・レイノルズ絵/宮坂宏美訳

小峰書店 定価1,365円(税込) 2005.06 134ページ ISBN 4338203021
"Judy Moody Gets Famous!" by Megan McDonald, illustrations by Peter Reynolds
Walker Books, 2001

 いつもと変わらない木曜日、ジュディが教室に入っていくと、となりの席のフランクが話しかけてきた。「ねえ、ジェシカ、みた?」ふりむくと、ジェシカがかんむりをかぶっている。彼女は単語つづり大会で優勝し、新聞にも載ったのだという。一生のうち15分くらいは誰でも有名になるチャンスがある、そう聞いたジュディは、自分も有名になろうと、仲間たちと作戦を練りはじめた……。
 表紙には、ハート型のサングラスをかけ、ポーズを決めているジュディ。前作『ジュディ・モードはごきげんななめ』で、パンチのきいたセリフとその名のとおりころころ変わる「モード」で、読者を楽しませてくれた気分屋の小学3年生だ。人形の手足やつまようじなど、変わったものをコレクションしている彼女は、シニカルで元気がよくて、いたずら好き。女性で初めて医者になった、エリザベス・ブラックウェルにあこがれるという一面も持っているユニークな女の子である。
 そんなジュディの日常を書いたこのシリーズには、魅力あふれる仲間たちがたくさん登場する。弟のスティンクや親友のロッキーたちとのやりとりは、皮肉やユーモアたっぷりで愉快だし、大人たちもなかなかいい味をだしている。担任のトッド先生も両親も、ジュディの「ふきげんモード」や「どうってことないモード」などにも慣れっこで、彼らのゆったりとした対応が、子どもをのびのび育てるのだろう。そしてもちろん、主人公のジュディは読者を惹きつけてやまない。そのあふれ出るアイデアと行動力にはたびたび驚かされ、失敗にもめげない彼女のバイタリティは見習いたいほどだ。ジュディと仲間たちが集まれば、ありふれた出来事も、どたばたと楽しい騒動になる。ページをめくるたび、読者はついつい笑ってしまうことだろう。
 数ページごとに登場する、ピーター・レイノルズの挿し絵も、なくてはならない存在だ。おちゃめな登場人物をうまく表現したイラストが、さらにこの物語をいきいきと、楽しいものにしている。絵と文章のどちらが欠けても、この人気シリーズは成り立たない。人形をはじめ関連商品が発売されているのもうなずける。アメリカでは現在6巻まででているこのシリーズ、来年には邦訳の3、4巻目も出版されるそうだ。

(美馬しょうこ)


【作】メーガン・マクドナルド(Megan McDonald)

米国出身、カリフォルニア州在住。本や物語に囲まれて育つ。大学卒業後、博物館、書店、図書館などに勤め、現在は児童文学作家として活躍し、絵本や読物を多数出版している。本シリーズ1作目の『ジュディ・モードはごきげんななめ』(宮坂宏美訳/小峰書店)は産経児童出版文化賞推薦を受賞。

【絵】ピーター・レイノルズ(Peter Reynolds)

カナダ出身、米国マサチューセッツ州在住。物語やマンガ、新聞などを書いて育つ。教育関係のソフトウエアなどを販売する会社で副社長を務めた後、アニメーションの会社をおこし、子ども向けのテレビ番組やビデオなどを制作。イラストや絵本も手がけ、邦訳作品には『てん』(谷川俊太郎訳/あすなろ書房)などがある。

【訳】宮坂宏美(みやさか ひろみ)

宮城県出身、東京在住。会社勤務後、やまねこ翻訳クラブで活躍し、児童書の翻訳を始める。訳書に『サラの旅路』(ウォルター・ディーン・マイヤーズ作/小峰書店)、『チョコレート病になっちゃった!?』(ロバート・K・スミス作/ポプラ社)、本シリーズの『ジュディ・モードはごきげんななめ』などがある。

【参考】
▼メーガン・マクドナルド公式ウェブサイト
http://www.meganmcdonald.net/

▼ピーター・レイノルズ公式ウェブサイト
http://www.peterhreynolds.com/

▼ジュディ・モード公式ウェブサイト
http://www.judymoody.com/index.htm

▽宮坂宏美訳書リスト(やまねこ翻訳クラブ)
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/hmiyasak.htm

 

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『こんにちは アグネス先生 アラスカの小さな学校で』 
カークパトリック・ヒル作/宮木陽子訳

あかね書房 定価1,365円(税込) 2005.06 142ページ ISBN 4251041917
"The Year of Miss Agnes" by Kirkpatrick Hill
Margaret K. McElderry Books, 2000

 あたしはアラスカの小学生。小さなこの村の学校では、先生がかわってばかりいる。前の先生が急にやめてしまったあと、1年間という約束でイギリス人のアグネス先生がやってきた。もう長いことアラスカの学校で教えているらしい。
 アグネス先生の授業は、いままでとはぜんぜん違う。大きな世界地図を使ったり、みんなで年表を作ったり、テストのかわりにゲームで復習したり。することがたくさんあって前よりずっとたいへんなのに、なぜだかとっても楽しい。それに、先生は耳の聞こえないあたしのおねえちゃん、ボッコも学校に通えるようにしてくれた! ボッコと一緒にあたしたちも手話を勉強した。村の大人たちまで手話を覚え始めてる。うれしそうなボッコを見て、勉強なんて役にたたないと言ってた母さんも、先生のやり方を認めるようになってきた。でも、先生がイギリスに帰る日はもうすぐだ……。
 第2次世界大戦直後のアラスカの生活が、小学校での毎日を通していきいきと描かれる。語り手は10歳の少女フレッド。戦争の影響が及ばなかった奥地の村では、伝統を守り、狩りや漁で生計をたてていた。その一方で、防寒着や便利な道具を通信販売で買うという近代的な面もあった。手間をかけないその方法に対しては世代や個人によって意識の差があり、「先住民族」の立場になった人々が新しい文化を受け入れていく過程を垣間見た気がする。作者がこの物語にこめた、古い文化や生活様式を忘れないでという願いが、舞台となった時代から半世紀を経た今、一層心に響いてくる。
 読みすすめるうちに、こんな時代、こんなところにこんな先生がいて、こんな斬新な教育方法をとることができたのか、と物語であることを忘れて驚いてしまった。昔ながらの生活が続けられ、勉強など必要ないと考える人もいた小さな村で、アグネス先生の存在は、生徒のみならず村人たちの間にまで勉強に対する意識改革をもたらした。そこには今の日本で語られる真の教育、真の勉強に通じるものがある。これは国を越え、時代を越えた大きな課題といえるだろう。人は一生勉強を続けるべきだ、新しいことを知る喜びを忘れるな、という教育者としての作者の強い思いが感じられる秀作だ。多くの人に、この本を読んで、知る喜びを味わってほしい。

(冬木恵子)


【作】カークパトリック・ヒル(Kirkpatrick Hill)

米国アラスカ州生まれ。フェアバンクスで少女期を過ごす。アラスカ州内の小規模校、小規模クラスで長年にわたって教鞭をとり、その経験に基づいて本作品を含む数点を執筆。主な作品に"Toughboy and Sister"、"Winter Camp"、"Minuk: Ashes in the Pathway" がある。本作品で、2000年 School Library Journal Best Book を受賞。

【訳】宮木陽子(みやぎ ようこ) 

お茶の水女子大学大学院英文科修士課程終了。英字新聞、雑誌の翻訳を経て、書籍翻訳に携わる。主な訳書に『ココ、ゴリラと子ネコの物語』(フランシーヌ・ペニー・パターソン作/あかね書房)、『リンカンがひげをはやしたわけ』(フレッド・トランプ作/偕成社)、『メイフラワー号の少女』(キャスリン・ラスキー作/岩崎書店)などがある。

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『ジュリエッタ荘の幽霊』
ベアトリーチェ・ソリナス・ドンギ作/長野徹訳

小峰書店 定価1,575円(税込) 2005.07 182ページ ISBN 4338174226
"Il fantasma del villino" by Beatrice Solinas Donghi
Edizioni EL, 1992

 第2次世界大戦末期の北イタリア。町での大きな空襲はなくなっていたが、父がドイツ軍捕虜となり収入のなかったリッリたち一家は、母の生まれ故郷で疎開生活を続けていた。都会育ちのリッリにとって、映画もジェットコースターもない田舎暮らしはひどく退屈なものであった。
 そんな夏のある日、リッリは、早死にした娘の幽霊が出ると噂され「呪われた屋敷」とも呼ばれるジュリエッタ荘の裏で、白い服を着た少女の姿を目撃する。遊び仲間たちにその話をしたところ、おしゃべりに火がついて、あっという間にジュリエッタ荘の住人レバウディの知るところとなった。そしてリッリは、大あわてで家にやって来たレバウディから、勉強を手伝うという奇妙な申し出を受けた。わけがわからないままジュリエッタ荘に通い始めたリッリだったが、勉強の合間に見せてもらえる古い雑誌や美しい小物にいつしか夢中になっていく。そして数週間後、ジュリエッタ荘でリッリが見たものは、見覚えのあるあの少女の姿だった。しかし、彼女の存在は誰にも明かせない秘密であった。まさに「ジュリエッタ荘の幽霊」だったのだ。
 田舎の疎開生活が、リッリの視点で生き生きと語られている。子どもたちの間でしじゅう話題にのぼる食べ物の話が、「やめてちょうだい、気絶しちゃう!」などというセリフで締めくくられ、貧しさを描いてはいてもユーモアたっぷりだ。しかし同時に、町の親友と離れ、子どもの楽しみもほとんどない生活に、リッリの心が物足りなさを感じていることもよく伝わってくる。ジュリエッタ荘に通うことで生き生きと輝きだすリッリの様子はそれと対照的で、思わず心がなごんだ。さらに、やがて出会った少女とふたりでひそかに過ごすひとときは笑い声が絶えず、ときおりレバウディに注意されるほど。友と心を通わせるということが、こんなにも人の心を満たしていくものなのだと再認識させられた。
「幽霊」が潜む「ジュリエッタ荘」は今でも、世界中のあちらこちらに、さまざまな形で存在しているのではないだろうか。この本が子どもたちにとって心温まる友情物語というだけでなく、世界に目を向ける一助にもなってくれればと願った。

(赤間美和子)


【作】ベアトリーチェ・ソリナス・ドンギ(Beatrice Solinas Donghi)

1923年イタリア、ジェノヴァ近郊の町セッラ・リッコに生まれる。二十代初めにイギリスへ留学して英文学を学んだ後、小説家としてデビュー。やがて児童文学界でも活躍するようになる。民話や昔話にも造詣が深い。主な作品に "Quell'estate al castello"(1996)、"La figlia dell'imperatore"(1990)(共に Edizioni EL)など。

【訳】長野徹(ながの とおる)

1962年山口県生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院博士課程修了(イタリア文学専攻)。1995年〜96年にイタリア政府給費留学生としてパドヴァ大学文学部に留学し、現在はイタリア文学の研究と紹介に従事している。主な訳書に『光草(ストラリスコ)』(ロベルト・ピウミーニ作/小峰書店)、『ポリッセーナの冒険』(ビアンカ・ピッツォルノ作/徳間書店)などがある。

 

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『めがねっこマノリート』
エルビラ・リンド作/エミリオ・ウルベルアーガ絵/とどろきしずか訳

小学館 定価1,050円(税込) 2005.07 223ページ ISBN 4092904118
"Manolito Gafotas" by Elvira Lindo, illustrations by Emilio Urberuaga
Alfaguara, 1994

 ぼくはマノロ・ガルシア・モレノ、8歳。スペインの下町に住んでいる。友だちに「めがねっこマノリート」と呼ばれるのは、5歳のときからずっとめがねをかけているからだ。
 家族はトラック運転手で無口なパパ、怒ると怖いママ、「おばかっちょ」と呼ばれる弟、そしてサイコーにいかしてるおじいちゃん。友だちには「でか耳ロペス」と「悪のジハード」、そしてとても気が強いガールフレンドのスサーナがいる。いたずらが大好き、おしゃべりも大好きなぼくのまわりは、いつも騒動の連続なんだ。さあ、どんなことが起こるのかな――。
 マノリートのキャラクターは1994年、スペインのラジオ番組から生まれた。脚本を書いていたリンド自身が子ども向けの物語として出版すると、本は人気をよびシリーズ化され、現在まで7巻が刊行されている。マノリートの活躍は本とラジオにとどまらず、映画、テレビシリーズ、戯曲にもなった。スペインの国民的人気者と言えるだろう。
 友だちと集団でカンニングしたり、マンションの壁に落書きしたりと、マノリートたちのいたずらはどこでも見られるようなものばかりだ。しかしその度ごとの、口達者なマノリートの言い訳がおもしろい。子どものころ、こんな子がクラスの人気者だった、と思い出され親しみが持てる。
 そして最高に魅力的な脇役は、マノリートのおじいちゃんだ。マノリートの一番の理解者で、決していたずらを叱らず、時にはとんでもないアイディアでマノリートを助けてくれる。一般的に、物語に登場するおじいちゃんというと、温かく孫を見守る役目のイメージがあるが、マノリートのおじいちゃんは時にはいたずらっ子のように、騒ぎの中心にもなる。かと思うと、めがねをなくして不安がるマノリートを励ましたり、誕生日での子どもや孫たちの気配りに涙を浮かべたりと、情に厚い一面も見せてくれる。
「マノリート」シリーズの邦訳は、続刊が予定されている。今後もマノリートたちの起こす騒動や、おじいちゃんとの名コンビの活躍に注目したい。

(井原美穂)


【作】エルビラ・リンド(Elvira Lindo)

1962年、スペイン、カディス生まれ。テレビやラジオ番組の脚本執筆などをしていた。パーソナリティを務めるラジオ番組の中で生み出した「マノリート」が人気となり、物語にして出版したのが本作。リンドの作家デビューとなった。シリーズ4作目の "Los Trapos Sucios" は1998年のスペイン国民児童文学賞を受賞した。本作が初の邦訳作品。

【絵】エミリオ・ウルベルアーガ(Emilio Urberuaga)

1954年、スペイン、マドリード生まれ。1980年代から絵本のイラストの仕事を始める。邦訳に『ぶらんこのすきなワニくん』(カトリン・キッス作/那須田淳訳/講談社)などがある。

【訳】とどろきしずか(轟志津香)

神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。スペイン国立グラナダ大学に留学中、「マノリート」シリーズに出会う。同シリーズの続刊を翻訳出版予定。他の訳書に『海を飛ぶ夢』(ラモン・サンペドロ作/宮崎真紀、中川紀子共訳/アーティストハウスパブリッシャーズ)などがある。

【参考】
▼「マノリート」シリーズのウェブサイト(出版社 Alfaguara 内、スペイン語)
http://www.alfaguara.com/manolito/

▼エルビラ・リンドの経歴、著作などを紹介するページ
 (スペイン語圏の女性作家を紹介するウェブサイト escritora.com 内、スペイン語)
http://www.escritoras.com/escritoras/escritora.php?i=157

▼ "Manolito Gafotas" 出版10周年を記念するイラスト展示会の記事
 (Yahoo! Espan~a Noticias より、スペイン語)
http://es.news.yahoo.com/fot/ftxt/20050218141356.html

 

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※編集部注:「Yahoo! Espan~a Noticias」の(~)はティルデで、直前の「n」の上につく。

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『トラクションマン ただいま参上!』(仮題)
ミニ・グレイ文・絵
"Traction Man is Here!" by Mini Grey
Knopf Books for Young Readers, 2005 ISBN 0375831916 (US)
32pp.

★2005年ボストングローブ・ホーンブック賞絵本部門受賞作品

 中表紙にはサンタクロースへの手紙が1枚。自分の旧型アクションフィギュア「トラクションマン」がパラシュート事故に遭ったので、最新型が欲しいと遠まわしに書かれている。手紙の主は、6、7歳の男の子だろうか。そしてクリスマス。願いどおり、ぴっかぴかのトラクションマンがやってきた!
 トラクションマンの日々は、愛と正義に満ちている。まずはジェット・パワーのスニーカーに乗り、フトン星に一直線。邪悪なマクラ星人に襲われるおもちゃの動物を救い出し、さっそうと次の指令地に飛び去って行く。朝食のトーストを見張った後には、食器洗いの任務が課せられた。濁った流しの底でざるについたかすを取り除こう
とすると、猛毒フキンダコに覆われて窒息させられそうになる。トラクションマン、ピーンチ! 窮地は相棒となるタワシ犬ブラシに救い出され、その後もパワー全開のトラクションマンだったが、クリスマス休暇で訪ねたおばあちゃんの家には、いまだかつてない大冒険が待ち受けていた。
 軽快なテンポでイマジネーションを物語る作風は、前作 "Biscuit Bear" 同様、本作品でも健在だ。親しみのわく水彩のイラストは、子ども心をくすぐりながら現実と空想の交錯をおもしろおかしく描き出す。ところどころに配される包装紙や商品ラベルのコラージュは、作品全体に洒脱さを添えている。小学校教師としての作者の経験
は子どもの目の高さでものをとらえる視点に生かされ、身近な生活用品をパロディ化する妙味となって表れた。製作中は生徒の日常に思いを巡らし、さぞかし愉快だったことだろう。キャラクターたちはユーモアとスピード感あふれる設定の中で生き生きと動き出し、読む者を仮想空間に誘っている。場面ごとに違う衣装で登場するトラクションマンの姿にも注目したい。だれをもトラクション(traction = 引きつける意味)する理由は、正義だけでなくおしゃれ心にもあると主張しているかのようだ。
「子どもとおもちゃ」をテーマに等身大の現代っ子を描く作者のまなざしは、愛情に満ちている。これはスーパー・ヒーロー好きな子どもとその家族にはたまらない作品だ。声優気分でアクション・ワールドが演じられる貴重な絵本である。

(ブラウンあすか)


【文・絵】Mini Grey(ミニ・グレイ)

英国ウェールズに生まれ、バッキンガムシャーで育つ。大学でアート、英文学を学んだ後、劇場で舞台美術を担当。ロンドン市内の小学校で教鞭をとった後、作家デビューを果たした。2作目 "The Pea and The Princess"が、2004年ケイト・グリーナウェイ賞ショートリストに入り、3作目 "Biscuit Bear" は、2004年スマーティーズ賞金賞(5歳以下の部)を受賞した。

【参考】
▼ミニ・グレイ紹介ページ(Random House 内)
http://www.randomhouse.com/author/results.pperl?authorid=41982

▼ミニ・グレイインタビュー(Book Page 内)
http://www.bookpage.com/0505bp/meet_mini_grey.html

 

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『いぬっころ!』(仮題)
スティーブン・マイケル・キング文・絵
"Mutt Dog!" by Stephen Michael King
Scholastic Australia, 2004 ISBN 1865046361
32pp.
Harcourt Children's Books, 2005 ISBN 0152055614 (US)

★2005年オーストラリア児童図書賞幼年向け部門オナー(次点)作品
(このレビューは、オーストラリア版を参照して書かれています)

 大きなビルが並ぶ街の道ばたに、ぼさぼさの毛をしたのら犬が1匹。都会では、勇敢ですばしっこく、そのうえ利口でなくちゃ生きていけない。でも、食べ物を求めてゴミ箱をあさり、寝る場所をさがして歩くその姿は、どこかちょっぴりさびしそう。
 ある雨の降る夕方、寒い街をうろついていたのら犬は、一軒の建物の中に入った。そこでは若い女の人が、つかれた顔をした人たちに毛布をかけ、スープを配っていた。彼女は、外に出されまいとテーブルの下に隠れてしまったのら犬の様子を見てかわいそうになり、空き箱を用意してやる。その中で、生まれて初めてタオルにくるまれて眠るのら犬。けれど、そんなしあわせはひと晩だけ。次の日、「ずっといさせてやれたらよかったんだけどね」そう声をかける女の人を振り返りながら、宿なしの犬はまたとぼとぼと街を歩き始めた……。
 人なつこそうな薄茶色の犬が、しっぽを振りながらこちらを見ている表紙の絵。この主人公は、作者自身の愛犬がモデルになっているそうだ。愛嬌のあるちっちゃな目と、なんとも素直な表情がかわいくて「この犬、ほっとけないなあ」という気持ちにさせられる。都会を歩くホームレスの人たちも、重過ぎないペーソスを持って描かれ
ていて、社会の中で見過ごされてしまいがちな存在に対する作者の温かいまなざしが伝わってくる。名前も、居場所もなかった犬の生活が変わっていく後半部分は、作者と愛犬との間に通うおだやかで確かな愛情が、絵のひとつひとつからにじみ出ていて、ページをめくるごとにほのぼのとした気持ちになる。"Mutt Dog!" とやさしく呼びかける声が、どこからか聞こえてきそうだ。
 スティーブン・マイケル・キングの作品には、心の奥にゆっくり静かに染み込んでいくぬくもりがある。繊細なインクの線に、薄いグリーンやブルーを基調とした水彩で色づけされた絵は、軽妙で親しみやすく、どこまでもやさしげだ。この作品も、そんな魅力があふれた絵とストーリーとがぴったりマッチして、幼い子どもの純真な心をとらえるに違いない。子どもたちは、けなげでかわいい主人公がきっと好きになるだろう。

(鎌田裕子)


【文・絵】Stephen Michael King(スティーブン・マイケル・キング)

オーストラリア、シドニー生まれ。9歳の時に聴力がかなり低下して以来、絵の世界に没頭し、絵を描くことがコミュニケーションの手段になっていった。1998年に "The Little Blue Parcel" と "Henry and Amy" の2作品がオーストラリア児童図書賞ショートリストに選ばれた。絵本作家、イラストレーターとして広く活躍中。

【参考】
▼スティーブン・マイケル・キング紹介ページ(Lateral Learning 内)
http://www.laterallearning.com/authors/kingsm.html

 

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●賞速報●

★2005年度ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)賞発表
★2005年ニルス・ホルゲッソン賞/エルサ・ベスコフ賞発表
★2005年ガーディアン賞発表(ショートリストは9月17日に発表されました)
★2005年スマーティーズ賞ショートリスト発表(受賞作の発表は12月14日の予定)
 ※今年より Nestle Children's Book Prize と名称が変更されました。
★2005年 Booktrust Early Years Awards 発表
★2005年オランダ金の石筆賞発表
★2005年全米図書賞(児童書部門)最終候補作発表(受賞作の発表は11月16日の予定)

海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」をご覧ください。
http://www.yamaneko.org/award/index.htm(2005年9月まで)
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award(2005年10月〜)

 

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●イベント速報●

★展示会情報

安曇野ちひろ美術館「ちひろが愛したアンデルセン」他
 

★セミナー・講演会情報

メリーゴーランド「清水真砂子さん講演会」他
 

★コンクール情報

板橋区立中央図書館「いたばし国際絵本翻訳大賞」
 
 
  詳細やその他の展示会・セミナー・講演会情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、空席状況については各自ご確認願います。

(笹山裕子/井原美穂)



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●世界のお祭り●第5回 ハロウィーン(欧米) 10月31日

 ハロウィーン(Halloween)という言葉は、日本でもよく耳にするようになりましたね。子ども向け英会話学校には欠かせない行事となっているようです。しかし、その起源やお祭りの持つ意味などは、案外知られていないのではないでしょうか。
 古代ケルト人は、10月31日を1年の終わりと考え、この夜は死者の霊が家族を訪ね、精霊や魔女が村に出てくると信じていました。秋の収穫を祝うとともに、悪霊たちから身を守るために魔よけの火を焚いた古代ケルト人たちの祭り「サムハイン(Samhain)祭」が、ハロウィーンの起源とされています。やがて、諸聖人の日(All Hallows)の前夜祭(eve)ということから、Halloween と呼ばれるようになりました。
 ケルト人はサムハイン祭で、あの世からやってくる死者の霊を静めるために供物を捧げました。また、9世紀のヨーロッパでは、11月2日の死者の日にキリスト教徒が、「魂のケーキ(Soul Cake)」と呼ばれる干しぶどう入りの四角いパンを乞いながら、村から村へと渡り歩きました。彼らは施しと引き換えに、その家の死者の魂のために祈りを捧げたのです。これらの風習が、ハロウィーンの夜の名物――仮装した子どもたちが「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ(Trick or treat?)」と言ってお菓子をねだって歩くこと――に受け継がれたようです。
 また、米国では大きなオレンジ色のカボチャをくりぬいて、三角形の目、鼻、歯のある大きな口を切り取り、中にキャンドルを置いて、有名なカボチャ提灯(Jack-o'-lantern)を作ります。この提灯は、英国やアイルランドでは、スウィード(swede)と呼ばれるカブの一種を使って作られます。これは、古代ケルトの風習のなごりです。
 さて、スコットランドでは、ハロウィーンに特別なご馳走を用意します。それはシャンパーズ。ゆでて潰したじゃがいもにチーズを混ぜ、オーブンで焼き上げるポテトパイに似た料理です。他にも、リンゴにあめをからめたタフィーアップル、砂糖菓子のタブレット、ナッツなどが、スコットランドのハロウィーンには欠かせません。
 児童書にもよく出てくるハロウィーンですが、これからご紹介するのはスコットランドでのハロウィーンの様子を描いた、その名もずばり『ハロウィーンの魔法』(ルーマ・ゴッデン作/渡辺南都子訳/偕成社)です。スコットランドでも、提灯はスウィードで作ります。その作り方を一緒に見てみましょう。

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  「カブの中身をくりぬくの。おさじでほって、くりぬくのよ。――たいへんな仕事なんだから。それから、目と口の穴を切り取って、できれば小さな鼻の穴もつくるの。紙で歯をつけたり、赤いぼろ布で舌をつくるひともいるわ。
 ハロウィーンの夜になると、くりぬいたカブのなかにろうそくか豆電球をともして、ちょうちんみたいにもって歩いたり、門柱にかざったりするの。ものすごく、無気味に見えるんだから。」

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 他にも、『魔女ジェニファとわたし』(E・L・カニグスバーグ作/松永ふみ子訳/岩波書店)には、学校での仮装コンテストの様子が描かれています。また、『ハロウィーンがやってきた』(レイ・ブラッドベリ作/伊藤典夫訳/晶文社)では、伝説の怪人に導かれて8人の少年が時をさかのぼって冒険を楽しみます。いろいろなハロウィーンを、主人公たちとともに楽しんでみてください。

(村上利佳/笹山裕子)

★参考ウェブサイト
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3
Halloween is here!
http://www.halloweenishere.com/history.html

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●編集後記●

レビュー勉強会の成果はお楽しみいただけたでしょうか。どれもやまねこ会員おすすめの本です。どうぞ手にとってみてくださいね。(た)

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