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ウィルフ きをつけて!
ジャン・ファーンリー 作
金原瑞人 作
ISBN 4-338-12628-0
定価 1470円(税込)
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ペーターという名のオオカミ
那須田 淳 作
ミヒャエル・ゾーヴァ 装画
ISBN 4-338-14411-4
定価 1890円(税込)
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この素晴らしき世界に生まれて
福田隆浩 作
牧野鈴子 絵
ISBN 4-338-17418-8
定価 1470円(税込)
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ウィルフはねずみです。
こねずみのウィルフは毎日元気いっぱいはねまわります。
おかあさんは、ウィルフから目がはなせません。
しょっちゅうこう言わなくてはいけないのです。
「ウィルフ きをつけて!」
その声の後に聞こえる音はといえば、
つるうんっ
ばたんごろん べちゃ!
いやはや、にぎやかです。
さて、ラストには……。
小さい子どもと暮らすとどうしてもよく口にするのが「気をつけて!」ではないでしょうか。
身につまされながらも、うれしいラスト! |
舞台はベルリン。
森で捕獲した11頭の野生のオオカミを研究所に輸送中、その車が事故にあった。檻は路上になげだされ、オオカミたちはいなくなった。その中には生後3カ月の子オオカミもいた。
主人公の14歳、山本亮は7歳の時から、新聞記者の父親の転勤によりベルリン市に住んでいる。その父親に、日本に戻れという辞令がおりた。親の都合で2週間後だという。そんな大事なこと、ちゃんと説明してほしい――気持ちの整理がつかない亮は、兄貴のように慕っているところに家出する。家出先は下宿人がほかにもいた。彼らとの出会いがオオカミとの出会いでもあった……。
ベルリンの歴史、亮、オオカミ、それぞれの物語が深く混じり合う。少年の成長小説でもある。14歳――成長する時は、こんなに短い間にぐんぐん心が広がるのだろうか。オオカミの生態も興味をひかれた。 |
第2回日本児童文学者協会・長編児童文学新人賞受賞作品
里美は小学校6年生。姉さん、父さん、母さんの4人暮らし。正確には、いま父さんは単身赴任中なので、ふだんは3人の生活だ。里美は聾学校に通っている。生まれつき耳が聞こえない。学校帰りに、県立図書館に寄り道するのが里美の日課だ。古い本ばかり置かれている閲覧室で、本を読むのが何よりの楽しみだった。そこで1冊の本とお婆さんに出会う。タイトルは『死の谷の王女』、お婆さんは里美にこの本を読んでくれと言う……。
里美の物語と『死の谷の王女』の物語が並行して語られる。不思議なお婆さんは後半、どんどんリアリティある存在感をしめす。家族の中の自分、小学校を卒業してからの自分、里美は自分の居場所をみつけたいと望む。最後の手紙は、里美にも読み手にも充足感をあたえてくれるだろう。 |
【作者】ジャン・ファーンリー Jan Fearnley
イギリスに生まれる。グラフィックデザインの勉強をしたのち、子供の本にたずさわるようになる。あたたかさに満ちたいらすととユーモラスな話で作られた絵本の世界が、子どもたちの間で大人気。現在は、夫と二ひきのネコと一緒にロンドンで暮らしている。
【訳者】金原瑞人 かなはら・みずひと
法政大学教授・翻訳家。おもな訳書:『青空のむこう』(求龍堂)『豚の死なない日』(白水社)『レイチェルと滅びの呪文』(理論社)『ヴァイキングの誓い』(ほるぷ出版)『少女神第9号』(理論社)『はらぺこおおかみと7ひきのこやぎ』『びっくりめちゃくちゃビッグなんてこわくない』(小峰書店)ほか。
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【作者】那須田淳
1959年、静岡県浜松市に生まれる。早稲田大学卒。「鬼ケ島通信」同人。1995年からドイツのベルリン市に在住。主な著作に、絵本『魔笛』(講談社)、『おれんちのいぬチョビコ』(小峰書店)。童話に『ボルピィ物語』(ひくまの出版)、少年小説に『グッバイバルチモア』(理論社)など多数ある。また翻訳には、木元栄との共訳で、『ちいさなちいさな王様』(講談社)など多数ある。
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【作者】福田隆浩
1963年、佐賀県に生まれる。兵庫教育大学大学院障害児教育専攻。対馬の訪問教育、付属用語学校勤務などを経て、現在、聾学校教諭として在職中。本作で、2003年第2回日本児童文学者協会・長編児童文学新人賞を受賞。長崎県在住。
【画家】牧野鈴子
1951年、熊本県に生まれる。熊本短期大学美術コース卒業後、デザインスクールでデッサンなど学ぶ。デザイン事務所勤務を経て、上京、現在に至る。主な作品に『りえの旅シリーズ』(小峰書店)、『森のクリスマスツリー』(文研出版)、『手ぶくろを買いに』(フレーベル館)などがある。
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