講談社 翻訳絵本新刊情報

2009年3月刊行

オルガ:表紙  オルガ ストロングボーイTシャツのはな

イリヤ・グリーン 作
とき ありえ 訳

ISBN 978-4-06-283028-7
定価 本体1200円(税別)


表紙のオルガが着ているのは、すごいことのできるストロングボーイTシャツです。
このTシャツを着ているだけで、とっても強くなれる!?
まず、他の子たちの隊長になって、いろいろ命令できるんです。
人間だけじゃなくって、アリとか、ネコにまで、あれしろ、これしろって言えるんです。
いばれるっていい気持ち。
とにかくすごい、ストロングボーイTシャツのお話です。


小ぶりの絵本ですが、真っ赤な背景に白いTシャツがとても映えて力強さがあります。
オルガの表情がまた、かわいい〜と声が出るような子どもじゃない、リアルでそれでいてよく知っている表情。
隊長になって命令する心地よさや、それに対する他の子たちの反応もおもしろく、最後のオチはぷぷぷっと笑ってしまいました。
子どもたちの気持ちの変化がテンポよく展開されていて、言葉はとっても少ないのだけど、表情で気持ちがぐっと伝わってくる、そこがよくって、繰り返し読んでしまう、そんな魅力にあふれた絵本です。

真っ赤の表紙を繰ると、あとは真っ白な背景に、子どもたちと、ネコ、コトリとアリがでてくるだけ。
線も色もきれいで、子どもたちの洋服もお洒落です。
シンプルだけど一度読むと、忘れられない印象を残す、オルガたちに是非であってほしい!

5月には続編も予定されているそうです。楽しみ!


イリヤ・グリーン Ilya Green
1976年、南仏のプロヴァンス生まれ。父親が骨董店をしていたリュベロンで育つ。イラストレーションに興味をもつが、絵画学校に入学するまえに現代文学の勉強をし、2001年に学位を取得。学業と並行して、子どものためのお話とイラストを描きためる。最初の絵本は、ディディエ・ジュネス社より2004年に出版された『HISTOIRE DE L'OEUF』。2006年、女性イラストレーターとグラフィックデザイナーが結集した、マルセイユのヴェンチュール工房に参加。作家・イラストレーターとして、グラフィカルで幻想的な美しさを追求しつづけている。

とり ありえ
1951年、東京生まれ。ジャーナリストの父より多くの児童書を与えられて育つ。上智大学でドイツ文学を専攻するが、結婚と同時に渡仏、パリ大学でフランス語を学ぶ。帰国後、児童文学の創作を開始する。『のぞみとぞぞみちゃん』(理論社)で、日本児童文学者協会新人賞を受賞。主な制作に『海の銀河』(講談社)、「ココの森」シリーズ(パロル舎)。翻訳に『ゆきのしたのなまえ』(講談社)、『テレビがなかったころ』(西村書店)、科学絵本「キッズたんてい」シリーズ(文化出版局)など多数。

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Last Modified: 2009/03/30
担当:さかな
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