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『ぼくだけのぶちまけ日記』
スーザン・ニールセン 作 , 長友 恵子 訳
シリーズSTAMP BOOKS
定価 本体1,700円+税 |
『ほしのこども』
メム・フォックス 文
フレヤ・ブラックウッド 絵
横山 和江 訳
定価 本体1,600円+税 |
「ベルリン3部作」
クラウス・コルドン 作 酒寄 進一 訳
第1部 『ベルリン1919 赤い水兵』(上・下)
第2部 『ベルリン1933 壁を背にして』(上・下)
第3部 『ベルリン1945 はじめての春』(上・下)
定価 本体各1,200円+税 |
ヘンリーは13歳。
ある事を境に、父親と2人でひっそりと引越し、新しい学校生活をおくることになります。
どうして、母親は一緒にきてくれないのだろう。
なぜ、兄さんはあんなことをしたのだろう。
ヘンリーにとっては納得のゆかないことばかりです。
自分の殻にとじこもっていようと思っていたヘンリーなのに、引越先のご近所さんや学校の友だち、そしてカウンセラーとの出会いで、風向きが変わっていきます。
家族が大きな事件を起こしてしまったとき、起こした本人のみならず、家族全員に世間の厳しい目がそそがれてしまう。
それでも、毎日の生活は続いていきます。
ご飯を食べ、学校にも行く。大人は仕事をし、生活を支える。
気持ちは後ろを向いていても、現実は前進していくのです。
ヘンリーの心がほぐれていくのに、なにが必要で大事だったか。
日記形式で書かれた本書にはヘンリーの隠し事のない自分との対話が記されています。
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あるところに、星がおちてきて、あかんぼうになりました。
星のあかんぼうは、すくすく育ち、子どもから大人に、そして……。
生まれた命をまわりであたたかく優しく見守っていきます。
ひとの優しさがにじみ出るようなタッチで描かれる星のこどもとまわりの人々。
ひとがひとを大事に思う、大切に思うことで、自分ももっと優しくなれる。
そんな気持ちのいい循環を描き出している絵本です。
フレヤ・ブラックウッドの絵は繊細であたたかみがあり、メム・フォックスの言葉を丁寧に絵にうつしています。懐かしさを感じるような線画は、ひとめみたときから、すっと心に入ってきます。
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時代の転換期を描くベルリン3部作。
7月刊行の『ベルリン1945 はじめての春』(上下巻)で完結となります。
本書は理論社から2001年から2007年にかけて刊行された三部作を元に、原書新版で作品全体の構成が手直しされたものに準拠した翻訳になっています。
20世紀前半の重たい歴史を一貫して10代の視線で描かれ、だからこそ、10代はもちろんですが、その上の世代にも読んで欲しい物語。
手元において、
本棚において、
いつでも読めるようにしてみてください。
読んだ自分以外の、家族の誰かが手にとる日がくるかもしれません。
自分が読んで心が動いたら、ぜひ人にすすめてください。ずっと読まれて欲しい本です。
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スーザン・ニールセン 1964年生まれ。カナダの作家。人気テレビシリーズの脚本を数多く手がけ、2008年に『Word Nerd』で作家デビュー、若い読者の支持を獲得する。3作目にあたる本書でカナダ総督文学賞(児童書部門)、カナダ図書館協会自動図書賞、ルース・シュワルッツ児童図書賞、イギリス文学協会賞などを受賞。その後も作品を発表し続け、15か国語以上で翻訳出版されている。
長友恵子(ながとも けいこ) 翻訳家。エッセイスト。訳書に『中世の城日誌』(産経児童出版文化賞JR賞)、『海賊日誌』『ピーターと象と魔術師』『レイミー・ナイチンゲール』(以上、岩波書店)、『ドラゴンだいかんげい?』(徳間書店)、『ゆうかんなうしクランシー』(小学館)、『おうちにいれちゃだめ!』(フレーベル館)、『せんそうがやってきた日』(すずき出版)などがある。 |
メム・フォックス 1946年、オーストラリアのメルボルン生まれ。大学で子どもの言語教育にたずさわりながら、児童文学を学び創作を始める。本国で長年愛される作品『ポスおばあちゃんのまほう』(朔北社)をはじめ、絵本や大人向けの読書指南書など数多く手がける。オーストラリアを代表する児童文学作家。
フレヤ・ブラックウッド 1975年、スコットランド生まれ。オーストラリアで育つ。映画の特殊効果の仕事などを経て、2003年に絵本を発表。以来、国内外で高い評価を得る。『さよならをいえるまで』(岩崎書店)でケイト・グリーナウェイ賞受賞。ほかに『この本をかくして』(岩崎書店)、『てつだってあげるね
ママ!』(きじとら出版)など多数。
横山和江 埼玉県生まれ。訳書に『わたしたちのときは』(岩波書店)、『わたしの心のなか』『山はしっている』(ともに鈴木出版)、『フランクリンの空とぶ本やさん』(BL出版)、『300年まえから伝わる とびきりおいしいデザート』(あすなろ書房)、『ジュリアンはマーメイド』(サウザンブックス社)など多数。やまねこ翻訳クラブ会員。 |
クラウス・コルドン 1943年生まれ。ドイツの作家。ベルリン生まれ。東西ドイツの分裂後は、旧東ドイツの東ベルリンに育つ。さまざまな職業を経たのち、貿易商社につとめ、インド、インドネシア、北アフリカを訪れる。1972年、西側への逃亡に失敗し、1年間拘留される。独居房での5か月を、頭のなかで小説を書くことで生きのびたという。西ドイツ政府によって73年に釈放されると、その後、西ベルリンに移住した。1977年にインドネシアを舞台とする『タダキ』でデビュー。以来、数多くの児童書やYA作品を発表する。評伝『ケストナー ナチスに抵抗し続けた作家』でドイツ児童文学賞受賞。『ベルリン1933 壁を背にして』で、銀の石筆賞受賞。
酒寄進一 1958年生まれ。翻訳家。和光大学教授。上智大学を卒業後、ケルン大学、ミュンスター大学に学ぶ。ドイツの児童文学やファンタジー、ミステリなど幅広い作品の紹介を手がける。訳書にヴェデキント『春のめざめ』(岩波書店)クルト・ヘルト『赤毛のゾラ』(福音館書店)シーラッハ『犯罪』『コリーニ事件』(ともに東京創元社)などがある。
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