岩波書店新刊情報

2009年11月刊行

ピーターと象と魔術師:表紙  ピーターと象と魔術師



ケイト・ディカミロ 作
長友恵子 訳


ISBN 9784-00-115635-5
定価 本体1700円+税

もしも、こうだったら?
なぜ、そうじゃないのか?
そんなことって、
ありうるんじゃないのか?

時は19世紀の終わり。ピーター・オーガスタス・デュシェンは、食べ物を買うために預かった硬貨で、占いをみてもらいます。
どうしても知りたかったことがあるのです。それは妹が生きているかどうか。
占い師は断言します。生きていると。象がその妹のもとに連れていってくれるだろう――そう、占い師は言いました。

象!

 あり得ないことが目の前でおきたならば、もしかして本当のことはいままで思っていたことではなかったのかと、くるりと気持ちが反転する不思議さが、この物語には満ちています。ピーターが占い師から聞いたキーワードは突拍子もないものでした。しかし、動き始めた物語では、ごく自然にその不思議さがとけこんでいます。どうなるのだろう――読んでいくうちに物語のもつ空気にすっぽり入り込み、しめくくりもとても腑に落ちるものがありました。

 幻想的な表紙は魔術師が大きな象を観客の前に出しているシーン、複雑な奥行きのある色合いが物語の神秘さを象徴してるかのよう。ちなみに装画はロサンゼルス在住の日本人画家が描いています。

作品公式サイトはこちら。

【作者】ケイト・ディカミロ Kate DiCamillo
米国ペンシルヴァニア州生まれ。フロリダ大学卒業。『きいてほしいの、あたしのこと――ウィン・ディキシーのいた夏』で作家デビューし、『ねずみの騎士デスペローの物語』で2004年ニューベリー賞を受賞。その他の作品に『愛をみつけたうさぎ――エドワード・デュレインの奇跡の旅』、絵本『ゆきのまちかどに』(以上、ポプラ社)、『虎よ、立ちあがれ』(小峰書店)などがある。ミネソタ州在住。

【訳者】長友恵子
北海道美幌町生まれ。ボストン大学経営大学院修了。訳書に『中世の城日誌』(産経児童出版文化賞JR賞)、『海賊日誌』(以上、岩波書店)、『ドラゴンだいかんげい?』(徳間書店)、『ボーイ・キルズ・マン』(鈴木書店)、『ブタさんカバさん ふたりはなかよし』(PHP研究所)などがある。紙芝居文化の会会員。横浜市在住。

【画家】たなかようこ
東京都に生まれ、神戸市に生まれる。関西学院大学卒業後、米国カリフォルニア州パサディナのArt Center Colleage of Design で学び、画家として展覧会を中心に活動している。ロサンゼルス在住。
http://www.yokotanaka.com/

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Last Modified: 2009/12/08
担当:さかな
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