あすなろ書房 新刊情報

2003年12月刊行

鏡のなかの迷宮II 光る石:表紙 鏡のなかの迷宮II 光る石
カイ・マイヤー著
遠山明子訳
佐竹美保絵
原題"Das Steinerne Light"

鏡のなかの迷宮II 光る石

【内容紹介】 ヴェネチアを舞台にした冒険ファンタジー『鏡のなかの迷宮』の第二部です。
第二部では、水の女王を内に宿したメルレは未知の世界、地獄へ。ヴェネチアに残ったゼラフィンは、少年たちで組織されたゲリラの一団に加わります。遠く離れた場所で、互いに身を案じつつ奮闘する二人ですが、彼らの再会はかないません。それぞれの場所で意外な人物に遭遇し、ひと波瀾、ふた波瀾……。物語は、思いもかけない方向へと進んでいきます。ますますディープにスリリングに!
 なお、メルレとゼラフィンの再会が果たされ、すべての謎があきらかになる完結編『ガラスの言葉(仮題)』は、2004年3月発売の予定です。

【著/カイ・マイヤー】 1969年、ドイツのリューベック生まれ。ボーフム大学で演劇、映像学を学んだ後、最初の本を発表。1995年より、文筆に専念し、 サスペンス・スリラーを多数執筆。主な作品に『錬金術師』、『ダイタロスの家』(以上未邦訳)、「七つの封印」シリーズ(ポプラ社)がある。 メルレを主人公とするこの三部作はドイツでベストセラーになった。

【訳/遠山明子】 1956年生まれ。上智大学でドイツ文学を学ぶ。 現在、大学でドイツ語、ドイツ文化を教えながら、ドイツ語圏の児童文学の翻訳紹介をしている。 主な翻訳作品に『パパは専業主夫』(童話館出版)、『女の子はサンタクロースになれないの』(国土社)などがある。

【絵/佐竹美保】 1957年生まれ。「奇想天外」の仕事を皮切りに、SF、ファンタジーなどの分野で多くの作品を手がける。主な作品に『ネシャン・サーガ』シリーズ(全3巻 あすなろ書房)、『不思議を売る男』(偕成社)、『メニム一家の物語』シリーズ(講談社)などがある。




ネシャン・サーガ1 ヨナタンと伝説の杖:表紙 ネシャン・サーガ2 禁断の地:画像 ネシャン・サーガ3 イエーヴォーの呪い:画像
ネシャン・サーガ コンパクト版

ラルフ・イーザウ著
酒寄進一訳
佐竹美保絵
原題"Die Traume des Jonathan Jabbok"
1ヨナタンと伝説の杖 2禁断の地 3イエーヴォーの呪い

ネシャン・サーガ コンパクト版
1ヨナタンと伝説の杖
2禁断の地
3イエーヴォーの呪い

【内容紹介】 あの壮大な冒険ファンタジー「ネシャン・サーガ」3部作が、コンパクト版シリーズとして新たに出版されました。もとの1巻「ヨナタンと伝説の杖」が軽装版の3分冊となり、新しいイラストも加わっています。もとの2巻、3巻も同じシリーズで続刊予定です。主人公ヨナタンの波瀾の旅を、新装版で味わってください。

【著/ラルフ・イーザウ】 1956年ベルリン生まれ。コンピュータのソフトウェア設計の仕事をしながら、無味乾燥なデータの世界から逃避しようと書きはじめる。ファンタジーの伝統とコンピュータゲームの興奮を合わせ持つ独特の作風にミヒャエル・エンデが目をつけ、自ら出版社に原稿を持ちこんでくれたのがデビューのきっかけという。
ネシャン三部作に続き、1997年に発表した『盗まれた記憶の博物館』でドイツ児童書界で最も権威あるブックステフーダー賞を受賞。この賞の審査員の半数は子どもの読者であり、受賞作は「その年、子どもに最も愛された本」である。その後も500ページを越す長編ファンタジーを次々に発表。

【訳/酒寄進一(さかよりしんいち)】 1958年生まれ。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経て、和光大学表現文化学科助教授。子どもに関わる表現全般に取り組みつつ、現代ドイツ児童文学の研究と紹介を行っている。主な訳書にラルフ・イーザウ著『盗まれた記憶の博物館』、リザ・テツナー著『黒い兄弟』(ともにあすなろ書房)、モニカ・ベルツ著『コルチャック』(ほるぷ出版)、ラフィク・シャミ著『蝿の乳しぼり』(西村書店)などがある。


2003年11月刊行

モギ ちいさな焼きもの師:表紙 モギ ちいさな焼きもの師
リンダ・スー・パーク著
片岡しのぶ訳

原題"A Single Shard"

モギ ちいさな焼きもの師

【内容紹介】 12世紀の韓国を舞台に、高麗青磁にその情熱のすべてをかけた名もなき少年の物語。2002年度ニューベリー賞受賞作です。
 親もなく、家もない、本当の名前も知らずに育った少年モギ。芸術とは無縁の日々をおくる彼のひそかな楽しみは、村の名焼きもの師ミンがろくろをまわす姿を、木のかげからそっと眺めることでした。そしていつしか、自分もミンのようになりたいと、夢みるようになります。
 しかし、閉ざされた職人の世界、第一それ以前に、モギのような境遇の少年に注意を払ってくれる人もありません。モギはそんな状況に屈することなく、どんな理不尽な仕打ちをうけようとも、まっすぐな心で目標に向かって進んでいきます。
 絶望の淵に立たされてもなお希望を捨てず、ひたすらに努力するモギ。その姿は多くの読者を勇気づけることと思います。

【著/リンダ・スー・パーク】 1960年、アメリカ、イリノイ州に生まれる。スタンフォード大学英語科卒業。1999年に最初の作品 Seesaw Girlを出版。第3作目にあたる本書で2002年度ニューベリー賞を受賞。主として韓国を舞台とする作品を書いている。現在、夫、二人の子どもとともにニューヨーク州に住む。

【訳/片岡しのぶ】 和歌山生まれの岩手育ち。国際基督教大学教養学部卒業。翻訳工房パディントン&コンパニイを夫と共同主宰。役所にポール・フライシュマン『種をまく人』『風をつむぐ少年』、ヴァレンタイン・デイヴィス『34丁目の奇跡』(共にあすなろ書房)など。

【参考】やまねこ翻訳クラブ発行『月刊児童文学翻訳』2002年5月号掲載「注目の未訳本」レビュー


2003年11月刊行

クリスマスのうたの絵本:表紙 急行「北極号」:表紙
クリスマスのうたの絵本
H.A.レイ作

原題"We Three Kings and other Christmas Carols"
急行「北極号」
クリス・ヴァン・オールズバーグ作
村上春樹訳

原題"The Polar Express"


クリスマスのうたの絵本

【内容紹介】 「ひとまねこざる」のH.A.レイが描くクリスマスソングブックです。
ホームパーティーやクリスマス会でみんなで歌える、ピアノ伴奏用譜面つき。全10曲、音符がそれぞれ凝っていて、眺めているだけでも楽しくなる1冊です。

【作/H.A.レイ(ハンス・アウグスト・レイ】 1898年、ドイツ・ハンブルクに生まれる。ちいさいころから動物と、絵を描くことが大好きだった。ハンブルク大学で哲学、医学、自然科学、語学を学んだ後、26歳でブラジルに渡り、広告関係の仕事をする。その後、4年間のパリ滞在を経てアメリカに永住。「おさるのジョージ」シリーズ(岩波書店)は、世界中の子どもたちに愛されている。1977年、死去。


急行「北極号」

【内容紹介】 クリスマス前夜、サンタを信じる子だけが体験する不思議な旅を描いた絵本、河出書房新社から刊行されていた同名の書籍の改訳版です。人はみな眠る時間、白い蒸気をあげながら北へとひた走る急行「北極号」。村上春樹が愛してやまないオールズバーグの、この迫力あふれる世界をどうぞ堪能してください。

【作/クリス・ヴァン・オールズバーグ】 1949年、アメリカ・ミシガン州生まれ。ミシガン大学、ロードアイランドデザイン学校で彫刻を学ぶ。彫刻と絵画は、ホイットニー美術館や近代美術館に展示されている。本書で1986年度コルデコット賞受賞。絵本作品に『ジュマンジ』(ほるぷ出版)、『西風号の遭難』(河出書房新社)など多数。

【訳/村上春樹】  1949年、京都府生まれ。早稲田大学文学部卒業。著書に『ノルウェイの森』(講談社)、『海辺のカフカ』(新潮社)、訳書に『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)、『西風号の遭難』にはじまるオールズバーグ作品など多数。

くんくまくんときゅんまちゃん:表紙 《こぐまのちいさなおはなし1》
くんくまくんときゅんまちゃん

今村葦子作
菊池恭子絵


くんくまくんときゅんまちゃん

【内容紹介】 こぐまの《くんくまくん》と、その妹《きゅんまちゃん》が活躍するシリーズ《こぐまのちいさなおはなし》の第1集です。今回は「秋の物語」3編を集めました。
小さい妹に、ついいじわるしてしまうくんくまくん。いつもはおっとりとおだやかなのに、爆発することだってあるきゅんまちゃん。けんかして、仲なおりして。お母さんの姿が見えないと悲しくなって、でもお母さんが帰ってきてぎゅっと抱きしめてもらえばうれしくなる……。
そんな、なんでもない日常の中で子どもが体験する感情の起伏を、あざやかに描いた心あたたまる3編です。
これから春編『くんくまくんとおきゃくさま』そして冬編、夏編と、季節にあわせて刊行していく予定です。どうぞご期待ください。

【文/今村葦子(いまむらあしこ)】 熊本県生まれ。絵本、幼年童話から長編ファンタジーまで多彩な作品を手掛け、幅広い読者に読まれている。『ふたつの家のちえ子』(評論社)で坪田譲治文学賞、芸術選奨文部大臣新人賞、同作品および、『良夫とかな子』『あほうどり』(評論社)で路傍の石幼少年文学賞を、『ぶな森のキッキ』(童心社)で絵本にっぽん大賞、『かがりちゃん』(講談社)で野間児童文芸賞、『まつぼっくり公園のふるいブランコ』(理論社)でひろすけ童話賞を受賞。他に「こぎつねキッペ」シリーズ(ポプラ社)「こもり森」シリーズ(ほるぷ出版)『空をとんだQねずみ』(あかね書房)など多数。
【絵/菊池恭子(きくちきょうこ)】 のびやかな線で描かれる子どもや動物たちのイラストが親しみやすく、数多くの本の挿画を手掛ける。今村氏とのコンビに、『まつぼっくり公園のふるいブランコ』(理論社)、『きかんぼ』『なきむし』(文研出版)がある。他に『チャールズのおはなし』『ミリー・モリー・マンデーのおはなし』(福音館書店)『すずめのおくりもの』『きつねのゆうしょくかい』『ゆうすげ村の小さな旅館』(講談社)など多数。


2003年10月刊行

オリビア…ときえたにんぎょう:表紙 野菜とくだもののアルファベット図鑑:表紙
オリビア…ときえたにんぎょう
イアン・ファルコナー作
谷川俊太郎訳

原題"Olivia and the Missing Toy"
野菜とくだもののアルファベット図鑑
ロイス・エイラト絵と文
木原悦子訳

原題"Eating the Alphabet: Fruits and Vegetables from A to Z"


オリビア…ときえたにんぎょう

【内容紹介】 コブタのアイドル「オリビア」のシリーズ第3弾です。
2000年アメリカ、2001年 日本で、はなばなしくデビューしたオリビア。第2弾『オリビア サーカスをすくう』では、ますますパワーアップしてその万能ぶりを披露。なんでも自分の思いのままにしてきた オリビアですが、今度は、そんな彼女を震撼させる事件が……! 3冊めにしてはじめて、オリビアの泣き顔が登場します。

【作/イアン・ファルコナー】 雑誌「ニューヨーカー」の表紙画を手がける画家・イラストレーター。イラストの仕事のほか、 ニューヨークシティーバレー団、サンフランシスコオペラ劇場、ロンドンのロイヤルオペラハウスの舞台装置や衣装デザインを手がける。ファルコナーが初めて手がけた絵本『オリビア』 (あすなろ書房)はコルデコット賞銀賞を受賞。また、17ヵ国で出版され、世界的なベストセラーになった。2001年、第2作『オリビアサーカスをすくう』 (あすなろ書房)を発表。2003年、3作目となる本書を刊行。

【訳/谷川俊太郎(たにかわしゅんたろう)】 1931年、東京に生まれる。1952年、第一詩集 「二十億光年の孤独」を発表し注目を集める。以後、詩、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍。主な著書に『谷川俊太郎詩集』(思潮社)、 『みみをすます』(福音館書店)、『マザー・グースのうた1〜5』(日本翻訳文化賞受賞・草思社)など。


野菜とくだもののアルファベット図鑑

【内容紹介】 アップル(Apple)からズッキーニ(zucchini)まで全75種!
色とりどりの野菜と果物を コラージュで紹介したABC絵本です。このみずみずしい野菜、この透明感あふれるおいしそうな果物をどうぞ堪能してください。
作者エイラトはこの絵本の製作にあたって、まずは Aではじまる野菜と果物を、2週間後にはBではじまる野菜と果物を……というふうに、アルファベット順に順ぐりに野菜と果物を購入してきて、描いては食べ、食べては描きという暮らしを1年ほど続けてこの絵本を完成させました。コラージュのおもしろさ、表現の可能性をあらためて感じさせられる1冊です。

【絵と文/ロイス・エイラト】 1934年、アメリカのウィスコンシン州に生まれる。中学校の美術教師を経て独立。玩具やゲームの デザイン、ポスター製作や人形劇の舞台美術の仕事を体験後、絵本作家になる。色あざやかで大胆なコラージュ(貼り絵)による絵本を多く発表し、コルデコット賞ほかを受賞。 日本で翻訳、紹介された絵本に『にじのはな さかせよう!』『へんしんどうぶつえん』(ともに偕成社)、『あかいはっぱ きいろいはっぱ』(福音館書店)などがある。

【訳/木原悦子】  長野県生まれ。明治学院大学文学部英文学科卒業。研究社「英語研究」「英語青年」、日本リーダーズダイジェスト社 「リーダーズダイジェスト」誌の編集を経て文筆業に転じる。浦和大学短大部、明治学院大学で講師をつとめる。著書に歴史ドキュメント『おたあ・ジュリアのアリランが聞こえる』 (毎日新聞社)、ルポルタージュ『万歳事件を知っていますか』(平凡社)。訳書にディック・キング=スミス『子ブタシープピッグ』(評論社)、翻訳絵本に『トスカのおくりもの』 (講談社)、『盲導犬グレフ誕生物語』(小学館)などがある。


2003年10月刊行

あわれなエディの大災難:表紙 あわれなエディの大災難
フィリップ・アーダー作
デイヴィッド・ロバーツ絵
こだまともこ訳

原題"Awful End"

あわれなエディの大災難

【内容紹介】 奇妙キテレツ! 19世紀イギリスを舞台にしたおかしな旅の物語です。
11歳の善良な少年エディは、ヘンテコな大人たちにふりまわされ、次から次へとヘンテコな事件に遭遇、あげくの果てにはとんでもない事態に……。
いかにも英国らしい、ちょとブラックなジョークが満載なので、きまじめな方には、刺激が強すぎるかもしれません。
イギリスでは、チャールズ・ディケンズの世界と、人気テレビ番組「モンティ・パイソン」をたして2で割ったみたいな本! と大評判になっています。

【文/フィリップ・アーダー】 1961年生まれ。2歳半のときから、さまざまな学校に通う。約10年前から作家活動をはじめ、 約60冊の作品を出版している。イギリスの海辺の町に、妻、二匹の猫とともに暮らす。好きなことは歴史と、考古学。大英博物館で、子ども向けの講座の講師を務める。邦訳された本に、 『ヒエログリフを書こう!』(翔泳社)がある。

【絵/デイヴィッド・ロバーツ】 1970年、イギリスのリバプールで生まれる。学校を卒業したあと、ファッションデザインを学び、香港でファッション・ イラストレーターとして活躍する。その後、イギリスへもどり、子どもの本の仕事をはじめる。『フランキー・シュタインのロボット』でマザーグース賞候補にあげられる。 ロバーツが絵を描いた本で邦訳されたものに『ブタをけっとばした少年』(新潮社)がある。

【訳/こだまともこ】 東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務を経て、児童文学の創作および翻訳をはじめる。 著書に『3じのおちゃにきてください』(福音館書店)。訳書に『レモネードを作ろう』(徳間書店)、『おばあちゃんはハーレーにのって』(偕成社)、『いつもお兄ちゃんがいた』(講談社)など。


2003年8月刊行

むしゃくしゃかぞく:表紙 むしゃくしゃかぞく
ラッセル・ホーバン文
リリアン・ホーバン絵
福本友美子訳

原題"The Little Brute Family"

むしゃくしゃかぞく

【内容紹介】 「フランシス」シリーズのコンビによる1960年代の隠れた名作、待望の初邦訳です。
いつもむしゃくしゃ不機嫌なこの一家、ママのつくるごはんはマズイし、子どもたちはけんかばかり。
「ありがとう」や「おいしいね」なんて言葉、口にしたこともありません。
彼らのむしゃくしゃぶりがおもしろくて、はじまりから笑ってしまうのですが、自分の胸にそっと手をあてて考えてみると、さしたる理由もなくイライラして、むしゃくしゃスパイラルに入ってしまうことってありますね。
いい気分もむしゃくしゃも、気分って周囲に伝染するものです。
「ありがとう」や「おいしいね」だって、一言いうのといわないのとでは大ちがい!
そんな普遍的なテーマが愛らしい絵とひとつになって、心たのしく生きるコツをユーモアたっぷりに教えてくれる物語です。

【文/ラッセル・ホーバン】 1925年、アメリカのペンシルバニア州生まれ。第2次世界大戦従軍後、8年間フリーのイラストレーターとして活躍。その後、本格的に作家活動に入る。主な作品に『おやすみなさいフランシス』(福音館書店)、『ハービーのかくれが』(あかね書房)、『親子ネズミの冒険』(評論社)など、多数。

【絵/リリアン・ホーバン】 1925年、アメリカのペンシルバニア州生まれ。大学時代に知りあったラッセル・ホーバンとの共同作品「フランシス」シリーズなど、作品多数。

【訳/福本友美子】 慶應義塾大学文学部卒業。公共図書館勤務を経て、現在はフリーで児童書の研究、評論、翻訳、書誌作成などをする。訳書の『おぎょうぎのよいペンギンくん』(偕成社)、『りディアのガーデニング』(アスラン書房)、『ぼうしの上にまたぼうし』(文化出版局)などがある。立教大学講師。


2003年7月刊行

鏡のなかの迷宮T 水の女王:表紙 ローワンと白い魔物:表紙
鏡のなかの迷宮T 水の女王
カイ・マイヤー著
遠山明子訳
佐竹美保絵

原題"Die Fliessende Konigin"
(oにはウムラウト)
ローワンと白い魔物
エミリー・ロッダ作
さくまゆみこ訳
佐竹美保絵

原題"Rowan of the Bukshah"


鏡のなかの迷宮T 水の女王

【内容紹介】 壮大なファンタジー3部作『鏡のなかの迷宮』の第1部です。
舞台はヴェネチア……といっても、人魚が棲み、石のライオンが天を駆けるという“もうひとつのヴェネチア”。情緒あふれる町なみでひときわ異彩を放つ独創的な小道具、 そしてそこにかくされた大小さまざまな謎……。
物語は、魔法の鏡をつくると噂されるあやしげな鏡工房に、二人の孤児の少女が弟子入りするところからはじまります。 もう、少女たちがゴンドラにゆられる冒頭の場面で、たゆたう水の下には何か危険なものがひそんでいるのではないかという気持ちに早くもさせられ、そのスリルと緊張感がラストまで!
ドイツでは、サスペンス・スリラーの名手として人気の高い著者ならではの、よみごたえ満点の1冊です。
なお、第2部「光る石(仮題)」は2003年12月、第3部「ガラスの言葉(仮題)」は2004年3月の発売を予定しています。どうぞご期待下さい。

【著/カイ・マイヤー】 1969年、ドイツのリューベック生まれ。ボーフム大学で演劇、映像学を学んだ後、最初の本を発表。1995年より、文筆に専念し、 サスペンス・スリラーを多数執筆。主な作品に『錬金術師』、『ダイタロスの家』(以上未邦訳)、「七つの封印」シリーズ(ポプラ社)がある。 メルレを主人公とするこの三部作はドイツでベストセラーになった。

【訳/遠山明子】 1956年生まれ。上智大学でドイツ文学を学ぶ。 現在、大学でドイツ語、ドイツ文化を教えながら、ドイツ語圏の児童文学の翻訳紹介をしている。 主な翻訳作品に『パパは専業主夫』(童話館出版)、『女の子はサンタクロースになれないの』(国土社)などがある。

【絵/佐竹美保】 1957年生まれ。「奇想天外」の仕事を皮切りに、SF、ファンタジーなどの分野で多くの作品を手がける。主な作品に『ネシャン・サーガ』シリーズ(全3巻 あすなろ書房)、『不思議を売る男』(偕成社)、『メニム一家の物語』シリーズ(講談社)などがある。


ローワンと白い魔物

【内容紹介】 大人気の冒険ファンタジー「リンの谷のローワン」シリーズ第5弾。
内気で臆病な主人公ローワンが、村を守るため冒険の旅に出るこのシリーズも5作目となり、ローワンもますますたのもしくなってきました。 はらはらドキドキのストーリー展開はこれまでの4作と変わりませんが、今回は女長老ランの秘められた過去や、魔女シバの苦悩も語られます。
そしてローワンと、バクシャーのリーダーであるスターのお互いを思いやる気持ちが伝わってくる場面、旅の途中でくじけそうになるノリスを、ローワンが表面上はローワンらしくない、 いささか荒っぽいやり方ではげます場面はとても感動的です。

【作/エミリー・ロッダ】 1948年、シドニー生まれ。シドニー大学で英文学を学ぶ。『ローワンと魔法の地図』(あすなろ書房)で1993年度オーストラリア最優秀児童図書賞を、『ローワンと魔法の水晶』(あすなろ書房)で1997年度優秀賞受賞。著書に『デルトラ・クエスト』シリーズ(全8巻 岩崎書店)など多数。本名のジェニファー・ロウ名で大人向きミステリーも書いている。

【訳/さくまゆみこ】  東京生まれ。出版社勤務を経て現在はフリーの翻訳家ならびに玉川大学英米文学科講師。著書に『イギリスの7つのファンタジーをめぐる旅』(メディアファクトリー)。訳書に『リンの谷のローワン』シリーズ(既5冊)『シャーロットのおくりもの』(共にあすなろ書房)、『ライオンと歩いた少年』(徳間書店)などがある。

【絵/佐竹美保】 1957年生まれ。「奇想天外」の仕事を皮切りに、SF、ファンタジーなどの分野で多くの作品を手がける。主な作品に『ネシャン・サーガ』シリーズ(全3巻 あすなろ書房)、『不思議を売る男』(偕成社)、『メニム一家の物語』シリーズ(講談社)などがある。


2003年5月刊行

すえっこおおかみ:表紙 大いなる河の流れ:表紙
すえっこ おおかみ
ラリー・デーン・ブリマー ぶん
ホセ・アルエゴとアリアンヌ・デューイ え
まさきるりこ やく

原題"The Littlest Wolf"
大いなる河の流れ
―よみがえれ、サン・ローラン―

クロード・ヴィルヌーヴ文
フレデリック・バック絵
寺岡襄訳

原題"Le Fleuve aux Grandes Eaux"


すえっこ おおかみ

【内容紹介】 まっすぐ一直線にころがるのは、ちょっと無理。
走ればよろよろするし、高くとびあがろうとしても、小さなジャンプしかできません。
できないことがたくさんあって、落ちこんでいる末っ子おおかみを勇気づけたのは、父さんおおかみのやさしい一言でした。
今できないからって、ダメじゃない!
ゆっくりと成長していく子を、おだやかな何気ない言葉ではげます楽しい絵本です。

【文/レリー・デーン・ブリマー】 1949年、アメリカ、フロリダ州セイント・ピーターズバーグに生まれる。 サンディエゴ州立大学で英文学を学んだ後、教師になる。教師をするかたわら、大人向けのノンフィクションを書いていたが、子どもの本に興味を持ち、1984年、教師を辞め、 執筆活動に専念。しかし、その後、1992年までサンディエゴ州立大学の教壇に立つことになる。ブリマーの子どもの本のデビュー作は、『Country Bear's Good Neighbor』(1988年) で、現在まで100冊近くの子どもの本を発表している。

【絵/ホセ・アルエゴとアリアンヌ・デューイ】 アルエゴは、1932年、フィリピン、マニラに生まれる。父の影響で、大学で 法律を勉強するが、後にイラストレーターの道を選ぶ。1950年、パーソンズ・デザイン学校に入学するため、ニューヨークへ移住。アメリカ、イリノイ州シカゴ生まれのデューイは、 9歳のころから絵を習い始め、サラ・ローレンス大学で絵画を学んだ後、教科書の美術編集者になる。その後、二人はニューヨークで出会い、結婚。二人で仕事をすることが多い 彼らは、アルエゴが絵を描き、デューイが色を塗るという役割分担をしている。日本では、『おそざきのレオ』(あすなろ書房)、『オリバーくん』(ほるぷ出版)、『ラン パン パン』 (評論社)などが紹介されている。

【訳/間崎ルリ子(まさきるりこ)】 1937年、長崎市に生まれる。慶応義塾大学図書館学科卒業後、ボストンのシモンズ・カレッジの 大学院で図書館学を学び、その後、ニューヨーク公共図書館児童室に勤務。帰国後、アメリカンスクールの図書館に勤務し、1968年、神戸市で家庭文庫「鴨の子文庫」を開く。 財団法人東京子ども図書館理事。訳書に、エッツ『もりのなか』、ポター『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』(以上、福音館書店)、マックロスキー『ハーモニカのめいじんレンティル』 (国土社)、マリノ「くんちゃん」シリーズ(ペンギン社)など多数。


大いなる河の流れ

【内容紹介】 カナダを代表する大河サン・ローラン河。
その誕生から現代に至るまでの歴史を、『木を植えた男』のフレデリック・バックの美しい絵とともにたどる壮大な物語です。
本書のもとになった同名の短編アニメーションは、1994年、広島で開催された第5回国際アニメーションフェスティバルで、グランプリを受賞しました。 サン・ローラン河とともに歩んできた動植物と人間の歴史……それは心ならずも、人間による河の破壊の歴史でもありました。 著者クロード・ヴィルヌーヴは、サン・ローラン河に寄り添い、河は人に何を授けてくれたのか、そしてこれまで人はこの河について何を思い、どんな仕打ちをしてきたのかを、 さまざまな角度からつぶさに検証。そうした歴史をふまえたうえで、人はこれからどのようにして河と接していくべきなのかを、静かに訴えます。 それはサン・ローラン河だけの特別な問題ではありません。危機に瀕している世界中の川に共通する問題なのです。
若い世代に絶大な支持を得たアニメ作品をもとにした本書は、河について、自然について、考えるきっかけとして絶好の1冊です。

【絵/フレデリック・バック】  1924年、現ドイツ領のザールブリュッケンに生まれ、フランスのストラスブールで 幼少の時をすごす。パリとレンヌで美術を学んだ後、1948年、カナダのモントリオールに移り、カナダ国営放送に職を得て、50年代にテレビむけのアニメーション映画を多く手がける。 その後、ケベック生まれのある揺りイスを主人公にした『クラック!』(1982年)と、フランスの作家ジャン・ジオノの作品をもとに南仏プロヴァンスの森でひとり黙々と木を 植えつづける老人の献身的な行為を描いた『木を植えた男』(1987年)とが、ともにそれぞれの年度のアカデミー賞短編映画賞を受けるにおよんで、アニメーション作家としての 国際的な名声をうちたてた。『クラック!』と『木を植えた男』はそれぞれ絵本化され、世界各国で翻訳され、各地の環境保護と植林活動にも大きな影響をあたえた。
 バックの作品には、 どの絵にも、詩情が色濃くただよっており、環境保護への願いと関心とがはっきりとこめられているのが特長で、 それをよりいっそう鮮明にしたのが、カナダのサン・ローラン河への賛歌ともいうべきアニメーション映画『大いなる河の流れ』(1993年)である。この作品もまた、 アカデミー賞にノミネートされたばかりでなく、フランス、イラン、日本、ポルトガル、カナリー諸島、アメリカ合衆国、カナダ、ドイツ、アフリカの各地で数々の賞を得た。 その映画作品をもとに、ヴィルヌーヴが改めて文章を書き、バックがさらにすばらしいさし絵を描き足して、豪華な絵本にしたのが本書で、とくに鳥や魚の多くの種を 百科事典風の細密な表現で描いた絵には、ほのかに漂うようなアニメーションふうの絵とはまたちがった才能と味わいを感じさせるものがある。

【文/クロード・ヴィルヌーヴ】  1954年、カナダ・ケベック州のシクーティミで生まれる。生物学者で、ケベック大学シクーティミ分校教授。とくに環境・生態学の分野で教育や啓蒙活動に力を入れ、ケベック州固有の一般・職業教育コレージュや大学で、生態学への関心を学生たちに広めることに情熱を注ぎ、 そのかたわら、フランス・ストラスブールの生態学研究所のディレクター(1993〜94)や「エコ・デシジオン」誌の編集長(1994〜97)などをつとめた。自身のルーツと自然への強い愛着から、とくに水辺環境システムへの関心を強め、利用者の無分別からくる環境破壊の実態を検証しつづけている。1995年にフレデリック・バック氏の強い要請を受け、 祖先たちの出生の地ともいえるサン・ローラン河にかんする本書の執筆を引き受けたのも、そうした関心からである。
専門書のほかに、『人間病にかかった動物たち』『ケベックの 自然環境――理解と行動のために』『地球温暖化にむけて』『水を救え!』などの科学啓蒙書やCD-ROM、映画の脚本などの著述がある。とくに2001年10月に出版された フランソワ・リシャールとの共著『気候変動を生きる――温室効果とは』は、同年度のすぐれた科学技術書にあたえられるオデュッセー賞を受けた。

【訳/寺岡襄(てらおかたかし)】 1937年、東京に生まれる。東京大学教養学部卒業。『婦人公論』『中央公論』『東京人』などの 雑誌編集、ヨーロッパ古絵本の復刻や海外秀作絵本の編集に従事したあと、翻訳・執筆活動に入る。著書に『鴎外東西紀行』(京都書院)、『酒宴のかたち』(分担執筆、紀伊国屋書店)、 訳書にW.H.グッドイナフ『文化人類学の記述と比較』(共訳、弘文堂)、ジャン・ジオノ作/フレデリック・バック絵『木を植えた男』(あすなろ書房、絵本にっぽん賞特別賞受賞)、 ランドルフ・コールデコット作『近代絵本の父・コールデコット絵本名作集』(京都書院)、フランソワ・プラス作『蒼穹のアトラス』(BL出版)、マーガレット・ワイルド文/ ロン・ブルックス絵『キツネ』(BL出版、日本絵本賞翻訳絵本賞受賞)などがある。


2003年3月刊行

魔法のスリッパ:表紙 魔法のスリッパ
ディック・キング=スミス作
三原泉訳
岡本颯子絵

原題"The Magic Carpet Slippers"

魔法のスリッパ

【内容紹介】 ガーディアン賞作家が贈る、ユーモアあふれる楽しい物語です。
魔法のスリッパのおかげで、スロゲットさんは、ある日突然スーパー老人に!
それをはくと全身に力がみなぎり、実年齢は75歳なのに25歳に若返ったような気分。
知力も体力もまるで別人、できないことなどありません。
おもしろがって、何ができるかあれこれ試したスロゲットさんは、
愛する人を喜ばせるために、この力を発揮したいものだと考えますが……。
スリッパをはく前とはいた後の、スロゲットさんの変身ぶりがオカシイ!
そして、まわりの人たちとの愉快なやりとりの奥に、スロゲットさんのやさしさ、愛情ぶかさがきらりと光り、ほのぼのと幸せな気持ちにさせてくれる1冊です。

【作者/ディック・キング=スミス】 1922年、イギリスに生まれる。農業、教師などの仕事に携わったのち、専業作家として多数の児童書を出版。ガーディアン賞ほか数々の賞を受賞している。おもな作品に『子ブタシープピッグ』(評論社)『ゆうかんなハリネズミマックス』(あかね書房)『歌うねずみラルフ』(偕成社)などがある。

【訳者/三原泉】 1963年、宮崎県に生まれる。東京大学文学部卒業。訳書に『ちいさなきかんしゃレッドごう』『のら犬ウィリー』(共にあすなろ書房)『アリクイのアーサー』(のら書店)『歌うねずみラルフ』がある。

【画家/岡本颯子】 1945年、長野県に生まれる。武蔵野美術大学芸能デザイン科卒業。挿画を手がけた作品に『かぎばあさん』シリーズ(岩崎書店)、『おはなしりょうりきょうしつ』シリーズ、『きょうりゅうほねほねくん』シリーズ(共にあかね書房)などが、絵本に『ふしぎなけいたいでんわ』(PHP研究所)『しっぽ5まんえん』(ポプラ社)などがある。


2003年1月刊行

北の魔女ロウヒ:表紙 世界がみえる地図の絵本:表紙
北の魔女ロウヒ
バーバラ・クーニー絵
トニ・デ・ゲレツ原文
さくまゆみこ編訳

原題"Louhi, Witch of North Farm"
世界がみえる地図の絵本
ブライアン・デルフ作
吉田秀樹編訳


原題"Children's Illustrated Reference Atlus"


北の魔女ロウヒ

【内容紹介】 つめたく、澄みきった北欧の空気を届けるバーバラ・クーニーの美しい絵本です。フィンランドに古くから伝わる叙事詩「カレワラ」の世界をみごとに再構築。「カレワラ」では、ちょっと邪悪な存在である魔女ロウヒが、新たな解釈によって、にくめない、いたずら者の魔女として楽しく描かれています。寒い寒い季節にぴったりの、透明感あふれる絵本です。

【絵/バーバラ・クーニー】 1917年、ニューヨーク州に生まれる。スミス・カレッジとアート・スチューデント・リーグで美術を学ぶ。1959年に『チャンティクリアときつね』、1980年に『にぐるまひいて』(共にほるぷ出版)でコルデコット賞を受賞。そのほかの絵本に『満月をまって』(あすなろ書房)などがある。2000年、死去。

【原文/トニ・デ・ゲレツ】 以前は図書館員として働いていたが、今はストーリーテリングの活動をしながら子どもの本を書いている。メキシコ在住。

【編訳/さくまゆみこ】 東京生まれ。出版社勤務を経て現在はフリーの翻訳家ならびに玉川大学英米文学科講師。著書に『イギリスの7つのファンタジーをめぐる旅』(メディアファクトリー)。訳書に『リンの谷のローワン』(既4冊)『シャーロットのおくりもの』(共にあすなろ書房)、『ライオンと歩いた少年』(徳間書店)などがある。


世界がみえる地図の絵本

【内容紹介】 「地図」に対するイメージがきっと変わる!
眺めているだけで楽しくなる地図帳のベストセラー『絵でみる世界大地図』(堂朋舎出版、2900円)の普及版です。
地形がはっきりとわかる立体感あふれる地図の上に、有名な建造物、特産品、動物などが描きこまれ、そこに住む人びとの暮らしぶりがいきいきと伝わってきます。地図なんて……という人にこそ、すすめたい1冊です。

【作/ブライアン・デルフ】 イギリスのロンドンで活躍するイラストレーター。80冊以上の本のイラストを担当し、その範囲は、動植物学、医学に関するものから、機械・工学関係の図解、建築のイラストまで幅広い。


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担当:りり
Last Modified: 2004/3/2

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