2006年12月刊行
ボッケとリー むかしむかし、どこにもいない 女の子が いてね。 この絵本はこんな風にはじまり、片側の絵でボッケの誕生が描かれています。 この誕生シーンが、ほんとに「タッタタラー!」という感じ。え? そんな感じわかんないって? そうこれはやっぱり絵でみなくちゃ! タッタラー!って誕生したボッケにはリーといういつも一緒にいる子がいて、2人は散歩したり、寝そべったりしている。ささやかな日々をつづった話は、それぞれに「こんぼう」とか、「メウシ」とかタイトルがつけられ、おおざっぱなコマ割りの絵が添えられている。そう、これはボッケたちの絵日記のようなもの。おもしろいことがあったら、2人は「そのはなし、かきとめておかなくちゃ」って、ヘンテコリンな姿勢でせっせとメモしている。ゆるーくて幸せなボッケたちを読んでいると、いい天気に散歩したようなついている気分になってくる。ボッケとリーの気持ち、ぜひ味わってください。 ちなみに、作者のハリエット・ヴァン・レークのデビュー作『レナレナ』は、残念ながらいまは絶版で入手困難。絵本好きにはいまも語りつがれる名作絵本で、こちらも独特のしあわせがただよっている。図書館ででもぜひ探してみてみてください。 ハリエット・ヴァン・レーク 1957年、有名な漫画家ヤン・ヴァン・レークの長女として、オランダのライデンに生まれる。1987年に出したデビュー作『レナレナ』(リブロポート刊、絶版)で、「金の石筆賞」を受賞。ユニークな絵本として日本でも話題をさらい、「レナレナしたことありますか?」と絵本の専門雑誌「Pee Boo」で評された。その後もハリエットは数年に一度、絵本作りを続け、『ボッケ』で2002年に銀の絵筆賞を受賞。いっぽうで1991年には女性二人による劇団「バンケッチェ」を結成し、さまざまなアート活動を続けている。現在は、ロッテルダムに2人の息子と暮らす。 野坂悦子 1959年、東京に生まれる。翻訳者として『レナレナ』でデビュー。それから60点以上の本を訳してきたが、出発点の『レナレナ』には特別な思いがある。ボッケやリーと同じくらい好奇心が旺盛で行動力に富み、現在は翻訳活動にくわえ、日本が生んだ紙芝居文化を世界のあちこちで広めている。おもな訳書に『ペピーノ』『10ぴきのいたずらねこ』『オシリカミカミをさがせ!』(朔北社)、『フランダースの犬』(岩波書店)、『エヴァはおねえちゃんのいない国で』(くもん出版)、『しろくまさんはどこ?』(ほるぷ出版)などがある。 |
2006年11月刊行
たいていの絵本は横にページを繰っていきますが、この絵本は縦にページを繰ります。 この細長い版型が『ポッチャーン!』の特長。 むかし、あるところに〜という昔話調の語りではじまり、オオカミが井戸の水にうつったお月様をチーズと勘違いします。おなかがペッコペコのオオカミは、チーズほしさに、井戸にポッチャーン! あらら。 でもその後にきたブタに……。 次々と井戸の中で展開されるお話に笑い出してしまいます。落ちた井戸がさまざまに変化(?)するのですから。ほそながーい井戸の中でのできごとをどうぞお楽しみください。 絵本を見つけて翻訳された伏見操さんからのメッセージをあわせてご紹介します。 少しずつ冬の気配がしてきました。お元気ですか? 2006年11月28日 【作】フィリップ・コランタン Philippe Corentin
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2006年4月刊行
ボヨーン バヨーン ボヨヨーン バヨヨーン 音を表すカタカナは数あれど、さてこの音はなんでしょう。 表紙をみたらわかりますね。そう、ベッドの上を飛び跳ねる音。 あなたは経験したことがありますか? ふわふわする物の上を跳ねる心地よさ。トランポリンも気持ちいい、ベッドの上も気持ちいい。ベッドがなければ畳の上の布団だって(大人は嫌がるかも?)。 だから、王様だって飛び跳ねるが好きなのです。 なんといっても、王様ですからストレスの多い仕事をいつも抱えています。 それらの憂さ晴らしに、ボヨーンボヨーンするのはもってこいだったのです。 それなのに、それなのに、おせっかいな大臣のおかげで……。 ヘルメ・ハイネは日本でもたくさんの絵本が紹介されている作家です。いろいろな画風がありますが、今回はコラージュ。 70年代に一度刊行されているのですが、長らく絶版状態で、今回は非常にうれしい復刊でした。 しっとりしたコラージュの模様はどのページでも美しく映え、王様の表情はあまりよく見えないのですが、それでも飛んでいる時は幸せだとわかります。だって、うきうきしている空気が流れているんですもの。 どうぞみなさんもこの楽しみを王様と分かちあいましょう! 【作者】ヘルメ・ハイネ 1941年ベルリンに生まれる。大学で経済学と美術を学ぶ。1976年、絵本作家としてデビュー。ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞などを受賞。最近のドイツで、もっとも成功し、人気のある絵本作家の一人である。
日本で翻訳されている絵本に「ぞうのさんすう」(あすなろ書房)、「ともだち」(ほるぷ出版)、「きみがしらないひみつの三人」(徳間書店)など。
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Last Modified: 2007/2/22
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