朔北社 新刊情報 2002年-2004年

朔北社HP

2004.10/12 『ダンスのすきなワニ』『ねぇツチブタくん』New!
2004.4 『エンジェル翼をひろげる』 2004.06 『オシリカミカミをさがせ!』
2004.1 『いってらっしゃい おかえりなさい』
2003.9 うら庭のエンジェルシリーズ既刊5冊 2003.11 ジンクス
2002.12 10ぴきのいたずらねこ カサンドラの城 2003.5 ポスおばあちゃんのまほう


2004年10月・12月刊行

ダンスのすきなワニ:表紙 ねぇツチブタくん:表紙
ダンスのすきなワニ
リチャード・ウェアリング 文
ホリー・スウェイン 絵
まえざわ あきえ 訳

ISBN 4-86085-019-X
定価 1680円(税込)
ねぇツチブタくん
文・木坂涼
絵・いちかわようこ

ISBN 4-86085-021-1
定価 1260円(税込)
ダララン タッタッター
 トララン タッタター

どうぞ上の音をタンゴの調べて口ずさんでください。
なんだか楽しい気分になってきませんか。
ワニのアルベルトはことのほかタンゴがすき。
ティナも大好き。
ふたりの好きなことは、タンゴにあわせておどること。

ダララン タッタター
 トララン タッタター

でも、時に大変なことがおきるものです。
この物語はその事件をどうやってのりこえたか、が描いてありますよ。
ねぇ、ツチブタくんが目の前にいたら、あなたならどんな事ききたい?
ここではネズミがいろいろきいてます。

どこどこいくの?
とか
どったんどったんいくの?
とか
なになにみてる?
とか、ね。

ツチブタくんはしぐさでこたえているの。
声はでていないんだけど、ふたりはちょっとずつ仲良くなってるの。
どうしてわかると思う?
【作者】リチャード・ウェアリング Richard Waring
子どもの本や戯曲、映画の脚本などを書き、学校では科学と演劇の授業を受けもっている。
『ダンスのすきなワニ』の話をおもいついたのは、お風呂場で娘にお話をねだれたのがきっかけとのこと。
絵本に"Ducky Divesln""Hungry Hen"などがある。イギリス在住。

【画家】ホリー・スウェイン Holly Swain
大学でイラストとデザインを学ぶ。『ダンスのすきなワニ』で初めて絵本を手がけて以来、子どもの本のイラストレーターとして活躍している。この絵本の制作にあたり、下水道について勉強したり、タンゴをおどってみたりしたとのこと。絵本に"Pedro the Brave"" Dotty Inventions And Some Real Ones Too"などがある。イギリス在住。

【訳者】まえざわ あきえ Akie Maezawa
青葉学園短期大学助教授。専攻は言語学。アメリカ留学中に英米児童文学に親しんで以来、絵本の翻訳を手がける。訳書に『かぜがふいたら』『シンプキン』『いってらっしゃい おかえりなさい』(以上朔北社)、『バドの扉がひらくとき』『ねこがすき、くまがすき』『夏のねこ』『家出の日』(以上徳間書店)、『ビバリーとしょかんへいく』(文化出版局)、『グースにあった日』(福音館書店)などがある。
【作者】木坂 涼 (きさか りょう)
1958年、埼玉県生まれ。詩人・エッセイスト・絵本作家・翻訳家として活躍。詩集『ツッツッと』で現代詩花椿賞受賞。『金色の網』で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。そのほかの著書に、詩集『五つのエラーをさがせ!』(大日本図書)、絵本に『みんなおっぱいのんでたよ』(福音館書店)『カレンダーのはなし』(セーラー出版)、翻訳絵本に『ピッツァぼうや』(セーラー出版)『ゆきのともだち』(理論社)『ヨセフのだいじなコート』(フレーベル館)ほか多数。

【画家】いちかわ ようこ
1959年、東京都生まれ。挿画に『焼かれた魚』『猫町』(以上、透土社)、詩画集に『かぜのアパート』(朔北社)などがある。


2004年6月刊行

オシリカミカミをさがせ!:表紙

オシリカミカミをさがせ!
De billenbijters

リンデルト・クロムハウト 文
アンネマリー・ファン・ハーリンゲン 絵
野坂悦子 訳

ISBN 4-86085-016-5
定価1260円

ここ1週間、町を大騒がせしている正体とは!?

トイレに入ると「いたい!!」
見るとおしりから血がにじんでいる。
こんなことが、あちこちのトイレで起こったのだ。
けがをした人たちは、病院へ行った。
でも先生にはわからない。
人々はそのわけのわからないものに名前をつけた。
オシリカミカミ、と。
さあ、さがせ、さがせ。オシリカミカミはどこだ。


ちっとも見つからないオシリカミカミを探しに出かけたのは、小さな男の子。
ひとりぼっちの留守番にあきあきしていたユスは、ひとり下水道へおりてゆく。
下水道にいたオシリカミカミの正体は――!

なんとも愉快で笑ってしまうのだけれど、ちょっとドキリとする人もいるかも。
こんなヘンテコなことって! と思うあなた、作者は「読者のみなさんへ」の中でこう言っています。
物語はヘンテコなこともあります。
しかし、現実の世界のほうが、ときにはもっとヘンテコなのです。
そんなことありませんか?


【文】リンデルト・クロムハウト Rindert Kromhout 1958年オランダのロッテルダム生まれ生まれ。教師、図書館勤務、書店員、人形劇の仕事をした後、子どもの本の作家としてデビュー。子どもの本の評論、ラジオ劇の台本なども手がけている。1990年には本書『ペピーノ』で銀の石筆賞を受賞。独特のユーモアで、子ども達にも大変人気があり、『やい手をあげろ!』(あかね書房)をはじめ、「オランダ子ども審査団」の賞を何度も受けている。今はアムステルダムの家にイヌや小鳥たちと共に暮らしている。

【絵】アンネマリー・ファン・ハーリンゲン Annemarie van Haeringen 1959年オランダのハーレム生まれ。イラストレーションを学んだのち、児童書、学校教材、新聞、雑誌などで活躍する。クロムハウトと組んで、いくつかの作品を手がける。1999年には『マルモック』(未邦訳)で金の画筆賞を受賞。現在、ヨーロッパで注目されている画家の一人。イヌ、ネコ、サル、ハムスターなど、いろいろな動物に囲まれて育ち、その作品は動物を主人公にしたものが多い。

【訳】野坂悦子 1959年東京生まれ。オランダ語、英語を中心に子どもの本の翻訳を手がける一報、紙芝居文化の会運営委員として活動する。おもな訳書に『赤い糸のなぞ』(偕成社)『小さなソフィーとのっぽのパタパタ』(徳間書店)『第八森の子どもたち』(福音館書店)『フィーンチェの赤いキックボード』(BL出版)『わらって!リッキ』(フレーベル館)など多数。『おじいちゃん わすれないよ』(金の星社)で第50回産経児童出版文化賞大賞受賞。大の動物好きで、今も家族を含め、8匹の動物たちと暮らしている。


2004年4月刊行

エンジェルシリーズ とうとう最終巻!

エンジェル翼をひろげる:表紙

エンジェル翼をひろげる

ジュディ・デルトン 作
岡本浜江 訳

ISBN 4-86085-006-8
定価 1365円(税込)

新刊がでるとわくわくするものですが、それが大好きなシリーズの最終巻だとその気持ちはフクザツです。
エンジェルシリーズは巻を重ねるごとに、物語の魅力も増していき、ささやかなことにコチャコチャと悩むエンジェルは私の心の友でした。さみしいな、これで最後だなんて思いながら、じっくりゆっくり堪能しました。

シリーズはエンジェル一家の物語。
お母さんと弟のボロとエンジェルの3人家族が心模様、生活の様子がエンジェルの目を通して語られています。
この巻は、お母さんと結婚したルディの国、ギリシャへみんなで出かけることになったところから始まります。
ものごとが変わるのを好まないエンジェルにとっては、お母さんが再婚したことや、赤ちゃんが生まれたことでも大変だったのに、今度はギリシャ! ずっと住むわけではないけれど、まとまった休暇として家を離れるのもエンジェルには負担大です。イロイロなことを乗り越えて、エンジェルたちはギリシャに到着。着いたからといって、エンジェルの心が平安になるわけではありません。でも、あったかいルディのお父さん、お母さん(エンジェルにとってはおじいちゃん、おばあちゃん)と、徐々に気持ちが近づきます。私はこの物語の、ゆっくりうごく気持ちの様子が大好きです。私自身、ものごとが変わるのが大人になった今でも苦手で、気持ちを現実に近づけるのもゆっくりだからでしょうか。

訳者あとがきによると、著者、ジュディ・デルトンさんは、残念ながら2002年の新年が明ける5分前に亡くなられたそうです。大学で若い後輩たちに創作を指導し、おおぜいの若い作家うやイラストレーションを世におくりだしたと紹介されています。シリーズは終わってしまいましたが、本の中でたびたびエンジェルに会える楽しさは残りました。みなさんもどうぞエンジェルと出会ってください。



【作者】ジュディ・デルトン Judy Delton 1931年セントポール(アメリカ、ミネソタ州)生まれ。7年間小学校で教鞭をとったのち、1971年から子どもの本を書きはじめる。子どもが冒険と体験をつうじて人生を学んでいく姿をえがいた本作「うら庭のエンジェル」シリーズをはじめ、"Pee Wee Scouts"シリーズなど、人気シリーズを手がけ、作品の数は100冊以上にのぼる。

【訳者】岡本浜江 東京女子大学文学部英米文学科卒業。学生時代までは神奈川県逗子に住む。1954年、東京女子大学文学部卒業後、共同通信記者として婦人・子ども・文化・生活欄を担当、外国人のインタビューに携わる。その傍ら「リーダーズ・ダイジェスト」誌の翻訳をするが、9年後、子育てのため退職、故・中村能三氏に師事して翻訳を学ぶ。主な訳書に『悪童ロビーの冒険』(白水社)『川べにそよ風』『ミセス・ダウト』(以上、講談社)『悪がきをほめよう!』(文研出版)『修道士カドフェル』シリーズ(社会思想社)など。
日本児童文芸家協会第42回児童文化功労賞受賞。

【さし絵】玉村敬子 多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。在学中よりイラストの仕事を始める。女性誌、広告、実用書、ファッションイラスト等多数。主な作品にJR平塚駅ビルシーズンイラスト、東京海上火災保険パンフレット「ねんきん博士」、『体脂肪を減らすハンドブック』(池田書店)、「九月の庭」(『江國香織とっておき作品集』・マガジンハウス)、『やったね、ジュリアス君』(さ・え・ら書房)など。

2004年1月刊行

いってらっしゃい おかえりなさい:表紙

いってらっしゃい
おかえりなさい

Rush Hour

クリスティーヌ・ルーミス 文
たかばやし まり 絵
まえざわ あきえ 訳

ISBN 4-86085-005-x
定価 本体1500円+税
表紙をクリックすると
出版社の紹介ページに飛びます。

たくさんの音が入っている絵本です!

目覚まし時計が鳴って、みな起きはじめます。
朝の準備が整うと、さぁ、出発。
電車に乗ったり、地下鉄に乗ったり、バスに乗ったり、フェリーに乗ったり、飛行機に乗ったり、タクシーに乗ったり……etc.
じどうしゃはブッブー おまわりさんはピッピー
ひこうきはビューン トラックはノロノロ
電車はガタガタ フェリーはザブザブ
音があふれます。ブーン ザクザク ゴットン キッキー カタカタ コトコト ガラガラ ブロンブロン……
もちろん朝だけではなく、帰りもいそがしく人々はゆきかい音もゆきかいます。
子どもたちは、こういう音がだいすきです。
たくさんの人が楽しい色で描かれています。働く人がいっぱいです。
どうぞ声にだして楽しんでください、いってらっしゃいからおかえりなさいまでを――。


【作者】クリスティーヌ・ルーミス Christine Loomis 作家であり編集者でもあり児童文学の評論活動もしている。アメリカのコロラド州に、夫と3人の子どもとともに暮らしている。家には、自転車が7代、ローラースケートが2足、車が1台ある。日本で紹介されるのはこの絵本がはじめて。著書に"The Hippo Hop"、"One Cow Coughs:A Counting Book for the Sick and Miserable"などがある。

【画家】高林麻里 たかばやし・まり 東京生まれ。大妻女子大学で学び、1990年ニューヨークに渡る。現在も夫と子どもとともにニューヨークで暮らしている。著書に『ルカの贈りものカレンダー』、『ルカのプロフィールブック』(偕成社)、"Flannel Kisses, Marshmallow Kisses"などがある。

【訳者】前沢明枝 まえざわ・あきえ 青葉学園短期大学助教授。専攻は言語学。幼い頃から絵本が好きで、アメリカ留学中に英米児童文学に親しみ、以来すぐれた児童書の紹介に力を注いでいる。翻訳書に『ふとっちょねこ』『かぜがふいたら』『シンプキン』(朔北社)、『ねこがすき、くまがすき』『家出の日』『バドの扉がひらくとき』(徳間書店)、『ビバリーとしょかんへいく』(文化出版局)、『グースにあった日』(福音館書店)などがある。

2003年11月刊行

ジンクス:表紙 ジンクス

マーガレット・ワイルド
もりうち すみこ訳

ISBN 4-86085-003-3
本体1400円+税

彼女の名はジェン
ジンクスではない、最初からは……。


マーガレット・ワイルドは、散文詩で
少女の気持ちを、少年の気持ちを、母親の気持ちを、
それぞれにはき出させた。
つぶれそうになる心を、言葉にのせ
読者にそれを届ける――。


【作者】マーガレット・ワイルド Margaret Wild 南アフリカ生まれ。1974年にオーストラリアに移住。新聞、雑誌記者、児童書の編集者を経て、現在はオーストラリアを代表する児童書の作家として活躍中。出版された40冊以上の本は世界中の読者に愛され、オーストラリア児童図書賞を含めた数々の賞を受賞している。日本で翻訳されている絵本に『ジェニー・エンジェル』(岩崎書店)、『キツネ』(BL出版)などがある。本書以来、ヤングアダルト向けの作品に意欲的に取り組んでいる。シドニー在住。

【訳者】もりうち すみこ 福岡県生まれ。九州大学教育学部卒。訳書『真実の裏側』(めるくまーる)は、第50回産経児童出版文化賞・推薦図書に選ばれる。他の訳書『ノリー・ライアンの歌』『さすらいの旅』(共にさ・え・ら書房)、『とどまることなく』『キングキング牧師の力づよいことば』(共に国土社)など。


2003年9月 シリーズ新刊刊行

「うら庭のエンジェル」シリーズ 既刊5冊を一挙にご紹介!
NEW!!
うら庭のエンジェル:表紙 エンジェルのおるすばん:表紙 エンジェルとお母さんの恋人:表紙 エンジェルとお母さんの結婚:表紙 エンジェルとあたらしい家族:表紙
ISBN 4-931284-79-5
2001.11刊行
ISBN 4-931284-82-5
2002.3刊行
ISBN 4-931284-87-6
2002.7刊行
ISBN 4-931284-92-2
2003.1刊行
ISBN 4-86085-002-5
2003.9刊行
ジュディ・デルトン 作
岡本浜江 訳
本体1300円+税

エンジェル・オーリアリは3人家族。お母さんと弟のボロと暮らしています。
エンジェルもボロも本当の名前ではありません。
エンジェルの本当の名前はキャロラインですが、しじゅう困ったことをするので、
お母さんが、心ではおこっていても愛していることを伝えるために〈天使〉(エンジェル)とよびはじめたのがきっかけ。
ボロの本当の名前はセオドア。小さいとき、いつも古い毛布のきれっぱしを持っていたからそう呼ばれています。
お父さんは、いまは4歳のボロが生まれる前に出て行ってしまいました。
お母さんが仕事にでている間、ボロの面倒をみるのはエンジェル。
でも、簡単なことではありません。いつも想像もつかないような面倒なことが起こります。
ですから、エンジェルには悩みはつきません。
弟の世話ばかりで友だちができないことはその筆頭です。


この物語は10歳のエンジェル本人には悩み多きことがらが書かれています。
でも、読者には、日常の愉快なできごとにくすり微笑んでしまう、
楽しいお話です。
巻を重ねるごとに、エンジェル家族が少しずつ変化していきます。
タイトルをならべるだけでも、その変化が少しわかりますね。



【作者】ジュディ・デルトン Judy Delton 1931年セントポール(アメリカ、ミネソタ州)生まれ。7年間小学校で教鞭をとったのち、1971年から子どもの本を書きはじめる。子どもが冒険と体験をつうじて人生を学んでいく姿をえがいた本作「うら庭のエンジェル」シリーズをはじめ、"Pee Wee Scouts"シリーズなど、人気シリーズを手がけ、作品の数は100冊以上にのぼる。

【訳者】岡本浜江 東京女子大学文学部英米文学科卒業。学生時代までは神奈川県逗子に住む。1954年、東京女子大学文学部卒業後、共同通信記者として婦人・子ども・文化・生活欄を担当、外国人のインタビューに携わる。その傍ら「リーダーズ・ダイジェスト」誌の翻訳をするが、9年後、子育てのため退職、故・中村能三氏に師事して翻訳を学ぶ。主な訳書に『悪童ロビーの冒険』(白水社)『川べにそよ風』『ミセス・ダウト』(以上、講談社)『悪がきをほめよう!』(文研出版)『修道士カドフェル』シリーズ(社会思想社)など。

カバー・さし絵 玉村敬子



2003年5月刊行

ポスおばあちゃんのまほう:表紙 ポスおばあちゃんのまほう
Possum Magic

メム・フォックス文
ジュリー・ヴィヴァス絵
加島 葵 訳



ISBN 4-931284-98-1
定価 本体1500円+税

オーストラリアの人気絵本がやってきた!

オーストラリアの野性動物、ポッサムをご存知ですか?
体長約40センチメートル、おなかに袋をもった動物です。
この絵本はポッサムのポスおばあちゃんが主人公。
ポスおばあちゃんは、森のまほうつかいです。
黒いウォンバットを青くしたり、
 大きなエミューを小さくさせたり、
でもとびきりのまほうは、孫のハッシュの姿を消すこと。
でも、困ったことがおきました。
そのまほうの解き方がわからないのです。
2匹はそれを見つけるために旅にでます。


まほうつかいなのに、孫にかけたまほうの解き方がわからないなんて!
でも、そこはさすが(?)おばあちゃん。でんとかまえて、大丈夫。
旅にその解き方があるはず。さてさて……。

いろいろでてくるオーストラリアの野性動物たちが、
透明感ある絵筆で美しくそして楽しく描かれています。
ポスおばあちゃんがおおらかに旅をしていく姿は、
読者にオーストラリアのガイドをしてくれるよう。
動物だけではなく、食べ物もたくさんでてきます。
アンザックビスケット、モルネー、ミンティー、ベジマイト……。
旅して食べて、楽しいラストが待っています。


【作者】メム・フォックス(Mem Fox) 1946年オーストラリアのメルボルンに生まれる。アデレードの大学で助教授として言語教育にたずさわりその方面でも広く名が知られている。30代前半に、大学で児童文学を学び創作活動に入る。最初の作品、本作『ポスおばあちゃんのまほう』は1983年の刊行以来、オーストラリアだけで100万部をこえる国際的ベストセラーとなり、1984年ニューサウスウェールズ州首相賞を受賞した。以来、25冊をこえる絵本のほか、大人向けの作品も数多く手がける。

【画家】ジュリー・ヴィヴァス(Julie Vivas) オーストラリアのアデレードに生まれる。シドニーでインテリア・デザインを学んだ後、数年間スペインに滞在。再びシドニーに戻り、イラストレーターとして数々の絵本を手がける。1986年、本作『ポスおばあちゃんのまほう』で、その透明感あふれる独特な画風が高い評価を受け、国際児童図書評議会(IBBY)から賞が贈られる。現在、オーストラリアを代表するイラストレーターとして活躍している。

【訳者】加島 葵(かしま あおい) お茶の水女子大学卒業。翻訳家。訳書に、オーストラリアの作家ルース・パーク作品『魔少女ビーティー・ボウ』『キャリーのお城』(以上新読書社)、「ゆかいなウォンバットシリーズ」(朔北社)を中心に、ディズニー・クラシック・シリーズ『「不思議の国のアリス」『バンビ』(以上中央公論社)セルビー・シリーズ全4冊、魔女のウィニー・シリーズ全2冊、『紙ぶくろの王女さま』以上カワイ出版)、など、たくさんの子どもの本の翻訳を手がける。



2002年12月刊行

カサンドラの城:表紙 カサンドラの城
I Capture the Castle

ドディー・スミス 著
石田英子 訳


ISBN 4-932384-93-0
定価 本体2300円+税
「ハリー・ポッター」のJ・.K・ローリングも絶賛!
 
「カサンドラ・モートメインは私にとって、自分でもこんなふうに書けたらなあと思う語り手の一人です。17歳の少女の目が捉えたお城の物語が、日記の形式で、ユーモアと鋭い洞察でもって描かれています

―― 舞台はイギリス。恋と成長の物語 ――

この本の紹介を星落秋風五丈原さんのレビューでどうぞ。
「ヤコブの闘い」という本を書いて以来、沈黙を続ける作家の父ジェイムズ。継母トパーズ。長女ローズ。学校に通う弟トーマス。次女カサンドラ。「六ペンスのノート」「一シリングのノート」「二ギニーのノート」という3つのノートに書かれたカサンドラの日記には、総勢6人、イギリスの古城に住むモートメイン家の日常が綴られる。

 椅子や皿の有無も確認せず、平気で客をディナーに招くジェイムズ。父を盲目的に熱愛し、時には夜に裸で外を闊歩する元モデルのトパーズ。綺麗にしたいお年頃ゆえ、貧乏に最も嫌悪感を抱くが、労働者には不向きなローズ。貧乏を嘆いた次の瞬間に「外に降る雨がベールのように塔を覆っている」とロマンティックにひたるカサンドラ。唯一、学校という社会と接する場を持っているトーマスを除いて、彼等は、一風変わった暢気もの。
 そんな人が1人いるだけでも大変なのに、家族の中に4人揃ってしまったものだから、毎日がボードヴィル・ショーか、シットコム。またそれを、カサンドラがウィットをきかせた表現力豊かな文章で描くものだから、読んでいるこちらは、笑いを堪えるのが大変。さらに、類は友を呼ぶのか、お城の雑用を一人でこなし、一家の誰より働いているのに、一銭も給料を貰わず、逆に他で働いた給料で、一家に食べ物や贈り物を買う、究極のいい人スティーヴンや、ジェイムズのファンで、本を届けてくれる司書のミス・マーシーまで、彼等のまわりには、いい人が集まってくる。そんな、物語の中にしか存在しないような別世界は、城と近所の屋敷の持ち主である二人の裕福なアメリカ人ニールとサイモン兄弟の登場により、にわかに変化し始める。

 イギリスの城や姉妹達に惹かれる金持ちのアメリカ人兄弟は、ヘンリー・ジェイムズの「金色の盃」「鳩の翼」にも描かれた、湯水のように金を使って、憧れのヨーロッパの美術品を収集するアメリカ人の姿と重なる。そして本書では、モートメイン家に現実を持ち込む存在だ。ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」「分別と多感」(映画『ある晴れた日に』原作)等の一連の小説に描かれる、年頃の女性達の近所に男性が現れるシチュエーションは、物語の一節をしょっちゅう引用するローズとカサンドラにとって、正にバイブル。当然これらの小説を読んでいて、小説のヒロインに自分をなぞらえる。小説に書かれた恋の手練手管を実践するが、所詮架空の悲しさ、あえなく失敗。物語より遥かに厄介な本当の恋愛によって、嫉妬や切なさ、自己嫌悪による胸の痛みを体験する二人の他、彼等の両親や、スティーヴン、彼に思いを寄せる女性、それぞれの人生が、一人も疎かにされていない。だから、物語世界から現実世界に移行して後も、誰一人として心底から嫌いな人物が登場しない。カサンドラに託した、作者の登場人物への豊かな愛情が感じられる。
「101(ワン・オー・ワン)」の原作者の、自伝的要素の強い作品。
 今まで翻訳されなかったのが不思議なくらい。もっと早く世に出てもよかった。2003年映画公開予定。日本での公開は未定。

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【作者】ドディー・スミス Dodie Smith 1896年イギリスのランカシャー生まれ。劇作家として活躍した後、1938年アメリカに渡る。滞在中にハリウッド映画の脚本や小説を手がける。日本では、ディズニー映画「101匹わんちゃん」の原作である『ダルメシアン 100と1ぴきの犬の物語』、『ダルメシアン 100と1ぴきの犬の冒険』(以上文溪堂)などが紹介されている。

【訳者】石田英子 1949年生まれ。お茶の水女子大学史学科卒業。本書が初の翻訳作品となる。未紹介の古い良書を発掘し翻訳するのが希望。趣味はクレージーキルト。

2002年12月刊行

2001年度金の絵筆賞 受賞作!
10ひきのいたずらねこ:表紙

10ぴきの いたずらねこ

Tien stoute katjes

メンシェ・ファン・キューレン 文
ヤン・ユッテ 絵
野坂 悦子 訳
  
本体価格 1100円
ISBN 4-931284-95-7

マザーグースの「Ten little Injuns went out to dine」をもとにした絵本。

10ぴきのねこたちが、1ぴきずつ減っていく数え歌。
『ペピーノ』(リンデルト・クロムハウト文/朔北社)の画家ヤン・ユッテが、
ユーモラスに10ぴきのねこたちを描きます。訳文もリズミカルで読みやすい!


【文】メンシェ・ファン・キューレン(Mensje van Keulen) 1946年、デン・ハーグに生まれる。雑誌の編集者として文章と風刺漫画の両方に才能を発揮。ヤン・ユッテと組んだ絵本に、アルファベットの絵本『サルからゼットまで』(未訳)がある。

【絵】ヤン・ユッテ(Jan Jutte) 1954年、オランダのハーレムに生まれる。中学校で絵画を教えながら、イラストレーターとして活躍している。主な作品に『まよなかの動物たち』(岩崎書店)、『ロイ・ライ・エンゾ』(未訳・1994年金の絵筆賞受賞作)がある。


【訳者】野坂悦子 1959年、東京に生まれる。オランダ語、英語、フランス語の子どもの本の翻訳を手がける。主な訳書に『わらって!リッキ』(フレーベル館)『おおきくなりたい ちびろばくん』(PHP研究所)『おまもり』(あすなろ書房)など多数。2000年7月やまねこ翻訳クラブメールマガジン「月刊児童文学翻訳」「プロに訊く」に登場。


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Last Modified: 2005/3/07
担当:さかな

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