2009年12月刊行
この絵本は、昨年11月に刊行された『ねぇパパ、どうしてシマウマはローラースケートをはかないの?』の続編・姉妹本となる絵本です。 今回はママが娘のちょっと変わった質問に淡々とこたえていきます。(ちなみに前作ではパパが娘の質問にこたえています。) その質問は表紙、つまりタイトルからすでにはじまっていて―― 「ねぇママ、どうしてきょうりゅうはがっこうへいかないの?」 この質問には裏表紙にこたえが書かれています。 はじめの質問のように、ちょっと不思議でシュールな質問に思わず納得してしまうようなママのこたえ。絵もまじめにふしぎな絵になっていて、「なるほど!」と思うも、「あれ?」とも思ってしまう。こんな風にくりだされる質問、最後はどうおわるのだろうと思ったら、すこーしビターに締められています。でも、けっして冷たくはないんです。どんな質問かは、どうぞ最初から読んで楽しんでみてくださいね。 【作】カンタン・グレバン Auentin Gréban
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2009年6月刊行
『ぼくのパパはおおおとこ』、『わたしのママはまほうつかい』に続いて、今度はおじいちゃんの絵本が出ました。 わたしのおじいちゃんチャンピオン。それはなんの? うきわをふくらませること、修理をすること、わたしを笑わせること。メダルもトロフィーもなくても、おじいちゃんはわたしのチャンピオンなのです。 イングリッド・ゴドン氏のやわらかくてのびのびした絵をみていると、大好きな人を描いた幸福感がしっかり伝わってきます。それは、カール・ノラック氏の文章の味わいをいずみちほこさんが、愛情ゆたかな言葉に訳されているからでしょう。 3冊あわせてぜひどうぞ。 【文】カール・ノラック Carl Norac
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2009年5月刊行
ジェジェは水槽にいれた自分の赤い金魚といっしょに、森の奥にある古い図書館に出かけました。そこは、ジェジェのおじいさんが働いています。 はじめて入る古い図書館。たくさんの部屋にあるたくさんの本をみているうちに、ねむくなってしまいます。 めがさめてみると、水槽にいたきんぎょがいません! ジェジェはあわてて探し出します……。 シックな赤い色の装丁。表紙カバーは四角く切り取られ、そこから金魚がみえます。 美しいつくりの絵本から、幻想的なきんぎょとジェジェの不思議な世界がうつしだされ、大事にページを繰っていきます。 クライマックスのページはなんともいえません。本棚にあるとうれしくて、誰かに見せたくなる絵本です。 【作】ユ・テウン Taeeun Yoo
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2009年1月刊行
ひとりぐらしのおばあさん、暗くて深くてとんでもなく恐ろしい森のはずれに住んでいました。 こんな文章ではじまる絵本なのですが、言葉からイメージとは反対に、森のはずれは、色とりどりの花がきれいに咲き乱れ、おばあさんの家もきれいな山吹色の屋根がついて、居心地よさそうです。それに、ひとりぐらしとはいえ、小さななかえるが味方なんですって。 そして、やっぱり恐ろしい森ですから魔物がおりまして、おばあさんの家にもやってくるんです。どうなるかしら? 小さなかえるのお話でもあるので、絵本も小ぶりです。かえるもやっぱり絵本の中では小さいです。 しかし、ページを繰るたびに強烈なんです、このかえる。 わが家もラストを読んだ時は、子どもたち、絶句してました。 確かに、かえるにはご用心、ご用心。 【作】ウィリアム・ビー William Bee
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2008年12月刊行
タイの山間に、何百年もあいだ、傘を作り続けてきた村があるそうです。 その村には、村の女の人たちが描いた美しい傘がたくさんあります。 毎年、お正月には村一番の絵付けをした女の人を「かさの女王さま」に選び、その人を先頭にした傘行列が行われ、小さい子どもは、美しい傘をかかげるお姉さんたちにあこがれるのでした。 絵本の主人公、ヌットもそのひとりです。 「わたしが かさに 絵をかけるのは いつ?」 おかあさんに教わりながら、ヌットもかさに絵付けするのを習い始めます。 思いのほか上手に描けることが家族に認められ、ヌットは商売用の傘にも絵を描きはじめるのですが……。 美しい絵を描くことが好きなヌットは、とても楽しんでかさに絵を描いていきます。 好きなことに没頭し、しあわせを感じるヌットに、読み手の私たちも、どんなかさになるのかしらと目が離せません。 「かさの女王さま」選びでかわされる言葉は、豊かで品があり、とてもすてきです。 ぜひ声に出して読んでみてください。 【作】シリン・イム・ブリッジズ Shirin Yim Bridges
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2007年7月刊行
パパにつづいてママの絵本がでました! (『ぼくのパパは おおおとこ』は読書感想文コンクールの低学年(1年・2年)の課題図書に選ばれました!) わたしのママはね、魔法使いなの。 魔法使いといえば、おきまりの杖や帽子を思いつく人もいるかもしれない。 でも、ママはなーんにも持っていない。 それでも、私を抱っこするあったかく大きな腕で、次々と魔法を見せてくれる。 とってもすてきでうれしいママなの! 登場するのは「わたし」と「ママ」だけ。 シックな色合いの背景に、ふたりの優しい表情がどのページにも登場します。 シンプルな構図にシンプルな文章。 大事なものをはっきり見せるために、それ以外の装飾を可能な限りとりのぞいたすっきりした大判絵本。 読んでもらったら、自分のママのことを見直すかもしれませんよ。
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2007年6月刊行
*本書は1997年発行の初版の訳稿と、表記、ルビをあらたにしました。 「かえるくん」改訂シリーズ第二弾は『かえるくんは かえるくん』 かえるくんは川にうつった自分の姿をみて「ぼく、ほんとに しあわせだ」とつぶやきます。 ところが、そこへあひるさんがやってきて、かえるくんにはできないことを言います。 こぶたさんに出会ったら、またまた自分にできないことを知りました。 のうさぎさんの所に行くと、またまたまた、できないことにぶつかります。 ぼくにはとりえがないと、涙をぽろぽろこぼすかえるくん…… 「自分」にいいところが見つけられない時、子どもにも大人にもありますね。 そんな時はどうしたらいいのかしら。 きれいなピンクの絵本を開いて閉じた時、どんなかえるくんの表情にあえるでしょう。 【文と絵】マックス・ベルジュイス Max Velthuijs 1923年、オランダのハーグ生まれ。作品の多くは、世界各国で翻訳出版されている。また、オランダ金の石筆賞、アメリカン・グラフィック賞など数多くの賞に輝く。本書「かえるくん」のシリーズは、オランダで国民的人気を得ている。2005年1月没。
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2007年2月刊行
*本書は1990年発行の初版の訳稿と、表記、ルビをあらたにしたものです。 2005年1月、マックス・ベルジュイスがこの世界にさよならをして以来、新作は読めなくなりましたが、日本に紹介されて17年たった絵本がちょっぴり新しくなって刊行されました。 かえるくんは、ちかごろ様子がいつもと違っています。 いつも夢の中を歩いているようなふわふわした気分。 自分でもどうしてそうなっているのかよくわからないのです。 「かえるくんどうしたの?」と友だちが心配します。 のうさぎくんの所に相談に出かけたかえるくん、答えを教えてもらってぴょーんと飛び跳ねます。 さて、いったいどうしたのでしょう……。 このシリーズはどの巻を読んでも心がぽかぽかしてきます。 かえるくんの変調に心配する友だち、そしてそして、そこから広がるあったかい気持ち。 いい友だちは人生に必要なものだと、大人目線でもうれしくなり、子どももなんだかうれしそうに聞いています。 新しくなったこの機会にぜひ手にとってみてください。 【文と絵】マックス・ベルジュイス Max Velthuijs 1923年、オランダのハーグ生まれ。作品の多くは、世界各国で翻訳出版されている。また、オランダ金の石筆賞、アメリカン・グラフィック賞など数多くの賞に輝く。本書「かえるくん」のシリーズは、オランダで国民的人気を得ている。2005年1月没。
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2007年1月刊行
韓国・朝鮮の人々はどんな新年を迎えるか、興味ありませんか。 新年、文字通りの新しい年には、みんなあたらしくはじまる。身につけるものもすべて新調するそうです。 女の子はあたらしい朝、起きてあたらしい晴れ着をつけるのをどれだけ楽しみにしていたでしょう。 深紅の絹の晴れ着をほこらしげにどのように着るか、丁寧に描いています。 どうぞゆっくりながめて楽しんでください。 巻末には、衣装の名前や装いに関して詳しい説明もついています。 【絵と文】ペ・ヒョンジュ 梨花女子大学を卒業後、韓国イラストレーション学校にて学ぶ。韓国の伝統文化と昔話が好きで、それに関連した美しくて面白い絵本作りに励んでいる。
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2006年4月刊行
“せんちょう”はねこの名前。 川のそばに住んでいるからかな。 まずは表紙をひらいて「わぁ!」と声が出る。 実態感あるりっぱなねこがじっとこちらを見つめている。 気高くきれいなねこ、それが“せんちょう”だ。 ふだんの寝ることや食べることのほかに、“せんちょう”が好きなもの、大事にしているもの。 ちょっとついていって何だか見てみよう。 うっとりするほど、ねこが幸福そうできれいだ。 ごろごろしたい時、ねこをさわってみたくなったのにそばにねこがいない時、 美しいものを見たい時、ぜひこの絵本を開いてほしい。 マドレーヌ・フロイド Madeleine Floyd
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2006年1月刊行かえるくんシリーズ、最後の一冊
理由もなく、悲しい気持ちにしずんでしまったかえるくん、まわりの友達はみな心配し、楽しくなれるよう心を配りますが、かえるくんの気持ちは悲しいまま。いつもよい知恵をもっているねずみくんは、美しい曲をヴァイオリンで弾きました。すると……。 澄んだ青い色がとてもきれい。悲しいかえるくんをはげまそうとする仲間たちのあたたかい心。そしていつも困った時にねずみくんがその流れをかえてくれます。 かえるくんの悲しさがラストに変化していく様がこの青空のようでした。 出版社からの紹介文です。 2004年、国際アンデルセン賞画家賞を受賞したよろこびもつかの間、作者マックス・ベルジュイスは、2005年1月、肺がんのため、82歳で亡くなりました。 マックス・ベルジュイス Max Velthuijs
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2005年12月刊行
この絵本は韓国の出版社から、子どもたちに、自国の伝統文化を伝えるシリーズの一冊として刊行されたそうです。 野菜をかかげて楽しそうな家族が評しを飾っています。 さて、どんな風にキムチをつけるのでしょう。 ソンミのうちでのキムチづくりを、裏庭に住んでいるネズミたちが真似します。 ハルモニ(おばあちゃん)がソンミに教えるのを、ネズミもオンマ(おかあさん)としっかり復唱しながら、上手につけていきます。 こんな風に――。 「はくさいを あらったら子どもたちにこの絵本を読んでみると、ネズミがきまじめに繰り返す様子にくすくす笑いながら、楽しそうに聞いていました。 できあがったキムチは味見をしてからかめにしまいます。 ぎっしりならんだかめの壮観なこと! お話が終わったあとは、写真入りで大人向けに、キムチの歴史や種類が説明されています。ポッサムキムチ、コドルゥッペギキムチ、カジャミシッケ、パキムチ、オイソバギ、カッキムチ、ピヌルキムチ、トンチミ、クルカットゥギ、チョンガッキムチ、どの写真のキムチもとっびきりおいしそうです。 チェ・インソン
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2005年9月刊行
著者は、『ケイトと豆のつる』のときのように、主人公を女性にし、ゆうかんで心美しい姿を描いています。昔話のもつ、生きる力のエッセンスをたっぷり満たし、読み手はお針子さんが冒険していく姿にほれぼれするでしょう。体が小さくても知恵で大きなものに立ち向かうのは、昔話でとてもよくでてきますが、この知恵、そして勇気があれば困難をのりこえられる、それはとても心強いものです。どうぞ、子どもたちと一緒に大人も楽しんでください。 ●メアリー・ポープ・オズボーン(Mary Pope Osborne) 子どもとヤングアダルトを対象にしたすぐれた本の著者として、数多く受賞している。ベストセラーとなった「マジック・ツリーハウス」シリーズ(メディアファクトリー)のほかに、『ケイトと豆のつる』(セーラー出版)、"Favorite
Medieval Tales"、"American Tall Tales"、"Rocking Horse
Christmas"、"Adaline Falling Star"(邦訳未発売)などの作品がある。米国作家協会前会長。夫ウィルとともにニューヨークに住む。
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『ケイトと豆のつる』 | 『私が学校に行かなかったあの年』 |
2005年7月刊行
【作家】アレクサンダー・スタッドラー Alexander Stadler 作家、イラストレーター、テキスタル・デザイナー。ファッション業界でも活躍し、2004年春夏にはコム・デ・ギャルソンとコラボレートした。"Beverly
Bilingsly"シリーズ、"Duncan Rumplemeyer's Bad Birthday"などの絵本を出版し、日本では『ビバリーとしょかんへいく』(文化出版局)が発売されている。『ライラはごきげんななめ』を書くために、フィラデルフィアのリッテンハウス・ダンス・アカデミーで、マダム・レアにバレエを学んだ。パートナー、2ひきの犬とともに、アメリカ・フィラデルフィアで暮らしている。
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2005年3月刊行
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2004年10月刊行
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2004年6月30日刊行
お天気のいい日、ちいさな木の人形がふたつ、古新聞の上で目をさまします。まるっこくて背の低いほうはピンクに、ほそくて背の高いほうはきいろにぬってありました。 【ウィリアム・スタイグ】 1907年、ニューヨーク生まれ。芸術一家に育つが、大学時代は全米水球チームを作ったほどのスポーツマンでもある。また、ナショナル・アカデミー・オブ・デザインの一員でもあった。 【おがわえつこ】 1935年福島県生まれ。大妻女子中学中野女子高校を卒業。1957年、セーラー万年筆入社。現在セーラー出版社長。日本児童文芸家協会会員。訳書に『ゆうかんなアイリーン』などがある。 |
2004年3月10日刊行
「知らないだれかさんとお話するときはね、目を見てお話するのよ」 【マイケル・グレイニエツ】 ポーランド生まれ。『お月さまってどんなあじ?』(セーラー出版)で、日本絵本賞翻訳絵本賞を受賞。主な作品に、『どのあしがさき?』(鈴木出版)、『いちばんたかいのだあれ?』(金の星社)、『どうしてかなしいの?/どこにいるの?』『にじいろのはな』『トラックくんまってたよ』『トラックくんどこいくの?』『テディおひさまぴかぴか』『テディおちばひらひら』『テディこなゆきふわふわ』『テディそよかぜさわさわ』『まほうのマフラー(あまんきみこ作)』(ポプラ社)、『クレリア』(セーラー出版)、『だれがいちばんはやいかな』(絵本館)、『恋するアルバート』(PHP研究所)他多数がある。 【ほそのあやこ】 東京生まれ。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒業後、グラフィックデザイナーとして活躍中。グレイニエツ氏の絵本の翻訳も手がけている。主な作品に、作者として『どのあしがさき?』(鈴木出版)、訳者として『どうしてかなしいの?/どこにいるの?』『にじいろのはな』『テディおひさまぴかぴか』『テディおちばひらひら』『テディこなゆきふわふわ』『テディそよかぜさわさわ』(ポプラ社)、『いちばんたかいのだあれ?』(金の星社)、『クレリア』(セーラー出版)、『恋するアルバート』(PHP研究所)がある。 |
2002年−2003年の新刊情報 |
2000-2001年の新刊情報 |
セーラー出版の絵本(2001年やまねこメンバー感想付き)2001年3月以前に刊行された本の情報 |
2001年から2004年にかけてセーラー出版の方3名によるおすすめ本の紹介「今月の何かしら?」 |
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Last Modified: 2009/12/11
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