セーラー出版 新刊情報

2009年12月刊行

ねぇ、ママ、どうしてきょうりゅうはがっこうへいかないの?:表紙  ねぇママ、どうしてきょうりゅうはがっこうへいかないの?

 カンタン・グレバン 作
スギヤマカナヨ 訳



ISBN 978-4-88330-173-7
定価 本体1500円(税別)


 この絵本は、昨年11月に刊行された『ねぇパパ、どうしてシマウマはローラースケートをはかないの?』の続編・姉妹本となる絵本です。
 
 今回はママが娘のちょっと変わった質問に淡々とこたえていきます。(ちなみに前作ではパパが娘の質問にこたえています。)

 その質問は表紙、つまりタイトルからすでにはじまっていて――
 「ねぇママ、どうしてきょうりゅうはがっこうへいかないの?」
 この質問には裏表紙にこたえが書かれています。

 はじめの質問のように、ちょっと不思議でシュールな質問に思わず納得してしまうようなママのこたえ。絵もまじめにふしぎな絵になっていて、「なるほど!」と思うも、「あれ?」とも思ってしまう。こんな風にくりだされる質問、最後はどうおわるのだろうと思ったら、すこーしビターに締められています。でも、けっして冷たくはないんです。どんな質問かは、どうぞ最初から読んで楽しんでみてくださいね。


【作】カンタン・グレバン Auentin Gréban
1977年、ベルギーのブリュッセル生まれ。あたたかくさやわかな作風が人気で、絵本は世界各国で翻訳されている。日本で翻訳された絵本に、『ねぇパパ、どうしてシマウマはローラースケートをはかないの?』(セーラー出版)、『ウルフさんのやさい畑』『カプチーヌ』『ちいさな魔女のカプチーヌ』(小峰書店)、『オルガの世界一周』(平凡社)がある。

【スギヤマカナヨ】
静岡県三島市生まれ。『ペンギンの本』(講談社)で講談社出版文化賞受賞。著書に『山に木を植えました』(講談社)、『あかちゃんがうまれたらなるなるなんになる?』(ポプラ社)、『ほんちゃん』(偕成社)など多数。翻訳に『ねぇパパ、どうしてシマウマはローラースケートをはかないの?』(セーラー出版)がある。


2009年6月刊行

わたしのおじいちゃんはチャンピオン:表紙  わたしのおじいちゃんはチャンピオン

カール・ノラック 文
イングリッド・ゴドン 絵
いずみちほこ 訳


ISBN 978-4-88330-172-0
定価 本体1500円(税別)

 『ぼくのパパはおおおとこ』、『わたしのママはまほうつかい』に続いて、今度はおじいちゃんの絵本が出ました。
 わたしのおじいちゃんチャンピオン。それはなんの? うきわをふくらませること、修理をすること、わたしを笑わせること。メダルもトロフィーもなくても、おじいちゃんはわたしのチャンピオンなのです。

 イングリッド・ゴドン氏のやわらかくてのびのびした絵をみていると、大好きな人を描いた幸福感がしっかり伝わってきます。それは、カール・ノラック氏の文章の味わいをいずみちほこさんが、愛情ゆたかな言葉に訳されているからでしょう。

 3冊あわせてぜひどうぞ。

【文】カール・ノラック Carl Norac
子どもの本の作家としてとても人気があり、著書は世界39ヶ国語に翻訳されている。詩人としても実績があり、学校のイベントやブックフェアなどで活躍している。ベルギー生まれで、現在は家族とフランスに暮らす。日本では『だいすきっていいたくて』『だきしめてほしくって』(ポプラ社)などがある。

【絵】イングリッド・ゴドン Ingrid Godon
イラストレーターとして国際的に高い評価を受けている。夫と3人の子供たちとベルギーで暮らしている。10ヶ国語に翻訳されたロングセラー『なきむしあかちゃん』(主婦の友社)をはじめ、『ママのたからもの』(同)『翼をひろげて』(求龍堂)などがある。

【訳】いずみちほこ
児童書翻訳家。横浜市在住。ドイツ語絵本訳書に『ブラウンさんのネコ』『すきすきだいすき』『お月さまってどんなあじ?』『ミンケパットさんと小鳥たち』(セーラー出版)、『金のりんご』(徳間書店)、『ケストナーのほらふき男爵』〈共訳〉(筑摩書房)、『ゆきだるまのメリークリスマス』(文溪堂)などがある。


2009年5月刊行

きんぎょ:表紙 きんぎょ

ユ・テウン 作
木坂涼 訳


ISBN 978-4-88330-171-3
定価 本体1500円+税

 ジェジェは水槽にいれた自分の赤い金魚といっしょに、森の奥にある古い図書館に出かけました。そこは、ジェジェのおじいさんが働いています。
 はじめて入る古い図書館。たくさんの部屋にあるたくさんの本をみているうちに、ねむくなってしまいます。
 めがさめてみると、水槽にいたきんぎょがいません! ジェジェはあわてて探し出します……。

 シックな赤い色の装丁。表紙カバーは四角く切り取られ、そこから金魚がみえます。
 美しいつくりの絵本から、幻想的なきんぎょとジェジェの不思議な世界がうつしだされ、大事にページを繰っていきます。
 クライマックスのページはなんともいえません。本棚にあるとうれしくて、誰かに見せたくなる絵本です。


【作】ユ・テウン Taeeun Yoo
韓国生まれ。イラストレーター。伝統文化を愛する祖父母の家で育つ。ソウルの弘益(ホンイク)大学を卒業後、渡米。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアルアーツ卒。作品に本作のほか『かさの女王さま』(シリン・イム・ブリッジズ作 セーラー出版)がある。ニューヨーク在住。

【訳】木坂 涼 きさか りょう
詩人・エッセイスト・絵本作家。詩集に『ひつじがいっぴき』(フレーベル館)『刺繍日記』(理論社)など。絵本『からだのなかでドゥンドゥンドゥン』(福音館書店)など著作多数。絵本の翻訳に『ピッツァぼうや』(ウィリアム・スタイグ作 セーラー出版)『ねこのせんちょう』(マドレーヌ・フロイド作 セーラー出版)などがある。


2009年1月刊行

かえるごようじん:表紙絵  かえる ごようじん


ウィリアム・ビー さく
たなかなおと やく

ISBN 978-4-88330-170-6
定価 本体1500円+税

ひとりぐらしのおばあさん、暗くて深くてとんでもなく恐ろしい森のはずれに住んでいました。

こんな文章ではじまる絵本なのですが、言葉からイメージとは反対に、森のはずれは、色とりどりの花がきれいに咲き乱れ、おばあさんの家もきれいな山吹色の屋根がついて、居心地よさそうです。それに、ひとりぐらしとはいえ、小さななかえるが味方なんですって。

そして、やっぱり恐ろしい森ですから魔物がおりまして、おばあさんの家にもやってくるんです。どうなるかしら?

小さなかえるのお話でもあるので、絵本も小ぶりです。かえるもやっぱり絵本の中では小さいです。
しかし、ページを繰るたびに強烈なんです、このかえる。
わが家もラストを読んだ時は、子どもたち、絶句してました。

確かに、かえるにはご用心、ご用心。

【作】ウィリアム・ビー William Bee
イギリス、ロンドン生まれ。絵本作家としてだけではなく、ヴィンテージスポーツカーのレーサー、国際的なスキーヤーとしても有名。現在はイギリスの田舎暮らし。自宅にいるときは、庭の手入れに忙しい。『だから?』で2005年度イギリスBCCBブルーリボン絵本賞を受賞。ほかに『さてさてきしゃははしります・・・』(フレーベル館)、『だから?』(セーラー出版)がある。

【訳】たなか なおと 田中尚人
東京生まれ。フリーライター、編集者を経て、現在グランまま社編集長。児童図書出版の仕事のかたわら、仲間とともに「パパ’S 絵本プロジェクト」を立ち上げ、お父さんによる読み聞かせの実践と講演で全国各地をとびまわっている。絵本と子どもに関しての著作多数。訳書に、『だから?』(セーラー出版)がある。

2008年12月刊行

かさの女王さま:表紙  かさの女王さま


シリン・イム・ブリッジズ 作
ユ・テウン 絵
松井るり子 訳

ISBN978-4-88330-169-0
定価 1500円(税別)

 タイの山間に、何百年もあいだ、傘を作り続けてきた村があるそうです。
 その村には、村の女の人たちが描いた美しい傘がたくさんあります。
 毎年、お正月には村一番の絵付けをした女の人を「かさの女王さま」に選び、その人を先頭にした傘行列が行われ、小さい子どもは、美しい傘をかかげるお姉さんたちにあこがれるのでした。

 絵本の主人公、ヌットもそのひとりです。
 「わたしが かさに 絵をかけるのは いつ?」

 おかあさんに教わりながら、ヌットもかさに絵付けするのを習い始めます。
 思いのほか上手に描けることが家族に認められ、ヌットは商売用の傘にも絵を描きはじめるのですが……。

 美しい絵を描くことが好きなヌットは、とても楽しんでかさに絵を描いていきます。
 好きなことに没頭し、しあわせを感じるヌットに、読み手の私たちも、どんなかさになるのかしらと目が離せません。

 「かさの女王さま」選びでかわされる言葉は、豊かで品があり、とてもすてきです。
 ぜひ声に出して読んでみてください。

【作】シリン・イム・ブリッジズ Shirin Yim Bridges
カリフォルニア生まれの中国系アメリカ人。祖母をモデルとした、中国の少女を描いた最初の絵本、"Ruby's Wish"(未邦訳)が2003年にエズラ・ジャック・キーツ賞を受賞。シカゴ在住。

【絵】ユ・テウン Taeeun Yoo
韓国生まれ。伝統的文化を愛する祖父母の家で育つ。ソウルの弘益(ホンイク)大学を卒業後、渡米。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアルアーツ卒。絵本作品に"The Little Fish"(2009年セーラー出版より刊行予定)がある。ニューヨーク在住。

【訳】松井るり子
岐阜市生まれ。児童文化専攻。著書に『七歳までは夢の中』(学陽書房)『絵本でほどいてゆく不思議』(平凡社)、翻訳絵本にアニタ・ローベル『毛皮ひめ』『クリスマスイヴのこと』(セーラー出版)他がある。


2007年7月刊行

わたしのママはまほうつかい:表紙  わたしのママはまほうつかい

せかいいちのママがいるひとみんなに


カール・ノラック 文
イングリッド・ゴドン 絵
いずみちほこ 訳

ISBN 978-4-88330-162-1
定価 1500円(税別)

パパにつづいてママの絵本がでました!
(『ぼくのパパは おおおとこ』は読書感想文コンクールの低学年(1年・2年)の課題図書に選ばれました!)

わたしのママはね、魔法使いなの。
魔法使いといえば、おきまりの杖や帽子を思いつく人もいるかもしれない。
でも、ママはなーんにも持っていない。
それでも、私を抱っこするあったかく大きな腕で、次々と魔法を見せてくれる。
とってもすてきでうれしいママなの!


登場するのは「わたし」と「ママ」だけ。
シックな色合いの背景に、ふたりの優しい表情がどのページにも登場します。
シンプルな構図にシンプルな文章。
大事なものをはっきり見せるために、それ以外の装飾を可能な限りとりのぞいたすっきりした大判絵本。
読んでもらったら、自分のママのことを見直すかもしれませんよ。


【文】カール・ノラック Carl Norac
子どもの本の作家としてとても人気があり、著書は世界39ヶ国語に翻訳されている。詩人としても実績があり、学校のイベントやブックフェアなどで活躍している。ベルギー生まれで、現在は家族とフランスに暮らす。日本では『だいすきっていいたくて』『だきしめてほしくって』(ポプラ社)などがある。

【絵】イングリッド・ゴドン Ingrid Godon
イラストレーターとして国際的に高い評価を受けている。夫と3人の子供たちとベルギーで暮らしている。10ヶ国語に翻訳されたロングセラー『なきむしあかちゃん』(主婦の友社)をはじめ、『ママのたからもの』(同)『翼をひろげて』(求龍堂)などがある。

【訳】いずみちほこ
児童書翻訳家。横浜市在住。ドイツ語絵本訳書に『ブラウンさんのネコ』『ゆきだるまのさがしもの』『すきすきだいすき』『お月さまってどんなあじ?』『ミンケパットさんと小鳥たち』(セーラー出版)、『金のりんご』(徳間書店)、『ケストナーのほらふき男爵』〈共訳〉(筑摩書房)などがある。


2007年6月刊行

かえるくんはかえるくん:表紙  かえるくんは かえるくん

マックス・ベルジュイス 文と絵
清水奈緒子 訳

ISBN 978-4-88330-161-4
定価 1300円(税別)

*本書は1997年発行の初版の訳稿と、表記、ルビをあらたにしました。

「かえるくん」改訂シリーズ第二弾は『かえるくんは かえるくん』

かえるくんは川にうつった自分の姿をみて「ぼく、ほんとに しあわせだ」とつぶやきます。
ところが、そこへあひるさんがやってきて、かえるくんにはできないことを言います。
こぶたさんに出会ったら、またまた自分にできないことを知りました。
のうさぎさんの所に行くと、またまたまた、できないことにぶつかります。
ぼくにはとりえがないと、涙をぽろぽろこぼすかえるくん……

「自分」にいいところが見つけられない時、子どもにも大人にもありますね。
そんな時はどうしたらいいのかしら。
きれいなピンクの絵本を開いて閉じた時、どんなかえるくんの表情にあえるでしょう。

【文と絵】マックス・ベルジュイス Max Velthuijs 1923年、オランダのハーグ生まれ。作品の多くは、世界各国で翻訳出版されている。また、オランダ金の石筆賞、アメリカン・グラフィック賞など数多くの賞に輝く。本書「かえるくん」のシリーズは、オランダで国民的人気を得ている。2005年1月没。

【訳】清水奈緒子
 1965年、静岡県生まれ。常葉学園大学外国語学部卒業。訳書にベルジュイスの「かえるくん」シリーズの他、『ストライプ』『ハロウィーンのおばけ屋敷』(セーラー出版)、『ぼくがウィリアムと名づけたわけ』(文研出版)などがある。大人のための子どもの本の資料館「絵本館」(静岡市駿河区用宗)スタッフ。


2007年2月刊行

かえるくんどうしたの:表紙  かえるくん どうしたの

マックス・ベルジュイス 文と絵
清水奈緒子 訳

ISBN 978-4-88330-160-7
定価 1300円(税別)

*本書は1990年発行の初版の訳稿と、表記、ルビをあらたにしたものです。

2005年1月、マックス・ベルジュイスがこの世界にさよならをして以来、新作は読めなくなりましたが、日本に紹介されて17年たった絵本がちょっぴり新しくなって刊行されました。


かえるくんは、ちかごろ様子がいつもと違っています。
いつも夢の中を歩いているようなふわふわした気分。
自分でもどうしてそうなっているのかよくわからないのです。
「かえるくんどうしたの?」と友だちが心配します。
のうさぎくんの所に相談に出かけたかえるくん、答えを教えてもらってぴょーんと飛び跳ねます。
さて、いったいどうしたのでしょう……。

このシリーズはどの巻を読んでも心がぽかぽかしてきます。
かえるくんの変調に心配する友だち、そしてそして、そこから広がるあったかい気持ち。
いい友だちは人生に必要なものだと、大人目線でもうれしくなり、子どももなんだかうれしそうに聞いています。
新しくなったこの機会にぜひ手にとってみてください。


【文と絵】マックス・ベルジュイス Max Velthuijs 1923年、オランダのハーグ生まれ。作品の多くは、世界各国で翻訳出版されている。また、オランダ金の石筆賞、アメリカン・グラフィック賞など数多くの賞に輝く。本書「かえるくん」のシリーズは、オランダで国民的人気を得ている。2005年1月没。

【訳】清水奈緒子
 1965年、静岡県生まれ。常葉学園大学外国語学部卒業。訳書にベルジュイスの「かえるくん」シリーズの他、『ストライプ』『ハロウィーンのおばけ屋敷』(セーラー出版)、『ぼくがウィリアムと名づけたわけ』(文研出版)などがある。大人のための子どもの本の資料館「絵本館」(静岡市駿河区用宗)スタッフ。


2007年1月刊行

ソルビム:表紙   ―お正月の晴れ着

ペ・ヒョンジュ 絵と文
ピョン・キジャ 訳


ISBN 978-4-88330-159-1
定価 1500円(税別)

 韓国・朝鮮の人々はどんな新年を迎えるか、興味ありませんか。
 新年、文字通りの新しい年には、みんなあたらしくはじまる。身につけるものもすべて新調するそうです。

 女の子はあたらしい朝、起きてあたらしい晴れ着をつけるのをどれだけ楽しみにしていたでしょう。
 深紅の絹の晴れ着をほこらしげにどのように着るか、丁寧に描いています。
 どうぞゆっくりながめて楽しんでください。

 巻末には、衣装の名前や装いに関して詳しい説明もついています。


【絵と文】ペ・ヒョンジュ 梨花女子大学を卒業後、韓国イラストレーション学校にて学ぶ。韓国の伝統文化と昔話が好きで、それに関連した美しくて面白い絵本作りに励んでいる。

【訳】ピョン・キジャ 『こいぬのうんち』『あなぐまさんちのはなばたけ』『いっしょにごはんたべよ』(平凡社)『かぜひいちゃった日』『ヨンイのビニールがさ』(岩崎書店)『あめがふるひに…』(くもん出版)『きょうは ソンミの うちで キムチを つけるひ!』(セーラー出版)など韓国のすぐれた絵本を日本に紹介し、話題になった。読み物の翻訳として、『モンシル姉さん』(てらいんく)『庭を出ためんどり』(平凡社)『悲しい下駄』(岩崎書店)などがある。在日朝鮮人2世。

セーラー出版の韓国絵本

マンヒのいえ:表紙 ソリちゃんのチュソク:表紙 きょうはソンミのうちでキムチをつけるひ!:表紙


2006年11月刊行

青少年読書感想文全国コンクール
小学校低学年(1・2年生)の部・課題図書

☆たくさんの子どもたちの感想が聞けますように☆

ぼくのパパはおおおとこ:表紙  

ぼくのパパはおおおとこ

せかいいちのパパがいるひとみんなに

カール・ノラック 文
イングリッド・ゴドン 絵
いずみちほこ 訳

ISBN 4-88330-158-3
定価 1575円(税込)

ぼくには だいすきな おおおとこの パパがいる。
 縦長の絵本を開く。見開きはきれいな黄色で定規や葉っぱ、犬などが版画のような風合いでざっくりと置かれている。次をめくると、見開きいっぱいに親子で横になって読者を見つめる大きな絵。ふたりと目があう。タイトルが小さく見えるほど、「ぼくのパパがおおきい」ことがわかる。

 パパはどのページでも、縦いっぱいか横いっぱいに存在している。
 ぼくのパパはおおきいのだ。
 しがみつくには、はしごが必要なくらい、サッカーのキックはお月さまに届くくらいに。
 おおきいパパはゆったりと子どもむきあい、つつみこんでいる。
 文字も大きく、そしてシンプルに「ぼく」がパパを自慢している。

 なんだか、のびをしたようないい気分になる絵本。
 ラストのあったかさがすごくポカポカしてくる。

 あなたにも、たよりになるおおきな人はいますか?

【文】カール・ノラック Carl Norac
子どもの本の作家としてとても人気があり、著書は世界39ヶ国語に翻訳されている。詩人としても実績があり、学校のイベントやブックフェアなどで活躍している。ベルギー生まれで、現在は家族とフランスに暮らす。日本では『だいすきっていいたくて』『だきしめてほしくって』(ポプラ社)などがある。

【絵】イングリッド・ゴドン Ingrid Godon
イラストレーターとして国際的に高い評価を受けている。夫と3人の子供たちとベルギーで暮らしている。10ヶ国語に翻訳されたロングセラー『なきむしあかちゃん』(主婦の友社)をはじめ、『ママのたからもの』(同)『翼をひろげて』(求龍堂)などがある。

【訳】いずみちほこ
児童書翻訳家。横浜市在住。ドイツ語絵本訳書に『ブラウンさんのネコ』『ゆきだるまのさがしもの』『すきすきだいすき』『お月さまってどんなあじ?』『ミンケパットさんと小鳥たち』(セーラー出版)、『金のりんご』(徳間書店)、『ケストナーのほらふき男爵』〈共訳〉(筑摩書房)などがある。


2006年4月刊行

ねこのせんちょう:表紙  

ねこのせんちょう

マドレーヌ・フロイド 作
木坂涼 訳

ISBN 4-88330-157-5
定価 1575円(税込)

“せんちょう”はねこの名前。
 川のそばに住んでいるからかな。

 まずは表紙をひらいて「わぁ!」と声が出る。
 実態感あるりっぱなねこがじっとこちらを見つめている。
 気高くきれいなねこ、それが“せんちょう”だ。

 ふだんの寝ることや食べることのほかに、“せんちょう”が好きなもの、大事にしているもの。
 ちょっとついていって何だか見てみよう。


 うっとりするほど、ねこが幸福そうできれいだ。
 ごろごろしたい時、ねこをさわってみたくなったのにそばにねこがいない時、
 美しいものを見たい時、ぜひこの絵本を開いてほしい。

マドレーヌ・フロイド Madeleine Floyd
画家・イラストレーター。作品は多くの国で出版され展覧会も開かれている。ロンドン市内のチウスイックで、川のそばの家に夫のマイケルとねこの“せんちょう”と暮らしている。『ねこのせんちょう』は、マドレーヌが絵と文の両方を書いたはじめての本。

せんちょう Captain
イングランド中央のリーミントン・スパで生まれた。明るいひざしと川のそばに住むためロンドンにやってきた。いまの家が気に入るとすぐ、マドレーヌとマイケルの引越と同時に住みついた。

木坂涼 きさか りょう
詩人・絵本作家。詩集に『五つのエラーをさがせ!』『刺繍日記』ほか。エッセイ集『ベランダの博物誌』、絵本『みんなおっぱいのんでたよ』、翻訳絵本『すき』『ピッツァぼうや』など多数。小さい頃からねこを飼っていて、現在は保護したねこ“ラー子さん”と夫の三人暮らし。

 

2006年1月刊行

かえるくんシリーズ、最後の一冊

かえるくんはかなしい:表紙  

かえるんくは かなしい

マックス・ベルジュイス 文と絵
清水奈緒子 訳

ISBN 4-88330-156-7
定価 1365円

理由もなく、悲しい気持ちにしずんでしまったかえるくん、まわりの友達はみな心配し、楽しくなれるよう心を配りますが、かえるくんの気持ちは悲しいまま。いつもよい知恵をもっているねずみくんは、美しい曲をヴァイオリンで弾きました。すると……。

澄んだ青い色がとてもきれい。悲しいかえるくんをはげまそうとする仲間たちのあたたかい心。そしていつも困った時にねずみくんがその流れをかえてくれます。

かえるくんの悲しさがラストに変化していく様がこの青空のようでした。

出版社からの紹介文です。

 2004年、国際アンデルセン賞画家賞を受賞したよろこびもつかの間、作者マックス・ベルジュイスは、2005年1月、肺がんのため、82歳で亡くなりました。
 1989年に発表し好評を得た『かえるくん どうしたの?』以来、かえるくんの絵本は12冊書かれ、文字どおり彼の代表作となりました。
 いま、小社で準備中の伝記『かえるでよかった』(仮題)のなかで、ベルジュイスは「かえるくんは、もうひとりの自分だ」と語っています。
 自分の弱さ、悲しさ、こっけいさなどを投影したかえるくんは、いつもあたたかい友情につつまれ、最後は「生きていて よかった!」と幸せな気持ちになります。
『かえるくんは かなしい』は、人生の深いあじわいをたたえた“かえるくんシリーズ”の、最後の一冊です。

マックス・ベルジュイス Max Velthuijs
1923年、オランダのハーグ生まれ。作品の多くは、世界各国で翻訳出版されている。また、オランダ金の石筆賞、アメリカン・グラフィック賞など数多くの賞に輝く。本書「かえるくん」のシリーズは、オランダで国民的人気を得ている。2005年1月没。

清水奈緒子
1965年、静岡県生まれ。常葉学園大学学国語学部卒業。訳書にベルジュイスの「かえるくん」シリーズの他、『ストライプ』『ハロウィーンのおばけ屋敷』(セーラー出版)、『ぼくがウィリアムと名づけたわけ』(文研出版)などがある。大人のための子どもの本の資料館「遊本館」(静岡市駿河区用宗)スタッフ。

2005年12月刊行

きょうはソンミのうちでキムチをつけるひ!:表紙  

きょうはソンミのうちでキチをつけるひ!

チェ・インソン 文
パン・ジョンファ 絵
ピョン・キジャ 訳

ISBN 4-88330-155-9
定価 1575円(税込)

この絵本は韓国の出版社から、子どもたちに、自国の伝統文化を伝えるシリーズの一冊として刊行されたそうです。

野菜をかかげて楽しそうな家族が評しを飾っています。
さて、どんな風にキムチをつけるのでしょう。

ソンミのうちでのキムチづくりを、裏庭に住んでいるネズミたちが真似します。
ハルモニ(おばあちゃん)がソンミに教えるのを、ネズミもオンマ(おかあさん)としっかり復唱しながら、上手につけていきます。
こんな風に――。

「はくさいを あらったら
はくさいに いれる キムチの ぐを
よういするのさ」

「オンマ、はくさいを さっさと あらって
キムチの ぐを よういっ!」
子どもたちにこの絵本を読んでみると、ネズミがきまじめに繰り返す様子にくすくす笑いながら、楽しそうに聞いていました。

できあがったキムチは味見をしてからかめにしまいます。
ぎっしりならんだかめの壮観なこと!

お話が終わったあとは、写真入りで大人向けに、キムチの歴史や種類が説明されています。ポッサムキムチ、コドルゥッペギキムチ、カジャミシッケ、パキムチ、オイソバギ、カッキムチ、ピヌルキムチ、トンチミ、クルカットゥギ、チョンガッキムチ、どの写真のキムチもとっびきりおいしそうです。

チェ・インソン
童話作家。ふたりの子どもに童話を読み聞かせているうちに、自らも童話を書くようになる。
1995年セムト社主催の〈オンマが書いた童話賞〉に『わがやのメガネぐま おじさん』が、創作と批評社の〈よい子どもの本公募〉で『電信柱おじさん』が、入選。『ふとっぱらハルモニの ぎょうざづくり』『わたしの となりは チェ ヨンデ』『その とかげがあみものを はじめたわけ』『わにの ウリナ』など、作品多数。

パン・ジョンファ
絵本画家。第2回出版美術大展で銀賞を受賞。作品に『わたしのように まねしてごらん!』『かわいいソリ はじめての旅行』『ものいわぬ 花の木』『銭湯・柏湯』などがある。のびのびとした構図と洗練された色彩感覚で独特な絵を描く。

ピョン・キジャ
『こいぬのうんち』『あなぐまさんちのはなばたけ』『いっしょにたべよ』(平凡社)『かぜひいちゃった日』(岩崎書店)『あめがふるひに…』(くもん出版)など韓国のすぐれた絵本を日本に紹介し、話題になった。読み物の翻訳として『モンシル姉さん』(てらいんく)『庭を出ためんどり』(平凡社)『悲しい下駄』(岩崎書店)などがある。在日朝鮮人2世。


2005年9月刊行

ゆうかんなちびのお針子:表紙  

ゆうかんなちびのお針子

メアリー・ポープ・オズボーン 文
ジゼル・ポター 絵
おがわ えつこ 訳

ISBN 4-88330-154-0
定価 1575円(税込)

 グリム童話「ゆうかんなちびの仕立てや」をもとにした再話。

 著者ノートで「このはなしが、もともとはふたりの女性たちによって、グリム兄弟に語られたものならば、“ちびの仕立てや”を、“ちびのお針子”にしてしまうほうが、ふさわしい気もします」と語っています。

 表紙のお針子さんをみてください。エッヘンとして、いかにもゆうかんそうではありませんか。ある夏の日、窓際でパンにジャムをつけて食べていると、ハエがたかりはじめました。「あっちぃ行け! シッシッ!」 さて、このハエとお針子さんからお話ははじまります。ゆうかんな冒険をのぞいてみましょう……。
 
 著者は、『ケイトと豆のつる』のときのように、主人公を女性にし、ゆうかんで心美しい姿を描いています。昔話のもつ、生きる力のエッセンスをたっぷり満たし、読み手はお針子さんが冒険していく姿にほれぼれするでしょう。体が小さくても知恵で大きなものに立ち向かうのは、昔話でとてもよくでてきますが、この知恵、そして勇気があれば困難をのりこえられる、それはとても心強いものです。どうぞ、子どもたちと一緒に大人も楽しんでください。


●メアリー・ポープ・オズボーン(Mary Pope Osborne) 子どもとヤングアダルトを対象にしたすぐれた本の著者として、数多く受賞している。ベストセラーとなった「マジック・ツリーハウス」シリーズ(メディアファクトリー)のほかに、『ケイトと豆のつる』(セーラー出版)、"Favorite Medieval Tales"、"American Tall Tales"、"Rocking Horse Christmas"、"Adaline Falling Star"(邦訳未発売)などの作品がある。米国作家協会前会長。夫ウィルとともにニューヨークに住む。

●ジゼル・ポター(Giselle Potter)  Candace Fleming文"Gabriella's Song"(未邦訳)で、イラストレーターとしてアメリカで圧倒的な評価を得た。日本では『ほんとうのことをいってもいいの?』(BL出版)、『クェンティン・ハーター三世』(BL出版)、『子どもたちに学校を!』(みすず書房)、『ケイトと豆のつる』、『私が学校に行かなかったあの年』(セーラー出版)などが出版されている。ニューヨーク、キングストンに住む。

●おがわ えつこ(小川悦子) 1935年、福島県生まれ。現在、セーラー出版社長。著書に『一九五二年十七歳』(沖積舎)、絵本の翻訳に『ゆうかんなアイリーン』、『いやだいやだのスピンキー』、『みにくいシュレック』、『ケイトと豆のつる』、『私が学校に行かなかったあの年』(いずれもセーラー出版)などがある。

ジゼル・ポターの絵本はこちらもオススメ!

『ケイトと豆のつる』 『私が学校に行かなかったあの年』


2005年7月刊行

ライラはごきげんななめ:表紙

ライラはごきげんななめ

アレクサンダー・スタッドラー 作
かつらあまね 訳

ISBN 4-88330-153-2
定価 1575円(税込)

ライラ・ブルームは表紙の女の子。
朝からいいことがありません。
表紙はにんまりしているけど、ページをくると、そこにはごきげんななめ顔。
ついてないことが続きすぎて、バレエのおけいこに行く気はゼロ。
送ってくれるセレステおばさまのスポーツ・カーに乗せてもらい、お教室についたライラは、更衣室で「わたし、やめるから」

さて、にんまりするのはいつかしら?

『ビバリーとしょかんへいく』(文化出版局)で日本に紹介された絵本作家アレクサンダー・スタッドラーは、ファッション業界でも活躍するテキスタル・デザイナーでもあります。そのセンスのよさは、太くてにじみのある黒い線が特徴的に使われ、シンプルな水彩の淡い色に映えています。ストーリーは、子どもでも大人でも心当たりある気持ちの変化がのびやかに描かれ、ライラ同様、読んでいてにんまりしてくるのが心地よく。オシャレで気持ちよい絵本です。

【作家】アレクサンダー・スタッドラー Alexander Stadler 作家、イラストレーター、テキスタル・デザイナー。ファッション業界でも活躍し、2004年春夏にはコム・デ・ギャルソンとコラボレートした。"Beverly Bilingsly"シリーズ、"Duncan Rumplemeyer's Bad Birthday"などの絵本を出版し、日本では『ビバリーとしょかんへいく』(文化出版局)が発売されている。『ライラはごきげんななめ』を書くために、フィラデルフィアのリッテンハウス・ダンス・アカデミーで、マダム・レアにバレエを学んだ。パートナー、2ひきの犬とともに、アメリカ・フィラデルフィアで暮らしている。

【訳者】かつら あまね 1973年、博多生まれ。子どものころ、バレエにあこがれたが、バレエではなくピアノをならう。ピアノは好きだったが、週1回のおけいこがきらいだったのはライラと同じ。レッスンの回数をふやすことなくおとなになり、もうひとつの好きなもの、子どもの本の仕事をしている。


2005年3月刊行

かえるくんのたからさがし:表紙 おとぞうさん:表紙

かえるくんのたからさがし

マックス・ベルジュイス 文と絵
清水奈緒子 訳

ISBN 4-88330-152-4
定価 1365円(税込)

おとぞうさん

マイケル・グレイニエツ 絵と文
ほそのあやこ 訳

ISBN 4-88330-151-6
定価 1575円(税込)
かえるくん、今回は宝探しです。
「さあ、はやく あさごはんを たべちゃおうよ」とこぐまくんを誘い、宝探しに出かけるかえるくん。こぐまくんは、“たからさがし”が何なのかもわからず一緒についていきます。ところが、穴をほって探している最中、ふたりともその穴に落ちてしまいます。いったいどうなるの?

いつものラストのようなあったかさがあるので、安心して読んでいきます。おなじみのねずみくんや、あひるさん、こぶたさん、うさぎさんも顔をみせてくれます。頼りになるねずみくんが登場すると、これでかえるくんのピンチもきりぬけられると、ますます安心。

作者のベルジュイスさんは2005年1月に亡くなってしまいましたが、かえるくんのあったかさを、私たちにちゃんと残してくれました。
きあらは幼稚園に通う女の子。
毎日、お父さんが迎えに来てくれます。
2人の日課は、おもちゃやさんの窓をのぞくこと。
そのたびに、きあらはこうつぶやくのです。
「ほしいなあ、あのすてきなぞうさん」
お父さんは、きあらの願いがかなえられないかなぁと考えます。きあらを送ったあと、お父さんの目の前に大きなぞうがあらわれ「このはこをどうぞう」と何かを手渡しました。

絵本を開くと、きれいな色と大きな文字がぱっと目に入ってきます。わくわく、きっとおもしろい話が書かれているぞと期待をふくらませて、ページを繰ります。
おもちゃやさんの窓をのぞく2人を、読んでいる私たちが肩越しにのぞけます。たくさんの色とりどりのおもちゃの中で、確かにぞうは「私と遊んで」と目がしゃべっています。ドシン、ドシンと迫力あるぞうさんの贈り物もまた大きい。ラストには、にんまり。わが家の子どもたちは「あ!」と声をあげていました。
【マックス・ベルジュイス Max Velthuijs】
1923年、オランダのハーグ生まれ。作品の多くは、世界各国で翻訳出版されている。また、オランダ金の石筆賞、アメリカン・グラフィック賞など数多くの賞に輝く。本書「かえるくん」のシリーズは、オランダで国民的人気を得ている。2005年1月没。

【清水奈緒子】
1965年、静岡県生まれ。常葉学園大学外国語学部卒業。訳書にベルジュイスの「かえるくん」シリーズの他、『ストライプ』『ハロウィーンのおばけ屋敷』(セーラー出版)、『ぼくがウィリアムの名づけたわけ』(文研出版)などがある。大人のための子どもの本の資料館「遊本館」(静岡市用宗)スタッフ。
【マイケル・グレイニエツ Michael Grejniec】
ポーランド生まれ。『お月さまってどんなあじ?』(セーラー出版)で、日本絵本賞翻訳絵本賞を受賞。主な作品に、『どのあしがさき?』(鈴木出版)、『いちばんたかいのだあれ?』(金の星社)、『どうして、かなしいの?/どこにいるの?』『にじいろのはな』『トラックくんまってたよ』『トラックくんどこいくの?』『テディおひさまぴかぴか』『テディおちばひらひら』『テディこなゆきふわふわ』『テディそよかぜさわさわ』『まほうのマフラー(あまんきみこ作)』『ちかみち』『だれかいるの?』(ポプラ社)、『クレリア』(セーラー出版)、『だれがいちばんはやいかな』(絵本館)、『恋するアルバート』(PHP研究所)他多数がある。

【ほそのあやこ】
東京生まれ。グラフィックデザイナー。グレイニエツ氏の絵本の翻訳も手がけている。主な作品に、作者として『どのあしがさき?』(鈴木出版)、訳者として『どうしてかなしいの?/どこにいるの?』『にじいろのはな』『テディおひさまぴかぴか』『テディおちばひらひら』『テディこなゆきふわふわ』『テディそよかぜさわさわ』『ちかみち』『だれかいるの?』(ポプラ社)、『いちばんたかいのだあれ?』(金の星社)、『クレリア』(セーラー出版)、『恋するアルバート』(PHP研究所)がある。


2004年10月刊行

私が学校に行かなかったあの年:表紙 みんなぼうしをかぶってた:表紙 しゃっくりがいこつ:表紙

私が学校に行かなかったあの年

ジゼル・ポター 絵と文
おがわえつこ 訳

定価 1575円
ISBN 4-88330-148-6

みんなぼうしをかぶってた

ウィリアム・スタイグ 作
木坂涼 訳

定価 1575円
ISBN 4-88330-149-4

しゃっくりがいこつ

S・D・シンドラー 絵
マージェリー・カイラー 作 
黒宮純子 訳

定価 1575円
ISBN 4-88330-150-8
7歳の時、まるまる1年学校に行かず、家族4人でイタリア巡業した時のことを、「わたし」が話してくれた絵本。
人形劇団“ミスティック・紙のもうじゅう座”はイタリアでどんな出会いがあったでしょう。これは作者ジゼル・ポター実際に経験したお話です。絵本の挿絵を多く描いてきたポターが、自分で文章を書いた初めての絵本でもあります。7歳の女の子が異国で経験する不安なこと、楽しいこと、すてきなこと、ぜひ絵本をひらいてみてください。
スタイグ遺作絵本です。
最後に自身のポートレイトを載せ、「絵描きにはなれて、船乗りにはとうとううとうなれなかった」と語っています。でも、その写真のスタイグはとってもいい顔!
この絵本はスタイグが船乗りになりたいと思っていた少年の頃の思い出です。
ヒック ヒック ヒック
しゃっくりが止まらない、がいこつさん。
友だちのおばけにいろーんな知恵をさずけてもらってもうまくいきません。
ヒック ヒック ヒック
どんなことを試したと思いますか?
そして止まったでしょうか?

読んだ子どもにしゃっくりが伝染する(?)不思議でおもしろい絵本です。
【ジゼル・ポター(Giselle Potter)】  Candace Fleming文"Gabriella's Song"(未邦訳)で、イラストレーターとしてアメリカで圧倒的な評価を得た。日本では『うるわしのセモリナ・セモリナス』、『ほんとうのことをいってもいいの?』(BL出版)『ケイトと豆のつる』(セーラー出版)などが出版されている。ニューヨーク、キングストンに住む。

【おがわ えつこ(小川悦子)】 1935年、福島県生まれ。現在、セーラー出版社長。著書に『一九五二年十七歳』、絵本の翻訳に『ゆうかんなアイリーン』、『いやだいやだのスピンキー』、『みにくいシュレック』などがある。
【ウィリアム・スタイグ (William Steig)】 1907年、ニューヨーク生まれ。芸術一家に育つが、大学時代は全米水球チームを作ったほどのスポーツマンでもある。また、ナショナル・アカデミー・オブ・デザインの一員でもあった。
 1930年、初めて漫画が“ザ・ニューヨーカー”に載ると、読者の反響が大きく、連載となった。それ以後、漫画を描き続ける。
 1968年、60歳を機に《子供の本》に力を注ぎ、三作目の絵本『ロバのシルベスターとまほうのこいし』で1970年度のコルデコット賞を受賞する。のちも数多くの絵本を描き残している。2003年10月没。

【木坂 涼(きさか りょう)】 1958年生まれ。詩人・エッセイスト・翻訳家・絵本作家として活躍。詩集『ツッツッと』で現代詩花椿賞、『金色の網』で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。その他の著書に、詩集『現代詩文庫150・木坂涼詩集』(思潮社)、絵本に『カレンダーのはなし』(山口マオ絵/セーラー出版)。翻訳絵本に『ピッツァぼうや』(ウイリアム・スタイグ作/セーラー出版)などがある。
【マージェリー・カイラー(Margery Cuyler)】アメリカ、ニュージャージー州、プリンストン在住。幼い頃から創作意欲が旺盛で、読み書きを覚えた頃にはもう物語を書き始めていた。出版社に20年以上勤め、文筆活動のかたわら児童書の編集の仕事をしてきたが、現在は、文筆活動に専念している。代表作に、"100th Day Worries"(絵 Arthur Howard),The Biggest, Best Snowman"(絵 Will Hillenbrand)などがある。

【S・D・シンドラー(S.D. Schindler)】アメリカ、ペンシルバニア州、フィラデルフィア在住のイラストレーター。初めて絵を描いたのは3歳の時。クレヨンとチョークで、壁など、行き当たるものには何にでも絵を描いていたという。代表作に、"Don't Fidget a Feather""How Santa Got His Job"(文 Stephen Krensky)などがある。日本では『世界を変えた魚 タラの物語』(BL出版社)、『空を駆けるジェーン』(講談社)、『素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち』(講談社)などが刊行されている。

【黒宮純子(くろみや じゅんこ)】1975年、神戸に生まれる。お茶の水女子大学文教育部卒業。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。専門は英文学。高校で1年間英語を教えた後、現在は翻訳の仕事をしている。
幼い頃より絵本が好きで、お気に入りの絵本は何度も読んで楽しんでいた。絵本の翻訳は今回がはじめて。今回は翻訳で何度も絵本を読みかえすことになったが、やっぱり楽しいことにはかわりない。


2004年6月30日刊行

きいろとピンク 表紙

きいろとピンク(新装版)

ウィリアム・スタイグ作 おがわえつこ訳
32ページ
定価 本体1,300円(税別)

 お天気のいい日、ちいさな木の人形がふたつ、古新聞の上で目をさまします。まるっこくて背の低いほうはピンクに、ほそくて背の高いほうはきいろにぬってありました。
 みかけがちがうふたりは、性格も対照的。瞑想的なきいろと現実的なピンクが「われわれはどこからきて、どこにいくのか」という深遠なテーマを論じ合います。

【ウィリアム・スタイグ】 1907年、ニューヨーク生まれ。芸術一家に育つが、大学時代は全米水球チームを作ったほどのスポーツマンでもある。また、ナショナル・アカデミー・オブ・デザインの一員でもあった。
 1930年、初めて漫画が“ザ・ニューヨーカー”に載ると、読者の反響が大きく、連載となった。それ以後、漫画を描き続ける。
 1968年、60歳を機に《子供の本》に力を注ぎ、三作目の絵本『ロバのシルベスターとまほうのこいし』で1970年度のコルデコット賞を受賞する。のちも数多くの絵本を描き残している。2003年10月没。

【おがわえつこ】 1935年福島県生まれ。大妻女子中学中野女子高校を卒業。1957年、セーラー万年筆入社。現在セーラー出版社長。日本児童文芸家協会会員。訳書に『ゆうかんなアイリーン』などがある。

ウィリアム・スタイグ作品リスト(やまねこ翻訳クラブ・資料室)

 

2004年3月10日刊行

だれかさんの目 表紙

だれかさんの目

マイケル・グレイニエツ絵と文 ほそのあやこ訳
32ページ
定価 本体1,500円(税別)

「知らないだれかさんとお話するときはね、目を見てお話するのよ」
 ママにそう言われたサルのペペは、ゾウさんやキリンさんの目をみてお話します。ところがある日「だれかさん」の目をじっと見ているとめまいがして…。

【マイケル・グレイニエツ】 ポーランド生まれ。『お月さまってどんなあじ?』(セーラー出版)で、日本絵本賞翻訳絵本賞を受賞。主な作品に、『どのあしがさき?』(鈴木出版)、『いちばんたかいのだあれ?』(金の星社)、『どうしてかなしいの?/どこにいるの?』『にじいろのはな』『トラックくんまってたよ』『トラックくんどこいくの?』『テディおひさまぴかぴか』『テディおちばひらひら』『テディこなゆきふわふわ』『テディそよかぜさわさわ』『まほうのマフラー(あまんきみこ作)』(ポプラ社)、『クレリア』(セーラー出版)、『だれがいちばんはやいかな』(絵本館)、『恋するアルバート』(PHP研究所)他多数がある。

【ほそのあやこ】 東京生まれ。ニューヨークのスクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒業後、グラフィックデザイナーとして活躍中。グレイニエツ氏の絵本の翻訳も手がけている。主な作品に、作者として『どのあしがさき?』(鈴木出版)、訳者として『どうしてかなしいの?/どこにいるの?』『にじいろのはな』『テディおひさまぴかぴか』『テディおちばひらひら』『テディこなゆきふわふわ』『テディそよかぜさわさわ』(ポプラ社)、『いちばんたかいのだあれ?』(金の星社)、『クレリア』(セーラー出版)、『恋するアルバート』(PHP研究所)がある。

グレイニエツさん&ほそのさんさんインタビュー 記事(やまねこ翻訳クラブ・資料室)

 


2002年−2003年の新刊情報


2000-2001年の新刊情報


セーラー出版の絵本(2001年やまねこメンバー感想付き)

2001年3月以前に刊行された本の情報


2001年から2004年にかけてセーラー出版の方3名によるおすすめ本の紹介

「今月の何かしら?」

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Last Modified: 2009/12/11
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