アルビーの母親が病気で亡くなってしまいました。
科学者の父親はアルビーに、パラレルワールドが存在すれば、生きている母親はそこにいるかもしれないという話をします。
亡くなった母さんに会える方法がある!
(ちなみに母親も科学者でした)
アルビーはパラレルワールドを見つけるために量子物理学を独学することにしました。
まずは図書館から父さんが書いた本を借りてきます。
文章は読めるけれど、まだ6年生のアルビーには、難しい内容です。
「スイスのセルンにあるLHC(大型ハドロン衝突型加速器)で研究している科学者は、実験で極小のブラックホールをつくりだすことにより、パラレルワールドの存在をつきとめられるかもしれないと考えています。」
アルビーは母さんの量子コンピュータもひっぱり出し、使いながら思い立つのです。
「バナナ量子論」を!
アルビーの読んでいる本は難しそうですが、
この物語はわかりやすい言葉で、おもしろく進んでいくので量子物理学??とひるむことはありません。
生きている母さんに会いたいというアルビーの思いが
「バナナ量子論」を生み、
それによって次元を超えていく冒険は、早く先を読みたいと思わせる牽引力があります。
科学のおもしろさと、アルビーの冒険話が、絶妙にミックスされたSFファンタジー作品。
ウチダヒロコさんのダイナミックなイラストも魅力です。
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