2005年 偕成社新刊情報


2005年5月刊行

アナベル・ドールと世界一いじのわるいお人形

アナベル・ドールと
世界一いじのわるいお人形

アン・M・マーティン

ローラ・ゴドウィン 作
ブライアン・セルズニック 絵
三原 泉 訳

ISBN 4-03-631530-7
定価 1680円(税込)

前作『アナベル・ドールの冒険』を読まれた方、お待たせしました!
読まれていない方もだいじょうぶ! 本書からでも充分楽しめる、ハラハラドキドキの人形物語の作品です!

人形遊びをしたことがあるなら、よりこの物語には心ひかれるでしょう。
アナベル・ドールは100年も前にイギリスで作られた陶製のお人形です。とっても小さいお人形。
親友のティファニーはプラスチック製。陶製とちがって頑丈です。アナベルよりすこぅしだけ大きいお人形。
人間が寝静まったり、出かけたりしている間、こういうお人形たちは動けるようになります。
ただだまっているお人形のままでは、人生(?)楽しくありません。
まして100年前から生きていても、アナベルは子どものお人形なのです。
好奇心も旺盛で、ある夜、ふたりはおばさんがクモの生態を観察する散歩についていき、家に戻る途中、ひょうんなことから、ドールハウスの持ち主でもあるケイトという人間の子どものデイパックに入ってしまい、そのまま、ケイトの学校へ……。

この表紙に登場している世界一いじのわるいお人形の顔!
本書は表紙を繰った瞬間からドキリとさせられます。
なるほど、動けるとはいえそれほど行動範囲の広くない人形たちがどうやって移動するのか、そして冒険と一緒に出会うことになるいじわるお人形ミミとの対決。
アナベルの地味ながらも堅実な性格と、活発ですばやく行動にうつすティファニーとの友情、冒険。児童文学の楽しみがいっぱいつまっています。挿絵がまた細かくて丁寧で、いつまでもながめて楽しめます。カバーをはずしてこそ読める、人形のカタログも、精密に仕上がってます。あぁ楽しかった。きっとこう言ってページを閉じるでしょう。いや、またすぐ開くかな。


【作者】アン・M・マーティン Ann M.Martin 1955年、ニュージャージー州のプリンストンに生まれる。教師を経て子どもの本の編集にたずさわった後、現在は創作活動に専念している。アメリカの子どもたちに大人気の「Baby-sitters Club」シリーズ、『宇宙のかたすみ』(アンドリュース・クリエイティヴ)、『おしゃべりな手紙たち』(早川書房)など多数。趣味は読書、洋裁、編み物(特に子どもの洋服)。2匹の猫と共にニューヨークで暮らしている。

【作者】ローラ・ゴドウィン Laura Godwin カナダのアルバータに生まれ育つ。ノラ・バック(Nora Buck)の名でも多数の子どもの本の作品がある。主な作品に「Barnyard Prayers」「The Flower Girl」「Little White Dog」などがある。現在はニューヨークで暮らしている。

【絵】ブライアン・セルズニック Brian Selznick ニュージャージー州に生まれる。デザイン学校を卒業した野馳、ニューヨークのマンハッタンにあった子どもの本の専門店で働き、店のショーウィンドーに絵を描いたりしていた。その頃初めての作品「The Houdini Box」が出版される。以後、作品は『ウォーターハウス・ホーキンズの恐竜』(光村教育図書)など多数。テキサス・ブルーボンネット賞、コルデコット賞オナーなどの数々の賞を受賞。現在はニューヨークのブルックリンで暮らしている。

【訳者】三原泉 みはら・いずみ 1963年、宮崎県に生まれる。出版社勤務を経て、現在英米文学の翻訳、編集にたずさわっている。翻訳作品に『歌うねずみウルフ』(偕成社)、『のら犬ウィリー』『魔法のスリッパ』(あすなろ書房)、『アリクイのアーサー』(のら書店)などがある。



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Last Modified: 2005/05/11
担当:さかな
HTML編集: 出版翻訳ネットワークやまねこ翻訳クラブ