白水社 新刊情報

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2005年4月刊行

14歳のX計画:表紙

14歳のX計画

ジム・シェパード
小竹由美子 訳

ISBN 4-560-02721-8
定価 1890円(税込)

語り手のエドウィンは8年生(中学2年)。友人はひとりだけ、名前はフレイク。
学校ではつい先生にはむかってしまい、口をつるりとすべらせては、呼び出しや居残りをくらう。
はっきりした「何か」はわからないまま、しかしその「何か」にイライラをつのらせ、気持ちにとげを刺し、そのとげを抜くべく2人はある計画をたてる。
しっかりした計画ではない、でも一度たてた計画は実行しなくてはいけない、彼らは思う。
計画する前には戻れないのか……。


殴り書きのようでいて、意志のある「X(エックス)」という文字が表紙に書かれ、ドクロマークにどきりとする。
少年らは何をきっかけにして、X計画をたててしまったのだろう。最後を読み、この計画を変えられる時はあったのだろうか、あったはずだとページを前に前に戻って読み直した。どこからでも止めることは可能なようで、しかし、どのように……と途方にくれてしまう。
いや、途方にくれているだけではだめなのだ。目をそらさず、言葉では決して訴えてこない、彼らの声が聞こえるよう、まわりの子どもへのまなざしを意識したい。            

【作者】ジム・シェパード Jim Shepard コネティカット州ストラットフォード生まれ。トリニティー大学、ブラウン大学(作家ジョン・ホークスに師事)で学ぶ。現在はマサチューセッツ州ウィリアムズタウンのウィリアムズ大学で教鞭をとる。作家デビューは"Flights"(1983年刊行)。本書は小説としては6作目にあたり、邦訳はアンソロジー『ドッグ・ストーリーズ』(新潮文庫)下巻に「天までとどけ」が収録されている。

【訳者】小竹由美子 1954年東京に生まれる。早稲田大学法学部卒業。訳書に『嵐をつかまえて』『女船長、ロブスターの島に帰る』(以上、白水社)、『みそっかすなんていわせない』『バイバイわたしのおうち』『ふたごのルビーとガーネット』『マイ・ベスト・フレンド』(以上、偕成社)、『なにもかも話してあげる』(晶文社)、『ホワイト・ティース』『直筆商の哀しみ』『ナターシャ』(以上、新潮社)がある。

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Last Modified: 2005/04/13
担当:さかな

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