■□■フェリシモ出版 新刊情報■□■

◆ソムリエのいる本屋さん @Bookport◆

2009年5月刊行

!チャペック童話 絵本シリーズ第3段!

ひいおじいさんと盗賊の話:表紙  ひいおじいさんと盗賊の話


ヨゼフ・チャペック 作
関沢明子 訳
どい かや 画

ISBN 978-4-89432-489-3
定価: 1333円+税

ブックポートさんのサイトでは、本の中身もご覧になれます。[Link]


 さあ、今回は、カレル・チャペックの兄ヨゼフが書いた物語です。その物語と組む画家はどいかやさん。新しいチャペック童話シリーズがでるたびに新鮮な驚きがあるのは、毎回変わる画家の方。どいかやさんの絵も童話にぴったりです。

 98歳(!)になっても、陽気でいきいきしている「わたし」のひいおじいさん。まんまるではちきれんばかりの体をもつひいおじいさんの大好物はビールです。
 ある日、馬を売ったお金を手元にしたひいおじいさん、帰り道に夕立にあってしまい、みすぼらしい居酒屋に入ります。居酒屋の名前は「絞首刑にされた男と酒瓶亭」、なんて名前でしょう。これが示すように、この居酒屋ではひともんちゃくがおこり……。

 絵物語のように、どのページにもどいかやさんの絵がたっぷり入っていて、小さい子から楽しめます。まんまるなひいおじいさんは、陽気さが伝わってくるように描かれ、大変なできごとにあっていても、ついほんわかしてしまいそう。それにしても、チャペックの童話はなんておもしろいのでしょうか。今回はちょっぴりハラハラしながら、最後までおもしろさがゆるぎません。

 いままでの2冊同様、帯もひらくとすてきな一枚の絵が登場! カバーをはずした本もまた美しい。ぜひぜひ手にとってご覧下さい。

【作】ヨゼフ・チャペック (1887-1945)
チェコの国民的作家カレル・チャペックの兄。カレルの著作の装丁や挿絵を手掛け、「チャペック兄弟」として親しまれている。
画家、劇作家、評論家など、さまざまな分野で活躍し、「ロボット」という言葉の創案者としても有名。ファシズムの侵攻に絵画やペンで戦い、強制収容所で亡くなる。子どものために書いた作品も多く、『こいぬとこねこはゆかいななかま』『さあ、みんなおはなししよう』などの童話集がある。本作は、1931年に発表された『DEVATERO POHÁDEK』(9編の童話とヨゼフ・チャペックのおまけのもう一編)に収録された、1918年にヨゼフが書いた童話に、絵を新たに描きおろし単行本化したものである。

【訳】関沢明子(せきざわ あきこ)
1942年兵庫県に生まれる。出版社勤務を経て、1984年〜1986年プラハ在住。現在、絵本や人形劇の翻訳、原画展の企画など、チェコおよびスロヴァキアの子どもの本を日本に紹介する仕事に従事する。訳書に『コブタくんとコヤギさんのおはなし』(福音館書店)、『リスとアリとゾウ』(BL出版)、『郵便屋さんの話』『お医者さんのながいながい話』(フェリシモ出版)など。東京都在住。

【画】どい かや
1969年東京都に生まれる。東京造形大学デザイン科卒業後、絵本作家として数多くの絵本を発表。作品に、「チリとチリリ:シリーズ(アリス館)、「チップとチョコ」シリーズ(文溪堂)、『パンちゃんのおさんぽ』(BL出版)、『ハーニャの庭で』(偕成社)、「くりちゃん」シリーズ(ポプラ社)、『かえるのピータン』(ブロンズ新社)、『リックのおへや』(のら書店)など。千葉県在住。

2008年10月刊行

!チャペック童話 絵本シリーズ第2段!

お医者さんのながいながい話:表紙 お医者さんのながいながい話

カレル・チャペック 作
関沢明子 訳
関 美穂子 画

ISBN 978-4-89432-480-0
定価: 1333円+税

前作『郵便屋さんの話』(フェリシモ出版)につづき、チャペック童話集の第2弾が刊行されました。
今回もすばらしい装丁です。カバーのつくり(本書もカバーを開くとポスターのような一枚のイラストが楽しめます!)、挿絵、そして物語のナンセンスなユーモア。
丁寧につくられた上質な絵本。
お話はそこそこにボリュームがあるので、今回も縦書き。
絵本ですから、すべてのページに美しい型染の絵がお話をひきたたせています。

『お医者さんのながいながい話』は、チャペックの代表作でもありますから、みなさんの中でも読まれてかたが多いかもしれません。

みなにおそれられている魔法使いマギアーシ。ある日、魔法の薬を弟子につくらせ、自分は様子をみながらプラムを食べていると、種をのどにつまらせてしまいました。親方の苦しんでいるので、急いでお医者さんを呼びにいった弟子のヴィンツェク。到着したひとりのお医者さんは、手術が必要で自分だけの力では足りない、とほかに3人のお医者さんも弟子に呼びに行かせました。到着を待っている間に、お医者さんはあるお話を始めます。そして到着したほかの3人も、それぞれお話を魔法使いに聞かせます。さて、ながいお話が続いていますが、肝心の種はとれたでしょうか? 魔法使いは大丈夫だったでしょうか?

入れ子のようなお話が続く中、本筋にもどってのオチは現代的ですらあります。


■ブックポートさんのサイトでは、本の中身もご覧になれます。[Link]

【作】カレル・チャペック (1890-1938)
プラハのカレル大学で哲学と美学を学んだ後、ジャーナリストとして活動。その一方で、小説、戯曲、エッセイ、旅行記、童話など幅広いジャンルにわたる多彩な作品を発表。代表作に『RUB(ロボット)』『山椒魚戦争』『園芸家12ヶ月』『ダーシェンカ』など太通。兄のヨゼフ・チャペックも、画家、評論家で、「チャペック兄弟」として親しまれている。

【訳】関沢明子(せきざわ あきこ)
1942年兵庫県に生まれる。出版社勤務を経て、1984年〜1986年プラハ在住。現在、絵本や人形劇の翻訳、原画展の企画など、チェコおよびスロヴァキアの子どもの本を日本に紹介する仕事に従事する。訳書に『コブタくんとコヤギさんのおはなし』(福音館書店)、『リスとアリとゾウ』(BL出版)、『郵便屋さんの話』(フェリシモ出版)など。東京都在住。

【画】関 美穂子(せき みほこ)
1980年神奈川県に生まれる。型染作家。2000年より型染作家の堀江茉莉氏に指示。2006年、2007年、国画会主宰「国展」工芸部に入選。現在、型染の技法で、着物や帯の制作をはじめ、雑貨のデザイン、挿絵などを手掛け、幅広い創作活動を行っている。京都市在住。


2008年3月刊行

郵便屋さんの話:表紙  郵便屋さんの話

カレル・チャペック 作
関沢明子 訳
藤本将 画

ISBN 978-4-89432-425-1
定価:本体1333円+税


チェコを代表する劇作家でもあり、小説家でもあるカレル・チャペック。
チャペックは11編の童話を書き、本書は1931年に発表された短編集に収録された1編に、日本人の画家が描きおろした絵が入った、単行本です。

コルババさんという郵便屋さんが、ある日、自分の仕事にやる気をなくしてしまいます。郵便物を配達しても、手紙の内容はどうでもいいものばかりだし、郵便局は退屈でワクワクするような事柄は何もおきない、そんな風に思ってしまい、つい、ストーブの横で居眠りをしてしまいます。ふと気づくと、なんともう夜更け。もちろん同僚はみな帰ってしまいました。ネズミが走り回るような音で目をさましたのですが、目をこらしてみると、なんとネズミではなく、郵便局員の姿をした小人です。なおもみていると、小人たちは、自分らの郵便仕事が終わり、トランプをはじめました。札は手紙です。信書の秘密があるので、中をあけることはできない手紙ですが、小人たちは特別な力でもって、トランプをすることができたのです。コルババさんは小人たちの前に姿をあらわし、その秘密を聞くことができました。そのことが、コルババさん助けることにつながっていくのですが、もちろんその夜には気づいていません……。

仕事に喜びを見いだせなかったコルババさんが、小人たちと偶然出会うことによって変化がおこります。無味乾燥に思えた手紙にも真心がこもっているものがあるのです。
心をこめて書かれた手紙のもたらす幸福感――これはいつの時代にもあるのではないでしょうか。

お話もキュートなのですが、挿絵もすばらしくステキなんです! 中間色の色あいが、チェコのイメージにぴったりですし、郵便屋さんのコルババさんも、きっとこういう容姿だろうと納得できてしまう。縦書きの文字組も読みやすく、ルビもあります。すべてのページに絵が入っているので、小さい子から楽しめるでしょう。

そして、本のつくりも見逃せません。本のカバーはぜひ全部開いてみてください! 帯かと思ってしまう絵も折られているだけで、すべて一枚の絵になる豪華さ。

ブックポートさんのサイトでは、本の中身もご覧になれます。[Link]

【作】カレル・チャペック (1890-1938)
プラハのカレル大学で哲学と美学を学んだ後、ジャーナリストとして活動。その一方で、小説、戯曲、エッセイ、旅行記、童話など幅広いジャンルにわたる多彩な作品を発表。代表作に『RUB(ロボット)』『山椒魚戦争』『園芸家12ヶ月』『ダーシェンカ』など太通。兄のヨゼフ・チャペックも、画家、評論家で、「チャペック兄弟」として親しまれている。

【訳】関沢明子(せきざわ あきこ)
1942年兵庫県に生まれる。出版社勤務を経て、1984年〜1986年プラハ在住。現在、絵本や人形劇の翻訳、原画展の企画など、チェコおよびスロヴァキアの子どもの本を日本に紹介する仕事に従事する。訳書に『コブタくんとコヤギさんのおはなし』(福音館書店)、『リスとアリとゾウ』(BL出版)など。東京都在住。

【画】藤本 将(ふじもと すすむ)
1950年長崎県に生まれる。イラストレーター、デザイナー。現在、イラストレーションの活動と1998年にオープンした、オリジナルショップ「Aiken Drum」の雑貨や洋服のデザインを手掛ける。手製本の絵本に『ゾウさんゾウさんウサギさん』がある。東京イラストレーターズ・ソサエティ会員。東京都在住。



2007年の新刊情報へ
過去の新刊情報へ


株式会社フェリシモ 東京広報グループ
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前6-15-2
TEL 03-5468-1265
FAX 03-5468-1266

Copyright ©2008-2009 FELISSIMO ALL RIGHTS RESERVED.

メープルストリートへ戻る

Last Modified: 2009/06/22
担当:さかな
HTML編集: 出版翻訳ネットワークやまねこ翻訳クラブ