2007年4月刊行
いやはや、こんなアンデルセン知ってた?シリーズは本当にすごい。 今回は「イブと小さいクリスティーネ」。赤木かん子さんは「これがアンデルセンの童話?」と驚かれたでしょうか?とあとがきでたずねています。アンデルセンでよく知られている作品より、「不思議な充足感をかもしだす」この作品を作らせてもらえて嬉しく思っているかん子さんの気持ちが伝わってきます。 幼なじみのイブとクリスティーネが森で迷ってしまい、そこで出会ったひとりの背の高い女のひと。この女のひとはイブとクリスティーネに不思議な贈り物をします。3つの願いのクルミです。この一つ一つに、このうえもなくよいものが入っているとその女のひとはいいます。イブとクリスティーネは何を願ったでしょうか……。 堀川理万子さんの絵は透明感と奥行きをもち、シンプルな背景にふたりの表情や住んでいる土地を浮かび上がらせます。どの絵もすばらしく美しいです。そうして、アンデルセンの話もまたなんと奥深いものでしょう。童話といえど、この話は大人の琴線にこそふれるものだと思います。読後にもたらすなんともいえない気持ちは、人生経験をつんだ大人だからこそ感じ取るものがあるのではないでしょうか。 ぜひぜひもっと出してほしいアンデルセンシリーズです。 ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen
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2006年9月刊行
こんなアンデルセン知ってた?がキャッチフレーズの絵本、第2弾は『火打ち箱』。 今回の絵は、なんと漫画家の高野文子さんによるペーパークラフト! つくづく、「こんなアンデルセン知ってた?」の言葉がぴったりで、「いえ、知りませんでした。はじめてのアンデルセン世界です」と答えたくなります。 「火打ち箱」のお話は、なんといっても犬がキモです。茶碗くらいある目をもつ犬、目玉が水車くらいある犬、塔くらいの目をもつ犬と、こんな犬をどう表現するのか。赤木かん子さんが、アンデルセンの作品の中でも完成度の高い話をぜひ絵本で手渡したいと願い、大きな目玉の犬をどう描けるのか逡巡しているときに、高野文子さんが「思いついたことがあるのよ」と、つくることに手をあげてくださったそうです。 そして、高野文子さん。いままで趣味で作っていたペーパークラフトを、今回自らデジタルカメラで撮影までして完成させました! じゃじゃーん。 これはもう見ていただくしかありません。 戦争から帰る途中の兵隊さんが、おいち、に、おいち、に歩いている姿からひきこまれてしまいます。 高野文子ワールドと赤木かん子ワールドがみごとにとけあっていて、会心の一作といえるでしょう。 どうやって撮影したかは、高野さん自身によるイラストがあとがきにあります。こちらも必見! このアンデルセンシリーズ、ぜったい続々だしてほしいです。 ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen
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2006年6月刊行
アンデルセン原作の作品を描いのたのは、赤木かん子さん。 本の探偵としてよく知られているかん子さんは、8歳の時に「ナイチンゲール」を読み、この話の王さまがお年寄りに描かれているのに違和感をもったそうです。そこで、この『ナイチンゲール』では、王さまは小さな少年として描きました。 確かに、既に翻訳されているものを読むと、いずれもお年寄りに描かれている王さま。 かん子さんの小さい王さまという切り口はとても新鮮です。 この絵本を読んだあとに、もう一度既刊の「ナイチンゲール」を読んだのですが、ナイチンゲールのみずみずしく美しい話は小さい王さまならではのものとあらためて感じました。 話の筋は、ご存知の方も多いと思います。 世に名高い美しく鳴く鳥を手に入れたいと望んだ王さまの近くで、暮らすことになったナイチンゲール。その美しさに満足していたものの、贈り物で作り物の鳥に心変わりします。狭いかごで歌うことを望まなかったナイチンゲールは外の世界に戻るのですが、王さまが病気になり……。 丹地陽子さんの絵は、気品に満ち、ページを繰る楽しみがあります。ナイチンゲールの心情も絵全体から伝わってくるのです。 かん子さんの文章も品格があります。アンデルセンのよさを伝えるすばらしい文章。 ぜひご一読を! ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen
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Last Modified: 2007/5/7
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