あかね書房新刊情報 |
2003年11月刊行
物語の主人公はナム・フォン、ベトナムで生まれました。 そして、物語の舞台はオーストラリアです。 ボート・ピープルという言葉を聞いたことがあるでしょうか。 1975年にベトナム戦争が終わる前後に、国の体制が大きく変わることに なじめない多くの人たちが漁船などの小さなボートに乗って国を脱出しました。 この人たちをボート・ピープルとよんだのです。 オーストラリアでは、そのようなベトナム難民を多く受け入れました。 オーストラリアでの ナム・フォンの物語はこうしてはじまったのです。 ナム・フォンは、同じくベトナムから逃げてきたコックのおじさんと、 ベトナム料理をやっているおばさんと暮らしています。 血のつながりはありません。両親とは、国を離れる時に別れたきりです。 ナム・フォンは、手紙をかきます。 黄色カナリヤさん宛てに、雲のように白い羽根のアヒルさん宛てに、 水牛さん宛てに、わたしのお父さん、お母さんみなかった、と。 自分の気持ちはすべてこの手紙に託しました。 学校では、しゃべりもわらいもしないナム・フォン。 それでも、まわりの親切な大人や友だちが、 少しずつ、少しずつ、ナム・フォンの気持ちに近づきます……。 【作者】ダイアナ・キッド Diana Kidd 1933年オーストラリアのメルボルンに生まれる。3人の子どもに恵まれ、いろいろな職業を経験したが、移民の子どもたちに英語を教えたことが、初期の作品におおきな影響をあたえている。オーストラリアの文化的多様性を愛し、白人文化とアボリジニ文化の架け橋となる作品も発表している。本書は1990年ヴィクトリア州首相文化賞と西部オーストラリア児童書賞を受賞、オーストラリア児童図書賞の候補作となった。残念なことに2000年9月、旅先で急死。遺作となった"Two
Hands Together"(ふたりの手をひとつに)は彼女の死後、2001年オーストラリア児童図書賞を受賞した。 |
2003年9月刊行
前篇でエディス女王がジェンにくだした命 それを遂行するため、ふたたびアトリアにおもむくジェン。 春の雨が降り続く。 今度こそ成功したかと思いきや 盗人の神はジェンにきびしい。 「おれは神々を怒らせてしまったのか?」 『盗神伝』は迫力あるファンタジーだ。それは華やかな迫力ではなく、じっくりとかみしめる強さがある。 【作者】M.W.ターナー Megan Whalen Turner 1987年シカゴ大学卒業。1955年にヤングアダルト向けの短篇集" Instead
of Three Wishes"で作家としてデビューし、ニューヨークタイムズなどで絶賛された。2作目の『盗神伝I
ハミアテスの約束』で1997年のニューベリー賞オナーブックなど数々の賞を受賞した。『盗神伝II・III ―アトリアの女王―』も
Booklist top 10 Fantasy Books for youth など多くの賞を受賞している。 |
2003年7月刊行
待望の第2巻! 盗人ジェンは、ふたたび仕事にもどった。 そして、エディスの女王に依頼されたものを盗みにアトリアへ。 アトリアでは苛酷な運命がまちうけていた。 運命の日、ジェンは盗人の守り神にさけんだ。 「神よ、やめてくれ!」 近隣の国々の間で緊張が高まってゆく。 ジェンの次なる「盗み」はなにか! 第1巻で、天才盗人ジェンの活躍を存分に楽しまれた方には、待望の続編! 【作者】M.W.ターナー Megan Whalen Turner シカゴ大学卒業。1955年にヤングアダルト向けの短篇集" Instead of Three
Wishes"で作家としてデビューし、ニューヨークタイムズなどで絶賛された。2作目の『盗神伝I
ハミアテスの約束』は大学教授の夫と子どもたちと共にギリシャを訪れたことがきっかけで生まれた作品。続編の『盗神伝 III』(9月にあかね書房より刊行予定)も既にアメリカでは人気を博している。彼女にとって4作目にあたる作品は2004年春にアメリカで出版予定。 |
2003年3月刊行1997年度ニューベリー賞オナーブック
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盗神伝 I ハミアテスの約束 原題 The Thief M.W.ターナー 作 金原瑞人&宮坂宏美 訳 ISBN 4-251-06281-7 本体2000円+税 |
「おれに盗めないものはない」
そう豪語するジェンが、この物語の主人公。
ジェンは代々盗人の家系に生まれた。
しかし、あるとき盗みの自慢をしているうちに牢獄に入れられる。
その牢獄に珍客が訪れた。助言者メイガスがその人。
メイガスはジェンを牢獄から出してくれるという。
もちろん、ただでは出してはくれない。ある物を盗め――その「物」とは?
透明感と立体感のある表紙を繰れば、そこはジェンの入れられた牢獄。ジェンの独り言をゆっくり聞いているうちに、あれよあれよと物語がスピード感をもって動き出す。読者は、ふりおとされないよう本をしっかり持っていなくてはいけない。そして気づけば驚く結末に、もう一度最初からページを繰りたくなるのだ。
泥棒といえば、聞こえが悪いが、盗人となると、どこか正義感を伴うように感じてしまうのはなぜだろう。ジェンも高貴(?)な盗人として、見事な活躍ぶりをみせ、惹きつける。また、途中でメイガスやジェンが語る神話もおもしろい。続編は7月、9月に予定されているという。読み終わってすぐにジェンに会いたくなってしまう。なんとも魅力的な主人公だ。
【作者】M.W.ターナー Megan Whalen Turner シカゴ大学卒業。1955年にヤングアダルト向けの短篇集" Instead of Three
Wishes"で作家としてデビューし、ニューヨークタイムズなどで絶賛された。2作目の『盗神伝I
ハミアテスの約束』は大学教授の夫と子どもたちと共にギリシャを訪れたことがきっかけで生まれた作品。続編の『盗神伝 II』『盗神伝 III』(それぞれ7月、9月にあかね書房より刊行予定)も既にアメリカでは人気を博している。
【訳者】金原 瑞人 かねはら みずひと 岡山県出身。翻訳家、法政大学社会学部教授。主な訳書に『ポピー』『ポピーとライ』『マインドスパイラル』シリーズ(ともにあかね書房)、『青空のむこう』(求龍堂)、『レイチェルと滅びの呪文』『レイチェルと魔法の匂い』(ともに理論社)、『エルフギフト』(ポプラ社)など多数。
【訳者】宮坂 宏美 みやさか ひろみ 宮城県出身。旅行会社勤務を経て、フリーランスで翻訳や雑誌のライターを手がける。訳書に『サラの旅路』(小峰書店)、『ジャングルの国のアリス』(未知谷)など。やまねこ翻訳クラブ発行メールマガジン「月刊児童文学翻訳」初代編集長。
2003年2月刊行
ベンは静かなところがすき ベンは、アスペルガー症候群です。ほかの人がなにを考えているのか、どう感じているのか理解しにくく、他人と関わるのが得意ではありません。興味をもつ分野に関しては、天才的素質をみせることもあるというこの病気は、ベンの学校生活を不便なものにしていました。でも、友だちのアンディはいつも味方で、大好きなおばあちゃんも近くにいてくれます。ベンのまわりの大人たちがよく描かれ、青いびんが物語にファンタジーの味つけをしています。読後感はとっても爽やか! 【作者】キャシー・フープマン Kathy Hoopmann オーストラリア、クイーンズランド州、ブリズベーン郊外在住。小学校教師、児童文学作家。趣味はキャンプ、海岸を散歩すること。アスペルガー症候群の子どもたちと長年かかわっている。 【訳者】代田 亜香子 だいた あかこ 神奈川県生まれ。立教大学英米文学科卒業。訳書に「マインド・スパイラル」シリーズ(共訳/あかね書房)『屋根にのぼって』『家なき鳥』『天国までもう一歩』(以上、白水社)、などがある。東京都在住。 【画家】木村 桂子 きむら けいこ 東京生まれ。雑誌、広告、版画製作と幅広く活躍中。『こうばしい日々』(江國香織作/あかね書房)、朝日新聞連載、宮部みゆき著「理由」挿絵などがある。趣味はジャズ・ボーカル。東京とニューヨークに仕事場をもつ。 |
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〒101-0065 東京都千代田区西神田 3-2-1
電話 03-3263-0641(代)
Last Modified: 2003/11/18
担当:さかな
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