パロル舎 新刊情報

2003年10月『きいろいくつした』 12月『ゆきのひのおくりもの』『さるとつばめのやおやさん

パロル舎

「ペール・カストール(「ビーバーおじさん」の意味」シリーズは、1931年、ポール・フォーシェにより創刊されました。単なる知識本ではない、文化的芸術的教育をめざして作られた子供のための絵本です。散文や詩だけでなく、切り抜きやぬり絵まで内容も豊富。本国フランスだけでなく、世界各国の絵本制作にも影響を与えた、画期的な作品群です。

2004年2月刊行

ペール・カストール」シリーズ、続々刊行!

マルラゲットとオオカミ:表紙

マルラゲットとオオカミ

マリイ・コルモン さく
ゲルダ・ミューラー え
ふしみ みさを やく

ISBN 4-89419-285-3
定価998円(税込)
おんなのこの名前はマリー・オルガといいます。
みんなからは、マルラゲットとよばれていますので、この本の紹介でもマルラゲットとよぶことにします。このお話は、マルラゲットが、森にきのこをとりに行くところからはじまります。するとオオカミが登場し、マルラゲットをさらおうとするのですが、ハプニングがおこり、友情が芽ばえます。人間とオオカミ、はたしてどんな関係がつくれるのでしょう――。

竹色が美しい絵本です。表紙画像だけみると、その深い色合いがわかりにくいと思います。ぜひ手にとってみてください。オオカミのしょぼくれた顔、マルラゲットのいきいきした顔、表紙のふたりがこの絵本の魅力をなにより物語っています。

つきねこ:表紙

つきねこ

アルベルティーヌ・ドゥルタイユ さく・え
ふしみ みさを やく

ISBN 4-89419-284-5
定価998円(税込)
自由で気ままなのらねこが、お月さまの下でしなやかな体をみせてくれます。ツタにつかまって逆さまに壁をおりる、キャベツ畑をつっきる、おっと、そうこうしているうちに、窓のあいている家の中にはいりこんで……。

月明かりのしたで、白いねこが美しくとびはねます。
つきねこさん、今度うちにも遊びにきてね。


『マルラゲットとオオカミ』
【作者】マリイ・コルモン 1895年生まれ。10歳で孤児となった経験から、社会の不正に苦しむこどもを助けるため、こどもに関わる仕事に情熱を傾ける。新聞記事、児童小説、童話などを多くの執筆活動を手がけ、そのほとんどが古典的名作として現在も愛され続けている。1938年没。日本での翻訳出版は『ミシュカ』(セーラー出版)、『みんななかよし りんらんろん』(童話屋)などがある。

【画家】ゲルダ・ミューラー 1926年オランダ生まれ。アムステルダムのデザイン学校卒業後、パリに移住。フォーシェの絵本実験学校で学び、本シリーズでも本書や"Le SInge et I'hirondelle"など多くの作品の絵を担当。『ぼくたちのかしの木』(文化出版局)、『みえないさんぽ――このあしあとだれの?』(評論社)、『ゆきのひのおくりもの』(パロル舎)など作品多数。

『つきねこ』
【作者・画家】アルベルティーヌ・ドゥルタイユ
 1902年生まれ。南フランス在住。作家兼イラストレーターとして活躍。1954年から本シリーズに携わり、フォーシェやその息子フランソワらと共に25もの作品を手掛ける。本書のほかに"Blancheline""Petit Chat Perdu"などで知られる。

両作品の訳者
ふしみ みさを 1970年埼玉県生まれ。餃子店経営の傍ら、絵本の翻訳、紹介につとめている。訳書に『モモ、しゃしんをとる』(文化出版局)、『なつのゆきだるま』(岩波書店)、『フランチェスカ』(教育画劇)、『はなくそ』『きいろいくつした』『ゆきのひのおくりもの』『さるとつばめのやおやさん』(ともにパロル舎)など。http://f330.at.infoseek.co.jp/


2003年12月刊行

ペール・カストール」シリーズ第2弾!

2004年は申年。読み初めにこの絵本をぜひどうぞ
さるとつばめのやおやさん:表紙 さるとつばめのやおやさん

ジャン=ミシェル・ギルシェ さく
ゲルダ・ミューラー え
ふしみみさを やく

ISBN 4-89419-282-9
定価998円(税込)

森のかたすみで、つばめのエルヴィールとさるのバブーンのふたりが、やおやをしていました。
エルヴィールはしっかりもの。旅に出ては品物を仕入れます。はちみつ、カモミール、パセリ、タイムなどなど。
バブーンはおみせばん。オレンジを計ったり、ハムを切ったり、お勘定をしておつりを払います。
このやおやさんでひとつだけ困ったことがあります。
それは、バブーンがとてもとても食いしん坊だということ。
エルヴィールに「いいかげんにしてちょうだい!」としかられている時も、こっそり木の実をくすねるんです。
とうとう、お店にある食べ物をバブーンは食べつくしてしまいます。
さて、バブーンとエルヴィールはどうするでしょう……。

画家ゲルダ・ミューラーの描く動物たちはなんと愛らしいのでしょう。
バブーンの食いしん坊ぶりは、ほほえましいくらいなのですが、エルヴィールにとっては大変!
でも、しっかりものの友だちの存在はとても素敵です。
さてさて、バブーンはいい店員さんになれるかな。


【作者】ジャン=ミシェル・ギルシェ 1914年、ブルターニュ生まれ。高校で数学と哲学、大学では自然科学を専攻し教職免許を取得。1942年にポール・フォーシェと出会い、絵本実験学校の開設と活動をサポートする。本シリーズで作家としても参加。また、写真を使った植物・動物図鑑の制作や、国立科学研究所で地方に伝わる土着的なダンスの研究など、多彩な活動で知られる。

【画家】ゲルダ・ミューラー
 1926年オランダ生まれ。アムステルダムのデザイン学校卒業後、パリに移住。フォーシェの絵本実験学校で学び、本シリーズでも本書や"Le SInge et I'hirondelle"など多くの作品の絵を担当。『ぼくたちのかしの木』(文化出版局)、『みえないさんぽ――このあしあとだれの?』(評論社)、『ゆきのひのおくりもの』(パロル舎)など作品多数。

【訳者】ふしみ みさを 1970年埼玉県生まれ。餃子店経営の傍ら、絵本の翻訳、紹介につとめている。訳書に『モモ、しゃしんをとる』(文化出版局)、『なつのゆきだるま』(岩波書店)、『フランチェスカ』(教育画劇)、『はなくそ』『きいろいくつした』『ゆきのひのおくりもの』(ともにパロル舎)など。
http://f330.at.infoseek.co.jp/


2003年12月刊行

「ペール・カストール」シリーズ刊行!

ゆきのひのおくりもの:表紙 ゆきのひのおくりもの

ポール・フランソワ さく
ゲルダ・ミューラー え
ふしみ みさを やく

ISBN 4-89419-281-0
本体950円+税

中国民話の再話。
雪がしんしんと降りつもる日、こうさぎはおなかがすいて、食べるものを探しに出かけます。
そこで雪にうもれたにんじんを2本みつけました。
1本食べておなかがいっぱいになったこうさぎは、もう1本を友だちのこうまくんに持って行くことにします。
その頃、こうまくんは、やはり食べ物をさがしてかぶを見つけ、おなかいっぱいになっていました。
家に帰ると、おいしそうなにんじんが。でも、自分のおなかはいっぱいなので、友だちのひつじさんに届けます。
ひつじさんは、同じようにこじかさんへ、とにんじんは友だちのところに届けられます。さて、最後は……。

作者ポール・フランソワは、「ペール・カストール」シリーズを創刊した、ポール・フォーシェのペンネームです。
フォーシェの再話に、ゲルダ・ミューラーが、あたたかくやさしい絵を描いています。
雪の日に、ぐるぐる友だちのところをまわるにんじん。みな、自分がおなかいっぱいの時に友だちのことを心配します。
ゲルダ・ミューラーの描く、こうさぎやこうま、ひつじやこじかは、みな優しい目をしています。
私がこの絵本を読んだ日、外は雪でした。
しんしんつもる雪の日に楽しんだ、タイトルどおり贈り物のような絵本。親しい友だちにプレゼントしたくなりました。


「ペール・カストール(「ビーバーおじさん」の意味」シリーズは、1931年、ポール・フォーシェにより創刊されました。単なる知識本ではない、文化的芸術的教育をめざして作られた子供のための絵本です。散文や詩だけでなく、切り抜きやぬり絵まで内容も豊富。本国フランスだけでなく、世界各国の絵本制作にも影響を与えた、画期的な作品群です。

【作者】ポール・フランソワ 1898年生まれ。教育者ポール・フォーシェのペンネーム。ロシアの絵本運動に影響を受け、1931年、作家である妻のリダの助けをえて「ペール・カストール」シリーズを創刊。子どもが楽しんで自発的に学べる絵本作りを実践。また、絵本の実験学校ともいえる場所を作り、子どもや絵本作家に開放。ナタリー・バラン、フェオドール・ロジャンコフスキーなど、童画を越えた多ジャンルの画家を発掘・育成につとめた。1967年没。

【画家】ゲルダ・ミューラー 1926年オランダ生まれ。アムステルダムのデザイン学校卒業後、パリに移住。フォーシェの絵本実験学校で学び、本シリーズでも本書や"Le SInge et I'hirondelle"など多くの作品の絵を担当。『ぼくたちのかしの木』(文化出版局)、『みえないさんぽ――このあしあとだれの?』(評論社)など作品多数。

【訳者】ふしみ みさを 1970年埼玉県生まれ。餃子店経営の傍ら、絵本の翻訳、紹介につとめている。訳書に『モモ、しゃしんをとる』(文化出版局)、『なつのゆきだるま』(岩波書店)、『フランチェスカ』(教育画劇)、『はなくそ』『きいろいくつした』(ともにパロル舎)など。
http://f330.at.infoseek.co.jp/


2003年10月刊行

きいろいくつした:表紙 きいろいくつした

エレーヌ・リフ さく
ふしみ みさを やく

ISBN 4-89419-278-0
定価1200円+税

夜の闇より暗くて、さみしいところ、それはベッドの下。
ホコリのたくさんたまっている所。
そこからなにやら泣き声が。
だれ?
それは一匹の羊でした。
黄色い靴下をなくしたんですって。
「どっかでみなかった?」
羊は靴下探しに出かけます……。

靴下探しの旅は、いろいろハプニングがあるものです。
ブタと出会ったり、川をイチゴジュース(!)にしたり。
出会う生き物はみな親切に羊を助けてくれます。
さて、靴下はどこで見つかるでしょう。

エレーヌ・リフは日本初紹介。この絵本が、彼女のデビュー作でもある。
こちゃこちゃとした、おもちゃ箱をひっくり返したような絵が楽しい。




作者】エレーヌ・リフ(He'le`ne RIFF) 1969年アルジェ生まれ。現在パリ在住、一児の母。ストラスブールの装飾美術専門学校を卒業後、1995年、“ほこりのヒツジ”(フランス語で「ほこりの塊」の意味)をモチーフとした本作『きいろいくつした』(原題La chaussette jaune)でデビュー。1997年に発表した“Le Jour ou` papa a tue' sa vieille tante”でモントルゥイユ・ブックフェア・トーテム賞を受賞した。

【訳者】ふしみみさを(伏見操) 1970年埼玉県生まれ。餃子店経営のかたわら、絵本の翻訳・紹介につとめている。訳書に『モモ、しゃしんをとる』『なかよくなんか ならないよ!』(いずれも文化出版局)、『はなくそ』(パロル舎)、『なつのゆきだるま』(岩波書店)、『フランチェスカ』(教育画劇)などがある。



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Last Modified: 2004/04/09
担当:さかな

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