「ペール・カストール(「ビーバーおじさん」の意味」シリーズは、1931年、ポール・フォーシェにより創刊されました。単なる知識本ではない、文化的芸術的教育をめざして作られた子供のための絵本です。散文や詩だけでなく、切り抜きやぬり絵まで内容も豊富。本国フランスだけでなく、世界各国の絵本制作にも影響を与えた、画期的な作品群です。 |
2004年2月刊行「ペール・カストール」シリーズ、続々刊行!
『マルラゲットとオオカミ』
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2003年12月刊行「ペール・カストール」シリーズ第2弾!2004年は申年。読み初めにこの絵本をぜひどうぞ
森のかたすみで、つばめのエルヴィールとさるのバブーンのふたりが、やおやをしていました。 エルヴィールはしっかりもの。旅に出ては品物を仕入れます。はちみつ、カモミール、パセリ、タイムなどなど。 バブーンはおみせばん。オレンジを計ったり、ハムを切ったり、お勘定をしておつりを払います。 このやおやさんでひとつだけ困ったことがあります。 それは、バブーンがとてもとても食いしん坊だということ。 エルヴィールに「いいかげんにしてちょうだい!」としかられている時も、こっそり木の実をくすねるんです。 とうとう、お店にある食べ物をバブーンは食べつくしてしまいます。 さて、バブーンとエルヴィールはどうするでしょう……。 画家ゲルダ・ミューラーの描く動物たちはなんと愛らしいのでしょう。 バブーンの食いしん坊ぶりは、ほほえましいくらいなのですが、エルヴィールにとっては大変! でも、しっかりものの友だちの存在はとても素敵です。 さてさて、バブーンはいい店員さんになれるかな。 【作者】ジャン=ミシェル・ギルシェ 1914年、ブルターニュ生まれ。高校で数学と哲学、大学では自然科学を専攻し教職免許を取得。1942年にポール・フォーシェと出会い、絵本実験学校の開設と活動をサポートする。本シリーズで作家としても参加。また、写真を使った植物・動物図鑑の制作や、国立科学研究所で地方に伝わる土着的なダンスの研究など、多彩な活動で知られる。 【画家】ゲルダ・ミューラー 1926年オランダ生まれ。アムステルダムのデザイン学校卒業後、パリに移住。フォーシェの絵本実験学校で学び、本シリーズでも本書や"Le SInge et I'hirondelle"など多くの作品の絵を担当。『ぼくたちのかしの木』(文化出版局)、『みえないさんぽ――このあしあとだれの?』(評論社)、『ゆきのひのおくりもの』(パロル舎)など作品多数。 【訳者】ふしみ みさを 1970年埼玉県生まれ。餃子店経営の傍ら、絵本の翻訳、紹介につとめている。訳書に『モモ、しゃしんをとる』(文化出版局)、『なつのゆきだるま』(岩波書店)、『フランチェスカ』(教育画劇)、『はなくそ』『きいろいくつした』『ゆきのひのおくりもの』(ともにパロル舎)など。http://f330.at.infoseek.co.jp/ |
2003年12月刊行「ペール・カストール」シリーズ刊行!
中国民話の再話。 雪がしんしんと降りつもる日、こうさぎはおなかがすいて、食べるものを探しに出かけます。 そこで雪にうもれたにんじんを2本みつけました。 1本食べておなかがいっぱいになったこうさぎは、もう1本を友だちのこうまくんに持って行くことにします。 その頃、こうまくんは、やはり食べ物をさがしてかぶを見つけ、おなかいっぱいになっていました。 家に帰ると、おいしそうなにんじんが。でも、自分のおなかはいっぱいなので、友だちのひつじさんに届けます。 ひつじさんは、同じようにこじかさんへ、とにんじんは友だちのところに届けられます。さて、最後は……。 作者ポール・フランソワは、「ペール・カストール」シリーズを創刊した、ポール・フォーシェのペンネームです。 フォーシェの再話に、ゲルダ・ミューラーが、あたたかくやさしい絵を描いています。 雪の日に、ぐるぐる友だちのところをまわるにんじん。みな、自分がおなかいっぱいの時に友だちのことを心配します。 ゲルダ・ミューラーの描く、こうさぎやこうま、ひつじやこじかは、みな優しい目をしています。 私がこの絵本を読んだ日、外は雪でした。 しんしんつもる雪の日に楽しんだ、タイトルどおり贈り物のような絵本。親しい友だちにプレゼントしたくなりました。
【作者】ポール・フランソワ 1898年生まれ。教育者ポール・フォーシェのペンネーム。ロシアの絵本運動に影響を受け、1931年、作家である妻のリダの助けをえて「ペール・カストール」シリーズを創刊。子どもが楽しんで自発的に学べる絵本作りを実践。また、絵本の実験学校ともいえる場所を作り、子どもや絵本作家に開放。ナタリー・バラン、フェオドール・ロジャンコフスキーなど、童画を越えた多ジャンルの画家を発掘・育成につとめた。1967年没。 【画家】ゲルダ・ミューラー 1926年オランダ生まれ。アムステルダムのデザイン学校卒業後、パリに移住。フォーシェの絵本実験学校で学び、本シリーズでも本書や"Le SInge et I'hirondelle"など多くの作品の絵を担当。『ぼくたちのかしの木』(文化出版局)、『みえないさんぽ――このあしあとだれの?』(評論社)など作品多数。 【訳者】ふしみ みさを 1970年埼玉県生まれ。餃子店経営の傍ら、絵本の翻訳、紹介につとめている。訳書に『モモ、しゃしんをとる』(文化出版局)、『なつのゆきだるま』(岩波書店)、『フランチェスカ』(教育画劇)、『はなくそ』『きいろいくつした』(ともにパロル舎)など。http://f330.at.infoseek.co.jp/ |
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Last Modified: 2004/04/09
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