2004年4月刊行
オルファース最後の作品―― わたしたちにオルファースが最後にみせてくれた作品が、この『ちょうちょのくに』です。 ちょうちょの国で、さなぎからかわいらしい蝶へと変化するさまが、やわらかい子どもの表情にでています。 ひらひらりとまう蝶に、子どもたちはいつでも目をうばわれます。 その蝶がうまれる国はどんなところなのかしら。 おしまいのページの行列は、オルファースはどのような思いで描いたのでしょう。 静かで荘厳な空気に満ちたページです。 ドイツではこの絵本の初版がでてから20年後に、著名な児童文学作家であるアルベルト・シックストゥスがオルファースの絵にあわせたテキストを書き、そちらが復刻しているようです。本書は、すべてオルファースのオリジナルのものから翻訳しています。 オルファースの世界をじっくりゆっくり読んでください。 【作者】ジビュレ・フォン・オルファース Sibylle von Olfers 1881年東プロイセン生まれ。貴族の家柄に生まれ、早くから絵を習う。20代半ばで修道院に入った後も絵を学びつづけ、その後、美術教師をしながら宗教画、絵本の製作を続ける。肺病を患い、1916年突然の発作で34歳で世を去る。自然への曇りのない目とそれをユーモラスな詩や物語にして優しく語りかけるオルファースの絵本。残されたものは8冊と少ないが、どれもドイツ古典絵本として長く読みつがれている。 【訳者】秦 理絵子 はた りえこ 東京生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科卒業。1981年に新しい運動芸術・オイリュトミーと出会い、ミュンヘンのオイリュトミー学校で学び、1987年帰国公演を機に全国各地でオイリュトミストとして活動する。幼児から大学生まで、また大人のための多くのクラスを持ち、NPO法人東京シュタイナーシューレの教員を務める。オルファースの絵本のあたたかい感触に魅せられ、子育ての中でも親しんできた。著書に『シュタイナー教育とオイリュトミー 動きとともにいのちは育つ』(学陽書房)、絵本の翻訳に、オルファース『森のおひめさま』『うさぎのくにへ』『風さん』『ゆきのおしろへ』(以上、平凡社)、R・シュタイナー『魂のこよみ』(イザラ書房)がある。 |
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Last Modified: 2004/09/14
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