2006年 早川書房 児童書新刊情報

ハリネズミは子煩悩で、また餌をためこむ習性が古来「知識」と「賢さ」と「豊かさ」の象徴とされています。
子どもたちが読書という体験を通じて、心豊かに成長してほしいという願いから、ハリネズミをマークにし、〈ハリネズミの本箱〉シリーズを刊行しました。

早川書房ハリネズミの本箱ホームページ

2006年11月刊行

ホリー・クロースの冒険

ホリー・クロースの冒険


ブリトニー・ライアン
永瀬比奈 訳

ISBN 4-15-250036-0
定価 1890円


 サンタ・クロースの本当の名前をご存知ですか? ファーザー・クリスマスともよばれる彼の本名はニコラス・クロース。住んでいるところは不死の国〈とこしえ〉です。クリスマスの季節、ニコラスは大忙しです。理由はおわかりでしょう。たくさんの手紙を読み、贈り物の準備をしなくてはいけない仕事がピークに達するからです。
 その日も、ニコラスの書斎には手紙であふれていました。どの手紙も、何がほしいか、たどたどしかったり、はっきりしていたり、とにもかくにも自分たちの願望が書かれています。ところが、その年は今まで受け取ったこともないような手紙がニコラスの元に届いたのです。ニコラスはその手紙のおかげで、待望の愛娘ホリーを授かります。ところが、それをかぎつけた、邪悪なヘリカーンが、ホリーに呪いをかけ……

 不死の国で生まれたホリーが美しい娘に成長してから、その呪いに屈せずどうするでしょう。

 時代がかかった設定は、サンタ・クロースの存在が歴史あるものであることにあらためて気づかせ、古典的な雰囲気をかもし出しています。善の象徴のようなサンタ・クロースと、悪を体現するヘリカーン。ホリーを守る仲間たちは、オオカミのツンドラだったり、小ギツネのアレクシアだったり、魅力的な動物たちがファンタジーの世界で活躍します。ホリーはどうなるの? ヘリカーンはどこにいるの? と先を読みたくてたまらなくなるほどこの物語の吸引力は強く、長編ですが、あっというまに楽しく読んでしまうでしょう。

 ドラマチックでロマンチック。めくるめくクリスマス・ストーリーをぜひお楽しみください。


「メリー・ポピンズ」や「サウンド・オブ・ミュージック」などでよく知られている名女優、ジュリー・アンドリュースは自身も児童文学を書かれる作家です。その彼女が、すぐれた児童書を紹介するため、アメリカの大手出版社からジュリー・アンドリュース・コレクションを立ち上げました。この物語もそのコレクションの一冊です。

【作者】ブリトニー・ライアン Brittney Ryan アメリカ・オレゴン州ポートランド生まれ。ポートランド大学で演劇と音楽を学ぶ。30以上のミュージカルに出演し、「アメリカでもっとも活躍する若井女性」に選ばれたこともある。テレビや舞台に登場する一方、プロでユーサー、作曲家などとしても手腕を発揮。本書で作家デビューもはたした。カリフォルニア州在住。

【訳者】永瀬比奈 ながせ・ひな 上智大学外国学部英語学科卒、英米文学翻訳家。訳書にマイケル・モーパーゴ著『シャングリラをあとにして』がある。

【イラストレーター】たまいまきこ 愛知県立芸術大学卒、漫画家、イラストレーター。『アイオーン』『星ぼしの荒野から』などの挿画で活躍。


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Last Modified: 2006/11/26
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