ハリネズミは子煩悩で、また餌をためこむ習性が古来「知識」と「賢さ」と「豊かさ」の象徴とされています。 子どもたちが読書という体験を通じて、心豊かに成長してほしいという願いから、ハリネズミをマークにし、〈ハリネズミの本箱〉シリーズを刊行しました。 |
2003年12月刊行『秘密が見える目の少女』の続編!
ディナは“恥あらわし”の目をもつ少女。 “恥あらわし”とは、人の目を見るだけで、相手の心のなかを映像にして本人の目の前に映し出す力です。 ディナの母親がもっていている“恥あらわし”の力を娘も強く受けつぎました。 彼女らは、その力を請われてしばしば、罪をおかした人間を裁く手伝いをします。 前作の事件から半年。 こんどもまた、ディナはおおきな危険にまきこまれます。 最初に母親が何者かにおそわれ、兄がその犯人をつかまえようとした矢先、ディナが捕らわれてしまうのです。 たまたま一緒にいた少年と2人で捕らわれの身となったディナは、大切な首かざりをうばわれただけではなく、“恥あらわし”の力を、むりやり使うことになり……。 ディナと兄ダビンが交互に語る形で物語はすすみます。 ディナのおかれた境遇があまりにも残酷で、時々ページをとじて、やすみながら読みました。 さて、今回はどうやって危機をのりこえるのでしょうか。 ダビンも大活躍し、彼の成長物語にもなっています。
【作者】リーネ・コーバベル Lene Kaaberbol 1960年デンマークのコペンハーゲン生まれ。12歳から小説を書きはじめ、15歳ではじめての本を出版する。その後も現在にいたるまで、子ども向けのファンタジィを中心に数多くの作品を書いている。2000年5冊シリーズの第1弾として『秘密が見える目の少女』を発表、各国で大人気となる。本書はその続編にあたるシリーズ第2弾。 |
2003年10月刊行アメリカで30年も読み継がれている本!
仲よし4人の少年があるとき賭けをした。 アメリカで1973年に出版され、いまにいたるまでずっと読み続けられている愛読書が本書。 いつの時代も少年たちは楽しみをみつけ、無茶なことをする、とはいえミミズ!! 勝ちたいチームと、勝たせたくないチームの攻防はもとより、ミミズレシピも見逃せない。 うーん、いったいどんなお味なのでしょう……。 【作者】トマス・ロックウェル Thomas Rockwell 1933年生まれ。父は画家のノーマン・ロックウェル。大学卒業後、雑誌社で働きながら父の自伝執筆の手助けをする。その後はさまざまな職を経験するが、息子に本を読んでやるうちに創作意欲がめばえ、1969年にはじめての作品"Rackety-bang and other verses"を出版。現在までに、13冊の子ども向けの本を書いている。本書は1973年の出版以来、アメリカの子どもたちの間で絶大な人気を誇り、読み継がれているロングセラー。 【訳者】阿部里美 成蹊大学文学部英文科卒。英米文学翻訳家。訳書に『黄色の間』メアリ・ロバーツ・ラインハート、『悲しみの四十語』ジャイルズ・ブラント(以上、早川書房刊)他。 |
2003年8月刊行ピューリッツァー賞受賞作家が贈る初の児童書
ピューリッツアー賞作家、マイケル・シェイボンは、3人いる自分の子どもたちに読ませたいと思い、自身の大好きな野球の物語を書いたのがこの作品です。訳者あとがきによると、シェイボンは、子どものころにさまざまな地域の神話や民話や伝説を下敷きにしたおもしろい物語を読み、自分も、いつか作家になってそういう作品を書こうと決めたそうです。この物語にも随所にそれらが織り込まれています。 登場する妖精たちは、それはそれは個性的(?)。大泥棒のネズミ男、72954本のホームランを打った、三つの世界のホームラン王、小さな巨人、などなど、次々に登場する妖精を、丹治陽子さんが魅力的に描き出しています。 【作者】マイケル・シェイボン Michael Chabon ワシントンDC生まれ。ピッツバーグ大学を卒業後、カリフォルニア大学のライターズ・ワークショップに学び、1988年に長編『ピッツバーグの秘密の夏』でデビューを飾る。その後も話題作を発表し続け、『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』によりピュリッツァー賞を受賞した。現在は、作家の妻と3人の子どもとともに、カリフォルニアに住んでいる。本書は初の児童書。 【訳者】奥村 章子 おくむら・あきこ 青山学院大学文学部英米文学科卒業、英米文学翻訳家。訳書に『家族の名誉』『束縛』ロバート・B・パーカー、『凍てついた夜』リンダ・ラ・プラント(以上早川書房刊)ほか多数。 |
2003年6月刊行
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2003年4月刊行
冒険ファンタジイ
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2003年2月刊行
恥あらわし――良心と向き合う人、捨てさる人の物語 「恥あらわし」というのは、人が隠したいすべての記憶と思いをあらわにさせる特殊な能力。 その能力を母から受けついだ11歳に満たない少女ディナがこの物語の主人公です。 「恥あらわし」の母は3人の子どもをさずかりましたが、能力を受けついだのはディナだけ。 目をあわすだけで、自分では思いだしたくないことまで、本人の前につきつけてしまう能力のせいで、ディナと目をあわそうとする人はいません。友だちもできません。 孤独なディナは家族の中にいるときがやすらぎです。 ところが、その「恥あらわし」の母の力がもとで、おそろしい事件にまきこまれて……。 母を助けるため、ディナも自分の力を使いだします。 2000年にデンマークで発表された本作品は、イギリス、フランス、ドイツなどでも翻訳出版され、各国で大人気となっているそうです。本書は5冊シリーズの第1弾。 作者コーバベルは、最初母国語のデンマーク語で書き、その後自分で英語に翻訳して加筆と書きかえをおこなったそうです。日本語版はまずデンマーク語版から翻訳し、のちに英語版を参照して、変更を加えていると、訳者あとがきに書かれています。 あとがきに書かれていますが、ファンタジィでおなじみの面々(邪悪なドラゴン、騎士、錬金術師など)がずらりと勢ぞろいしますが、派手な魔法合戦はありません。「恥という感情をめぐって語られる、あくまで人間の話」、そうこの人間の物語を読みはじめるとページをめくる手を止められません。 「恥」というのは、誰もがかき消したく思うもの、それをあらわにする能力を頼る時もあります。しかし、それが今回のおそろしい事件の発端でした。事件にまきこまれながらも、自分の力を最大限発揮し、乗りこえてゆくディナ、続編(早川書房より刊行予定)が待ちどおしい! 【作者】リーネ・コーバベル Lene Kaaberbol 1960年デンマークのコペンハーゲン生まれ。12歳から小説を書きはじめ、15歳ではじめての本を出版する。大学では英文学と演劇を専攻し、子ども向けのファンタジィを中心に数多くの作品を書いている。 【訳者】木村由利子 大阪外国語大学デンマーク語学科卒。その後、コペンハーゲンに留学。北欧および英米文学翻訳家。訳書に『血のごとく赤く―幻想童話集―』(タニス・リー/共訳/早川書房)、『トロルとばらの城の寓話』(トールモー・ハウゲン/ポプラ社)、著書に『旅するアンデルセン』(求龍堂)他多数。 |
2002年12月刊行
『サーカス・ホテルへようこそ!』 【著/ベッツィー・ハウイー】 小説家、劇作家、そして女優。ニューヨーク大学で演劇を学び、在学中に劇作家、女優としてデビュー。邦訳は『恋人はタキシードを着たネコ』(道下匡子訳/河出書房)がある。本年出版された実娘キャリーの育児日記"Callie's
Tally"は全米で話題になった。 『幽霊船から来た少年』 【著/ブライアン・ジェイクス】 1939年イギリス・リヴァプール生まれ。海の近くで育ち、海に興味を抱く。15歳で船乗りになり、アメリカや日本を訪れる。その後、さまざまな職業を転々としながら、1986年はじめての小説『勇者の剣』(徳間書店)を書く。2001年にこの新しいシリーズ第一弾である本書を発表。たちまちベストセラーとなる。 |
2002年11月刊行
『おはなしは気球にのって』 【著/ラインハルト・ユング】 1949年ベルリンでジャーナリストやコピーライターとして働く。1974年、子ども救済のための国際機関で報道の仕事についたことをきっかけに、子どもの本を書くようになる。1999年没。 【訳/若松宣子】 白百合女子大学大学院児童文学専攻修士課程修了。ドイツ・英米文学翻訳家。訳書に『レオ王子とちいさなドラゴン』ノルベルト・ランダ、『ワニがうちにやってきた!』ポール・ファン・ローン他。『名探偵カマキリと5つの怪事件』 【著/ウィリアム・コツウィンクル】 1938年生まれ。1969年に短編『マリー』でデビュー。映画「E..T.」を小説化してベストセラー作家となる。児童書から詩集、SFまで幅広い作品を手がける。著書に『時のさすらい人』(早川書房刊)ほか多数。 【訳/浅倉久志】 1930年生まれ。大阪外国語大学卒業、英米文学翻訳家。訳書に『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(P.K.ディック)、『いさましいちびのトースター火星へ行く』(T.M.ディッシュ)いずれも早川書房刊ほか多数。本書のレビューがメールマガジン「海外読み物案内」に掲載されました。 霧の中からふたつの影が現れる。一方は背が高くやせていて、もう片方は背が低く、動きはすばやい。名探偵と、同じ下宿に同居する医者のコンビが、あざやかな推理で怪事件を次々と解決していく。といえば、世界一有名な名探偵ホームズを思い出す方も多いだろう。だが、ここは昆虫王国バグランド。ノミ街にあるシャクトリムシ夫人の下宿に住んでいるのは、カマキリ探偵とバッタ博士なのだ。サーカスのショーの最中にトップ・スターであるチョウのジュリアナ嬢が消える「消えたチョウの怪事件」。捜索を依頼されたふたりは、チョウの行方を追ううちに、恐ろしい真実へと行き着く。そんなふたりに犯人の魔の手がせまる。「おびえきった学者の怪事件」では、偶然スパイの暗号を手にいれてしまったチャタテムシ教授に依頼され、ふたりは大使館のスパイを追うことになる。本書には全部で5つの事件が収められている。 活躍するのは昆虫ばかりで、事件の真相は虫の生態を生かしたものとなっている。カマキリ探偵の武器は、もちろん力強い腕だ。登場する昆虫はなんと50種類以上。昆虫好きの人には、虫たちのめずらしい生態もたまらない魅力だろう。相棒をつとめるバッタ博士はくいしんぼうで、愚痴をいいながらカマキリ探偵とともに奮闘する姿がユーモラス。子どもから大人まで楽しめる、ちょっと風変わりで、幻想的なミステリだ。 竹内みどり(やまねこ翻訳クラブ会員) このメールマガジン購読(無料)申し込みは、こちらhttp://www.litrans.net/v/bkg/index.htmへ。 |
2002年10月刊行
『モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語』 【著/ジョージア・ビング】 演劇学校で女優としての教育を受けた。修行の合間に子どものための物語を書き、同時にイラストも描きはじめる。本書のほかに3冊の絵本と、やや年長者向けの本1冊が出版されている。 【訳/三好一美】 専修大学英米文学科卒業。英米文学の翻訳を手がける。短篇集『復讐の殺人』(早川書房刊)他、翻訳多数。『ぬいぐるみ団オドキンズ』 【著/ディーン・R・クーンツ】 1945年生まれ。子どものころから作家になることをめざし、大学を卒業後、さまざまなアルバイトをしながら小説を書いた。1968年にはじめての本を出版。数多くのベストセラーを生み出し、本書は、はじめて子どものために書いた小説。 【訳/風間賢二】 1953年生まれ。武蔵大学人文学部卒。英米文学翻訳家。ファタジイ研究家。訳書に『瞬きよりも速く』レイ・ブラッドベリ(共訳・早川書房刊)、『ファンハウス』ディーン・R・クーンツ他多数。 |
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Last Modified: 2003/11/27
担当:さかな
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