やまねこ翻訳クラブ 『翻訳事典2014年度版』 公開日 2013/01/21 アルク刊行『翻訳事典2014年度版』に |
★やまねこ翻訳クラブの活動が紹介されました!★ オンライン英和・和英データベース「英辞郎 on the WEB」など語学教育で おなじみのアルクより刊行された『翻訳事典2014年度版』(2013.01.21) の中で当クラブの活動が紹介されました。 アルクさんのご了解を得て、全文を掲載させていただきます。 スペースアルク ホームページ 翻訳事典2014年度版(アルクオンラインショップ) 翻訳事典2014年度版(Amazon) |
『翻訳事典2014年度版』(2013.01.21) 出版翻訳コミュニティ 互いに学び、成長できる「やまねこ翻訳クラブ」 「やまねこ翻訳クラブ」は、児童文学の翻訳者を目指す人たちが集う、出版翻訳では草分けのコミュニティ。 クラブ結成の経緯や運営法などについて、話を聞いた。 ●「児童書好き」が集まって発足 「やまねこ翻訳クラブ」は、1997年に結成され、児童書好きな人や児童文学翻訳者を中心に現在、海外を含めて100人ほどの会員がいる。発足翌年に入会し、会員歴14年という横山和江さんに、設立のきっかけを聞いた。 「ニフティの翻訳フォーラムで、当時、マネージャーをしていた方から強力な後押しをいただき、児童書に特化したフォーラムを作ろうと呼び掛けたのがきっかけです。最初は児童書好きな数人でスタートしたと聞いています」 発足後しばらくは、海外の児童文学賞の受賞作品を読む「読破マラソン」や、翻訳コンテストに応募した訳文を読み合う勉強会などを行っていたが、やがて、成果が表れ、会員から翻訳コンテストの受賞者が出るようになる。 「出版社に訳を持ち込む方法を知りたい、持ち込むには魅力的なシノプシス(レジュメ)を書く必要がある、では、勉強会をしようと、どんどん活動内容が広がっていきました」 2002年10月、クラブの活動場所を Webに移行。ホームページを充実させ、広く一般への情報発信も行うようになった。 ●メルマガ「月刊児童文学翻訳」 会員の間での情報共有ツールは、SNSというより、掲示板、メールマガジン(メルマガ)、メーリングリストが中心。中でも設立翌年に創刊されたメルマガ「月刊児童文学翻訳」の存在は大きい。現在、副編集長を務める蒲池由佳さんは、「発行内容や編集体制は変化していて、今は編集長1人、副編集長2人の体制です。著名な翻訳者のインタビューや会員からの作品レビュー、セミナー情報など、幅広い内容の記事を掲載しています」と語る。 コーナーの一つ、出版社研究は、児童書出版社の編集担当者に、翻訳書に対する考え方、訳文を持ち込むときの心得などを聞いて紹介するもの。 「飛び込みの取材依頼から始めましたが、取材を重ねるうちに多くの出版社さんとつながりができ、同時にクラブの認知度も高まりました」と横山さん。 クラブは、いわば児童文学の目利き集団。会員が毎年、過去1年間に出版された邦訳児童書、絵本、原書などから優れた作品を選ぶ「やまねこ賞」(1998年創設)は、今や、その発表に多くの出版社が注目する。 ●切磋琢磨してプロデビューする人も多数 メルマガの編集や掲示板管理など、運営はすべてボランティア。時間と労力もかかるのではないだろうか。メルマガ副編集長を務める大作道子さんは、「確かに大変です(笑)。でも、レビューやインタビュー記事など、さまざまな文を書く機会が あり、それがよい訓練になります」。蒲池さんも「客観的に文章を読む目が養われ、自分自身の勉強になる」という。 会員間のやりとりも勉強になる、と大作さん。「基本的に編集作業はオンライン上で行います。文字だけのコミュニケーションでは、ちょっとした言葉遣いで行き違いが生じることもありますが、皆さん、人を不快にさせない書き方をされ、学ぶ点が多いです」 運営上のルールやメルマガのノウハウなどはログとして残し、必要に応じて閲覧できる。会員は世界各国に広がり、スペイン語、ドイツ語、フィンランド語、トルコ語など、英語以外の言語を扱う人も約2割いるという。 「マイナーな言語を専門とする方からは、『クラブに入って仲間ができた。扱う言語は違っても日本語に訳出するという作業は同じだし、言語を超えて共有できることは多く、視野も広がった』という声をいただいています」と横山さん。会員の中から入会後、翻訳者デビューした人は約30人にも上る。会員にとって、「やまねこ翻訳クラブ」は、それぞれが得意分野で力を発揮して協力しつつ、互いに切磋琢磨できる貴重な場になっている、と言えそうだ。 横山和江さん よこやま・かずえ/1998年、やまねこ翻訳クラブ入会。全訳勉強会、シノプシス作成勉強会、原書マラソンなど、多くの勉強会に参加。 2006年から2年間、メールマガジン「月刊児童文学翻訳」の副編集長を務めた。訳書に『サンタの最後のおくりもの』『ウイッシュ 願いをかなえよう』『おきゃく、おことわり?』シリーズなどがある。 蒲池由佳さん かまち・ゆか/1998年、やまねこ翻訳クラブ入会。その後、運営スタッフとなり、会長職(現在は廃止)を2期務める。メールマガジン「月刊児童文学翻訳」、会報「やまねこ通信」内のコーナーを担当後、 2012年からメールマガジン副編集長に。英語情報辞典で「児童文学」「イギリスの地名・人名」の執筆、英語児童書の下訳などの実績がある。 大作道子さん おおさく・みちこ/2008年、やまねこ翻訳クラブ入会。訳出勉強会、レビュー勉強会などに参加経験がある。メールマガジン「月刊児童文学翻訳」の編集メンバーを経て、 2011年9月から同メールマガジン副編集長に。ニュージーランドの児童文学賞の速報も担当する。訳書に『帰ろう、シャドラック!』『ハンター』がある。 |
担当:ぐりぐら(WYN-1039)
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