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レッドウォール伝説シリーズ(イギリス)
現在原作15巻まで、2003年に16巻出版予定。物語のほかに絵本が2冊ある。
公式ホームページ(英語):http://www.redwall.org/
表紙画像 勇者の剣
ブライアン・ジェイクス作/西郷容子訳/徳間書店/1999.07
 レッドウォール修道院で平和に暮らすネズミたちに、凶悪なドブネズミの軍団が襲いかかってきた。このまま悪に降伏してなるものか。戦うんだ! 若い修道士マサイアスは、その昔、勇者マーティンが使っていたという伝説の剣を見つけるため、修道院に隠された謎を次々と解きあかしていく……。ネズミやアナグマなど、個性的な動物たちが活躍する冒険ファンタジー。  (植村わらび)
【原書】 "Redwall" Brian Jacques, 1986
準備中 モスフラワーの森
ブライアン・ジェイクス作/西郷容子訳/徳間書店/2001.12
準備中
【原書】 "Mossflower" Brian Jacques, 1988




ライラの冒険シリーズ(イギリス)
原作全3巻(完結)
黄金の羅針盤
フィリップ・プルマン作/大久保寛訳/新潮社/1999.11
 舞台は、人間が動物の形をした守護精霊〈ダイモン〉を持つ異世界。11歳の少女ライラは、ある日育ての親から真理を告げるという「黄金の羅針盤」を授かる。正体不明の物質「ダスト」、自らの出生の秘密、何者かに連れ去られた幼なじみたち。ライラは全ての謎を追い、はるか北の地をめざした。
 苦悩と困難に満ちたライラの冒険の道のりは、大人になる痛みそのものかもしれない。でもライラは、どれほど傷ついても大切な何かを決して失わないのだ。重く厳しい物語だが、そこに希望がある。  (森久里子)
【原書】 "Northern Lights [The Golden Compass(アメリカ)]" Philip Pullman, 1995
神秘の短剣
フィリップ・プルマン作/大久保寛訳/新潮社/2000.04
 わたしたちの住む世界に生きる、孤独な少年ウィル。幼い頃に行方不明となった父親の足跡をたどるうち、偶然異世界に通じる窓を見つける。そこは、北極光を越えたライラが足を踏み入れた世界でもあった。逃れられない使命を負って出会ったライラとウィル。渦巻く大人たちの陰謀と、押し寄せる運命の波がふたりを襲う。
 単純な善悪二元論も、口当たりいい「自分探しの旅」の物語も、この作品には無縁。人間の存在、生の意味を根元的に問い直す作者のメッセージは、厳しい現実を生きる全ての人たちへの賛歌でもある。  (森久里子)
【原書】 "The Subtle Knife" Philip Pullman, 1997
準備中 琥珀の望遠鏡
フィリップ・プルマン作/大久保寛訳/新潮社/2002.01
【原書】 "The Amber Spyglass" Philip Pullman, 2000




リンの谷のローワンシリーズ(オーストラリア)
現在原作4巻まで
表紙画像 ローワンと魔法の地図
エミリー・ロッダ作/さくまゆみこ訳/佐竹美保絵/あすなろ書房/2000.08
 リンの谷の水が涸(か)れてしまった。村人たちは、魔女と評判のシバのもとに智恵を借りに行き、竜が住む〈禁じられた山〉への地図を手に入れる。リンの村人は男女の別なく勇猛果敢。ただ一人の例外が、ひ弱で臆病なローワンだ。ところがシバがくれた頼みの地図は、ローワンが手にした時しか見えない魔法の地図だった。そのため、村でも選りすぐりの6人と共にローワンも山の頂をめざすはめに。仲間は山の試練の前に次々と倒れていく……。恐怖で身が竦(すく)む。でも水を取り戻さなくては! 必死で頑張るローワンがいじらしく、思わず応援したくなる。一巻ごとに話が完結するので、シリーズ物は苦手という人も気軽に読み始めることができる作品だ。  (吉崎泰世)
【原書】 "Rowan of Rin" Emily Rodda, 1993
表紙画像 ローワンと黄金の谷の謎
エミリー・ロッダ作/さくまゆみこ訳/佐竹美保絵/あすなろ書房/2001.07
 時季はずれに〈旅の人〉の一行が訪れた夜、リンの村人たちは奇妙な眠りに倒れ、〈旅の人〉たちは忽然と姿を消した。これは彼らの報復か? 秘密を抱える村人たちは、彼らが村へ立ち入ることを拒んでしまったのだ。難を逃れたローワンとアランは彼らの後を追う。相変わらずひ弱で臆病だが、ローワンは前作の山での教訓から、恐怖に立ち向かう強さを身につけていた。そして〈旅の人〉との間に芽生えた疑いを晴らし、敵の正体を暴くため、伝説の黄金の谷へと踏み入っていく。果たして敵の正体は? ちょっぴり成長したローワンの姿がうれしい。また、巻を追うごとに、この架空世界の成り立ちが少しずつ明かされており、シリーズ物としての興味も尽きない。  (吉崎泰世)
【原書】 "Rowan and the Travelers[Travellers]" Emily Rodda, 1994
準備中 ローワンと伝説の水晶
エミリー・ロッダ作/さくまゆみこ訳/佐竹美保絵/あすなろ書房/2002.01
準備中
【原書】 "Rowan and the Keeper of the Crystal" Emily Rodda, 1996




ルイスと魔法使い協会シリーズ(アメリカ)
現在原作9巻、2003年に10巻出版予定
※作者ベレアーズ亡きあと、未完成の4〜6巻を完成させたブラッド・ストリックランドが、7巻以降を執筆。
表紙画像 壁のなかの時計
ジョン・ベレアーズ作/三辺律子訳/北砂ヒツジ絵/アーティストハウス/2001.04
 時は1948年。10歳の少年ルイスは、両親を亡くし、おじに引き取られた。優しいこのおじは、実は魔法使い。以来、ルイスの周りで不思議な出来事は起きるし、石造りの屋敷の壁の中からは、怪しい時計の音が聞こえてくる。時計を仕掛けたのは邪悪な魔法使いらしい。さらに、新しい学校でいじめにあいはじめたルイスは、友達の気をひくため、恐ろしい場所に足を踏み入れてしまう……。古い屋敷、墓場、魔法の道具などのお膳立てがたっぷり揃い、怪しくおどろおどろしい雰囲気を楽しく味わえる。  (菊池由美)
【原書】 "The House with a Clock in Its Walls" John Bellairs, 1973
表紙画像 闇にひそむ影
ジョン・ベレアーズ作/三辺律子訳/北砂ヒツジ絵/アーティストハウス/2001.08
 ルイスにやっとできた友達は、ローズ・リタ。ルイスとは正反対、勝ち気でスポーツが得意な少女だ。相変わらずいじめにあっているルイスは、ローズ・リタに助けてもらわなくてすむよう、強くなりたいと願う。おじにもらったお守りのコインに、もし魔法の力があれば! それは普通のコインのはずだったのに、ルイスが「お守りの力」を試す呪文を唱えてから、不気味なことが起こりはじめた……。思春期の入り口で、オカルティックなものに思わずひかれる気持ちが生き生きと描かれている。  (菊池由美)
【原書】 "The Figure in the Shadows" John Bellairs, 1975
表紙画像 魔法の指輪
ジョン・ベレアーズ作/三辺律子訳/北砂ヒツジ絵/アーティストハウス/2001.11
 ローズ・リタは13歳になった。でも、女らしくなるのが当たり前、という周りの目には耐えられない。ルイスはボーイフレンドなんかじゃない、大の親友なんだ。だが、そのルイスが「男らしくなるため」夏のキャンプにいってしまう。傷ついた彼女は、魔女のツィマーマン夫人に誘われ、旅にでた。旅先では魔法の指輪をめぐり、忌わしい事件が起きる……。微妙な年頃の女の子の悩みを中心に話が進み、今回は、登場する敵もジェンダーの問題を抱えている。味方の魔女が、型にはまらない生き方をする女性として描かれているのが興味深い。  (菊池由美)
【原書】 "The Letter, the Witch, and the Ring" John Bellairs, 1976




ダレン・シャンシリーズ(イギリス)
現在原作8巻まで。9巻もタイトルは決定している。
表紙画像 奇怪なサーカス
ダレン・シャン作/橋本恵訳/小学館/2001.07
 ホラー好きの少年ダレンは、異形の人間を集めたサーカスの切符を手に入れる。見世物のクモに魅せられ、盗み出したはいいが、噛まれた友人が意識不明に。ダレンは悔恨に打ちひしがれ、友人の命を救うため、団員であるバンパイア、クレプスリーと取引をする。ストーリーは単純で読みやすく、おどろおどろしい場面の連続。先行きが気になるシリーズの序章。  (舩江かおり)
【原書】 "Cirque du Freak" Darren Shan, 1999
表紙画像 若きバンパイア
ダレン・シャン作/橋本恵訳/小学館/2001.10
 半バンパイアとなり、バンパイア、クレプスリーの手下となったダレン。超人的な肉体能力を身につけても、人間の心は捨てられない。サーカス団員の蛇少年エブラ、巡業地近くに住む少年サムと友達になり、元気づいたのもつかの間、環境保護に燃える青年レジーがサーカスを詮索し始める。団員たちの意外な人間臭さが印象的。随所に現れるブラックユーモアもにやりとさせる。  (舩江かおり)
【原書】 "The Vampire's Assistant" Darren Shan, 2000
表紙画像 バンパイア・クリスマス
ダレン・シャン作/橋本恵訳/小学館/2001.12
 故郷を捨てて1年半。半バンパイアとしての生活にも慣れてきたダレンは、クレプスリー、エブラと共に町に滞在中、初めて女の子と付き合うことになった。楽しいクリスマスの期待に胸躍らせていたある日、6人の死体発見のニュースが流れる。殺人者はだれなのか? 新たな敵との対決、絶体絶命の危機……。ダレンの精神的成長が頼もしい。クレプスリーの過去、バンパイア社会の仕組みが垣間見えるのも興味深い。  (舩江かおり)
【原書】 "Tunnels of Blood" Darren Shan, 2000




レイチェルシリーズ(イギリス)
原作全3巻(完結)
表紙画像 レイチェルと滅びの呪文
クリフ・マクニッシュ作/金原瑞人訳/理論社/2001.07
 灰色の雪に覆われた星イスレアは、魔女ドラグウェアの邪悪な魔法に支配されていた。この星へ、弟エリックとともに引きずりこまれたレイチェルは、自分の中に秘められた魔力をみいだし、ドラグウェアに戦いを挑む。レイチェルの魔法は、五感のすべてを働かせて想像することで発揮される。生々しく気味の悪い描写。息もつかせぬ壮絶な魔法の応酬戦。読み始めたら、ページを繰る指を止められない。  (三緒由紀)
【原書】 "The Doomspell" Cliff McNish, 2000
レイチェルと魔法の匂い
クリフ・マクニッシュ作/金原瑞人訳/理論社/2001.12
 ドラグウェアの故郷ウール星の魔女たちが、復讐を果たすべく地球ヘのりこんできた。魔女たちは地球の子どもたちをさらい、北極で魔法の訓練をする。子どもたちを率いてレイチェルに立ち向かってくる少女ハイキ。特別な魔力を持つ、無邪気な赤ん坊イェミ。レイチェルは次々と迫りくる危機、苦難をきりぬけ、子どもたちを救おうとする。魔法とだましあいの渦巻く戦いは、くるくると展開し予断を許さない。恐怖心から魔女の残忍な指令のいいなりになる子どもたちが痛々しい。  (三緒由紀)
【原書】 "The Scent of Magic" Cliff McNish, 2001




妖精の国物語シリーズ(カナダ)
現在原作3巻、2002年に4巻出版予定
表紙画像 妖精王の月
O・R・メリング作/井辻朱美訳/こみねゆら絵/講談社/1995.02
準備中
【原書】 "The Hunter's Moon" O.R.Melling[Orla Melling], 1989
表紙画像 夏の王
O・R・メリング作/井辻朱美訳/こみねゆら絵/講談社/2001.07
 妹の不慮の死の謎を追い、少女ローレルはアイルランドの最果ての島へ向かった。「この世の死は、あの世の生」――偶然出会った妖精の言葉を頼りに、ローレルは妹との再会を期し、いにしえの金鷲の王や謎の少年イアンの助けを借りて、妖精世界への扉を開く。妖精王と人間との、愛や怒り、運命の絡まりを、現世と異世界を交錯させつつ描く堂々のケルト・ファンタジー。1995年の作品『妖精王の月』の後日譚にあたる。  (中務秀子)
【原書】 "The Summer King" O.R.Melling[Orla Melling], 1999





独立作品
表紙画像 魔法使いの卵(イギリス)
ダイアナ・ヘンドリー作/田中薫子訳/佐竹美保絵/徳間書店/2001.01
 内緒だけれどぼくのお父さんは魔法使いなんだ――魔法使いの卵スカリーは、魔法紳士団の試験を目前にして、怪しい一団に連れ去られてしまう。スカリーの魔法が漉しとられる? ユーモアあふれる物語がスカリーの軽妙な語り口で展開する。実は、魔法遺伝子は私たちフツウ人間にもあるという。魔法世界を身近に感じるとともに、自分のなかの魔法遺伝子を見つけて大切にしたくなる本。  (三緒由紀)
【原書】 "Minders" Diana Hendry, 1998
表紙画像表紙画像 ドラゴンの眼(上下巻)(アメリカ)
スティーヴン・キング作/雨沢泰訳/アーティストハウス/2001.03
 幾千年の歴史を持つデレイン王国。その王国に国の転覆を企てる魔術師がいた。最初に王妃の命が奪われ、その後、国王も毒殺された。国王暗殺の濡れ衣をきせられ、針の塔に幽閉されるピーター王子と、魔術師に操られる弟トマス王子――彼らの運命やいかに。またドラゴンの眼に隠された秘密とは? モダンホラーの大御所スティーヴン・キングが贈る、愛と勇気で織り成された、おとぎ話風正統派ファンタジー。  (蒲池由佳)
【原書】 "The Eyes of the Dragon" Stephen King, 1987 (※原書は全1巻)
表紙画像 いたずら妖精ゴブリンの仲間たち(イギリス)
ブライアン・フラウド作・画/テリー・ジョーンズ蒐集・著作/井辻朱美訳/東洋書林/2001.08
 この本は物語ではなく、ゴブリンのイラスト入りプロフィール集。妖精の中でも、いたずら者、どちらかというと悪役妖精で有名なゴブリンが70名余り、カラーイラストでユーモアたっぷり、大まじめに紹介されている。クイヴァー、ルエルクなど、ちょっとSF的なゴブリンの生態を読むと、すっかりファンタジー世界に遊びに来た気分を味わえる。また、装幀も凝っていて、表紙にさわるとふかふかしていて気持ちよい。  (林さかな)
【原書】 "The Goblin Companion: A Field Guide to Goblins" Brian Froud/Terry Jones, 1986



日本で出版されている作品の表紙画像は、出版社の許可を得て、掲載しています。

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担当: 麦わら(WYN-1024)  2002/11/22 更新

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