フィンランドの賞レビュー集(その1)一覧 |
このレビュー集について 10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」においてやまねこ会員が個々に書いたレビューを、各児童文学賞ごとにまとめました。メルマガ「月刊児童文学翻訳」や「やまねこのおすすめ」などに掲載してきた〈やまねこ公式レビュー〉とは異なる、バラエティーあふれるレビューをお楽しみください。
なお、レビューは注記のある場合を除き、邦訳の出ている作品については邦訳を参照して、邦訳の出ていない作品については原作を参照して書かれています。
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フィンランディア・ジュニア賞(フィンランド) レビュー集 |
★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★
最終更新日 2009/06/18 レビューを1点追加
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「白樺と星・・・フィンランドの児童文学」サイト内のフィンランディア・ジュニア賞受賞作品リスト
★フィンランディア・ジュニア賞の概要 |
"Taikuri Into Kiemura"(リンク) * "Gondwanan lapset" 『ゴンドワナの子どもたち』 * "Tatun ja Patun oudot kojeet" 『タトゥとパトゥのへんてこマシン』(リンク) * "Keinulauta" 『シーソー』 * "Emilian paivakirja - Supermarsu lentaa Intiaan" * "Prinsessan siivet"←追加
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"Taikuri Into Kiemura"(2007) (未訳絵本) by Jukka Itkonen, illustrations by Christel Ronns 〔Christel Rönns〕 |
その他の受賞歴 |
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ラリーから、月刊児童文学翻訳2007年12月号のレビューへと発展しました |
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★ Yamaneko Honyaku Club 10th Anniversary ★ このレビュー集について
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"Gondwanan lapset" by Alexis Kouros アレクシス・クーロス 『ゴンドワナの子どもたち』 大倉純一郎訳 岩崎書店 2000 |
その他の受賞歴 |
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「僕はだれなんだろう? 僕は何なのか?」こんな問いを、ひな鳥は胸に抱き続けている。母鳥もきょうだいも巣から飛び去ってしまったのに、ひな鳥の翼は母に似ず異様に小さく、走るのは得意でも飛ぶことができないのだ。自分は本当に鳥なのか――考えながら、ひとりぼっちのひな鳥は小さな島の中をさまよい歩く。そして、アリやカエルなどさまざまな生き物との出会いを通して、問いへの答えを探し求める。 (古市真由美) 2008年7月公開 |
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「タトゥとパトゥ」シリーズのうち、2007年に出版された5作目 "Tatun ja Patun Suomi"(仮題『タトゥとパトゥのフィンランド』)が2007年フィンランディア・ジュニア賞を受賞。 下のレビューは本シリーズの初邦訳作品で、原作では3作目にあたる。なお、シリーズ1作目の "Tatu ja Patu Helsingissa 〔Tatu ja Patu Helsingissä〕"(仮題『タトゥとパトゥ、ヘルシンキへいく』) も、2003年フィンランディア・ジュニア賞の候補となった。
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"Tatun ja Patun oudot kojeet"(2005) by Aino Havukainen アイノ・ハブカイネン and Sami Toivonen サミ・トイボネン 『タトゥとパトゥのへんてこマシン 14のおもしろ発明品を一挙大公開!』 いながきみはる訳 偕成社 2007 |
その他の受賞歴 |
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ラリーから、月刊児童文学翻訳2008年2月号のレビューへと発展しました |
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"Keinulauta"(2006) by Timo Parvela ティモ・パルヴェラ illustrations by Virpi Talvitie ヴィルピ・タルヴィティエ 『シーソー』 古市真由美訳 ランダムハウス講談社 2007 |
その他の受賞歴 |
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クマの子のピーは、シーソーにすわり続けていました。向こう側の席には誰もいません。誰か来ないかなあと思っているのですが、誰も来てくれません。ピーは青いノートに言葉を書き込みました――「向こうの席にだれもいないとシーソーはできないね」。
ピーはこのあとも旅を続けて、いろんな出会いをします。巨人のようなヤセ・ギスは、2人組でケンカばかりしています。ひとりぼっちのカモネは、ずっとカモメが飛ぶのを眺めています。楽しい出会いもあれば、嫌な出会いもありました。その中で、ピーはこれまで思いもしなかったことを知
り、考えるようになり、それをノートにづづっていくのです。シーソーがテーマとなった言葉の数々は、シーソーに限らない普遍的なものへの思いを秘めています。 (植村わらび) 2008年7月公開 |
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"Emilian paivakirja - Supermarsu lentaa Intiaan 〔Emilian
päiväkirja
- Supermarsu lentää
Intiaan〕" by Paula Noronen (未訳読み物) |
その他の受賞歴 |
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『エミリアの日記・スーパーケィビィ、インドへ飛ぶ』(仮題)
あたしはエミリア。11歳で、ママと2人で暮らしている。ママがあたしに、すごくかわいいケィビィ(モルモットって呼ぶ人もいるね)をプレゼントしてくれた。大統領にちなんでハロネンと名づけたケィビィは、あたしの指をかじったけど、あいさつのつもりかな。その晩、変な夢を見た。王冠をかぶった巨大なケィビィが、あたしに言うの。そなたはスーパーケィビィとなるために選ばれた、って。なんだろ、この夢。
愉快で痛快! エミリアは「スーパーケィビィ」に変身する能力を授かり、弱きを助け強きをくじく正統派の主人公として大活躍する。変身中は空を飛ぶなど特殊な力があるが、正体は誰にも知られてはならないという、ヒーローものでおなじみの設定、そして最後に正義が勝つ、安心の展開である。そこに、学校でのいじめ、親の不在など家庭の問題、老人が虐げられる社会のひずみといった要素が巧みに組み合わされている。エミリアが「強きをくじく」ときは、力ずくではなく知恵を絞って相手に参ったといわせ、そのお手並みに胸がすく。ユーモアも満載で、読後感は明るく爽やかだ。 (古市真由美) 2008年7月公開 |
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"Prinsessan siivet"
Text by Kaarina Helakisa,illustrations by Heli Hieta(未訳絵本) |
その他の受賞歴 |
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『王女の翼』(仮題) とある国の王女様が、重い病気にかかりました。異国の魔法使いの手で病気が治ったとき、王女様の背中には、美しい深紅の翼が生えていました。王女様は喜んで、毎日好きなように空を飛び回りますが、王様と王妃様は、こんな普通ではない姫をもらってくれる王子などいないと、嘆くばかり。両親から、飛ぶのはやめなさいと言われ続けた王女様は、ある晩を境に、お城へ帰ってこなくなってしまいます。
古今東西を問わず、女の子の親にとって、わが娘は世界一大切なお姫様だろう。いつまでも小さなかわいいお姫様でいてほしい親の願いと、自分の力で羽ばたきたい娘の気持ち。相容れないふたつの思いはどちらも、胸の奥から止めようもなく湧き上がってくるものだということが伝わってきて、読者はせつなくなる。 http://www.taidemuseo.fi/english/meilahti/programme/satukuvia.html (古市真由美) 2009年6月公開 |
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アンニ・スワン賞(フィンランド) レビュー集 |
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最終更新日 2008/07/01 新規公開
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★アンニ・スワン賞について |
"Ihmisen vaatteissa" 『ペリカンの冒険』
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"Ihmisen vaatteissa"(1976) by Leena Krohn レーナ・クルーン 『ペリカンの冒険』 篠原敏武訳 新樹社 1988 |
その他の受賞歴 |
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両親の離婚により母親と都会の団地に引っ越してきたエミル少年は、ある日レストランで人間の服を着て紳士然としたペリカンに遭遇した。やがてペリカンがヒューリュライネンと名乗り、同じアパートに住んでいることを知る。ふとしたきっかけでヒューリュライネン氏に字を教えることになったエミルは、貪欲に人間を理解しようとするペリカンとの友情を深めていく。 (吉崎泰世) 2008年7月公開 |
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