※11月は休刊いたします。次回は12月号です。どうぞお楽しみに! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 2021年10月号    =====☆                    ☆=====   =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====    =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====                                 No.209 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌◆ ◆http://www.yamaneko.org                         ◆ ◆編集部:mgzn@yamaneko.org     2021年10月15日発行 配信数 2470 無料◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●2021年10月号もくじ● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎賞情報:速報! 2021年全米図書賞児童書部門 ファイナリスト発表! ◎特集:第4次原書読破マラソンから その2  "The End of the World Is Bigger Than Love" ダヴィーナ・ベル作  "The Library Cat" (The Nine Lives of Furry Purry Beancat Book Three)                            フィリップ・アーダー作 ◎訳者が語る! 注目の本(邦訳絵本):『もりにきたのは』           サンドラ・ディークマン文・絵/牟禮あゆみ訳/三辺律子監修 ◎mikiron の親ばか絵本日誌:第5回 『まめまめくん』 ◎賞速報 ◎イベント速報: ◎お菓子の旅:第76回 ひとくちで疲れが吹きとぶ 〜ハルヴァ〜 ◎読者の広場 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞情報●速報! 2021年全米図書賞児童書部門 ファイナリスト発表! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  10月5日、2021年全米図書賞(National Book Awards)のファイナリスト(最終候 補作品)が発表された。  アメリカ人作家による優れた文学作品の普及と読書人口の増加を目的として1950年 に創設された本賞は、1989年から全米図書財団(The National Book Foundation)が 主催している。対象部門は時とともに変遷し、2018年から、フィクション、ノンフィ クション、詩、児童書、翻訳作品部門の5部門となった。前年12月1日から当年11月 末日までにアメリカで出版された(または出版される)作品を対象に、文学的価値を 重視して選考される。児童書部門は1969年に設けられ、1984年にいったん廃止された が、1996年に復活した。以来、ジャンルを問わずもっとも優れた児童書に贈られてい る。  今年は9月16日に各部門のロングリスト10作品が発表され、その中から各5作品が ファイナリストに選ばれた。受賞作品の発表は、11月17日の予定。  本号では、児童書部門(Young People's Literature)のファイナリストおよびロ ングリストに選ばれた作品をご紹介する。 ▼2021年全米図書賞発表ページ(National Book Foundation ウェブサイト内) https://www.nationalbook.org/awards-prizes/national-book-awards-2021/ ▼上記ウェブサイト内、児童書部門発表ページ https://www.nationalbook.org/awards-prizes/national-book-awards-2021/?cat=ypl ▽全米図書賞児童書部門について(本誌2003年12月号情報編「世界の児童文学賞」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2003/12a.htm#bungaku ▽全米図書賞(児童書部門)受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/nba/index.htm (※邦訳がある作家、画家については初出の際に片仮名表記を併記しています) ★Finalists(5作) "The Legend of Auntie Po"      by Shing Yin Khor (Kokila) "Last Night at the Telegraph Club" by Malinda Lo                       (Dutton Books for Young Readers) "Too Bright to See"         by Kyle Lukoff                        (Dial Books for Young Readers) "Revolution in Our Time: The Black Panther Party's Promise to the People"                   by Kekla Magoon (Candlewick Press) "Me (Moth)"             by Amber McBride (Feiwel and Friends)  "The Legend of Auntie Po" は、中国系移民の少女 Mei が主人公のグラフィック ノベル。時は1885年、米国シエラネバダ山脈の伐採場には、さまざまな人種の労働者 が集う。13歳の Mei も父親と厨房で働いている。中国人排斥法が制定され不安が広 がるなか、Mei は北米の民話に伝わる木こりの巨人ポール・バニヤンを中国風にアレ ンジした〈ポーおばさん〉の話を語り聞かせ、子どもたちを楽しませる。差別に悩む ときも、同性の親友への恋心に戸惑うときも、物語の力が Mei を支えるのだった。 素朴な筆致と水彩の透明感が光る一冊だ。ふたつの文化を自分のものにして生きる主 人公のたくましさと軽やかさが絵柄にも表れている。作者 Shing Yin Khor はマレー シア出身の中国系アメリカ人。漫画以外にも幅広い分野のアートで活躍している。  "Last Night at the Telegraph Club" は、1950年代のサンフランシスコが舞台の 長編小説だ。マッカーシズムが台頭し中国系移民や同性愛者をも脅かす時代。中国系 アメリカ人で17歳の Lily は宇宙に憧れ、将来ロケット開発に携わることを夢見てい るが、女の子らしくないと言われるのを恐れて口には出さない。ましてや、自分が同 性愛者かもしれないこと、同級生の Kath に惹かれていることは絶対に秘密だ。しか し、あるナイトクラブとの出会いが、Lily の人生を大きく変える。作者 Malinda Lo は元ジャーナリストで、2009年にファンタジー "Ash" でデビュー。初の歴史フィク ションとなる本作では、徹底したリサーチで時代背景を掘り下げ、困難な時代を生き る中国系移民の思いや、弾圧の陰でひそかに育まれたレズビアン文化に光を当てる。  "Too Bright to See" は、主人公 Bug が性自認を問い直していく過程を、あたた かなまなざしで描いた作品だ。11歳の Bug は、今まで女の子として生きてきたけれ ど、ずっと違和感も抱いていた。そのせいで周りにうまくなじめず、大好きだったお じまで病気で亡くし、孤独は深まるばかりだ。そんな Bug のところに、ある幽霊が 現れる。幽霊は Bug に伝えたいことがあるようで……。自身もトランス男性の作者 Kyle Lukoff は、トランスジェンダーの子どもが主人公の絵本で知られる。2020年に、 "When Aidan Became a Brother" で、LGBTQIA+ に関する優れた文学作品に贈られる Stonewall Book Award の児童書部門を受賞。本作は、彼が初めて手がけた中学年向 け読みものである。  "Revolution in Our Time: The Black Panther Party's Promise to the People" は、これまで児童書では副次的にしか語られてこなかった、アメリカの「ブラックパ ンサー党」に焦点を当て、奴隷制のあった時代から現在のBLM運動まで、黒人の歴 史を包括的にとらえなおした作品だ。作者の Kekla Magoon は、とあるインタビュー で、「わたしたちは、まだまだ変化・成長していかなければなりません。そして、黒 人たちを抑圧してきたシステムを覆さなくてはなりません」と語っている。Magoon は、2019年にボストングローブ・ホーンブック賞フィクションと詩部門を受賞した "The Season of Styx Malone" をはじめ、数多くの児童書、YA作品を発表している。  "Me (Moth)" で、鮮烈な作家デビューを飾ったのは、バージニア大学で教鞭をとる Amber McBride だ。黒人の少女 Moth は、2年前に交通事故で家族を失って以来、生 き残った自分を責めつづけ、バレエに対する情熱を封じ込めてきた。そんなある日、 義父のせいで大好きな音楽をあきらめてしまった少年 Sani と出会う。一目で惹かれ あったふたりは、Sani の実の父親が暮らすナバホ族の準自治領を目指し、ロードト リップに出る。家族の死や家庭内暴力といった悲劇を扱いながらも生々しくなりすぎ ないのは、Moth の祖父が信仰していたブードゥー教の習わしやナバホ族に語り継が れてきた天地創造の物語が織り込まれ、神秘的な詩に仕上がっているからだろう。ま た、誰もがあっと驚くであろう結末に、再読を促されるのはまちがいない。 ★Longlist(5作) "Unspeakable: The Tulsa Race Massacre"          by Carole Boston Weatherford, illustrations by Floyd Cooper                              (Carolrhoda Books) "Home Is Not a Country"       by Safia Elhillo (Make Me a World) "A Snake Falls to Earth"      by Darcie Little Badger (Levine Querido) "The Mirror Season"         by Anna-Marie McLemore                             (Feiwel and Friends) "From a Whisper to a Rallying Cry: The Killing of Vincent Chin and the Trial that Galvanized the Asian American Movement"                   by Paula Yoo (Norton Young Readers)  "Unspeakable: The Tulsa Race Massacre" は、100年前にオクラホマ州タルサで起 きた「タルサ人種虐殺事件」を描く歴史絵本だ。1921年、裕福な黒人コミュニティが、 暴徒化した白人によって破壊された事件があった。米国史上最悪の暴動と言われるが、 公式に事件調査が始まった1996年には、惨劇の生存者の多くが亡くなり証言ができな かったという。絵を担当したタルサ出身の Floyd Cooper(フロイド・クーパー)は、 惜しまれながら今年7月に世を去った。煙の向こうに建物を見せ、徐々に人々の顔に 近づいていく絵の技法は、映画のカメラワークのような臨場感がある。文を担当した Carole Boston Weatherford(キャロル・ボストン・ウェザーフォード)は、黒人の 歴史や文化を伝える作品を多く生み出している。本作は、2021年ボストングローブ・ ホーンブック賞ノンフィクション部門オナーに選ばれた。  "Home Is Not a Country" は、2018年にアフリカ版「フォーブス」誌で「世界を変 える30歳未満の30人」に選ばれた作家/詩人の Safia Elhillo による作品だ。14歳 の少女 Nima は、母親のおなかの中にいたときに、スーダンからアメリカへやってき た。9.11以降、ムスリムがより一層生きづらくなったこの国で、クラスメイトか らはテロリスト呼ばわりされ、たったひとりの親友はヘイトクライムにより重体に陥 る。そんななか、Nima は、祖国で幸せに暮らすもうひとりの自分、Yasmeen をつく りだすが、実際にはアラビア語もおぼつかず、その理想とは程遠いのだった。コンマ やピリオドのない流れるような文が、空白の多いページの上をたゆたい、住んでいる 国と祖国、現実と理想のはざまで揺れる Nima の心情を見事に表している。  "A Snake Falls to Earth" は、マジックリアリズムの手法を使った少し不思議な 物語だ。ふたりの主人公は、別々の世界にすんでいる――米国先住民部族のひとつリ パン・アパッチ族の少女 Nina は、この現実世界に。ヘビの少年 Oli は、人間の姿 に変身できる動物たちが暮らす〈鏡映し〉の世界に。Nina と Oli の世界が交わろう とするとき、ふたりの邂逅を邪魔する者が現れる。作者 Darcie Little Badger は、 自身もその一員であるリパン族の口承文学を思わせるスタイルでこの作品を書いた。 新進気鋭のファンタジー・SF作家として高い評価を受けており、前作で長編デビュ ー作の "Elatsoe" は、2021年ゴールデン・カイト賞フィクション Young Adult 部門 オナーに選ばれている。  "The Mirror Season" は、アンデルセンの童話『雪の女王』を下敷きにした謎めい た物語。家族が営む菓子店を手伝う Ciela には、特殊な能力があった。相手にぴっ たりのパン・デュルセ(メキシコ発祥の甘いパン)を見抜くことができるのだ。だが、 パーティーの夜にレイプされてから、世界は一変した。木々が夜のうちに消え、あと には鏡の破片が残される。その小さなかけらが Ciela の体に入ると、代々受け継が れた力が失われてしまった。そんななか、あの晩同時に襲われた少年 Lock と再会し た Ciela は、何も覚えていない彼を守ろうと決意する。そのためには、ふたりの身 に何が起きたのか、真実を彼に知られてはならない――。作者の Anna-Marie McLemore は、"When the Moon Was Ours" で2016年にも本賞ロングリストに選ばれて いる。  "From a Whisper to a Rallying Cry: The Killing of Vincent Chin and the Trial that Galvanized the Asian American Movement" は、アジア系アメリカ人の 公民権運動の契機となった事件を追うノンフィクションだ。1982年、日米貿易摩擦が 激化するなか、中国系アメリカ人の青年 Vincent Chin が日本人と間違えられて撲殺 された。加害者の白人に科された刑の軽さにアジア系の人々は憤慨し、全米を巻き込 む抗議運動へとつながった。誰からも愛される前途有望な若者は、なぜ命を落とさな ければならなかったのか。元ジャーナリストの作者 Paula Yoo は、さまざまな関係 者からの証言にもとづき、背景にある根強い人種差別を臨場感あふれる文章で暴き出 す。2021年ボストングローブ・ホーンブック賞ノンフィクション部門受賞作品。 《参考》 ▼Shing Yin Khor 公式ウェブサイト https://shingkhor.com/ ▼Malinda Lo 公式ウェブサイト https://www.malindalo.com/ ▼Kyle Lukoff 公式ウェブサイト http://www.kylelukoff.com/ ▼Kekla Magoon 公式ウェブサイト https://keklamagoon.com/ ▼Amber McBride 公式ウェブサイト https://amber-mcbride.com/ ▼Carole Boston Weatherford 公式ウェブサイト https://cbweatherford.com/ ▼Floyd Cooper 公式ウェブサイト https://www.floydcooper.com/ ▼Safia Elhillo 公式ウェブサイト https://safia-mafia.com/ ▼Darcie Little Badger 公式ウェブサイト https://darcielittlebadger.wordpress.com/ ▼Anna-Marie McLemore 公式ウェブサイト http://author.annamariemclemore.com/ ▼Paula Yoo 公式ウェブサイト https://paulayoo.com/                  (小原美穂/相良倫子/山本みき/綿谷志穂) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●特集●第4次原書読破マラソンから その2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  9月号に続き、今月も、やまねこ翻訳クラブで開催中の「第4次原書読破マラソン」 からお勧めの未訳作品をレビューでご紹介する。 【参考】 ▽本誌2021年9月号「特集:第4次原書読破マラソンから その1」 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2021/09.htm#tokushu **************************************************************************** "The End of the World Is Bigger Than Love" 『愛より大きな世界の終わり』(仮題) by Davina Bell ダヴィーナ・ベル作 Text Publishing, 2020, ISBN 978-1925923353 (EPUB) Text Publishing, 2021, 288pp. ISBN 978-1922268822 (PB) ★2021年オーストラリア児童図書賞 Older Readers 向け部門受賞作品 (このレビューは電子書籍版を参照して書かれています)  気候変動によりニューヨークなどの大都市が消滅した近未来。背中にあざができ、 皮膚が灰色に変わる致死率の高い感染症も大流行し、世界の終わりがすぐそこに迫っ ているかのようだ。主人公のサマーとウィンターは一卵性双生児の姉妹で、14歳。科 学者兼発明家である父の仕事の関係で、一家は世界各地を転々としてきた。2人が11 歳になったとき母が亡くなったことをきっかけに、父と姉妹は無人島に逃げてくる。 しかしその1年後には父が姿を消してしまう。2人は父の帰りを待ちながら、父が建 てた教会で寝起きし、無人島に持ちこんだ大量の缶詰やレトルト食品で食いつないで いる。他にやることがないため、亡き母が愛読していたという古典文学や児童書をひ たすら読む。そんなある日、正体不明のエドワードという人物が島にたどり着く。  おだやかな気候の島を舞台に、双子の姉妹であるサマーとウィンターが交互に語り 手として登場するYAディストピア小説だ。名前が示すとおりサマーはおしゃべりで 活発、ウィンターは口数が少なく内省的と性格は正反対である。世界にアポカリプス が迫る一方、姉妹は人々の狂騒から遠く離れた場所で、2人きりで過ごしている。そ のため恐怖や不安にとらわれることなく、一見どこにでもいるティーンエイジャーの ような会話を交わしているのが印象的だ。  だが、物語が進むにつれ、姉妹が信頼できない語り手であると感じられるようにな る。同じ出来事を描写していても、それぞれの目にはまったく違う光景が映っている ばかりか、母の死にまつわる記憶も異なる。長々と語ったあげく「実はわたしは嘘を ついてる。今の話だけじゃない、他に話したことも嘘」と告白することまである。  しかし、2人がどれほど嘘を重ねても、覆い隠すことのできない真実も存在する。 それは10代ならではの揺れ動く感情だ。特にお互いへの愛、未経験の恋に対するあこ がれ、大人になることへの不安などの描写が心に残る。  ダヴィーナ・ベルが今まで手がけてきた絵本や児童書とは、大きく趣が異なる作品。 多様に解釈できる結末が魅力的で、比喩の意味や姉妹の違いについて、読み終わった 人同士で意見交換をしたくなるような1冊だ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【作】Davina Bell(ダヴィーナ・ベル):オーストラリアの児童文学作家。多くの 絵本や児童書を執筆。本作はYA小説デビュー作。邦訳作品に『てつだってあげるね ママ!』(ジェーン・ゴドウィン&ダヴィーナ・ベル文/フレヤ・ブラックウッド絵 /小八重祥子訳/きじとら出版)がある。 【参考】 ▼ダヴィーナ・ベル公式ウェブサイト http://www.davinabell.com/                                 (山口真果) + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + "The Library Cat" (The Nine Lives of Furry Purry Beancat Book Three) 『9つの命をもつネコ ふわもこビーンキャットの冒険3:図書館ネコの巻』(仮題) by Philip Ardagh フィリップ・アーダー作 Simon & Schuster UK Ltd, 2021, ISBN 978-1471184086 (EPUB) Simon & Schuster UK Ltd, 2021, 192pp. ISBN 978-1471184079 (PB) (このレビューは電子書籍版を参照して書かれています)  ネコには9つの命があるといわれています。ふわもこビーンキャットは、まさに9 つの命をもつネコの女の子。9つの時代と場所に生きていて、うたた寝して起きると そのどれかひとつとして目が覚めます。前回その時代にいたときの記憶はなくなって いるので、まわりのようすをうかがい、動物や人間の会話から自分の立場や交友関係 を把握します。そして、そこにはいつも冒険が待っていました。あるときは海賊船の 船長のネコとして敵船との戦いで活躍し、あるときはヴィクトリア朝時代の駅長のネ コとして、あやしい人物のたくらみをあばきます。本書はそんなビーンキャットのシ リーズ第3弾。今回ビーンキャットが目覚める場所は、現代の図書館です。  ビーンキャットは図書館にすみついているクモの夫婦から話を聞いたり、おとずれ る人たちのようすを観察して、ここが地域の人たちに愛されている場所だと知ります。 ところが、市長は100年以上の歴史がある図書館を閉鎖し、新しい商業施設内にセル フサービス式の本の貸出コーナーを作ろうとしていました。司書や利用客だけでなく、 ビーンキャットも図書館存続のために奔走します。知恵をしぼって調べ物をするよう すや、個性豊かなクモの夫婦やネズミと協力するようすがいきいきと描かれ、読者も 一緒にハラハラドキドキ、行く末を見守ります。  本書では、図書館がただ本の貸し借りをする場ではなく、人が集まるコミュニティ そのものだということが自然に描かれています。読書スタイルの変化や多様性により、 足が遠のいている方も多いと思いますが、図書館がどういう場所か、原点を思い出さ せてくれる作品です。私自身、幼いときは図書館が遊び場でした。さまざまな本との 出会いだけでなく、その場所自体に思い出がたくさんあります。  自他ともに認める美人ネコで賢いビーンキャットは、作者フィリップ・アーダーが 飼っていたネコ、ビーニーがモデルだそうです。18歳近くまで生き、アーダーの仕事 部屋に唯一立ち入りを許可された存在だったとのこと。ちょっとしたしぐさやネコの 習性の描写に、ビーニーへの深い愛を感じます。ネコ好きの方もそうでない方も、図 書館への愛とともに楽しんでいただきたい一冊です。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【作】Philip Ardagh(フィリップ・アーダー):1961年生まれの英国の児童文学作 家。大英博物館で子ども向けの講座の講師をつとめた経験もあり、フィクションのみ ならずノンフィクションの作品も多い。著作は100冊以上にのぼるが、邦訳は『あわ れなエディの大災難』(こだまともこ訳/デイヴィッド・ロバーツ絵/あすなろ書房)、 『ヒエログリフを書こう!』(林啓恵訳/吉村作治監修/翔泳社)ほか数冊のみ。 【参考】 ▼フィリップ・アーダー公式タンブラー https://thephilipardaghblog.tumblr.com/ ▼フィリップ・アーダー公式 YouTube チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCJLuhQbh9earTHkHFyDz4EA ▼本シリーズについての作者コメント(My Book Corner ウェブサイト内) http://www.mybookcorner.co.uk/why-im-writing-the-nine-lives-of-furry-purry-beancat-by-philip-ardagh/                                 (山崎美紀) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●訳者が語る! 注目の本(邦訳絵本)●『もりにきたのは』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  本コーナーでは、やまねこ翻訳クラブ会員である訳者本人が、訳した作品の魅力や 翻訳にまつわるエピソードを語ります。  今回の執筆者は牟禮あゆみさん。第27回いたばし国際絵本翻訳大賞英語部門で、応 募総数780件の中から見事最優秀翻訳大賞に輝き、このたびその受賞作品が刊行とな りました。牟禮さん、おめでとうございます! 【参考】 ▼「いたばし国際絵本翻訳大賞」のページ(板橋区立図書館公式ウェブサイト内) https://www.city.itabashi.tokyo.jp/library/bologna/honyaku/index.html **************************************************************************** 『もりにきたのは』 サンドラ・ディークマン文・絵/牟禮あゆみ訳/三辺律子監修 山烋、春陽堂書店 定価1,900円(本体) 2021.09 25ページ ISBN 978-4394904052 "Leaf" by Sandra Dieckmann Flying Eye Books, 2017 ★2018年ケイト・グリーナウェイ賞ノミネート作品  ある日、奇妙な生き物が森にやってきました。大きくて白いこのよそ者は、毎日せ っせと葉っぱを集めています。そんな生き物に森の動物たちは「リーフ」というあだ 名をつけ、遠巻きに見ていました。すると、リーフはさらにおかしな行動を始めて… …。  自分と違った他者と出会ったとき、先入観から恐怖心を抱いてしまうことがありま す。でも、そんなとき大事なのは、勇気を出して一歩踏み出し、相手を知ろうとする こと。相手の立場から状況を見ようとすること。この絵本は、そんなメッセージを伝 えてくれる作品です。人との出会いが少なくなった今だからこそ、見過ごされがちな テーマについて考えるきっかけとして、多くの方に届いてほしいと思っています。  本作を訳す上で気をつけたのは、森の動物たちの視点に立って訳語を選ぶというこ とです。リーフの正体は、大人はもちろん子どもにだって一目瞭然。でも、リーフが 何者かわからない動物たちの気持ちを理解してもらえないと、大切なメッセージが伝 わらない。そう考えて、動物たちの警戒心や不安が伝わるよう、少し突き放したよう な言葉を使うなどの工夫をしました。  出版にあたっては、編集者さんとやりとりしつつ原稿全体を見直し、かなりの箇所 を改稿しています。短い物語を何度も読み返して新たな訳語をひねり出すことになり ましたが、おかげで美しい絵をすみずみまで堪能できました。作中で重要な役割を果 たす葉っぱは色とりどりで目を奪われますし、動物たちは本物らしさとデザイン性が 絶妙に融合したタッチで描かれています。さらにじっくり眺めていると、あれ? 各 見開きにいるカラスが少しずつ増えていっているような……という発見もあり、終始 楽しく訳すことができました。  本作には素晴らしい点がまだまだたくさんあります。ぜひ手に取っていただき、こ こには書ききれなかった魅力を探してみてください! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【文・絵】サンドラ・ディークマン(Sandra Dieckmann):1983年ドイツ生まれ。英 国ウエストミンスター大学でデザインとイラストレーションを学び、卒業後も同国で 活動している。2017年に本作で絵本作家デビュー。作品には自然や野生動物を題材に したものが多い。絵本製作以外にも読み物のカバーや挿絵を手がけたり、環境保全団 体の依頼を受けてイラストを製作したりと幅広く活動している。 【訳】牟禮あゆみ(むれ あゆみ):滋賀県生まれ。京都大学大学院生命科学研究科 博士後期課程在学中。第27回いたばし国際絵本翻訳大賞で最優秀翻訳大賞受賞(英語 部門)。やまねこ翻訳クラブ会員。                                (牟禮あゆみ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●mikiron の親ばか絵本日誌●第5回『まめまめくん』 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  本コーナーでは、わたくし mikiron が親ばかを承知のうえで、5歳になったばか りの息子「青(しょう)ちゃん」との日常を記しつつ、お気に入りの絵本をご紹介し ていきます。どうぞおつきあいくださいませ。  現在、幼稚園の年中さんの青ちゃん。夏休み明けから先月末まで登園自粛だったた め、家でのんびり過ごすことにすっかり慣れ、「(10月以降も)ずっとおうちでいい んじゃない」などと言いはじめて困っていました。とはいえ、やっぱり園でしか味わ えない楽しさもあるようで、初日にはもじもじしながらも登園し、苦手な給食もちゃ んと食べて、笑顔で帰ってきました。そんな青ちゃんの3年間の園生活は、気づけば あと残り半分。小学校にあがる日が少しずつ近づくなか、マイペースな彼がやってい けるのか、心配の種は尽きません。  そんな日々に、『まめまめくん』(デヴィッド・カリ文/セバスチャン・ムーラン 絵/ふしみみさを訳/あすなろ書房)という絵本を手にとりました。主人公まめまめ くんは、その名の通りとてもちっちゃな男の子。どれくらい小さいかというと、マッ チ箱のベッドで眠り、靴はお人形から借りるほど。小さくても元気いっぱいで、洗面 台のプールで泳ぎ、ミニカーを乗りまわし、天気のいい日は庭を探検します。ところ が、学校に行くようになり、まめまめくんは自分がものすごく小さいことに気づきま した。いすにすわるのも、運動をするのも、給食を食べるのも、何をするにも小さす ぎ、休み時間にもほかの子と遊べず、いつもひとりで絵を描いていました。「かわい そうに、このこは しょうらい どうするんだろう?」と先生に心配されていたまめ まめくんは、やがておとなになりました。はたして彼は、どんな職業についたのでし ょう?  まめまめくんが、学校で遊びの輪に加われずにいる場面では胸が痛みました。けれ ど、あくまで体の大きさが違うだけであって、みんなよりも劣っているわけでは決し てありません。まめまめくんは自分の好きなことをちゃんと見つけて、それを目いっ ぱい楽しみながら磨いていきます。この作品に描かれているのは、集団にとけこめな い寂しさではなく、ひとりひとりの個性が持つ大きな可能性なのです。小さめサイズ の絵本に収められたまめまめくんの絵を見て「うわ、ちっちゃい!」と無邪気に笑う 青ちゃん。まめまめくんのように、これからいろんなことがあるだろうけれど、わく わくすること、楽しいことを一緒に見つけていきたいと思います。 【参考】 ▽本誌バックナンバー「親ばか絵本日誌」コーナー 「mikiron の親ばか絵本日誌」(2021年4月号〜連載中) http://www.yamaneko.org/mgzn/corner/oyabaka.htm#mikiron 「Chicoco の親ばか絵本日誌」(2000年6月号〜2004年7月号掲載) http://www.yamaneko.org/mgzn/corner/oyabaka.htm#chicoco                                 (山本みき) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★2020年度アガサ賞児童書及びヤングアダルト部門受賞作品発表  海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を ご覧ください。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●イベント速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★展示会情報  長岡市栃尾美術館「リサとガスパールのおもいで展」  サンクリスタル高松  「菊池寛記念館 第30回文学展 石井桃子の101年−本は一生の友だち」 など ★講座・講演会情報  板橋区立中央図書館 読書の秋「絵本のまち板橋」講演会シリーズ  日本教育会館&オンライン  「子どもたちの未来へ 〜いのちをつなぐ・願いをつなぐ〜」 など ★イベント情報  旧日本銀行広島支店「戦争と平和を考える子どもの本展inひろしま2021」 など  新型コロナウイルス感染拡大の影響で、イベントは中止や延期になる場合がありま す。最新の開催情報は「児童書関連イベント情報掲示板」掲載の各参考ウェブサイト でご確認ください。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event                           (山本真奈美/冬木恵子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お菓子の旅●第76回 ひとくちで疲れが吹きとぶ 〜ハルヴァ〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ I knew very well what could be bought for six groschen―colored pencils, storybooks, halvah―but some pride ordered me not to hesitate.          "A Day of Pleasure: Stories of a Boy Growing Up in Warsaw"               by Isaac Bashevis Singer (1963, 1965, 1966, 1969)                              Square Fish (2012)          『よろこびの日 ワルシャワの少年時代』                I・B・シンガー作/工藤幸雄訳/岩波書店/1990 *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*  アイザック・バシェヴィス・シンガーは、ポーランド生まれのユダヤ人作家です。 1935年に31歳でアメリカに渡り、1978年、イディッシュ語※作家として初めてノーベ ル文学賞を受けました。〈おとなになる機会を持てなかったおおぜいの子どもたち〉 のために、子ども向けの作品も多く書いていて、母や伯母から聞かされた昔話や、昔 話ふうの創作を収録した『やぎと少年』『まぬけなワルシャワ旅行』(いずれも工藤 幸雄訳/岩波書店)はニューベリー賞オナーに選ばれています。  全米図書賞児童書部門を受賞した『よろこびの日 ワルシャワの少年時代』には、 ワルシャワで過ごした子ども時代の体験をもとにした19篇が収録されています。引用 はそのなかの「カバラの不思議」から。10歳のころ、親友メンデルとほら話を作りな がら町を歩いていたシンガーは、銅貨を2枚拾います。1枚をメンデルにやり、もう 1枚を道ばたで物ごいをしている男性に恵んでやることにしたものの、銅貨1枚あれ ば色鉛筆や本、ハルヴァが買える……とためらっているのが、引用部分です。  ハルヴァはイランで生まれたと推定される甘いお菓子で、紀元前5世紀にはすでに 存在していたようです。その作り方は、職人から職人へ、文字に頼らずに伝えられて きました。イスラム勢力が世界を席巻していくと、ハルヴァも南アジアから北アフリ カに至る地域や、バルカン半島、中央アジアにまで広まっていきます。スプーンで食 べるペースト状のものもあれば、乾いてカチカチに固いものもあり、材料も形態も地 域によってさまざま。砂糖たっぷり、油脂たっぷりなので、たとえ山で遭難しても、 ハルヴァがあればなんとかなりそうです。 ※ 東ヨーロッパ出身のユダヤ人の言語。ヘブライ文字を使うが、文法や語彙はドイ   イツ語に似ている。 *-* ハルヴァの作り方 *-* 材料(5cm×22cm×5cm のプラスチック製保存容器1個分)  タヒーナ※       300cc      好みのナッツ         60g  塩           小さじ1    グラニュー糖         270g  バニラエッセンス    小さじ1    水              100cc ※ ゴマのペースト。タヒニ、タヒーニとも呼ばれる。 1.ナッツは170度に予熱したオーブンで15分焼いておく。プラスチック製保存容器   の内側にラップを敷いておく。 2.大きめのボウルにタヒーナと塩、バニラエッセンスを入れ、泡立て器でしっかり   混ぜる。 3.鍋にグラニュー糖と水を入れ、かき混ぜながら弱火で加熱する。温度計をさして、   120度になったら火からおろして、素早く2に加え、泡立て器で混ぜ合わせる。 4.ナッツを加え、さっと混ぜたら、プラスチック製保存容器に移す。表面を平らに   したら、そのまま室温で冷ます。 ★参考図書・ウェブサイト 『旅行者の朝食』(米原万里著/文藝春秋) 『異国のおやつ』(岸田麻矢著/エクスナレッジ) 『旅するパティシエの世界のおやつ』(鈴木文著/ワニ・プラス、ワニブックス) How to Make Halva at Home https://www.chabad.org/recipes/recipe_cdo/aid/4451547/jewish/How-to-Make-Halva-at-Home.htm つくってみた。(「お菓子の旅」のお菓子を作ってみたレポート) http://tsukuttemita.jugem.jp お菓子の話題は喫茶室掲示板へどうぞ。 ★「やまねこ翻訳クラブ喫茶室掲示板」 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa                               (赤塚きょう子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ ください。 ※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。 ※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。 ※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。 ※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編 集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お知らせ●  本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。 こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/info/order.htm  本号の html 版を10月18日に公開予定です。以下の URL よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/mgzn/bncorner.htm#html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━            ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・  詳細は10日ごろ「やまねこ翻訳クラブ・喫茶室掲示板」に掲載します。お楽しみに!     http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽  やまねこ翻訳クラブ( yagisan@yamaneko.org )までお気軽にご相談ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ =- PR -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=      ★☆メールマガジン『海外ミステリ通信』 隔月15日発行☆★           http://honyakuwhod.blog.shinobi.jp/ 未訳書から邦訳新刊まで、あらゆる海外ミステリの情報を厳選して紹介。翻訳家や 編集者の方々へのインタビューもあります!    〈フーダニット翻訳倶楽部〉 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- PR -= ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=    ◇各掲示板の話題やクラブの動きなど、HOT な情報をご紹介しています◇ ★やまねこ翻訳クラブ Facebook ページ https://www.facebook.com/yamaneko1997/ ★やまねこ翻訳クラブ Twitter  やまねこアクチベーター       https://twitter.com/YActivator  やまねこ翻訳クラブ☆ゆる猫ツイート https://twitter.com/yamanekohonyaku  やまねこ翻訳クラブ*イベント情報  https://twitter.com/YamanekoEvent  巷で見かけたやまねこたち      https://twitter.com/ChimataYamaneko *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*= ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●編集後記●12月中旬まで開催中の原書読破マラソン。会期中盤を過ぎましたが、新 たに読まれた作品が続々と紹介され、引き続き盛り上がっています。そしていよいよ、 来月は第24回やまねこ賞の投票が行われます。結果は次号12月号でお伝えしますので、 どうぞお楽しみに!(ひ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発 行 やまねこ翻訳クラブ 編集人 平野麻紗/三好美香/森井理沙(やまねこ翻訳クラブ スタッフ) 企 画 赤塚きょう子 池田幸子 大作道子 尾被ほっぽ かまだゆうこ 蒲池由佳     くどうあきこ 小島明子 小原美穂 相良倫子 冬木恵子 牟禮あゆみ     山口真果 山崎美紀 山本真奈美 山本みき 綿谷志穂 協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内     からくっこ ながさわくにお ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・このメールマガジンは、「まぐまぐ」( http://www.mag2.com/ )を利用して配信 しています。購読のお申し込み、解除は下記のページからお手続きください。 http://www.mag2.com/m/0000013198.html ・バックナンバーは、http://www.yamaneko.org/mgzn/ でご覧いただけます。 ・ご意見・ご感想は mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆無断転載を禁じます。