◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 2006年9月号    =====☆                    ☆=====   =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====    =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====                                  No.82 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌◆ ◆http://www.yamaneko.org                         ◆ ◆編集部:mgzn@yamaneko.org     2006年9月15日発行 配信数 2390 無料◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●2006年9月号もくじ● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎新人応援!:第5回 相良倫子さん・陶浪亜希さん ◎新人応援!連動レビュー:「いたずら魔女のノシーとマーム」シリーズ全6巻                  ケイト・ソーンダズ作/相良倫子・陶浪亜希訳 ◎世界の本棚(イタリア語):"P come prima (media) - G come Giorgina (Pozzi)"                           アンジェラ・ナネッティ作 ◎賞速報 ◎イベント速報 ◎読者の広場:読者の方から届いたメールをご紹介します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●新人応援!●第5回 相良倫子さん・陶浪亜希さん ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  新人応援の第5回は、共訳本でデビューされたおふたり、相良倫子さんと陶浪亜希 さんです。今年7月にシリーズ「いたずら魔女のノシーとマーム」(ケイト・ソーン ダズ作/トニー・ロス絵/小峰書店)の最終巻、6巻めを出版されました。共訳する ことになったいきさつ、共訳のすすめかたや、おふたりの勉強方法などをうかがいま した。 【相良倫子(さがら みちこ)さん】 +――――――――――――――――――――――――――――――――――――+ | 1973年生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。幼少期をイギリスで、小学校か| |ら高校卒業までフィリピンで過ごす。大学卒業後は、大手英会話学校講師、国際| |機関勤務を経て、ワールド・カップの通訳を契機にフリーランスで通訳、翻訳の| |仕事を始める。HP:http://www.geocities.jp/sagaluck/          | +――――――――――――――――――――――――――――――――――――+ 【陶浪亜希(すなみ あき)さん】 +――――――――――――――――――――――――――――――――――――+ | 1969年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。幼少期をアメリカで、中学、高| |校をドイツで過ごす。大学卒業後は、翻訳会社にて自動翻訳ソフトの開発作業に| |携わる。その後、ビジネス翻訳を学び、フリーランスの翻訳家となり、現在はビ| |ジネス翻訳と文芸翻訳両方の仕事をしている。               | +――――――――――――――――――――――――――――――――――――+ Q★いたずら好きの魔女、ノシーとマームを主人公にしたシリーズでデビューされた おふたりですが、どのようなきっかけで児童書を共訳することになったのでしょう。 A☆相良:知人が小峰書店で絵本を出しているのですが、その方からリーディングの 仕事を紹介していただいたんです。もともと本を読むのが好きだったので、リーディ ングの仕事は自分にとてもあっていました。2年ほどしたころ、編集者の方から「そ ろそろ、本を翻訳してみませんか」と声をかけていただきました。 A☆陶浪:相良さんとは、職場で知り合い、友人づきあいがはじまりました。「いつ か子どもの本を訳したい」と話していたことを、相良さんが覚えていてくださり、わ たしのことも出版社の方に紹介してくださったんです。 Q★リーディングがきっかけだったのですね。シノプシスの書き方など、どこかで学 ばれたのですか。 A☆相良:いえ、まったくの独学です。編集者の方からサンプルをいただいて、それ にのっとって毎回仕上げていきました。長所と短所をきちんと書くことについては、 何度もアドバイスを受けました。 A☆陶浪:わたしもそれまでシノプシスの書き方を勉強したわけではないので、サン プルを参考に、あらすじは全体の3分の2、感想を3分の1と心がけて書きました。 この感想の部分を書くのが、毎回とても楽しいです。 Q★ところで、デビュー作の共訳はおふたりの希望だったのですか。 A☆相良:編集者の方からの提案でした。おそらく、新人の翻訳者ひとりにシリーズ をまかせるより、共訳という形の方が安心できるものだったのではないでしょうか。 わたしも陶浪さんと共訳できるのであればと二つ返事でお受けしました。 Q★なるほど。どのような形で翻訳作業をされたのでしょう。 A☆相良:まずは原作を読んで、本のトーンや登場人物の性格、口調などを話し合い ます。次に自分たちの締め切り日を決め、それまでに何章までを訳すということを決 めます。共訳といっても、章を分担するのではなく、ふたりとも全てを訳す形になり ます。そして、締め切り日までにお互いの訳をメールで交換。ミーティングする日を 決め、当日までに、お互いの訳を読み、いい部分をあらかじめマークしておきます。 ミーティング時に、いいと思った部分を中心に、訳文のすり合わせをしていくわけで す。何度もすり合わせを行い、ふたりの訳をひとつの訳文に仕上げました。 A☆陶浪:共訳のやり方は、いろいろあると思いますが、わたしたちは、かなりうま くいっている方だと思います。お互い、得意なところが違うので補完しあっているし、 いいと思うところ、直したい箇所が、大体ぴったり合っているからです。これは、き っとまれなことなのでしょうね。 Q★おふたりの息のあった作業によって、ノシーとマームが生き生きと訳されたので すね! 特にセリフはどれも工夫があり読みやすいです。苦労された点などはありま すか。 A☆陶浪:セリフの訳を考えるのは楽しいです。文芸翻訳の醍醐味ですよね。ノシー とマームは、「ボケ」と「ツッコミ」でキャラが立っているので、割合すんなりと、 日本語のセリフが出てきた気がします。ただ、原文の英語的なおもしろさを訳文に活 かすのは、すごく難しいところで、違和感がないよう、かなり意訳せざるをえない所 もありました。 A☆相良:数か月前、神戸万知先生の講座を受けたのですが、「いかに説明口調にな らずに、子どもにもわかるように訳すかが難しい」とおっしゃっていました。セリフ に限りませんが、自分も翻訳をしてみて、その難しさに苦労しました。 Q★おふたりは、文芸翻訳だけでなくビジネス翻訳もされていますね。両方されるこ とのメリットを感じますか。 A☆陶浪:ビジネス翻訳は、さまざまな分野の最先端の情報を知ることができるのが、 大きな魅力です。一方、文芸翻訳は、こちらの日本語力とセンスがものすごく試され るので、とてもやりがいがあります。わたしは、どちらかだけでなく、両方をやって いくことが、自分の中で、それぞれのモチベーションを高めているような気がします。 A☆相良:フリーランスになりたての時期は、好奇心も手伝って、児童書のリーディ ングに加え、映像翻訳、製薬会社の社内翻訳、ファッション誌の記事の翻訳など、い ただけるお仕事は、こなす余裕があれば受けてきました。映像翻訳の経験は、児童書 のセリフを訳すのにとても役だっています。これからは、勇気をもって分野を絞って いかないと、その道の上は目指せないのではという気持ちもあります。 Q★おふたりとも、児童書以外の分野から翻訳をはじめられたのですが、現在、意識 して勉強されていることはありますか。 A☆相良:ノシーとマームのシリーズを訳す機会に恵まれたことで、あらためて児童 書の豊かな世界に目を向けるようになりました。いまは、勉強、勉強の毎日ですね。 たくさん本を読むことはもちろんのこと、原作と訳書の比較、日本語の表現力をつけ るために、陶浪さんと一緒に童話創作のクラスも受講しています。それ以外にも、金 原瑞人先生のファンタジー講座、上橋菜穂子さんや清水真砂子さんの講演、メルヴィ ル「白鯨」の講座など、興味を持った講座には積極的に参加するようにしています。 A☆陶浪:自分が本に囲まれた幼少時代を過ごしたので、いまの子どもたちにも、本 をたくさん読んでほしいという思いをもっていました。子どもたちに紹介できる本を、 訳すことができるようになったいまは、もっと児童書のことを知りたいと思っていま す。相良さんと通っている童話創作クラスでは課題本について意見を出し合ったり、 生徒の創作童話を批評したりして、とても勉強になります。 Q★辞書はどのようなものを揃えていますか。 A☆相良:リーダーズ、ランダムハウス、広辞苑など基本的なものは、Jamming(多 機能電子辞書ブラウザ)にいれて使っています。それ以外では、『究極版 逆引き頭 引き日本語辞典』(講談社+α文庫)、『からだことば辞典』(東京堂出版)、『感 情表現辞典』(東京堂出版)、『現代擬音語擬態語用法辞典』(東京堂出版)、『例 解慣用句辞典』(創拓社)です。 A☆陶浪:わたしも Jamming を使っています。一度に複数の辞書がひけるのでとて も便利です。相良さんがあげたもののほかに、英和辞典の訳がしっくりこないときは "Oxford Advanced Learner's Dictionary" も欠かせません。『知って役立つキリス ト教大研究』(八木谷涼子著/新潮OH!文庫)は、英米文学において、日常的にキ リスト教用語が出てくるので便利なリファレンス本です。 Q★今後のお仕事の予定、抱負などお聞かせください。 A☆相良:来年に初の単独翻訳本が出版される予定で、内容は人魚の可愛らしいお話 です。ほかに、現在、陶浪さんと共訳で決まっているシリーズが2つあります。1つ は、バイキングの少年とできそこないのドラゴンの話。これは、つい先日1巻を訳し 終えました。いまのところ、3巻まであり、来年秋以降、順次出版される予定です。 もう1つは、一生懸命悪い子になろうとする子ども狼の話。ドラゴンシリーズと共に 来年秋以降、順次出版を予定しています。 A☆陶浪:わたしも2匹の犬の話を単独で訳す予定があります。犬は大好きなので訳 すのを楽しみにしているところです。あと、いつか相良さんとイギリスに出かけて、 本の発掘旅行をしたいねと話をしています。ノシーとマームの原作者もイギリス在住 なので、お会いしてみたいんです。自分の気に入った本を出版社に持ち込むこともぜ ひやってみたいですね。そして、いつの日か、自分でも作品を書いてみたい。それま では、本や映画や旅行などを通じて、良質な体験をたくさん積み重ねたいと思ってい ます。  魔女の物語は類書が多いなか、おふたりの訳されたノシーとマームのシリーズは魔 女の性格やセリフが楽しく、一度読むと忘れられない個性のある作品です(本誌今月 号「連動レビュー」参照)。勉強することを常に怠らず、謙虚な姿勢をもっているの がお話からよく伝わってくるおふたり。現在、やまねこ翻訳クラブの会員でもあり、 ファンタジー作品をたくさん読む企画の読書マラソンにも積極的に参加されています。                           (取材・構成:林さかな) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●新人応援!連動レビュー●島を追放になったいたずら好きの魔女たちは!? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「いたずら魔女のノシーとマーム」シリーズ全6巻 『秘密の呪文』2005.09 173ページ 『謎の猫、メンダックス』2005.09 191ページ 『呪われた花嫁』2006.02 157ページ 『魔法のパワーハット』2006.04 165ページ 『恐怖のタイムマシン旅行』2006.06 131ページ 『最後の宇宙決戦』2006.07 130ページ ケイト・ソーンダズ作 相良倫子・陶浪亜希共訳 小峰書店 定価各840円(税込) ISBN 4338214015, 4338214023, 4338214031, 433821404X, 4338214058, 4338214066 "The Belfry Witches: A Spell of Witches" "The Belfry Witches: Mendax the Mystery Cat" "The Belfry Witches: Red Stocking Rescue" "The Belfry Witches: Power Hat Panic" "The Belfry Witches: Witch You Were Here" "The Belfry Witches: Broomsticks in Space" by Kate Saunders Macmillan Children's Books, 1999, 2000 「ひどいよ! こんなひどい話きいたことがないよ!」  オールド・ノシーは怒っていた。スカーティ・マームも同じく腹を立てていた。魔 女の女王ミセス・アバークロンビーが、赤タイツ組の魔女を生意気だと決めつけ、罰 として、魔女島で1年に1度のゆかいな祭り、ハロウィーン・パーティに、ノシーと マームら、赤タイツ組の魔女たちを全員参加禁止にしてしまったのだ。どうしても腹 の虫がおさまらないノシーとマームは、タイツの色を変え、こっそりとパーティの会 場にしのびこんだ。そこでおとなしくしておけばよかったのだが、「よっぱらい薬」 を飲んだ2人は、舞台にあがってアバークロンビーに失礼な歌を披露してしまった。 怒り狂った女王は、魔女島追放の刑を言い渡した。嵐の中、ほうきにのったノシーと マームは、渋々人間の世界へと飛び立った。ようやくたどり着いたトランタースエン ドの町で、おとなしく暮らさなくてはいけないのに、ついつい使ってしまう魔法が引 き起こす騒動は!?  背が低く、太ったノシーは、顔が蛍光緑色。頭がツルツルで寒いため、いつも青い かつらをかぶっている。背が高くて、やせっぽち、顔は灰色でしわくちゃのマームは、 むらさき色のぼさぼさ髪。外見はかわいいとはほど遠いのに、やることなすことまだ まだ幼くて、憎めない。150歳の2人は、魔女でいうとまだまだ子ども。おちゃめで いたずら大好きなのも、生意気そうでいて案外素直なのもうなずける。そんな2人組 の主人公にあっという間に惹きつけられた。一見弱々しい牧師見習いの友だちババー コーンや、うそつき猫のメンダックス、極悪を絵に描いたような魔女の女王アバーク ロンビーなど、個性的な登場人物たちが物語にさまざまな色を添え、シリーズはゆか いなものとなっている。凝ったストーリー展開はないが、各巻ごとに物語は盛り上が り、どんどんページをめくりたくなった。テンポのよい会話とユーモアにあふれた文 章で、ノシーとマームの活躍が描かれるこのシリーズは、6巻で大団円を迎える。魔 女たちが引き起こすドタバタ騒ぎを、子どもは純粋に楽しんでくれるに違いない。は ちゃめちゃな魔女をあたたかな目でみてくれる町の人たちにほっとしながら、大人も ついつい笑顔が出てしまうことだろう。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【作】ケイト・ソーンダズ(Kate Saunders):女優業の後、ジャーナリスト兼作家 として活動。イギリスBBC放送で人気を博したドラマをベースに、本シリーズを子 ども向けに出版した。児童書には他に "Cat and the Stinkwater War"、新刊 "The Little Secret" などがある。ロンドン在住。 【訳】相良倫子(さがら みちこ)・陶浪亜希(すなみ あき):本誌今月号「新人 応援!」参照。 【参考】 ▼ケイト・ソーンダズ紹介ページ(Fantastic fiction 内) http://www.fantasticfiction.co.uk/s/kate-saunders/                               (美馬しょうこ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●世界の本棚(イタリア語)●格闘の日々のあとにくるものは? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『1は中学1年生の1 Gはジョルジーナ・ポッツィ先生のG』(仮題)                           アンジェラ・ナネッティ作 "P come prima (media) - G come Giorgina (Pozzi)" by Angela Nanetti Edizioni EL, 2004 ISBN 8879264710(Italy) ※1994年に "Rosaroserose" として、2000年に "La banda dei chiodi" として出版 された作品の改版 110pp.  1950年代半ばの秋。ベアトリーチェは親友クリスティーナと自転車に2人乗りして、 どきどきしながら中学校へ向かった。今日から中学生になるのだ。1年生の教室では、 男子は農家の子とそれ以外の子の2つのグループに分かれて座っていた。授業中、弁 護士の息子ウベルトに「牛くさい」と言われたアントーニオが、仕返しに変な顔をし てからかい、それに怒ったウベルトはアントーニオめがけてインク瓶を投げる。しか し、インクを浴びたのはベアトリーチェとクリスティーナ。ウベルトとアントーニオ はその後も何かとけんかを始め、授業にならないので、ジョルジーナ・ポッツィ先生 が1年生を受け持つことになった。  ポッツィ先生はまだ若いが、しゃれっ気も愛想もない。授業はひたすら厳しく、毎 日ラテン語のテストを行う。ただでさえ難しい上に、ひとりずつ口頭で行われるため、 優等生のウベルト以外はまともな点が取れない。ベアトリーチェやアントーニオたち は「打倒! ポッツィ先生」を目標に、対策を練った。試験の最中、先生に見えない ように手話で答えを教えたり、先生の自転車がパンクして学校に来られなくなること を願って、通り道にくぎをまいたり……。一方、ウベルトとアントーニオは相変わら ず対立していたが、あるできごとをきっかけに、けんかをやめた。そして、春になり、 無愛想だったポッツィ先生の顔に、なぜか微笑みが浮かぶようになったころ、ベアト リーチェたちにも変化が訪れる。  半世紀前のイタリアの中学1年生(年齢的には日本の小学5年生)の日常生活が、 ユーモアを交えながら描かれる。犬猿の仲の2人の間に友情が生まれたり、主人公ベ アトリーチェがあこがれる3年生は学級代表だったり……という展開は、古きよき時 代の少女漫画のようで、懐かしさを感じる。ラテン語のテストを阻止するために、ば かばかしい対策をみんなで真剣に試みるさまは、滑稽ながらもほほえましい。最初に 出版されてから10年以上を経て、その間、2度タイトルを変えながら読まれ続けてい るところをみると、現代のイタリアの子どもたちも、ベアトリーチェたちに共感して いるのかもしれない。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【作】Angela Nanetti(アンジェラ・ナネッティ):1942年、イタリア、ボローニャ 近郊のブドリオ村に生まれる。ボローニャ大学で中世史を学んだのち、南イタリアの ペスカーラで中学と高校の教壇に立つ傍ら、執筆活動を開始。2003年にイタリア・ア ンデルセン賞最優秀作家賞を受賞。邦訳作品に『おじいちゃんの桜の木』(長野徹訳 /小峰書店)がある。現在は執筆活動に専念。ペスカーラ在住。 【参考】 ▼アンジェラ・ナネッティの公式ウェブサイト(イタリア語・英語) http://www.angelananetti.it/ ▼イタリア・アンデルセン賞公式ウェブサイト(イタリア語) http://www.andersen.it/premio.php                               (赤塚きょう子) 【イタリア・アンデルセン賞について】  1982年に創設され、イタリアの児童文学賞の中で、もっとも権威があるとされる賞。 すぐれた子どもの本や、作者・画家・編集者などに与えられる。審査員は、児童文学 専門誌「アンデルセン」編集部と、ミラノの児童書専門店リブレリア・デイ・ラガッ ツィのスタッフ。前年にイタリアで出版された児童書が対象となる。翻訳作品も可。 0歳〜6歳対象、6歳〜9歳対象、9歳〜12歳対象、12歳以上対象にした各部門のほ か、最優秀作家賞、最優秀画家賞などさまざまな賞がある。全部門の受賞作の中から、 年間最優秀賞が選ばれる。  2006年の受賞作品は5月に発表され、年間最優秀図書にはフランス語からの翻訳で ある Thierry Lenain の "Bisognera"(原題:"Il faudra")が選ばれた。  過去の受賞作品には、2004年の9歳〜12歳対象部門に選ばれた "L'ultimo elfo" (『ひとりぼっちのエルフ』シルヴァーナ・デ・マーリ作/荒瀬ゆみこ訳/早川書房)、 2003年の12歳以上対象部門に選ばれた "Corri ragazzo, corri"(『走れ、走って逃 げろ』ウーリー・オルレブ作/母袋夏生訳/岩波書店)などがある。 【特殊文字】  「Bisognera」:「a」の上にアクセント記号(`)がつく。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★2006年オーストラリア児童図書賞発表 ★2006年ミソピーイク賞発表 ★2006年ブックトラスト・ティーンエイジ賞候補作発表 ★2006年エルサ・ベスコフ賞&ニルス・ホルゲッソン賞発表 ★2006年ガーディアン賞ショートリスト発表  海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を ご覧ください。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●イベント速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★展示会情報  安曇野ちひろ美術館「韓国の絵本展」  平塚市美術館「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」など ★セミナー・講演会情報  子どもの本のみせ ナルニア国「金原瑞人氏講演会」  出版文化産業振興財団「ヤングアダルト文学講座」など  詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、 空席状況については各自ご確認願います。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event                            (笹山裕子/井原美穂) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  このコーナーでは、海外児童書にまつわるお話、ご質問、ご意見等を募集していま す。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。 ※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。 ※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。 ※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。 ※回答も読者のみなさまから募集し、こちらに掲載させていただきます。原則的に編 集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お知らせ●  本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。 こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/info/order.htm  本号の html 版を9月19日に公開予定です。以下の URL よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/mgzn/bncorner.htm#html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽    やまねこ翻訳クラブ(info@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。 PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆☆ FOSSIL 〜 Made in USA のカジュアルウオッチ ☆☆ 「FOSSILは化石って意味でしょ?レトロ調の時計なの?」。いえいえ、これは創業者 の父親がFOSSIL(石頭、がんこ者)というあだ名だったことから誕生したブランド名。 オーソドックスからユニークまで様々なテイストの時計がいずれもお手頃価格で揃い ます。レトロといえば、時計のパッケージにブリキの缶をお付けすることでしょうか。 数十種類の絵柄からお好きなものをその場で選んでいただけます。選ぶ楽しさも2倍 のフォッシルです。 TEL 03-5428-3701 http://www.fossil.com/      (株)フォッシルジャパン:やまねこ賞協賛会社 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。           吉田真澄の児童書紹介メールマガジン              「子どもの本だより」      http://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/info/index.htm  。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆       出版翻訳ネットワーク・メープルストリート       ☆★         http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm 新刊情報・イベント情報などを掲載いたします。詳細はmaple2003@litrans.netまで。        出版翻訳ネットワークは出版翻訳のポータルサイトです ★☆★☆★☆★☆★☆★☆ http://www.litrans.net/ ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ =- PR -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=      ★☆メールマガジン『海外ミステリ通信』 隔月15日発行☆★                http://www.litrans.net/whodunit/mag/           未訳書から邦訳新刊まで、あらゆる海外ミステリの情報を厳選して紹介。翻訳家や 編集者の方々へのインタビューもあります!    〈フーダニット翻訳倶楽部〉 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- PR -= ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *=*=*=*=*=*= やまねこ翻訳クラブ発行メールマガジン&ウェブジン =*=*=*=*=*=* ★やまねこアクチベーター(毎月20日発行/無料)   やまねこ翻訳クラブのHOTな話題をご提供します!                  http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm   ※配信スタンドが変更になりました。まぐまぐへの登録がお済みでない方は、    大変お手数ですが、上記 URL より手続きをお願いいたします。 ★英文ウェブジン "Japanese Children's Books (Quarterly)"   英語圏に日本の児童文学情報を発信! 自由閲覧です!                  http://www.yamaneko.org/mgzn/eng/index.htm *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆次号予告は毎月10日頃、やまねこ翻訳クラブHPメニューページに掲載します。◆         http://www.yamaneko.org/info/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●編集後記●今月号をもちまして、編集長を交代します。約2年間、応援してくださ った読者のみなさまに感謝いたします。ありがとうございました。ここで学んだこと をいかせるよう、これからもがんばります。今後とも「月刊児童文学翻訳」のご愛読 をよろしくお願いします。最後に、支えてくれたスタッフにも感謝します!(た) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発行人 井原美穂(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編集人 竹内みどり/大原慈省/横山和江(やまねこ翻訳クラブ スタッフ) 企 画 赤塚きょう子 赤間美和子 井原美穂 鎌田裕子 笹山裕子 林さかな     冬木恵子 美馬しょうこ 村上利佳 協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内     あんこ Chicoco ながさわくにお ベス ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・このメールマガジンは、「まぐまぐ」( http://www.mag2.com/ )を利用して配信 しています。購読のお申し込み、解除もこちらからどうぞ。 ・バックナンバーは、http://www.yamaneko.org/mgzn/ でご覧いただけます。 ・ご意見・ご感想は mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆無断転載を禁じます。