●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2012年12月20日)                           No.234 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●「第15回やまねこ賞」発表! ●掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------ 「第15回やまねこ賞」発表! ------------------------------------------------------------------------  毎年恒例の「やまねこ賞」の投票結果が、12月15日発行のメールマガジン「月 刊児童文学翻訳」12月号誌上で発表された。読み物部門の大賞に輝いたのは『怪 物はささやく』(パトリック・ネス作 シヴォーン・ダウド原案/ジム・ケイ絵 /池田真紀子訳/あすなろ書房)。今年、カーネギー賞とケイト・グリーナウェ イ賞をダブル受賞した話題作が、多くの会員の心をわしづかみにし、圧倒的な票 数を得ての受賞となった。絵本部門の大賞に選ばれたのは、『トラのじゅうたん になりたかったトラ』(ジェラルド・ローズ文・絵/ふしみみさを訳/岩波書店)。 そのほか、各部門受賞作品の詳細は「月刊児童文学翻訳」12月号、または、やま ねこ翻訳クラブ資料室「やまねこ賞受賞作品リスト」でご覧いただきたい。 ▽「月刊児童文学翻訳」12月号 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2012/12.htm ▽「やまねこ賞受賞作品リスト」(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/index.htm ▽やまねこ賞投票所(現在閲覧のみ可能) http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm                                 (tommy) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #3625〜 『心のナイフ』読みました(続き) #3629〜 コスタ賞児童書部門ショートリスト発表! #3635〜 チェント賞候補作発表! #3639〜 フィンランディア・ジュニア賞発表! #3642〜 アウグスト賞発表! #3647〜 「読書探偵」応援記事掲載のお知らせ(続き) #3648〜 やまねこ賞発表!  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊絵本】 #3626〜『ニニのゆめのたび』(アニタ・ローベル文・絵/まつかわまゆみ訳/ 評論社):うちの人はみんなでどこかに行くらしい。わたしはおいてきぼり?  猫のニニは不安に思ったけれど、あの大きな黒かばんは──。ニニの仕草と表情 がリアルでかわいい、猫好きにお勧めの1冊。 #3627〜『いぬのおしりのだいじけん』(ピーター・ベントリー文/松岡芽衣絵 /灰島かり訳/ほるぷ出版):犬があの行動をとるのは、なぜ? その理由を楽 しく語った絵本。そもそものはじまりは、世界中の犬が集まったワンワンまつり。 パーティー会場では、おしりをぬがなくてはいけなくて!? 犬好き必見。 #3637〜『こねこのハリー』『ハリー びょういんにいく』『まっててね ハリ ー』『ハリーのクリスマス』(メアリー・チャルマーズ文・絵/おびかゆうこ訳 /福音館書店):わんぱく坊主そのものの、こねこのハリーの日常を描いた、優 しさあふれる素朴なシリーズ。各巻それぞれに水色、オレンジ、紫、赤のいずれ か1色が使われるというシンプルな色合いと、手のひらサイズがかわいい。 #3638〜『てくとこ ずんずん』(マーガレット・ワイズ・ブラウン詩/レミー・ シャーリップ絵/木坂涼訳/集英社):案内人の「まっくろくろの ふわふわ  よんほんあし」と一緒に、軽快なリズムの詩にのって、どんどん歩いていく。絵 本をまわしながら読み進めるという面白い構成の、奇妙な味わいの絵本。英語の 原詩付き。 【邦訳絵本】 #3630〜『アトリエのきつね』(ロランス・ブルギニョン文/ギ・セルヴェ絵/ 中井珠子訳/BL出版):偶然出会った画家ときつね。画家はえさをやり、きつ ねは子育てをはじめる。写実的な美しい絵と淡々とした語り口で、人間ときつね の不思議な交流と、野生の厳しさを描く。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                                (モリー) ★喫茶室掲示板★ 〈お菓子の話題もこちらでどうぞ〉 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #805〜 映画『ホビット 思いがけない冒険』 #809〜 「月刊児童文学翻訳」12月号 html 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=hiroba ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                 (muzu) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ <岩崎書店> http://www.yamaneko.org/maplestreet/p/iwasaki/index.htm 『おたんじょうび、おことわり?』(ボニー・ベッカーぶん/ケイディ・マクド ナルド・デントンえ/横山和江やく):こだわりのあるクマと、くりっとした目 のネズミのお話第3弾。今回は、おたんじょうびを祝ってもらいたくないという、 がんこさを発揮するクマくん。でも、ネズミくんはいつものねばりづよさで、ア タックしていく。おなじみの奮闘ぶりに、ページをめくりながら顔がほころんで しまうこと請けあいだ。この絵本は、じつは今のホリデーシーズンにぴったり。 なぜなのかは、手にとって確認してほしい。 <光村教育図書> http://www.yamaneko.org/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『シャオユイのさんぽ』(チェン・ジーユエン作/中由美子訳):午後に、父親 のおつかいもかねて、散歩にでたシャオユイ。塀をあるくネコの影をおいかけた り、青いビー玉ごしに風景をみたりと、地面に近い子どもの目線で、散歩の時間 がのんびりゆっくり描かれる。とちゅうで、あるアイテムを手に入れたシャオユ イは、ある人になりきるごっこ遊びをはじめて……。すっかり近代化した台湾だ が、一歩裏道にはいると、昔風情がのこっているという。そんな懐かしさと人情 に満ちた1冊だ。 『みて、ほんだよ!』(リビー・グリーソン文/フレヤ・ブラックウッド絵/谷 川俊太郎訳):男の子と女の子が、赤い本をみつけた。表紙をひらくと、そこか ら不思議な世界があふれてくる。いや、ふたりが不思議な世界にはいっていった のだろうか? 疑問はページが進むにつれてますます深まり、読者の思考は混乱 をきわめ、夢とうつつが入りまじる。鮮やかな赤い表紙と対照的に、中のページ には、茶を基調としたざらつき感のある情景がひろがる。それが殺伐とならない のは、表紙を受け継ぐ本の赤色が効いているからだろう。 『ねむるまえに クマは』(フィリップ・C・ステッド文/エリン・E・ステッ ド絵/青山南訳):冬眠にはいるまえ、クマにはみんなにきいてほしいことがあ った。でも、ネズミも、カモも、カエルも、冬越えの準備におおいそがし。クマ はあきらめて長いねむりにはいった。春になり、おきだしてきたクマは、やっと 話ができると、友だちをあつめにかかった。さて、クマがきいてほしかった話と は? 大きな体にやさしい心をもつクマと、小さい体でせいいっぱい生きている 小さな生き物たち。そんな登場人(?)物にそそがれた、イラストレーターの愛 がつたわってくる。派手さはないけれど、見る者の心をとらえて離さない絵だ。 オチのほのぼの感も、なんともいえずいい雰囲気をかもしだしている。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行 やまねこ翻訳クラブ 編集 asayaka/たろたろ/tommy/NON/muzu/モリー/ラッテ 協力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)    SUGO/ちゃぴ  読書室やメープルでは、魅力的な本の紹介がもりだくさん。まもなくやってく る冬休みに、どれから読もうか、わくわくしながら迷っているところです。  それでは、みなさま、少し早いですが、楽しいクリスマスとよいお年を! 来 年もやまねこ翻訳クラブをよろしくお願いいたします。(t) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●