●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2010年9月17日)                           No.209 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●3人寄れば、やまねこたちの勉強会! ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 3人寄れば、やまねこたちの勉強会! ------------------------------------------------------------------------  やまねこ翻訳クラブの重要な活動のひとつに勉強会がある。これまでに行われ てきたのは、シノプシス勉強会やレビュー勉強会、コンテストの事後勉強会など 翻訳学習者にとってどれもお役立ちのものばかり。志を同じくする仲間たちと交 流し、切磋琢磨しながら学ぶことができる貴重な場となっているのだ。  やまねこたちの間にしっかり根付いている勉強会ではあるが、これらの勉強会 が基本的にやりたい人たちによる自主企画、自主運営だということはご存知だろ うか。もしかしたら、クラブ内の専任スタッフが勉強会の企画、提供、運営まで を行っていると思い込んでいる方もおられるのではないだろうか。かくいうわた しも、入会したてのころはそう考えていた。だから、希望する勉強会がしばらく ないのを不満にまで感じていたほど。でも、これがかなりの認識違い! では、 やまねこの勉強会はどうやって企画されているのだろう?  まずは勉強会をやりたい人が、「こんな勉強会、やってみない?」と広場掲示 板などで声をかける。自分を含めて希望者が3人集まれば、それだけでめでたく 開催決定。あとは自分たちで開催方法や課題などを決め、参加希望者の中から会 を仕切る「進行役」を選ぶ。講師はもちろんいない。ここでは人に教えてもらう のではなく、参加者同士が互いに学び合うのが基本だからだ。これこそ、自主勉 強会たるゆえんである。  このように意欲のある人が3人寄れば、いつでも勉強会は始められる。希望の 勉強会がないと嘆いているあなた、思い切って声をかけてみてはいかがだろうか。 詳細は下記のページを参照のこと(勉強会は会員限定)。 ▽学習室 http://www.yamaneko.org/gakushu/index.htm                                 (muzu) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #2819〜 「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞候補作を読もう会」終了 #2822〜 『ぼくのブック・ウーマン』読みました(続き) #2826〜 LIANZA各賞発表! #2828〜 『イソップものがたり ライオンとねずみ』読みました(続き) #2830〜 オーストラリア児童図書賞発表! #2844〜 エルサ・ベスコフ賞発表! #2846〜 ブックトラスト・ティンーエイジ賞ショートリスト発表! #2847〜 Booktrust Early Years Awards 受賞作発表! #2849〜 ニルス・ホルゲション賞発表!  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊読み物】 #2810〜『ハンター』(ジョイ・カウリー作/大作道子訳/偕成社):1805年、 見えないものを見る力をもつマオリ族の奴隷少年ハンターは、狩りのとちゅうに 恐怖におののく少女の姿を垣間見る。2005年、13歳の少女ジョーダンを乗せた飛 行機が墜落した。ハンターとジョーダンは時を越えた不思議な交流をし、それぞ れの苦境に挑む。2006年NZポスト児童図書賞児童読み物部門受賞作。 #2823〜『ピーティ』(ベン・マイケルセン作/千葉茂樹訳/鈴木出版):1920 年、アメリカのモンタナ州で生まれたピーティは重い障害を持っていた。50歳を 過ぎるまで精神病患者収容施設で過ごし、その後を介護ホームで暮らしたピーテ ィ。知的障害のために話すことも考えることもできないと思われていたが、実際 はそうではなかった。さわやかな読後感を残す出会いと別れの物語。 #2825〜『八月の暑さのなかで ホラー短編集』(金原瑞人編訳/岩波少年文庫): ホラー初心者にもおすすめのぞくっとするストーリーが13編。 【新刊絵本】 #2809〜『月の花』(アイナール・トゥルコウスキィ文・絵/鈴木仁子訳/河出 書房新社):むかし、ある島の石の屋敷に男がひとり住んでいた。男は、ある日 土の中から出てきた芽を熱心に育てはじめるが……。『まっくら、奇妙にしずか』 で2007年度ブラティスラヴァ世界絵本原画展賞グランプリを受賞したトゥルコウ スキィの新作。 #2831〜『あいつは トラだ! ベリゼールのはなし』(ガエタン・ドレムス文・ 絵/のざかえつこ訳/講談社):ベリゼールはおいしいパンを焼くパン屋さん。 夜はいろんな格好で舞台に立ち、町のみんなにおもしろい話を聞かせる。だが、 ベリゼールがはだかで舞台に立った夜から人々の態度は一変した。そう、彼はト ラなのだ。しかし、大人たちの態度に怒った子どもたちがある行動に出て……。 #2832〜『ラプーたんていのじけんぼ 2 グリーンピースはおおあわて』(ベ ネディクト・ゲチエ文・絵/野崎歓訳/クレヨンハウス):ウサギのラプーたん ていに助けを求めてやってきたのはひと粒のグリーンピース。柔らかくて新鮮な グリーンピース一家をハトが狙っているのだという。さて、ラプーたんていは事 件を解決できるのか? 【読み物(原書)】 #2813〜 "The Graveyard Book"(by Neil Gaiman, Bloomsbury):殺し屋に家族 を皆殺しにされた晩、主人公の男の子は墓場へ迷いこみ、幽霊の夫婦と墓場で暮 らすことになる。ボドと名づけられた男の子は墓地の外へ出てはいけないと言わ れて育つが、成長につれ、外の世界への憧れが強くなっていった。『ジャングル・ ブック』に着想を得た物語。はたしてボドの運命は? 2009年ニューベリー賞、 2010年カーネギー賞受賞作。 【未訳読み物】 #2814〜 "Chains"(by Laurie Halse Anderson, Atheneum Books for Young Readers):1776年、独立戦争中のアメリカ。幼い妹とともに売られてきた黒人 奴隷の少女イザベルは、スパイとして王党派の主人と敵対する革命派に情報を流 す決意をする。2009年スコット・オデール賞受賞。2008年全米図書賞児童書部門 ファイナリスト、2010年カーネギー賞ショートリスト作品。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #652〜 入会前にご相談 #654〜 中村悦子さん、原画展 #655〜 おひさしぶりです ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=hiroba #4727〜 ジャクリーン・ウィルソンさん来日情報と事前登録開始(続き) #4728〜 CLCDニュースレター2010年6月号・7月号 #4730〜 ★重要★会員登録更新について #4731〜 新会長・副会長の紹介→(挨拶) #4737〜 オフ会のお誘い(東京)→ありがとうございました #4742〜 金原瑞人さん講演会(大阪) #4753〜 「ラング世界童話集」テレビ紹介→(終了) #4758〜 JTA公認翻訳専門職資格試験 #4760〜 サイン本プレゼント・応募期間延長のお知らせ→締め切りました #4763〜 ★発言の際のご注意★ #4769〜 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展 (西宮開催中、中部予定)) #4770〜 『通訳・翻訳ジャーナル』誌上翻訳コンテスト(YA編)のお知らせ #4778〜 第16回いたばし翻訳大賞の訳本が出ました #4783〜 ランチオフのお誘い(東京)→ありがとうございました ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                               (たろたろ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『エイモスさんが かぜを ひくと』(フィリップ・C・ステッド文/エリン・E・ ステッド絵/青山南訳):動物園職員のエイモスさんには、とくにひいきの動物 が5匹いる。ゾウ、カメ、ペンギン、サイ、ミミズクのところでは、いつも特別 な時間をすごすのだ。ところがある日、風邪をひき、仕事を休まなくてはいけな くなった……。木版画と繊細な線画をもちいた、落ち着いた色調の絵に、表紙か ら心を奪われる。ページを繰ると、これまた、落ち着いた心にしみいる物語が繰 りひろげられる。全体的に静を感じるのには、シンメトリーな物語構成も一役か っているのだろう。しっかりとした計算にもとづき、じっくりと描かれた極上の 絵本。 『マグナス・マクシマス、なんでもはかります』(キャスリーン・T・ペリー文 /S・D・シンドラー絵/福本友美子訳):眼鏡に髭がお似合いの、マグナス・ マクシマスさんは、はかることがだいすき。それこそなんでもはかります(この タイトルのセンス!)。物の大きさ、重さはもちろん、痒さや臭さなんてものま でね。かぞえるのもだいすきで、いつも頭の中は数字だらけ。すばらしきかな、 数字だらけの人生よ! ところがある日、眼鏡をおとして割ってしまい……。丁 寧に描きこまれた絵を見ているだけでも楽しく心が豊かになるが、含蓄のある作 者のメッセージに従えば、人生も豊かになることまちがいなし。 『フリードリヒばあさん』(ハインツ・ヤーニッシュ文/ヘルガ・バンシュ絵/ 関口裕昭訳):隣にすんでるフリードリヒばあさんは、なんでもできて、すごい んだ。そして、おばあさんのことを語らせたら、ぼくってとっても、すごいんだ。 おばあさんは、ぼくの話をきくのがすき。それは熱心にきいてくれる。なんでも できるフリードリヒばあさんは、91歳。そして……。オーストリアから届いた、 不思議な雰囲気の物語。高齢者と子どものふれあいを、こんな風に描く手もあっ たのだと、はっとさせられる。 『おじいちゃんの もうふ』(ミュリエル・ブロック文/ジョエル・ジョリヴェ 絵/ふしみみさを訳):生まれたときに、おじいちゃんからもらった毛布が、ジ ョセフはだいのお気に入り。すてきな毛布を、どこにいくにももちあるいた。と ころが、ジョセフが大きくなるにつれ、毛布はぼろぼろになってきて、ある日と うとう……。物をだいじにする心が生んだ、ユダヤに伝わるこの話。そういえば、 ぴんとくる方も多いだろう。他の絵本の題材にもなっているが、本書は、ジョセ フのこの「布」への愛着がミソなのである。 (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 かまだゆうこ(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/たろたろ/tommy/NON/muzu/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)  会員であれば、勉強会のような企画をいつでも提案できます。翻訳と子どもの 本に興味のあるかたはクラブへぜひどうぞ! 皆さまの積極的なご参加をお待ち しています。(ラ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●