●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2007年11月20日)                           No.178 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●「やまねこ10周年記念 世界の児童文学賞ラリー」途中経過(1) ●「第10回やまねこ賞」投票締め切られる ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 「やまねこ10周年記念 世界の児童文学賞ラリー」途中経過(1) ------------------------------------------------------------------------  10月1日から始まった10周年企画、「世界の児童文学賞ラリー」の途中経過を お知らせする。  スタートしてから1か月半、長期間のラリーということもあり、まだまだゆっ たりペースではあるものの、魅力的な作品が次々と紹介されている。ノスタルジ ーあふれるシンシア・ライラントのデビュー作 "When I was Young in the Mountains"(コールデコット賞オナー)、前向きなエネルギーに満ちた "Mrs. Biddlebox"(ゴールデン・カイト賞受賞作)、4つのお話が同時進行するユニー クな "Black and White"(コールデコット賞受賞作)などの未訳作品のほか、邦 訳作品では、力強い絵が特徴の『ローザ』(コールデコット賞オナー)や、意味 深で大人向け?の『小さな小さな魔女ピッキ』(オランダ金の絵筆賞受賞作)な ど、いずれも個性豊かな絵本のレビューがアップされている。  また、これまで資料室になかった新しい賞の発掘・紹介も当ラリーの目標のひ とつだが、早速アメリカの「ドクター・スース賞」と「Giverny Award」の2賞 が紹介された。  日増しに夜が長くなる季節となった。ラリーもいよいよこれからが本番。この 先、どんな国の、どんな作品が紹介されるのか、ますます楽しみである。 ▽「世界の児童文学賞ラリー」案内ページ(学習室) http://www.yamaneko.org/gakushu/open/rally.htm ▽「世界の児童文学賞ラリー」特設掲示板(会員限定) http://yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=rally                          (tommy/NON/ワラビ) ------------------------------------------------------------------------ 「第10回やまねこ賞」投票締め切られる ------------------------------------------------------------------------  当クラブの1年の締めくくりであるやまねこ賞の投票が、11月15日、盛況のう ちに終了した。10回目の今年は、今までの「別賞」の未訳部門を原書部門に変更 し、すでに邦訳が出ている作品の原書も対象にしたほか、メールによる投票も可 能となり、会員にとって、より投票しやすいものになった。あとは受賞作の発表 を待つばかり。記念すべき10回目のやまねこ賞に輝くのはどの作品だろう。各部 門受賞作品の詳細は「月刊児童文学翻訳」12月号、または当クラブ資料室「やま ねこ賞受賞作品リスト」で、ぜひお見逃しなく。 ▽「やまねこ賞受賞作品リスト」(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/index.htm ▽やまねこ賞投票所(現在閲覧のみ可能) http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #1592〜 ガーディアン賞受賞作読みました(続き) #1594〜 ★やまねこ賞 2007★→投票は終了しました #1600〜 『移動都市』よかったです(続き) #1601〜 "Harry Potter and the Deathly Hallows" 読みました(続き) #1602〜 "Finding Violet Park" 読んだ?(続き) #1615〜 10周年記念コンテスト受付終了(広場掲示板#2270、喫茶室掲示板#421      にも掲載) #1618〜 スペイン児童文学賞発表! #1619〜 『ゆうびんやさんおねがいね』読みました(続き) #1636〜 全米図書賞(児童書部門)発表! #1641〜 "Lasse Majas Detektivbyraa" シリーズ(続き)  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊絵本】 #1605〜『オルガの世界一周』(ローレンス・ブルギニョン文/カンタン・グレ バン絵/石津ちひろ訳/平凡社):ある日ふと草を食べることに嫌気がさした牛 がハエをおともに旅に出た。迫力のある表紙が印象的な絵本。 #1605〜『ねむれないの、ほんとだよ』(ガブリエラ・ケセルマン文/ノエミ・ ビリャムーサ絵/角野栄子訳/岩波書店):男の子の表情と、息子が眠れるよう にと奮闘するお母さんの懸命さに注目! #1605〜『帆かけ舟、空を行く』(クェンティン・ブレイク文・絵/柳瀬尚紀訳/ 評論社):ブレイクが世界の1800人の子どもたちと協力して作り上げたという絵 本。『ザガズー』(谷川俊太郎訳/好学社)のように含蓄のある物語。 #1605〜『だいすき、ママ!』(マーガレット・ワイルド文/スティーブン・マ イケル・キング絵/さんべりつこ訳/主婦の友社):お母さんを探しまわるコブ タちゃん。ほかの動物たちにやさしい声をかけられても、やっぱりコブタちゃん にはママが一番! #1605〜『ルガルバンダ王子の冒険 古代メソポタミアの物語』(キャシー・ヘ ンダソン再話/ジェイン・レイ絵/百々佑利子訳/岩波書店):物語は、5千年 以上も前にシュメール人が粘土板に刻んだ楔形文字を研究者たちが解読し、つな ぎあわせたもの。ジェイン・レイの絵も豪華! #1610〜『こわくなんかないっ!』(ジョナサン・アレン文・絵/せなあいこ訳/ 評論社):『かわいくなんかないっ!』の続編。フクロウのフクちゃんの、強が った生意気な口調がかわいいこと! はっきりした絵は読み聞かせにもぴったり。 【新刊読み物】 #1598〜『魔使いの呪い』(ジョゼフ・ディレイニー作/金原瑞人・田中亜希子 訳/東京創元社):「魔使い」シリーズ第2巻。魔使いの弟子になって半年、修 行を重ね、頼もしくなったトムの前に現れた新たな敵とは!? トムの母親の秘 密や魔使いの過去も明かされる。 #1612〜『ワビシーネ農場のふしぎなガチョウ』(ディック・キング・スミス作/ 三原泉訳/あすなろ書房):とことん運が悪いワビシーネ農場のスカンピンさん。 ところが、金色をしたガチョウのヒナが生まれてから、がらりと運が変わり……。 #1612〜『ぼく、カギをのんじゃった!』(ジャック・ギャントス作/前沢明枝 訳/徳間書店):ジョーイはカゲキな男の子。でも、わざとそうしているわけで はない。ヒヤリとさせる騒動を起こしてばかりのジョーイだが、だんだん応援し たくなってくる。 #1612〜『アルファベットガールズ』(ジャクリーン・ウィルソン作/尾高薫訳 /理論社):ABCDEをイニシャルに持つ女の子5人組が誕生日にお泊り会を 開く。Dのデイジーの姉が重度障害者であることで、現実的な物語になっている。 #1612〜「キョーレツ科学者・フラニー」シリーズ(ジム・ベントン作/杉田七 重訳/あかね書房):キョーレツ科学者フラニーは小学生の女の子。爆笑の人気 シリーズは第4巻まで刊行中。 #1626〜『耳の聞こえない子がわたります』(マーリー・マトリン作/日当陽子 訳/フレーベル館):夏休み、ミーガンの近所に同い年のシンディが引っ越して きた。耳が聞こえないが、エネルギッシュでお日さまのように周囲を明るくする ミーガンと引っ込み思案のシンディのあいだに友情が生まれ……。 #1629〜『曲芸師ハリドン』(ヤコブ・ヴェゲリウス作/菱木晃子訳/あすなろ 書房):曲芸師のハリドンは、一日の仕事が終わると、「船長」のいる家に戻る。 ところがその日、帰宅してみると、「船長」がいなかった。戻ってこないたった ひとりの「家族」を探して、ハリドンは夜の町に出かけていく……。スウェーデ ンから届いた大人の童話。 【未訳読み物】 #1640〜 "Per og bette Mads"(by Ole Lund Kirkegaard, Gyldendal):いた ずら小僧のペアとベッテ・マッズの前に、一枚も二枚も上手な転校生の女の子が 現れ、3人は最強のいたずらトリオを組むが……。いたずらにまつわる珍騒動が、 コミカルにテンポよく描かれた楽しい作品。                           (えみりい/ラッテ) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #419〜 東京子ども図書館・おしらせカレンダーの更新 #421〜 【お知らせ】10周年記念コンテスト受付終了 #423〜 「月刊児童文学翻訳」11月号 html 版公開しました ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #139〜 第12回紙芝居文化講座 ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #2042〜 やまねこ10周年オフのお知らせ(続き) #2221〜 鈴木仁子さんインタビューのロングバージョン公開(続き) #2251〜 【やまねこ賞 2007】今年はナント、第10回!(続き)→投票終了 #2254〜 オフ会(東京)→ありがとうございました #2267〜 新会員の挨拶 #2270〜 やまねこ10周年記念コンテスト→受付終了(続き) #2295〜 日本イギリス児童文学会・研究大会 #2298〜 CLCDニュースレター11月号 #2316〜 10周年記念ラリーの参加表明 #2328〜 12月の定例チャット ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <少年写真新聞社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/s-press/index.htm 『ちいさなくまくんの ともだち』(ハリー・ホースさく/よこやまかずえやく): 小さな島にひとりぽっちの、ちいさなくまくん。ここでの楽しみといったら、波 が運んでくる漂流物だけ。というわけで流れてくるものを集め出したくまくん。 さてさてなにが見つかるかな? 子どもの心に寄りそった、ほのぼのとした世界 を描いた故ハリー・ホース氏らしいかわいい絵本。訳者はやまねこ翻訳クラブ会 員。 <R.I.C.出版株式会社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/ric/index.htm 『いぬのおやくそく』(クリス・ホーンゼイ作/グゥイン・パーキンス絵/みま しょうこ訳):いぬの世界にも約束ごとはある。汚くなったら、お風呂に入る。 確かに。お客様がきたらいい子にする。これも確かに。車を運転したらいけない。 ん? いやいや確かに。と、女の子といぬのユーモラスなやりとりに、おもわず うなずいてしまう。いや、ホントにたのしい、そしていぬ好きにはとくにたまら ない一冊だ。訳者はやまねこ翻訳クラブ会員。 『ゆめみるリジー』(ジャン・オーメロッド作/絵/はやかわゆか訳):リジー は夢見る女の子。オーストラリアのへんぴな森の中の生活だって、リジーにかか ればおとぎの世界。父さんが長く家を留守にしても、母さんとリジーの想像力が あれば、こわいものなどない。とびらを開いたときにひろがる一面の小麦畑が印 象的。訳者はやまねこ翻訳クラブ会員。 <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『はこ は はこ?』(アントワネット・ポーティス作/中川ひろたか訳):は こは、はこでも、はこじゃない、はこ、な〜に? それは、子どもの想像力を通 して見るはこ。おもわず目じりがさがる、子どもらしい発想が、あの中川氏の日 本語でさらにいい感じに! シンプルなのに不思議とユニークなウサギの線画が いい。 『マカンバー・マギーがたべたソーセージ』(パトリック・ロア作/青山南訳): お腹がすいて、お腹がすいてどうしようもないマカンバー。あちこちさがすと、 冷蔵庫のおくからソーセージがでてきた。ぱくりと一度に半分かじって、もぐも ぐごっくん。そこに、おねえちゃんがあらわれて……。舞台はなにやら由緒正し い雰囲気のある不気味なお屋敷。大袈裟な舞台装置を背景に、ちっぽけなことで 大きな衝撃をうけるマカンバーくんがかわいすぎる。コラージュなのに写真がし っくり絵になじむ摩訶不思議感が、また不気味さをもりあげる。丁寧にかきこま れた絵の隅々までを楽しんでほしい。 <講談社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kodansha/ehon/index.htm 『せんをたどって』(ローラ・ユンクヴィストさく/ふしみみさをやく):一筆 書き。子どものころに、だれもが一度は夢中になったのでは? でも、この絵本 の一筆書きは、センスも技もかなり高度。お絵かき帳に描いた拙い線をなつかし む大人でも、目で頭でじゅうぶん楽しむことができる。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 村上利佳(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/tommy/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)     世界の児童文学賞ラリー進行役 ワラビ  今週金曜日はいよいよ「やまねこ10周年記念オフ」! いつものごとく、打 ち合わせはすべて掲示板で行われ、当日に向けて着々と準備が進んでいます。 翻訳の仕事をしっかりと見据えた内容の濃い座談会、趣向を凝らしたおはなし 会、懇親会のおいしそうなメニューなどなど! また、会員の訳書が展示され、 その後ビンゴの景品としてお持ち帰りいただくというおまけつき。参加者のみ なさんは、どうぞお楽しみに!(参加申込みはすでに締め切られています。ご 了承ください。)(ち) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●