☆8月号は休刊します。次回の発行は9月20日になります。どうぞお楽しみに☆ ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2007年7月20日)                           No.175 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞発表! ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ●「やまねこアクチベーター」バックナンバー公開のお知らせ ------------------------------------------------------------------------ カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞発表! ------------------------------------------------------------------------  注目のカーネギー賞およびケイト・グリーナウェイ賞が、今年は例年よりちょ っと早めの6月21日に発表された。2006年度受賞作は以下のとおり。 ☆カーネギー賞 "Just in Case"(by Meg Rosoff, Penguin) ☆ケイト・グリーナウェイ賞 "The Adventures of the Dish and the Spoon"(by Mini Grey, Jonathan Cape)  さらに今年は、カーネギー賞70周年、ケイト・グリーナウェイ賞50周年を記念 して、両賞の過去の受賞作からオールタイムベストが選ばれた。7月15日発行の メールマガジン「月刊児童文学翻訳」7月号では、これらの賞の情報に加え、 2006度受賞作、候補作6作品のレビューを一挙掲載。盛りだくさんの内容を、ぜ ひお楽しみいただきたい。  なお、読書室掲示板では、「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞候補作 を読もう!会」を今月末まで開催中。これまでにロングリスト作品も含めた多く のレビューが寄せられている。受賞作、候補作を読まれた方は、今からでもぜひ ご感想を! ▽「月刊児童文学翻訳」7月号 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2007/07.htm ▽読書室掲示板 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho  さて、やまねこ翻訳クラブでは、世界各国の児童文学賞の情報をいち早くお届 けしている。主だった賞の発表日には、やまねこたちが今か今かと待ち構え、公 式発表がされるや、速報掲示板と読書室掲示板にすばやく情報が流される。気に なる賞の情報は、ぜひ両掲示板にご注目いただきたい。作品の感想など関連情報 の集まる読書室、最新の賞情報のチェックに便利な速報掲示板、併せての活用を おすすめする。  なお、情報の提供はどなたからでも大歓迎。各賞の候補作発表、受賞作発表な どのニュースは、どうぞ読書室掲示板へ。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板(閲覧専用) http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award                               (えみりい) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #1395〜 『ビッグTと呼んでくれ』読みました(続き) #1396〜 『魔使いの弟子』(続き) #1399〜 『ハエくん』読み聞かせ(続き) #1401〜 オランダ銀の石筆賞発表! #1403〜 『気むずかしやの伯爵夫人』読みました(続き) #1406〜 ブランフォード・ボウズ賞発表! #1411〜 『マハラジャのルビー』読みました(続き) #1419〜 6月に読んだ本 #1448〜 「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞候補作を読もう!会」      開催期間延長について #1453〜 『ゴッホの宝をすくいだせ!』のおまけ(?)がすごい #1454〜 "A Swift Pure Cry"(続き) #1455〜 『ビースト』(続き) #1457〜 "Just in Case"(続き) #1468〜 『たまごのはなし』読みました  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award @カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞候補作を読もう!会@ *【S】はショートリスト作品、【L】はロングリスト作品を表します。 〈カーネギー賞〉 #1414〜【L】"Do the Creepy Thing"(by Graham Joyce, Faber & Faber):夜 中に他人の家に忍びこみ、寝ている家人の枕元に鼻を近づけて15秒待つ。14歳の 少女キャズと親友のルーシーはそんな遊びに夢中になっていた。ところが、ある 家に忍びこんだときのこと。寝ていた老女が突然目を開き……。 @その他の作品レビュー@ 【新刊読み物】 #1402〜『シドニーの選択』(マイケル・ド・ガズマン作/来住道子訳/草炎社): 母親の再婚相手や新しくできた兄とはうまくいかない、実の父親は自分が生活す るだけで精一杯。どちらの家にも自分の居場所を見出せない12歳のシドニーは、 シアトルからニューヨークへ、アメリカ大陸横断のバスの旅に出る。 #1405〜『歩く』(ルイス・サッカー作/金原瑞人・西田登訳/講談社):『穴』 (幸田敦子訳/講談社)では脇役だったアームピット(脇の下)が主人公。現在 は勉強にも仕事にも打ち込み、前向きに一歩ずつ歩いていこうとしていたが……。 X−レイ(X線)も登場し、ハラハラドキドキの展開に! #1410〜『マチルダばあやといたずらきょうだい』(クリスティアナ・ブランド 作/こだまともこ訳/あすなろ書房):ブラウン家は子だくさん。しかも、その 子どもたちときたら、行儀の悪いいたずらっ子ばかり。これはもう、マチルダば あやに頼むしかない! でも、マチルダばあやって? 映画『ナニー・マクフィ ーの魔法のステッキ』の原作。 #1412〜『トメック さかさま川の水1』『ハンナ さかさま川の水2』(ジャ ン=クロード・ムルルヴァ作/堀内紅子訳/福音館書店):村はずれで「よろず や」を地道に営んでいたトメックが出会った小枝のような少女ハンナ。不死の水 の流れる川を目指すハンナを追って、トメックも旅に出る。それぞれの口から語 られる冒険譚は、懐かしく温かな心地よさ。 #1460〜『チャーリー・ボーンの冒険4 海にきらめく鏡の城』(ジェニー・ニ モ作/田中薫子訳/徳間書店):不思議な力を持つ〈めぐまれし者〉の男の子、 チャーリーの冒険物語第4弾。今回はいろいろ新たな展開があって、ますます目 が離せない。来年初春に邦訳刊行予定の第5巻では、どんな結末が!? 【未訳読み物】 #1430〜 "Invasion of the Road Weenies and Other Warped and Creepy Tales" (by David Lubar, A Starscape Book):ちょっとぞくっとする話が、ナンセン スなもの、シュールなものからやや教訓的なものまで35作品も入った超短編集。 "In the Land of the Lawn Weenies and Other Warped and Creepy Tales" に 続く Weenies シリーズ第2作。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #356〜 龍のお話いろいろ #360〜 ロバート・サブダの番組 #366〜 Wayside School アニメ化 #370〜 実写版『ゲド〜戦いのはじまり〜前編』(続き) #376〜 英語絵本の上手な探し方 #377〜 「やまねこアクチベーター」バックナンバーのお知らせ ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi #132〜 ローリーポーリー・プディング(続き) #134〜 ブラマンジェ #137〜 チョコレート・メレンゲ・ケーキ ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #106〜 紙芝居文化の会・紙芝居講座 in 豊田(続き) #113〜 7月・池袋・ジュンク堂ミニおはなし会(報告) #122〜 7月・新宿・ジュンク堂おはなし会 ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #1873〜 グレゴリー・コルベール作品展オフ→ありがとうございました #1907〜 翻訳家講演会@東京 #1908〜 会員からの質問(続き) #1909〜 次の読書マラソン(続き) #1947〜 長谷川義史さん原画展(愛知県)(報告) #1962〜 CLCD ニュースレター7月号 #1971〜 ブックフェア@京都・岡山 #1976〜 ☆新スタッフの紹介☆ #1985〜 8月の定例チャットのお知らせ ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                 (tommy) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『いぬと ねこ』(ソ・ジョンオ再話/シン・ミンジェ絵/おおたけきよみ訳): タイトルどおり、いぬとねこが活躍する韓国の昔話。他国の話だが、どこかちょ っとなつかしい。それは、語り継がれてきた時の流れを、ミンジェ氏がのんびり したイラストに写し取っているからだろう。なつかしいもうひとつの理由は、世 界各国の昔話に共通なモチーフがちりばめられていること。「このくだりはあの 国のこの話では?」と思う場面がたくさん出てくる。巻末にある、韓国人のいぬ、 ねこ観も興味深い。 <セーラー出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/sailor/index.htm 『わたしのママはまほうつかい せかいいちのママがいるひとみんなに』(カー ル・ノラック文/イングリッド・ゴドン絵/いずみちほこ訳):全国のママさん、 おまたせ! せかいいちのパパにつづいて、せかいいちのママのための絵本も、 ついに登場。子どもの目に、ママがまほうつかいに映るというのはうなずける話 だ。この絵本では、そんな例をひとつひとつあげていく。ママがちゅっとすれば 傷はたちまち治るし、お話をよんでくれれば冒険の旅にでることができる。まほ うつかいのママをみつめる子どもの、安心しきった目がいい。ママでいることに 疲れてしまったママに、元気をあたえてくれる本でもある。 『かえるくんは かえるくん』、『かえるくん どうしたの』(マックス・ベル ジュイス文と絵/清水奈緒子訳):ともに、以前の版に手を加えた改訂版。しょ ぼんとおちこんだり、なんだかふわふわしてきたり、だれもが一度は味わう気持 ちを、かえるくんも心に負う。でもねずみくん、のうさぎくんなど、まわりのよ き友人に助けられながら、心の平穏をとりもどしていく。何度読んでも心温まる、 いつまでも色あせることのないロングセラーだ。 『ソルビム ―お正月の晴れ着―』(ペ・ヒョンジュ絵と文/ピョン・キジャ訳): 日本の着物も美しいが、韓国のチマ・チョゴリも、ためいきがでるほど華がある。 新年の晴れ着を女の子が身につけていく。ただそれだけの物語だが、チマ・チョ ゴリとその付属品をひとつひとつ追っていくと、かなりのページが費やされる。 さらにためいきを深くさせるのは、各ページの完成度。小物のモチーフをとりい れたり、衣装栄えを計算したり、細やかな配慮を感じるイラストは、そのまま部 屋に飾っておきたくなる。韓国絵本に、いや世界の絵本に新風を吹き込む作品と いえるかもしれない。 <すずき出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/suzukipub/index.html 『ボーイ・キルズ・マン』(マット・ワイマン作/長友恵子訳):ソニーは、コ ロンビアに住む、サッカー好きの12歳の少年。学校は10歳のときからいかなくな った。貧しく、犯罪が日常茶飯事という環境で、家庭にさえも平穏をみつけられ ない少年は、逃げ道を裏の社会にみいだした。オープニング、ソニーが「仕事」 にとりかかる直前のシーンには緊張感がみなぎり、これから始まる物語への期待 が高まる。だが同時に、いたいけな子どもに不釣合いな舞台装置に、とまどいを 感じてしまう。日本の子どもたちにとっては、まさに地球の反対側で起きている、 想像もできない出来事に思えるだろう。だが、これは事実に基づく話なのである。 訳者は、やまねこ翻訳クラブ会員。 <ポプラ社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/poplar/index.htm 『涙のタトゥー』(ギャレット・フレイマン=ウェア作/ないとうふみこ訳): 真面目すぎる女の子ソフィーには儀式のような日課がある。それは、死んだ弟の 思い出を反芻すること。無意識にふと思い出すのは、弟に対する冒涜だと彼女は 考える。こんなふうに融通のきかない彼女は、弟の死にがんじがらめになり、 「死」と聞くだけで思考がリセットしてしまう。そんな時、同じ身内の死を経験 した少年に出会う。彼の顔には、涙のタトゥーが彫ってあった。だれの思春期に も影を落とす、死、時間、自分自身といった問題。作者はこれらが全て繋がって いるという事実を、実にシンプルに分かりやすく読者に伝えている。ただし、主 人公の性格はシンプルどころか屈曲のかたまりだ。自分の頑固さが故に自分を窮 地に追い詰める。そんな彼女に惚れこんだという訳者は、やまねこ翻訳クラブ会 員。 <R.I.C.出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/ric/index.htm 『おもいではチョコレートのにおい』(バーバラ・マクガイア作・絵/杉本詠美 訳):「ぼく」は背が高くて、かっこいいおじいちゃんが大好き。だが、おじい ちゃんはアルツハイマー病にかかって、施設にいくことになった。チョコレート 好きなおじいちゃんは、月夜の庭で「ぼく」とチョコレートの匂いがする思い出 をつくる……。後半では、アルツハイマー病についての詳しい説明がなされ、だ れもがかかる可能性のあるこの病気についての理解を深めることができる。訳者 は、やまねこ翻訳クラブ会員。 『はしれ ワニくん!』(うすいかなこ作):たいへん、パーティに遅れる!  ところが、ワニくんがいそげばいそぐほど、うまく進むことができなくて、とう とうあたりは大混乱に。どたばたワニくんはパーティに行けるのか? うすい氏 は、本作品でイギリスの2005年ブックトラスト絵本新人賞を受賞した。日本人作 家の世界での活躍に期待したい。          『こんにちは マクダフ』(ローズマリー・ウェルズ作/スーザン・ジェファー ズ絵/ささやまゆうこ訳):表紙でこちらをみつめる姿にキュンとなってしまう、 かわいい犬のマクダフ・シリーズ第一弾。今回は、身寄りのないマクダフが、温 かい家族をみつけるまでの冒険だ。訳者は、やまねこ翻訳クラブ会員。 『アーサー』(アマンダ・グレアム作/ドナ・ガイネル絵/きくちゆみ訳):ア ーサーは、ペットショップでたった1匹だけの犬。ほかの犬はとうのむかしに売 れてしまったのだ。なんとかして人に買われ、お気に入りのくつをかじかじした いアーサー。思案の末に考えた「まねっこ作戦」はうまくいくのか? 訳者は、 やまねこ翻訳クラブ会員。 『ネコとサカナ』(ニール・カーティス絵/ジョーン・グラント作/辻信一訳): ネコとサカナ、へんな組み合わせの2匹がなかよしになった。白黒のハイセンス なイラストで描かれる、奇妙な友情の物語。2004年オーストラリア児童図書賞受 賞作品。                                  (NON) ------------------------------------------------------------------------ 「やまねこアクチベーター」バックナンバー公開のお知らせ ------------------------------------------------------------------------  この度、当クラブのサイトにて、2003年からのバックナンバーを公開しました。 当時、会員だったみなさんにとっては、懐かしい話題が満載! これから入会を お考えのみなさんには、クラブの活動の様子が手に取るようにわかります。クラ ブ発足10周年を迎えるこの年に、活動の変遷の様子をお楽しみいただくと同時に、 ぜひ今後の活動のヒントにもお役立てください。 ▽「やまねこアクチベーター」バックナンバー http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm#bn                                (ち〜ず) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 冬木恵子(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/tommy/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)  今月から掲示板ア・ラ・カルトの執筆に、tommyさんが加わってくれました!  フレッシュなパワーを得て、これからますます誌面作りに張りきってまいりま すので、今後ともよろしくお願いします。  また、トップの記事で「速報(海外児童文学賞)」掲示板の紹介をしていま すが、これからも、やまねこ翻訳クラブを支えるさまざまなコンテンツや、裏 方としてがんばっている会員の活躍にスポットを当てた記事を、不定期シリー ズとして掲載していく予定です。どうぞお楽しみに!(ち) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●