●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2007年5月18日)                           No.173 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●第2次ファンタジーマラソン終了! ●「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞の候補作を読もう!会」開催中 ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 第2次ファンタジーマラソン終了! ------------------------------------------------------------------------  昨年5月から1年間にわたって走り続けてきた第2次ファンタジーマラソンが、 4月30日をもってついにゴールを迎えた。このマラソンのさなかに当クラブ編 『大人のファンタジー読本 未知なる扉をひらく180選』(マッグガーデン)が 刊行されたことも刺激になってか、特設掲示板は終始にぎわい、期間中、最高で 月に70冊、合計でのべ644冊が紹介されるという盛況ぶりだった。熱戦の模様は、 当誌で毎号3人の進行役から実況中継してもらったとおりである。  1位入賞者は、なんと101冊を読破して、ぶっちぎりでゴールイン! マイペ ースでこつこつ走る者、最後の1日でラストスパートをかける者、走りっぷりは 人それぞれだが、ファンタジーの奥の深さ、幅の広さに触れ、だれもがこの1年 を楽しんだことだろう。マラソン終了後は、各自が読んだ本の中から「マイベス ト5」を選んで発表した。まだしばらく、マラソンの余韻を楽しめそうである。 ▽『大人のファンタジー読本 未知なる扉をひらく180選』(やまねこ工房) http://www.yamaneko.org/honyaku/jisseki/club_fanta.htm ▽ファンタジー作品リスト(資料室) ※邦訳作品の書誌情報や原書情報、当クラブ作成のおすすめ作品のリストがご覧 いただけます。 http://www.yamaneko.org/bookdb/gen/fntsy/index.htm                               (えみりい) ------------------------------------------------------------------------ 「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞の候補作を読もう!会」開催中 ------------------------------------------------------------------------  現在読書室掲示板では、「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞の候補作 を読もう!会」が、ロングリストに挙がった全候補作を対象に開催中だ。6月の 受賞作発表まで約1か月。本の感想だけでなく受賞作の予想などを交えながら、 わいわいと楽しく語り合おう。会員・非会員を問わず誰でも参加できるので、興 味のある方は今すぐ読書室へ!  また今年は、カーネギー賞が70周年、ケイト・グリーナウェイ賞が50周年を迎 える記念すべき年。詳しくは、両賞の速報記事を掲載した「月刊児童文学翻訳」 5月号(5月15日発行)で。 ★「読もう!会」開催場所:読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho (開催案内については#1213の発言をご参照ください) ▽カーネギー賞ロングリスト(資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/carnegie/carnll00.htm#ll_2006 ▽ケイト・グリーナウェイ賞ロングリスト(資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/greenawy/greell.htm ▽「月刊児童文学翻訳」5月号 http://yamaneko.org/mgzn/bn/0705.txt(テキスト版) (html 版は5月19日公開予定 http://www.yamaneko.org/mgzn/)                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #1251〜 『ハエくん』読みました #1270〜 やまねこ工房のお知らせ #1279〜 4月に読んだ本 #1288〜 『プリンセス・ブライド』の影響? #1307〜 エズラ・ジャック・キーツ賞発表! #1315〜 『月あかりのおはなし集』読みました #1317〜 『「ライラ」からの手紙』読みました #1325〜 ニュージーランド・ポスト賞発表! #1327〜 ビスト最優秀児童図書賞発表!  このほか、ブランフォード・ボウズ賞ショートリスト、MWA賞候補作の話題 も。賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award @カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞候補作を読もう!会@ *【S】はショートリスト作品、【L】はロングリスト作品を表します。 〈カーネギー賞〉 #1259〜【L】『ヒューゴ・ペッパーとハートのコンパス』(ポール・スチュワ ート作/唐沢則幸訳/ポプラ社):『ファーガス・クレインと空飛ぶ鉄の馬』 『コーヴィー・フラッドのおかしな船旅』に続く第3巻。今回の主人公は、トナ カイ飼いの夫婦に育てられた孤児。両親が残した空とぶソリに乗り、ハートのコ ンパスが指す「わが家」に向かって、ヒューゴが旅立つ! 2006年ネスレ子ども の本賞6〜8歳部門銀賞受賞。 #1262〜【L】"Damage"(by Sue Mayfield, Hodder Children's Books):クリ スマス間近のある晩、パーティー会場をあとにする1台の車。乗っていたのは、 ごく普通の高校生。しかし、一瞬の交通事故で、4人の人生は大きく変わってし まった……。 #1271〜【L】"Victory"(by Susan Cooper, Corgi Books):母の再婚でイギリ スからアメリカに引っ越してきたモリー。望郷の念をつのらせるある日、たまた ま手にした古本をきっかけに、モリーは運命の渦に巻きこまれていく。現代を生 きるモリーと、トラファルガーの海戦で戦った少年サムの生活が交互に描かれる。 #1277〜【S】『ビースト』(アリー・ケネン作/羽地和世訳/早川書房):ス ティーブンは、幼い頃から里親を転々としてきた。そして、6年前から近くの貯 水池でペットを飼っていたのだが、それがどんどん大きくなって、おそろしいビ ーストになってしまった……。作者のデビュー作。ブックトラスト・ティーンエ イジ賞のショートリストにも挙がっている。 #1290〜【S】"Just in Case"(by Meg Rosoff, Penguin Books):15歳のデイ ヴィッドは、窓から落ちそうになった1歳の弟を助けたのをきっかけに、「もし も」という考えに取りつかれてしまった。いつか自分が運命に狙われ、死ぬこと になるかもと考えたデイヴィッドは、ジャスティンという別人になって運命を欺 こうとした……。「運命って何だろう?」と考えさせられる作品。 #1298〜【S】"A Swift Pure Cry"(by Siobhan Dowd, David Fickling Books): 1年前に母が亡くなり、以来、父は酒びたり。15歳の少女シェルは、学校へもあ まり行かず、弟妹の世話をしていた。親身になってくれる司祭がいたが、シェル はだれにも打ち明けられない大きな秘密を抱えることになり……。 #1311〜【S】"My Swordhand is Singing"(by Marcus Sedgwick, Orion Children's Books):17世紀の東ヨーロッパ。木こりのトマスと息子のピーター は放浪の末、チャストという町にたどりついた。そのチャストで、夜ごとに家畜 が襲われ、人が殺される事件が相次いで起こる。吸血鬼伝説を題材にした物語。 〈ケイト・グリーナウェイ賞〉 #1261〜【S】"The Adventures of the Dish and the Spoon"(by Mini Grey, Jonathan Cape):マザーグースの "Hey, Diddle, Diddle" で逃げだしたお皿と スプーンは、なんとニューヨークにたどりつき、有名になっていた! にぎやか な絵とはちゃめちゃなストーリーで楽しませてくれる絵本。 #1263〜【S】"The Emperor of Absurdia"(by Chris Riddell, Macmillan Children's Books):なにもかもへんてこな、へんてこりんの国の王さまのおは なし。クリス・リデルらしいナンセンス満載の絵本は、子どもも大人も一緒にな って楽しめそう。 #1264〜【S】"Augustus and his Smile"(by Catherine Rayer, Little Tiger Press):トラのアウグストゥスは、笑うことができない。百獣の王よりも強い トラと孤独を対比させ、優しさや、心を解放させられることの意味を考えさせて くれる作品。トラがただのネコのように感じられ、ちょっと切なくなる。 ▽"Augustus and his Smile" のレビューは「月刊児童文学翻訳」5月号に掲載 http://yamaneko.org/mgzn/bn/0705.txt(テキスト版) (html 版は5月19日公開予定 http://www.yamaneko.org/mgzn/) #1285〜【S】"Scoop!: An Exclusive by Monty Molenski"(text by John Kelly, illustrations by Cathy Tincknell, Templar Publishing):もぐらの 新聞記者、モンティ・モレンスキーの取材メモというユニークな構成。光を効果 的に使った映画のような絵には、さまざまなしかけが隠されている。 #1286〜【S】"The Elephantom"(by Ross Collins, Templar Publishing):水 色の風船のようなゾウのおばけに悩まされる女の子のおはなし。やかましいし、 友だちを呼んでパーティーまでしちゃうし、いらいらするったらないのに、パパ もママもぜんぜん気づかないなんて! のほほんとしたゾウの表情に思わず笑っ てしまう。 @その他の作品レビュー@ 【新刊読み物】 #1306〜『帰ってきた船乗り人形』(ルーマー・ゴッデン作/おびかゆうこ訳/ 徳間書店):シャーンの家にある人形の家には男の人形がいない。そこで、姉の デビーがかわいらしい水兵の人形カーリーを買ってきてくれた。だが、この人形 の家に男の人形がいないのには、ある悲しい理由があった。カーリーはいなくな ったお兄さん人形を探しにいきたいと思うが、自分では動くことができない。と ころがある日、カーリーはふとしたはずみで窓の外に落ち……。 【新刊絵本】 #1257〜『アーサー』(アマンダ・グレアム文/ドナ・ガイネル絵/きくちゆみ 訳/アールアイシー出版):ハンバーさんのペットショップで、いつも売れ残っ てしまうアーサーは、どこにでもいるふつうの犬。だれかに買ってもらおうと、 夜な夜な練習して、ウサギやヘビやキンギョのまねをしますが……。1985年チル ドレンズ・ブック賞受賞作。 #1291〜『こんにちは マクダフ』(ローズマリー・ウェルズ文/スーザン・ジ ェファーズ絵/ささやまゆうこ訳/アールアイシー出版):夜の道を、小型トラ ックが飼い主のいない1匹の子犬を載せて、保健所に向かっている。しかし、ふ としたはずみで、子犬は路上へ……。ノーマン・ロックウェル風のレトロな絵に、 ほのぼのあったかいストーリー。米国で人気のシリーズの第1作。 【英訳絵本】 #1292〜 "Sudsy Mom's Washing Spree"(by Wakiko Sato, translated by Sako Laughlin, アールアイシー出版):おなじみ『せんたくかあちゃん』(さとうわ きこ文・絵/福音館書店)の英訳。スカッと爽快なロングセラー絵本は、英語版 もとびきり愉快! 聞きやすい朗読CDつき。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #321〜 Sant Jordi 2007『世界本の日』記念・絵本翻訳コンテスト #322〜 やまねこ工房のお知らせ #323〜 ★喫茶室管理人交代のお知らせ★ #329〜 『ピクチャーブック』展に行ってきました! #330〜 「アーサー・ランサムの世界」展のお知らせ ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi #121〜 シード・ケーキ #129〜 ローリーポーリー・プディング ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #97 〜 子どもと読んだ絵本(続き) #98 〜 4月・新宿・ジュンク堂ミニおはなし会(事後報告) #100〜 紙芝居文化の会・紙芝居講座 in 豊田 #102〜 5月・新宿・ジュンク堂ミニおはなし会 ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #1725〜 春の関西オフ→ありがとうございました(続き) #1728〜 ☆新スタッフのご紹介☆ #1733〜 講演会&展示会の案内@奈良 #1739〜 【お知らせ&お願い】第2次ファンタジーマラソン、終了! #1740〜 CLCD ニュースレター5月号 #1742〜 会員の自己紹介 #1750〜 第2次ファンタジーマラソン、結果発表! #1751〜 ご意見募集(ファンタジーマラソン関連) #1753〜 中級シノプシス勉強会参加者募集 #1754〜 6月の定例チャット #1764〜 ファンタジーマラソン参加者へのお知らせ ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『ハンダのめんどりさがし』(アイリーン・ブラウン作/福本友美子訳):目の 覚めるような色彩とリアルな描写が印象深い、ケニアの女の子ハンダの絵本。前 回はなくなる果物に気づかぬハンダをどきどきしながら見守ったが、今回はハン ダとアケヨと一緒に、わくわくしながらめんどりをさがす。出てくる動物で数の 勉強もできる。 <フェリシモ出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/felisimo/index.htm 『イブと小さいクリスティーネ』(H・C・アンデルセン原作/赤木かんこ文/ 堀川理万子画):「こんなアンデルセン知ってた?」シリーズ第3弾。毎回がら りとちがう表現法でアンデルセンを「見せて」、「読ませて」くれるこのシリー ズ。有名なタイトルが続いたあとの今回は、一転して渋い作品が選ばれた。おさ ななじみの淡い恋の行く末を描いた物語。イラストも、淡くやさしい雰囲気でデ ンマークの自然と町並みを伝える。あとがきには、アンデルセンに宮沢賢治との 共通性を感じるという赤木氏の、アンデルセン作品への思いが綴られている。こ れも一読の価値あり。 <ほるぷ出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/holp/index.htm 『たまごのはなし かしこくておしゃれでふしぎな、ちいさないのち』(ダイア ナ・アストン文/シルビア・ロング絵/千葉茂樹訳):たまご、たまご、たまご のイラストで始まる、たまごを讃える本。たまごって大きさも形もさまざまだし、 おしゃれだし、それにかしこい! ページを繰るたびに、たまごってすごいなあ と感心してしまう。ひとつひとつていねいに描かれたたまごと、手書き風の活字 がページにあたたかさを醸す。始まりにうまく対応させた終わりの見開き、うま いなあ。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 冬木恵子(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)  ファンタジーマラソンが終了し、興奮覚めやらぬ中、マラソン特設掲示板で は次なる読書マラソンの話題もちらほら。また、広場掲示板では中級シノプシ ス勉強会のお知らせが出されました(いずれも会員限定)。勉強会系の活動に 興味のある方は、↓学習室の案内をどうぞお見逃しなく!(ち) (http://www.yamaneko.org/gakushu/index.htm) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●