●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2007年4月20日)                           No.172 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●第2次ファンタジーマラソン   花吹雪散り さ緑光る いざ皐月 ●「いたばし国際絵本翻訳大賞事後勉強会」に参加して ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 第2次ファンタジーマラソン   花吹雪散り さ緑光る いざ皐月 ------------------------------------------------------------------------  昨年5月より走り続けてきた第2次ファンタジーマラソンも、いよいよこの4 月末でゴールを迎える。マラソン中継も今回が最後となるが、1年間楽しんでい ただけただろうか? ゴール直前、届けられた本たちをご紹介しよう。  魔女、妖精、魔法、そして冒険といえば、ファンタジーには欠かせぬアイテム だ。まず妖精といえば、本国イギリスでも大人気! 日本でもファン急増中の 「レインボーマジック」シリーズ。7色の可憐でステキなフェアリーたちととも に冒険できる。魔法がいっぱいのアメリカファンタジーの古典といえば『オズの 魔法使い』にはじまる「オズ」シリーズ。こちらもいまだ色あせない冒険を、旅 の仲間と体験できる。時空をこえた友人ができるのは、イギリスのマナーハウス を舞台とした「グリーン・ノウ物語」シリーズ。古色蒼然とした雰囲気に包まれ て、気分は盛り上がり、今も残っているというモデルとなった館へ行ってみたく なること請け合いだ。  今日起きたことは明日になれば、すべて「お話」に変わる。せめて想像力いっ ぱいの豊かな心を持って、人生を渡っていく自由を手にしようではないか。では 皆様、また会う日まで……。 (文中掲載図書) 「レインボーマジック」シリーズ   (デイジー・メドウズ作/田内志文訳/ゴマブックス/2006年〜) 「オズ」シリーズ   (ライマン・フランク・ボーム作/佐藤高子訳/早川書房/1974年〜1994年) 「グリーン・ノウ物語」シリーズ   (L・M・ボストン作/亀井俊介訳/評論社/1954年〜1976年) ▽学習室「ファンタジーマラソン」案内 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/fm_guide.htm ▽「ファンタジーマラソン」特設掲示板(会員限定) http://yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=fanta2                    (おちゃわん/ぎねびあ/はるはな) ------------------------------------------------------------------------ 「いたばし国際絵本翻訳大賞事後勉強会」に参加して ------------------------------------------------------------------------    やまねこ翻訳クラブの自主勉強会って、どんな感じなの? そんな疑   問にお答えすべく、今回は、当クラブの勉強会に初めて参加した会員の   生の声をお届けする。勉強会に関心のある方、一歩前に踏み出してみて   は?                           (ち)  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  "The Six Fools" というタイトルの、ナンセンスでこっけいな民話風ストーリ ー。これが今回の課題本でした。参加者は全部で8名。まずは全員が訳文アップ し、その後、疑問点などを随時挙げながらコメントを次々に加えていきました。 勉強会初参加の私は、訳文公開にまずドキドキ。そしてあっという間に連なって いくコメントの山々に圧倒されっぱなしでした。言葉の端々から、みなさんの見 識の深さやセンスのよさが伝わってきて、ただひたすら「さすがだな〜」の一言。 さらにそれだけで終わらないのが、このクラブのすごいところ。最後にはなんと、 参加者のうち2名が2次審査通過するというクライマックス付きでした。会員の 熱意とレベルの高さをあらためて感じた3週間。参加表明するまでは勇気を要し ましたが、思い切って参加させていただいて本当によかった。参加者のみなさま、 温かくお仲間に入れていただいて、どうもありがとうございました。                                (みさと) ▽勉強会に興味のある方は「学習室」をご覧ください。 http://www.yamaneko.org/gakushu/index.htm ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #1182〜 ビスト最優秀児童図書賞ショートリスト発表! #1184〜 フェニックス賞発表! #1186〜 ドイツ児童文学賞ノミネート作品発表! #1195〜 ファンタジーマラソン快走中! #1205〜 3月に読んだ本 #1213〜 カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞の候補作を読もう!会 #1230〜 オランダ金のキス賞発表! #1239〜 オーストラリア児童図書賞候補作発表! #1249〜 ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト発表! #1252〜 カーネギー賞ショートリスト発表!  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award @カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞候補作を読もう!会@ *【S】はショートリスト作品、【L】はロングリスト作品を表します。 〈カーネギー賞〉 #1216〜【L】"Tokyo"(by Graham Marks, Bloomsbury Publishing Plc):旅行 中の姉チャーリーが、東京で行方不明になった。イギリスの高校生、アダムは、 ミステリアスな町「トーキョー」でひとり、姉を探しはじめる……。 〈ケイト・グリーナウェイ賞〉 #1216〜【L】"Tiger"(by Nick Butterworth, Harper Collins Children's Books):トラ猫のタイガーくんがトラのまねっこ――かわいくて、ふんわかし た幼児向け絵本。2006年10月に続編も出版されている。Butterworth は、やはり 猫を主人公にした "Whisperer" で、2004年度のショートリストに選ばれている。 #1224〜【L】"Winston the Book Wolf"(text by Marni McGee, illustrations by Ian Beck, Walker&Company):ウィンストンは文字が大好物のオオカミ。文 字を見ると、がつがつとかみついて食べてしまう。だから、図書館には立ち入り 禁止。そんなウィンストンに、女の子がいいことを教えてくれた。それは……。 コミカルで遊び心たっぷりの絵本。 #1225〜【S】"Orange Pear Apple Bear"(by Emily Gravett, Macmillan Children's Books):まっ白なページに木炭と水彩で描いた淡い色づかいの絵は、 きれいなだけでなく、ユーモラス。簡単な言葉がほんの少し使われているだけの 絵本だが、くすりとさせてくれる。 #1245〜【L】"Down the Back of the Chair"(text by Margaret Mahy, illustrations by Polly Dunbar, Houghton Muffin):パパが車のキーをなくし た。椅子の後ろを探してみると、びっくりするようなものが次から次に、出るわ 出るわ。なんと、双子の赤ちゃんのひとりまで! クラシカルな雰囲気にコラー ジュがうまく融合された、にぎやかでかわいらしい作品。 @その他の作品レビュー@ 【新刊読み物】 #1190〜『「ライラ」からの手紙〜フィリップ・プルマン〜』(マーガレット・ S・ユアン著/中村佐千絵訳/文溪堂):「ライラの冒険」シリーズ(大久保寛 訳/新潮社)の作者フィリップ・プルマンの伝記。 #1191〜『サフィーの天使』(ヒラリー・マッカイ作/冨永星訳/小峰書店): カッソン家の両親は画家。子どもたちにはみんな色の名前がついている。ただ、 2番目のサフランを除いては……。自分は本当のきょうだいではないという寂し さを抱えていたサフランの思い切った行動と、それを応援しようとするきょうだ いのむちゃくちゃともいえる行動が微笑ましい。 #1200〜『サンタの最後のおくりもの』(マリー=オード・ミュライユ&エルヴ ィール・ミュライユ作/クェンティン・ブレイク絵/横山和江訳/徳間書店): 「テレビゲームをください」とサンタ宛てに手紙を書いたジュリアン。ほんとう は、サンタなんてとっくに信じていない。ところが、クリスマスの日、ツリーの 下には、テレビゲームのほかにもうひとつプレゼントが置かれていた……。 ▽『サンタの最後のおくりもの』のレビュー(「月刊児童文学翻訳」11月号) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2006/11.htm#hyomi #1202〜『ビッグTと呼んでくれ!』(K・L・ゴーイング作/浅尾敦則訳/徳 間書店):トロイは身長185センチ、体重134.5キロ、汗っかきのデブだ。デブは 何をしても笑われる。ついに自殺を決意したトロイを救ったボロ服の男――それ は、トロイたちの高校では伝説となっている天才ギタリストだった……。2004年 マイケル・L・プリンツ賞オナー(次点)作品。 #1235〜『ウォーリアーズ1 フャイヤポー、野生にかえる』(エリン・ハンタ ー作/金原瑞人訳/小峰書店):飼い猫ラスティーは、あこがれだった野生猫に なることを決意。見習いとしてファイヤポーという名前をもらい、張り切るが、 待ち受けていたのは、日夜を問わず他部族の猫と戦う壮絶な生活だった。 【新刊絵本】 #1187〜『リスとお月さま』(ゼバスティアン・メッシェンモーザー文・絵/松 永美穂訳/コンセル):表紙にはとろけそうに黄色くてまあるいお月さま。鉛筆 で描かれた写実的な絵はクラシカルな雰囲気だが、実は現代的なユーモアにあふ れた、生き生きと楽しい物語。2007年ドイツ児童文学賞絵本部門ノミネート作品。 #1188〜『1000の星のむこうに』(アネッテ・ブライ文・絵/木本栄訳/岩波書 店):おじいちゃんと孫娘との穏やかで温かな交流、ふたりの間に流れていく時 間を、こまやかに優しく描いた絵本。画面の周囲にちりばめられたかわいらしい 絵からは、孫娘リサのおじいちゃんへの愛情が伝わってくる。 #1189〜『よだれダラダラ・ベイビー』(ポーラ・ダンジガー文/G・ブライア ン・カラス絵/いしづちひろ訳/BL出版):「おにいちゃんになりたいなんて、 たのんだおぼえないのに」――かまってほしい、でも、赤ちゃん扱いはされたく ない。デリカシーのない大人たちの態度に、ジョナサンは「ムッムッムッ」と腹 のたつことばかり。 #1206〜『シモンのおとしもの』(バーバラ・マクリントック文・絵/福本友美 子訳/あすなろ書房):アデールは弟のシモンを学校に迎えにいきました。とこ ろが、帰る道々、シモンはあっちでマフラー、こっちで帽子と、落とし物をして いきます。「探し物」のお楽しみに加え、20世紀初めのおしゃれなパリの街並み やパリの風物を居ながらにして満喫できる絵本。 #1206〜『名前をつけるおばあさん』(シンシア・ライラント作/キャスリン・ ブラウン絵/まついたかえ訳/新樹社):友だちみんなに先立たれた孤独なおば あさんの家に、ある日、1匹の子犬がやってきて……。優しい色づかいで描かれ た切なく、心温まるおはなし。 【未訳読み物】 #1194〜 "The Ruby in the Smoke"(by Philip Pullman, Dell Laurel-Leaf): 舞台は1872年。16歳の美少女サリーが父の死の謎をめぐり、アヘン窟の女主人と 対決! スリル満点、アクション満載のサリー・ロックハートの冒険シリーズ第 1弾は、5月に邦訳刊行の予定。 #1241〜 "The Higher Power of Lucky"(by Susan Patron, Atheneum Books for Young Readers):10歳の女の子ラッキーの家庭はちょっと複雑。事故で亡くな った母親と子育てをする気のない父親にかわってラッキーを育てているのは、父 の先妻ブリジットなのだ。あるとき、ラッキーはブリジットが自分を捨てて、故 国に帰ってしまうと思いこみ……。2007年ニューベリー賞受賞作。 【未訳絵本】 #1240〜 "Big Sister, Little Sister"(by Leuyen Pham, Hyperion):「そう そう、姉妹の関係っていつもこうなのよ!」と思わずうなずいてしまう絵本。姉 妹をいきいきと描いた絵も魅力的。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #308〜 講演会のお知らせ・清水真砂子さん「わたしと『ゲド戦記』」 #309〜 海外ファンタジー同盟 #311〜 【訃報】ヴォネガット、タイタンへ旅立った #312〜 「ピクチャーブック」展のご案内 #314〜 「ピクチャーブック」展について #318〜 「月刊児童文学翻訳」2007年4月号 html 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi #108〜 ザッハトルテ #118〜 ブラック・フォレスト・ケーキ ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #79〜 小学3年生(読み聞かせ)終了 #92〜 子どもと読んだ絵本 #95〜 4月・新宿・ジュンク堂 ミニおはなし会(明日です) ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #1598〜 【勉強会のお知らせ】出版翻訳ネットワーク初等学校 #1599〜 春のオフはいかが?(続き)→ありがとうございました #1656〜 お久しぶりです/ちょっとお願い #1662〜 第2次ファンタジーマラソン進行状況 #1679〜 出版翻訳ネットワークより        「英日翻訳実力判定テスト」についてのお知らせ #1680〜 CLCD ニュースレター4月号 #1682〜 ★☆新会長・副会長のご紹介☆★ #1687〜 春の関西オフ→ありがとうございました #1710〜 5月の定例チャットのお知らせ ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『タツノオトシゴのかくれんぼ』(ステラ・ブラックストーン文/クレア・ビー トン絵/藤田千枝訳):『ぼく きょうりゅうに なったんだ』のコンビと訳者 によるフェルトやスパンコールを使ったイラスト絵本第2弾。海の生き物も、や っぱりかわいく楽しいうえに、タツノオトシゴを探す趣向で楽しさは倍増! 魚 のひみつが分かる解説付き。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 冬木恵子(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)     ファンタジーマラソン進行役 おちゃわん/ぎねびあ/はるはな     みさと  ただいま読書室掲示板では「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞の候 補作を読もう!会」を開催中。会員に限らず、どなたにでも参加いただけます。 ショートリストが発表され、ますます盛りあがりそうな予感! 詳しくは、読 書室掲示板の#1213のトピックをご覧ください。(ち) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●