エンデュミオン・スプリング
マシュー・スケルトン
大久保寛 訳
ISBN 4-10-5058251-9
定価 2415円 |
シャドウマンサー
G・P・テイラー
亀井よし子 訳
ISBN 4-10-505171-7
定価 1995円 |
少年ブレークはオックスフォードにある図書館で、風変わりな本を見つけた。その本には何も書いていないのだ、ひたすら空白のページが続く。しかし、何も書かれていない本はすでに自分の役割をつとめはじめていた、物語を紡ぐというその仕事を……。
現代の少年ブレークと、15世紀、ドイツに住む少年ペーターの話が交互にすすむ。ふたりに共通してあらわれる言葉こそが、「エンデュミオン・スプリング」。
決して本好きではない少年が、本に導かれて知らない世界に足をふみれていき、望む望まないにかかわらず非日常の世界と近しくなる過程はとてもスリリングだ。そして二人の少年たちの世界がどう交わるか。結末までぐぐっとひっぱる快感を味わってほしい。 |
舞台はイギリス、時は18世紀。
魔法の品〈ケルヴィム〉は、全世界を支配できる力が手に入るという代物。もちろん、多くの人がそれを欲していたが、とうとう、暗黒の牧師に渡ってしまう。
主人公の13歳の少年トマスが、〈ケルヴィム〉を取り戻そうと、シャドウマンサーに立ち向かう。
――ファンタジーといえば、「ハリポタ」と比較されがちだ。この作品も世界43か国で刊行され、「ハリポタ」よりすごいと絶賛されている――
物語は、トマスの終わりがないかのように思える戦いがずっと続く。ひとつクリアできたと思うと、また新たなる形でシャドウマンサーの力が忍び寄る。アフリカから来た、謎のラファーという人物も、〈ケルヴィム〉の鍵をにぎる。物語全般に流れるのは、信じる神の存在だ。冒険していく様もただハラハラするばかりでなく、幻想的な光景が美しく描写され、声に出して読むととても心地がよい。 |
【作】マシュー・スケルトン Matthew Skelton
1971年、イギリスのサウサンプトン生まれ。4歳のときにカナダに引っ越し、アルバータ州エドモントンで子供時代を過ごす。アルバータ大学英文科卒業後、オックスフォード大学のサマービル学寮にて、H・G・ウェルズの出版史の研究により博士号を取得。このときに、児童文学を何冊か読み、とくに同じオックスフォード出身のフィリップ・プルマンのライラの冒険シリーズ第二編『神秘の探検』に刺激を受ける。ドイツのマイン大学に助手として働くも、またオックスフォードにもどるが、大学関係の仕事が見つからず、お金に尽きてしまう。プリントアウトするお金にも困り、友人の好意によりこの作品の原形ともいえる物語を40頁だけ印刷してもらいエージェントに送ったところ、たちまち出版権の争奪戦になったという。
【訳】大久保寛
翻訳家。主な訳書に「ライラの冒険」シリーズ(フィリップ・プルマン/新潮社)、『アルテミス・ファウル』(オーエン・コルファー/角川書店)『ウォーロード作戦』(リチャャード・ハーマン・ジュニア/新潮文庫)など多数。
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【作】G・P・テイラー G.P.Taylor
1961年、イギリス・ヨークシャー生まれ。16歳で牧師になる修行をはじめるが、すぐにイヤになりロンドンに逃げ、パンクのような暮らしぶりで様々な宗教、魔術、座禅などを体験した。やがて、ヨークシャーにもどり警官となったのち、牧師となり、地元の子供たちを喜ばせようと書いた本書がデビュー作。当初は、愛用のバイクを売って自費出版されたものの、2003年に大手出版社から出版。たちまち、イギリスのフィクション部門で15週連続No.1を飾り、タイムズ紙で"Hotter
than Potter"、BBCで「C.S.Lewisの再来」と評され、大人気となった。さらに、ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストで『ハリー・ポッター』から首位を奪い、人気はとどまることを知らないほどだ。
【訳】亀井よし子
翻訳家。主な訳書に『魔女の血をひく娘』(セリア・リーズ/理論社)、「ふたりのアーサー」シリーズ(クロスリー=ホランド)、『ブリジット・ジョーンズの日記』(フィールディング/ともに、ソニー・マガジンズ)など多数。
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