2002年12月刊行
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きいてほしいの、あたしのこと 〜ウィン・ディキシーのいた夏〜 ケイト・ディカミロ作 片岡しのぶ訳 原題 "Because of Winn-Dixie" |
うそつき マロリー・ブラックマン作 冨永星訳 原題"Tell Me No More Lies" |
【内容紹介】 スーパーの中で出会った、おかしな犬ウィン・ディキシー。 【作/ケイト・ディカミロ】 ミネソタ州、ミネアポリス在住。アメリカ南部子ども時代の大半をすごし、フロリダ大学を卒業。児童向け、大人向けの作品を書いている。1998年、マクナイト・アーティスト・フェローシップ・フォア・ライダーズを受けた。この本『きいてほしいの、あたしのこと――ウィン・ディキシーのいた夏』で、2001年ニューベリー賞最終候補、パプリッシャーズ・ウィークリー紙ベスト・ブック・オプ・ザ・イヤーなど数々の賞を受賞している。 |
2002年11月刊行
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きれいな絵なんかなかった アニタ・ローベル作 小島希里訳 原題 "No Pretty Pictures -- a child of war" |
トロルとばらの城の寓話 トールモー・ハウゲン作 木村由利子訳 原題"Slottet det Hvite" |
崖の国物語4 ゴウママネキの呪い ポール・スチュワート作 クリス・リデル絵 唐沢則幸訳 原題"The Curse of the Loamglozer" |
きれいな絵なんかなかった
【内容紹介】 まわりのあらゆるものが踏みにじられ、めちゃくちゃにされてしまった時代にまでさかのぼりながら、わたしはこの本を書いた。きれいな絵なんかほとんど思い出すことのできない時代にまで、さかのぼりながら。
第二次世界大戦中、ナチ占領下のポーランドで、ばあやに守られ弟とともに逃亡生活を続けたこどもの日々――。
強制収容所で生きのび、戦後、スウェーデンで送った多感な少女の日々――。
世界中で愛されている絵本作家アニタ・ローベルが、驚異的な記憶力で、自らのこどもの日々を鮮やかによみがえらせて綴った心の記憶。
【作/アニタ・ローベル】 1934年、ポーランド、クラクフのユダヤ人家庭に生まれる。5歳のときに第二次世界大戦が始まり、ナチスの迫害を逃れて、ばあやと弟とともに逃亡生活を送るが、10歳で捕らえられる。姉弟ともに強制収容所で生きのび、戦後スウェーデンの療養所に送られる。その後両親と再会し、17歳のときにアメリカ合衆国へ移住する。プラット・インスティテュートで美術を学び、テキスタイルデザイナーを経て、絵本の仕事を始める。自作の絵本に『じゃがいもかあさん』『アリスンの百日草』、他に『ABCのおかいもの』(コルデコット賞次席)『わたしの庭のバラの花』『アンナの赤いオーバー』『毛皮ひめ』など数多くの美しい絵本を発表している。
【訳/小島希里】 1959年、東京に生まれる。翻訳家。『なぞの娘キャロライン』『ドラゴンをさがせ』『Tバック戦争』『13歳の沈黙』『影――小さな5つの話』『誇り高き王妃』など、カニグズバーグ作品の翻訳を次々手がけるほか、絵本『遠くからみると』『かみなりケーキ』『ねこのジンジャー』(産経児童出版文化賞)、他に『自分をまもる本』『ともだちになろうよ!――HIVとともに生きるこどもたちの声』などの訳書がある。東京都在住。
ユダヤ民族の悲劇については、これまでいくつもの作品が出版され、自伝やルポルタージュも数多く出ています。アニタは、いろいろな人に自伝を書くよう勧められても、ずっと断り続けてきたそうです。そしてついに書かれたこの作品で、彼女は自分自身の体験を「多くの物語の中のひとつにすぎない」と位置づけながらも、「多くの物語」のひとつひとつが、それぞれの人にとって決して忘れようのない絶対的な体験であったことを訴えているように感じました。
前半部分では、逃亡中や収容所でのつらい生活、周囲の人たちが保身のためにずるさを露わにする姿、身近な人の死、すべてが淡々と語られていきます。でも、その悲劇の本当の意味が語られているのは、むしろ戦争が終わった後の平穏な生活を描いた後半部分ではないかと感じました。筆の運びは相変わらず淡々と揺れが少なく、書かれている内容も幸福な記述が多いのに、なぜか何度もページを繰る手が止まってしまう。生きる、ということを、激しく問われているような気がしてしまうのです。
自分の物語を語ることなく命を落としていった人たちへの、アニタのやりきれない思いこそが、彼女自身の物語なのかもしれないと思いました。
(やまねこ翻訳クラブ会員 森久里子)
トロルとばらの城の寓話
【内容紹介】 「あたし、ここよ」その人は、そういってエルム少年の前にあらわれた。そのときからだ。父さま陛下の支配するたそがれの〈白い城〉に赤いばらがからみつき、黄金はちみつの木は真実の物語を語り、母さま陛下がなつかしい歌を歌うようになったのは。エルムの知っていた小さな世界は、ばらとともに大きく広がっていった――。
【作/トールモー・ハウゲン】 1945年、ノルウェーのトリシルに生まれる。家族との関係にゆれる子どもの心理をたくみに描き、『魔法のことば、ツェッペリン』(文研出版『夜の鳥』(ベネッセ)でノルウェー児童図書賞を受賞。1990年国際アンデルセン賞作家賞。北欧を代表する児童文学作家。
【訳/木村由利子】 大阪生まれ。大阪外国語大学デンマーク語学科卒業後、コペンハーゲン大学に留学。北欧の児童文学を中心に、ひろく翻訳をおこなう。おもな訳書に、『おたよりください』(大日本図書)『魔法のことば、ツェッペリン』(文研出版)『わたしはわたし』(文化出版局)などがある。
崖の国物語4 ゴウママネキの呪い
【内容紹介】 時はさかのぼり、前3巻の主人公トウィッグの父・クウィントの青年時代。父・風のジャッカルの空賊船の乗組員として活躍するクウィントは、ある日、父の友人で、最高位学者であるリニウスのジョシュとして、神聖都市に預けられます。トゥイッグの両親の出会い、神聖都市の立つ浮遊石の内部構造、伝説の怪物ゴウママネキの由来――トゥイッグの冒険三部作で語られなかった、崖の国の謎があかされます。
【作/ポール・スチュワート】 1955年、ロンドン生まれ。ランカスター大学と東アングリア大学で創作を学ぶ。88年より作品を発表。ファンタジー、ホラーから絵本、サッカー少年の物語まで、さまざまなジャンルで人気を博している。現在、ブライトンで小学校教師の妻と二人の子どもと住んでいる。本書の挿絵のクリス・リデルとコンビでの絵本作品も多数。
【作/クリス・リデル】 南アフリカ生まれ。専門学校でイラストレーションを学んだのち、経済誌のマンガをはじめ、幅広い分野で活躍している。2002年"Pirate
Diary"でケイト・グリーナウェイ賞受賞。邦訳には『ぞうって、こまっちゃう』(徳間書店)がある。
【訳/唐沢則幸】 1958年、長野県出身。青山学院大学卒。訳書に『ウォーリーをさがせ!』シリーズ(フレーベル館)、『エヴァが目ざめるとき』(徳間書店)、『アウトサイダーズ』(あすなろ書房)など多数。
2002年7月刊行【内容紹介】 はるか昔、南イングランドのサクソン人の王国。エルフギフトは、王と森のエルフの間に生まれ、癒しの力をもつ美しい若者。王が死のまぎわにエルフギフトを後継ぎに指名したために、怒った異母兄弟らに命をねらわれることになる。ともに暮らす人々を虐殺された彼を、美しい女戦士(ワルキューレ)が母の国、異界へといざなった――。ゲルマン神話の世界観の下に、愛と憎しみ、現世と異界、神々との相克が織りなす、血と鉄と土の香りがするファンタジー。 【作/スーザン・プライス】 イギリスのブラック・カントリー工業地帯に生まれる。14歳のとき短編小説のコンクールで入賞して以来物語を書き続け、1987年に『ゴースト・ドラム 北の魔法の物語』でカーネギー賞、1999年に
The Sterkarm Handshake でがーディアン子どもの本賞を受賞。ファンタジーとホラーの分野で活躍し、日本ではほかに『オーディンとのろわれた語り部』(徳間書店)などが紹介されている。 |
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Last Modified: 2003/01/18
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