岩崎書店新刊情報 (2003−2004年) |
2004年2月刊行2002年韓国のポリム創作絵本公募展の優秀賞受賞作
見返しの絵は背景がまっくろ。 暗やみの中、ライトをつけたキックボードに乗っているのは、はだしの女の子。 頭には赤いバケツ、バケツの中には羽根がいっぱい! タイトルは「かぜひいちゃった日」、ふーむ。いったいどんな話なの? 雪がいっぱいふった夜、女の子は窓から外をみていた。 寒くなりそうと思ったからなのか、その夜、オンマ(おかあさん)は買ってあったダウンジャケットを女の子に渡す。 さっそく着て鏡をみると、あれあれ……。 手ざわりのいい紙に、シンプルな線描がおかれている。 女の子のダウンジャケットから飛び出していた一枚の羽根から、ファンタジーの扉がひらいた。 ストーリーと関係があるようなないような、小さいイラストがページにちょこちょこ登場する――楽しいな。 おとなりの国、韓国の若手作家がつくった絵本。 遊び心いっぱいの楽しい作品だ。本文はハングル表記つき。(この文字もきれい!) 【作・絵】キム・ドンス 韓国の若手作家。同徳女子大学校で絵画を専攻。2001年韓国出版美術大展で大賞を受け、本書で2002年ポリム創作絵本公募展の優秀賞を受賞し、2002年11月にはじめての絵本出版となった。審査において「子どもの目と心を開く美しい絵本」という評を得た。
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2003年9月刊行2003年コールデコット賞オナー作品
いぬのホンドと ねこのファビアン、 それぞれお気に入りの場所にいる。 それぞれお気に入りの遊びをする。 おうちにいるあかちゃんも遊ぶ。 そして、 今日もすてきな1日が終わり、 それぞれ心地よい眠りにつく。 ――やわらかな鉛筆と水彩画が、静かに2匹と1人を描き出します―― ●2003年度コールデコット賞受賞作品リスト●(やまねこ翻訳クラブ作成) 【作者】ピーター・マッカーティ Peter McCarty アメリカ・ニュージャージー在住の作家、画家。妻と娘と犬のホンドと猫のファビアンもいっしょに住んでいる。日本では『うさぎ、うさぎ、どこいくの?』(徳間書店)が出版されている。その他の絵本に"Baby
Steps" 、絵を描いた作品には"Night Driving "、"Frozen
Man"などがある。鉛筆と水彩で描く、柔らかで美しい絵が高い評価を受けている。本書はアメリカで、2003年のコールデコット賞オナー作品に選ばれ、New
York Times や Publisher's Weekly で2002年の絵本のベストブックに選ばれ、柔らかな鉛筆画のイラストレーションは、The
Society of Illustrators Exhibitionで2002年の金賞を受賞している。 |
2003年4月5月刊行
名もない小さな虫のちびむしくんは、まるはなばちのようなおしりの針と、銀の羽をさがして、旅にでました。そして……。 光の立体感ある絵は、パトリック・コリガンによるはじめての作品。 本書は、作者ビル・マーチンが空軍軍曹だった第二次世界大戦の終戦の頃に出版された作品のニューバージョンです。 ちびむしくん、望んだものは手に入った? 【作者】ビル・マーチン Bill Martin Jr. アメリカ、テキサス州キャンプベル在住。本書は上記にあるようにニューバージョン作品で、マイケル・サンプソンとの共著として2001年にアメリカで刊行された。日本で出版されているその他の著書に『くまさん くまさん なにみてるの?』、『しろくまくん なにが きこえる?』(偕成社)がある。 【作者】マイケル・サンプソン Michael Sampson アメリカ、テキサス州キャンプベル在住。主な著書に"The Football That Won..." "Star of the Circus"他多数。 【画家】パトリック・コリガン Patrick Corrigan アメリカ、メーン州ポートランド在住の若手イラストレーター。本書は、はじめての子どもの本。 【訳者】木坂 涼 きさか りょう 埼玉県生まれ。詩人で作家。翻訳も手がける。十代より詩作を初め、第二詩集『ツッツッと』で現代詩花椿賞受賞。詩集などの著書多数。翻訳絵本に、『ヨセフのだいじなコート』『ハエをのみこんだおばあさん』『ぜったいたべないからね』『あたしクラリル・ビーン』(フレーベル館)『ピッツァぼうや』(セーラー出版)、『わたしのいえはごにんかぞく』(講談社)他。新刊に『ことばの宝箱 ちちんぷいぷい』(共編 岩崎書店) ピパルクとイルカたち Pipaluk and The Whales この物語は実際のできごとをもとにしています――。 最初にイルカをみつけた時、ピパルクはこれで食糧には困らないと喜んだのです。しかし、お父さんがいいました。 「こういうときは、イルカをつかまえてはいけないんだよ」 なぜでしょう? この時たくさんのイルカたちは氷に閉じこめられていたのです。 お父さんは続けていいます。イルカのおかげで人々は生きてきたのだから、困っているときはつかまえず助けなくては、と。 村中で氷を割る作業をはじめましたが、とても人の力だけでは足りません。村の長老は船をよぶことにしました……。 ピパルクはイルカたちを助けようと、自分にできることをしていきます。 お母さんならきっとこうするわと思うことを、イルカにもするピパルク。 最後のページには、1985年2月に報じられた新聞記事も掲載され、当時の様子をみることができます。 【作者】ジョン・ヒンメルマン John Himmelman 絵本作家で、50冊以上の絵本を書いている。彼はこどものときから、物語をつくったり絵を描いたりするのがすきだった。大学ではその両方の興味を満足させることのできる児童絵本のコースにすすんだ。最初の絵本『トカゲの語り部』はジュニア・ライブラリー・ガイドに選定された。『アイビス、ほんとうのクジラの物語』はABC賞をとり、ニューヨーク・タイムズ紙のピック・オブ・ザ・リストにはいった。『ダンゴムシの生活』は児童書推薦委員会によって優秀児童科学書2000冊に指定された。これはナショナル・ジオグラフィック協会から出版された彼の最初の本である。 【訳者】はねだ せつこ 羽田節子 東京に生まれる。東京農工大学部卒。選考は昆虫生理学。登山や動植物の観察がすきで、アフリカやモンゴルなど世界各地にでかけてきた。自然のすばらしさ、おもしろさを紹介している。『キャプテン・クックの動物たち』(大日本図書)で科学読み物賞を受賞。主な訳書に『擬態』(平凡社)、『ローレンツの世界』(日本経済新聞社)、『ダーウィンに消された男』(共訳、朝日新聞社)、『鼻行類』『霧のなかのゴリラ』(共訳、平凡社)、『野性を生きる』(岩波書店)、『利己的な遺伝子』(共訳、紀伊国屋書店)、『ダーウィンの花園』(共訳、工作社)などがある。主な著書に『カモノハシのなぞ』『巨鳥伝説』(共著、福音館書店)、『森のほ乳類』(共著、学研)など。東京都品川区在住。 |
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Last Modified: 2004/04/15
担当:さかな
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