評論社新刊情報 |
2004年12月刊行
【作者】ローズマリ・サトクリフ Rosemary Sutcliff 1920年〜1992年。 イギリスの作家。2歳のときスティルス氏病(ポリオ)を発病して歩行困難に陥り、やがて車椅子生活を余儀なくされる。9歳から14歳まで学校教育を受けたのち、画家を志したが、1950年、『ロビン・フッド年代記』で作家デビュー。1954年からのローマン・ブリテン三部作『第九軍団のワシ』『銀の枝』『ともしびをかかげて』(いずれも岩波書店)で歴史小説の第一人者としての地位を確立した。『ともしびをかかげて』は1959年カーネギー賞受賞をしている。そのほかの主な邦訳作品に、『運命の騎士』『王のしるし』(ともに岩波書店)、『ケルトの白馬』『ケルトとローマの息子』(ともにほるぷ出版)、『闇の女王にささげる歌』(評論社)などがある。 【訳者】乾侑美子(いぬいゆみこ) 1941年、東京生まれ。家庭文庫を手伝ったあと、子どもの本の翻訳を始める。主な著書に『写経の古寺巡礼』(NHK出版)、『漢字の絵本』(全3巻・共著/小学館)など。訳書に、グリム兄弟『1812 諸般グリム童話』、ホフマン『ストラヴァガンザ 仮面の都』(ともに小学館)、ハウフ『冷たい心臓』(福音館書店)、ホーバン『親子ネズミの冒険』サトクリフ『闇の女王にささげる歌』(ともに評論社)、ベッテルハイム『昔話の魔力』(共訳/評論社)などがある。 |
2003年11月刊行
「4−C」のクラスは、ひどい生徒ばかりいるのだ、つまり落ちこぼれの生徒を集めているのがこのクラス。 担任のカートライト先生は、悩んでいた。 「4−C」のクラスでサイエンス・フェアのためのテーマを決めなくてはいけないのだ。 彼らに何ができるだろう。候補は、 服飾/栄養/家政/児童発達/消費者研究 彼らが選んだものは、ちょっとした出来事から、「児童発達」 プロジェクト内容は――〈フラワー・ベイビー〉(小麦粉の赤ん坊)の世話だ。 生徒たちはそれぞれのベイビーの世話をする、清潔にし、昼夜にかかわらず一人にしてはいけない。 体重測定をする、毎日、育児日記をつける。分は主語・述語をともなったものを、少なくとも3つ以上書く。 そう、まるで人間の子育てのように。 サイモンのフラワー・ベイビーには、目があり、フリルのついたピンクの帽子をかぶっていた。 じっと見ていると、心が動いた。 その日から、サイモンはフラワー・ベイビーの世話を丁寧に、はじめた。 そして、自分の父親のことを考えた。 自分が生まれて6週間で出て行った父親のことを――。 大の勉強嫌いのサイモンが、どうしてフラワー・ベイビーに心を動かされたのだろう。 他の生徒たちが次々と飽きていくなか、サイモンは忍耐強くを世話を続けた。 育児の心情を日記につづるうち、父親、母親について深く考えていくサイモン……。 冒頭で引用されているのは、聖書の伝導の書3−1 「天が下のすべての事には季節があり/すべてのわざには時がある。」 【作者】アン・ファイン Anne Fine 1947年、イギリスのレスターシャー生まれ。ウォーリック大学卒業。中学校教師や刑務所教師などを経て、1978年に作家デビュー。原題イギリスを代表する児童文学作家として、高い評価を得ている。主な邦訳作品に、『ぎょろ目のジェラルド』(カーネギー賞・ガーディアン賞受賞/講談社)、『初恋は夏のゆうべ』『妖怪バンシーの本』(ともに講談社)、『キラーキャットのホラーな一週間』『それぞれのかいだん』(ともに評論社)など。本書『フラワー・ベイビー』で、2度目のカーネギー賞を受賞している。 |
2003年5月刊行
長くつづく日照りのため、多くの人々がなくなりました。 アメリカ南部、テキサス州の丘は、毎年、春になると、目のさめるような青い花におおわれます。 その花は、昔の女性が日よけにかぶったボンネット(帽子の一種)によく似ています。 そのため、この愛らしい野性の花は「ブルーボンネット」と名づけられ、テキサス州の州花になっています。 先住民コマンチ族の伝説に基づいたこの物語は、ブルーボンネットの由来について語ったものです。 同時に、トミー・デパオラの力強い筆致と色彩豊かな絵が、部族を救うために犠牲をはらった女の子〈ひとりでいる子〉の心を、みごとに描き出しています。 【作者】トミー・デパオラ Tomie dePaola 1934年、アメリカのコネチカット州生まれ。世界的な画家・作家。プラット学院で芸術学士号を、カリフォルニア工芸大学で芸術修士号を取得。児童向けの本を数多く創作するほか、演劇の舞台装置や衣装デザインを手がけ、いくつかの大学で教鞭もとった。主な作品に、『アンソニーとまほうのゆびわ』(偕成社)、『ボンジュール、サティおじさん』『まほうつかいのノナばあさん』(ともにほるぷ出版)などがある。 【訳者】いけださとる 1944年、東京生まれ。多摩学大学大学院、州立イリノイ大学大学院修了。現在、玉川大学文学部教授。アメリカ文化研究選考。主な著書に『アメリカ・アーミッシュの人びと』(明石書店)、『早わかりアメリカ』(日本実業出版社)、訳書に『マーキー――ダウン症の少年とハモンド家の子どもたち』(三省堂出版)、『アーミッシュに生まれてよかった』(評論社)などがある。 |
2002年12月刊行
イギリスでよく知られているという伝説の女王ブーディカ。 紀元60年、強大なローマ帝国に抗してケルトの諸部族を結集。そして戦――。 しあわせな時も確かにあり、それらが短い時だっただけに、その幸福が静かに沁みいる。 ブーディカの属する民は代々、月の側へ、女から女へと王権が伝えられる古い民だ。 4歳の時にブーディカは母を亡くし、13の時に〈選びの時〉で王が決まる。 数年の後、父王が亡くなり、ブーディカは若くして女王となる。 はじめは固い関係の夫とも暖かい絆がむすばれ、世継ぎももうける。 音をたてるように、時が悲劇を積み重ねていくなか、 ブーディカは女王として、母として妻として、常に美しく毅然と自分の道を歩む。
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Last Modified: 2005/02/24
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