原書房 新刊情報

2003年12月刊行

チェ・ゲバラ:表紙 シールド・リング:表紙 世界の妖精・妖怪事典:表紙
『チェ・ゲバラ』
イルダ・バリオ 編
ギャレス・ジェンキンズ 編
アンドレス・カスティージョ・ベルナル インタビュー
鈴木淑美 訳

ISBN 4-562-03679-6
定価 1995円(税込)
『シールド・リング』
 ヴァイキングの心の砦

ローズマリ・サトクリフ 著
山本史郎 訳

ISBN 4-562-03714-8
定価 2415円(税込)
『世界の妖精・妖怪事典』

キャロル・ローズ 著
松村一男 監訳

ISBN 4-562-03712-1
定価 5040円
未公開の写真250以上、
ゲバラ語録、
かつての同志への
最新インタビューで蘇る
20世紀カリスマのすべて!!
(帯文より)
ゲバラは詩が好きで、自分自身も詩を書いていた。好きな詩人はチリのパブロ・ネルーダで、殺された後に鞄から発見されたのもネルーダの詩集だった。この本は250枚以上の写真で、チェの言葉を多く引用し、まるで写真アルバムのようだ。子どもから少年に、少年から革命家に、本を繰っていくとどんどん変化していく顔の表情にもつりこまれる。ゲバラは革命家としか知らない人でも、無類の読書好きというゲバラの一面にあらたに惹かれる人もいるのでは。カリスマの人間味がよくわかる1冊。
ノルマン人との戦いで自由を死守しようとする人々の小さな砦〈盾の輪〉(シールド・リング)。湖水地方の雄大な自然を背景に、試練に立ち向かう少年とそれを見守る少女の姿が詩情豊かに描かれてゆく――
サトクリフが1956年に発表した"The Shield Ring"の翻訳です。
3000項目、図版100点の決定版!

こういう事典がでると、本当にわくわくむずむずする。

ホビット、ローレライ、コヨーテ、レグア、ボギ・ダ・トリニダーデ、碧霞元君、河童……人々の空想の世界に生きる世界中の妖精と妖怪がこの本の中のどこかにいるのだ。

「小さな精霊たち」の伝説を通じて、私はこの共有の遺産に関して、歴史、文化、そして言語の壁を越え、世界中の人々と結びつくことができることを発見した。

キャロル・ローズ

イルダ・バリオ(Hilda Barrio)
キューバのハバナ生まれ。ハバナ大学で、哲学と美術史を学ぶ。チェントロ・ウイルフレド・ラム美術研究所の研究員や国立キューバ・テレビのプロデューサーなどをへて、近年はフリーの文化研究者として活動。今回、関係者の貴重な写真の収集に大きく貢献した。

ギャレス・ジェンキンズ(Gareth Jenkins)

イギリスのイングランド生まれ。政治学、哲学、経済学をオックスフォード大学で学び、経済学でマスターを修了。長年にわたってキューバをたびたび訪問しており、キューバの文化やビジネス、そして政治のすぐれた専門家として認められている。

アンドレス・カスティージョ・ベルナル(Andres Castillo Bernal)
ハバナ大学で歴史を専攻した。軍事史家、ジャーナリスト、放送局のキャスター。現代キューバ史に関する11の著書がある。

鈴木淑美(すずき・としみ)
上智大学英語学科卒。日本経済新聞社記者ののち慶應大学大学院で米文学専攻。大学講師をへて翻訳家。おもな訳書にF・フクヤマ『人間の終わり』(ダイヤモンド社)、T・フリードマン『グラウンド・ゼロ』(ウェッジ)、R・シモンズ『女の子どうしって、ややこしい!』(草思社)など。
ローズマリ・サトクリフ(Rosemary Sutcliff)
1920〜1992年。イギリスを代表する歴史小説家。1959年、すぐれた児童文学にあたえられるカーネギー賞を受賞し、歴史小説家としての地位を確立した。『ともしびをかかげて』や『第九軍団のワシ』(ともに岩波書店)、『アーサー王と円卓の騎士』『アーサー王と聖杯の物語』『アーサー王最後の戦い』『剣の歌』『ベーオウルフ』『落日の剣』上・下(以上原書房)、『トリスタンとイズー』(沖積社)、『トロイアの黒い船団』、『オデュッセウスの冒険』(ともに原書房)などイギリス伝承やギリシア神話の再話、成人向けの歴史小説がある。1975年には大英帝国勲章のOBE、1992年にはCBEが贈られている。

山本史郎(やまもと・しろう)
1954年、和歌山県に生まれる。1978年、東京大学教養学部教養学科卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。選考はイギリス19世紀文学。訳書に『図説アーサー王物語』『ホビット』『図説ケルト神話物語』『トールキン 仔犬のローヴァーの冒険』『絵物語ホビット』『アンデルセン・クラシック 9つの物語』『魔術師マーリンの夢』、サトクリフ・シリーズとして『アーサー王の円卓の騎士』『アーサー王と聖杯の物語』『アーサー王最後の戦い』『トロイアの黒い船団』『オデュッセイアの冒険』『剣の歌』『落日の剣』上・下(以上原書房)、『アンティゴネーの変貌』(共訳、みすず書房)などがある。
キャロル・リーズ(Carol Rose)
イギリス、ヨークシャー州出身。ケント大学研究員、カンタベリー大学特別講師。美術史、心理学専攻。世界各国の意匠や信仰にあらわれる象徴を研究している。著書に『世界の怪物・怪獣辞典』など。

松村一男(まつむら・かずお)
1953年埼玉県生まれ。東京大学大学院宗教学・宗教史学博士課程満期修了。和光大学表現学部イメージ文化学科教授。著書に『神話学講義』(角川書店)、『女神の神話学』(平凡社)、『太陽神の研究』(リトン)など。訳書に『ギリシア・ローマ神話文化事典』、『ヴィジュアル版世界の神話百科』ギリシア・ローマ/ケルト/北欧』(原書房)など。

翻訳協力
青木桃子(あおき・ももこ) 大山晶子(おおやま・あきこ) 小竹由加里(こたけ・ゆかり) 高林由香子(たかばやし・ゆかこ) 株式会社バベル



2003年9月刊行

この秋、おすすめの2冊です!
ターケル88歳のインタビュー集!そしてディキンスンの1980年度カーネギー賞受賞作!
死について!:表紙 聖書伝説物語:表紙
死について!
Will the Circle Be Unbroken?

スタッズ・ターケル
金原瑞人・野沢佳織・築地誠子 共訳


ISBN4-562-03681-8
2800円+税
聖書伝説物語
楽園追放から黄金の都陥落まで
City of Gold

ピーター・ディキンスン
マイケル・フォアマン  挿画
山本史郎 訳

ISBN 4-562-03680-X
1800円+税
あらゆる年齢・職業の人たち63人が堰を切ったように語った。

癌 安楽死 エイズ 臓器移植 殺人 臨死体験 戦争 自殺 死刑
宗教 ホスピス 息子の死 原爆……

人間はみんな死ぬ。だが、おれはろくでなしのまま死にたくはない。

死の現場ってのは、
妙に静かなものだと思ったよ。

やり残しがあるというのも大事なことです。

死が怖くないなんていう連中は、うそをついているか、
自分をごまかしているんだと思う。

被爆者は、恐ろしい死と
恐ろしい生を耐えねばならなかった。
そんなことは、
もう二度とあってはいけないのです。


この本には「旧約聖書」から代表的なエピソード、あるいは場面が30以上選び出されています。アダムとエバの楽園追放、ノアの箱船、アブラハムによる息子遺作の生け贄……など、有名で、しかも「絵になる」ものです。じっさい、それぞれの章にマイケル・フォアマンによる印象的な挿絵が一枚ずつ付いていて、それぞれの物語に彩りをあたえています。しかし、それだけではありません。ここからがディキンスンの真骨頂というべき部分で、それぞれの挿話は、別々の語り手によって述べられています。しかも、語られている事件が起きてから、それほど時間がたっていない時点の設定となっています。

山本史郎 「訳者あとがき」より

スタッズ・ターケル Studs Terkel
1912年ニューヨーク生まれ。父は仕立屋、母は下宿屋を営んでいた。シカゴ大学で法律を学ぶ。さまざまな職業を経て、ラジオ・パーソナリティやテレビ番組のホストとして活躍するなかで、後に「口述の歴史(オーラル・ヒストリー)」と呼ぶことになる独自のインタビューのスタイルを確立していった。著書は『仕事!』『よい戦争』(ピューリッツァー賞受賞)『インタヴューという仕事』『人種問題』『アメリカの分裂』(以上の邦訳は、中山容他訳、晶文社)『アメリカン・ドリーム』(中山容他訳、白水社)など多数。フォークソング、ブルース、ジャズ、オペラなどの音楽にも造詣が深い。アメリカ芸術文学アカデミー会員。

金原瑞人(かねはら みずひと)
法政大学教授・翻訳家。訳書に『満たされぬ道』(ベン・オクリ)『ウルティマ、ぼくに大地の教えを』(ルドルフォ・アナヤ)『ティモレオン』(ダン・ローズ)『インディアン・キラー』(シャーマン・アレクシー)『豚の死なない日』(ロバート・ニュートン・ペック)『青空のむこう』(アレックス・シアラー)『ゼブラ』(ハイム・ポトク)『ヘヴンアイズ』(デイヴィッド・アーモンド)など。

野沢佳織(のざわ かおり)
上智大学英文学科卒業。翻訳家。訳書に、『メサイア』『ストーム』(以上ボリス・スターリング)『ふたつの永遠に抱かれて』(ローズマリー・ケイ)『バビロン行きの夜行列車』(レイ・ブラッドベリ、共訳)など。

築地誠子(つきじ せいこ)
東京外国語大学ロシヤ語科卒業。文化人類学から心理学、文化誌、紀行文、児童文学まで幅広く手がける。訳書に『方向オンチな女たち』(リンダ・グレキン)『スタンフォード・ラッフルズ――シンガポールを創った男』(ナイジェル・バーリー、共訳)など。
ピーター・ディキンスン Peter Dickinson
1972年、北ローデシア(現ザンビア)のリヴィングストン生まれ。7歳からイギリスで育つ。イートン校をへてケンブリッジ大学のキングズ・カレッジに学ぶ。卒業後、雑誌の編集にたずさわり、40歳のはじめから、ミステリや児童書の小説を発表する。1980年に『聖書伝説物語』で2度めのカーネギー賞を受賞。2度のゴールド・ダガー賞受賞のほか、かずかずの賞に輝く現代イギリスを代表する作家のひとり。『魔術師マーリンンの夢』『毒の神託』(いずれの原書房)などの作品がある。

山本史郎(やまもと しろう)
1954年、和歌山県に生まれる。1978年、東京大学教養学部教養学科卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。選考はイギリス19世紀文学。訳書に『図説アーサー王物語』『ホビット』『図説ケルト神話物語』『トールキン 仔犬のローヴァーの冒険』『絵物語ホビット』『アンデルセン・クラシック 9つの物語』『魔術師マーリンの夢』、サトクリフ・シリーズとして『アーサー王の円卓の騎士』『アーサー王と聖杯の物語』『アーサー王最後の戦い』『トロイアの黒い船団』『オデュッセイアの冒険』『剣の歌』『落日の剣』上・下『山羊座の腕輪』『三つの冠の物語』(以上原書房)、『アンティゴネーの変貌』(共訳、みすず書房)などがある。



2003年5月刊行

サトクリフが描く――
勇気と誇りと友情の物語

三つの冠の物語
ヒース、樫(オーク)、オリーブ
Heater, Oak & Olive

ローズマリ・サトクリフ著
山本 史郎訳

ISBN:4-562-03643-5

定価 本体1800円

人が神々とともに生きていた
ケルト、ローマ、ギリシアの時空を越えた物語


三つの物語に共通しているのは「冠」です。少しずつ、時代や背景は違いますが、
若者たちの友情が、静かに語られます。
第一話はブリテン島に住んでいたケルト人部族のお話で、ヒースなどで作った花冠が、
第二話はピクト人と戦うローマ軍のお話で、樫(オーク)の葉でつくった冠が、
第三話は紀元前ギリシアのオリンピックを舞台に、競技の勝者におくられるオリーブの栄冠が描かれています。

作者】ローズマリ・サトクリフ Rosemary Sutcliff 1920〜1992年。イギリスを代表する歴史小説家。1959年、すぐれた児童文学にあたえられるカーネギー賞を受賞し、歴史小説家としての地位を確立した。『ともしびをかかげて』や『第九軍団のワシ』(ともに岩波書店)、『アーサー王と円卓の騎士』『アーサー王と聖杯の物語』『アーサー王最後の戦い』『剣の歌』『ベーオウルフ』『落日の剣』上・下(以上原書房)、『トリスタンとイズー』(沖積社)、『トロイアの黒い船団』、『オデュッセウスの冒険』(ともに原書房)などイギリス伝承やギリシア神話の再話、成人向けの歴史小説がある。1975年には大英帝国勲章のOBE、1992年にはCBEが贈られている。

【画家】チャールズ・キーピング Charles Keeping 1924〜1988年。イギリスの画家・絵本作家。ローズマリ・サトクリフなど、多くの作家の作品に挿絵を書いている。物語のなかのあるできごとをうまく描き出せば良いと考えるのはまちがいで、画家は作品の雰囲気と情感をとらえるべきだと考えていた。つねに子どもを対象に仕事を続ける作家として、同時代の画家のなかでも、とくにすぐれた独創的な画家だといわれている。二度にわたり、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞した。

【訳者】山本史郎 やまもと・しろう 1954年、和歌山県に生まれる。1978年、東京大学教養学部教養学科卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。選考はイギリス19世紀文学。訳書に『図説アーサー王物語』『ホビット』『図説ケルト神話物語』『トールキン 仔犬のローヴァーの冒険』『絵物語ホビット』『アンデルセン・クラシック 9つの物語』『魔術師マーリンの夢』、サトクリフ・シリーズとして『アーサー王の円卓の騎士』『アーサー王と聖杯の物語』『アーサー王最後の戦い』『トロイアの黒い船団』『オデュッセイアの冒険』『剣の歌』『落日の剣』上・下『山羊座の腕輪』(以上原書房)、『アンティゴネーの変貌』(共訳、みすず書房)などがある。



2003年5月刊行

山羊座の腕輪:表紙 山羊座の腕輪(ブレスレット)
The Capricorn Bracelet
ブリタニアのルシウスの物語

ローズマリ・サトクリフ著
山本 史郎訳

ISBN:4-562-03633-8

定価 本体1800円

ロンドンの陥落からハドリアヌス長城の建設、
そして、ローマ軍がブリテンを去るまでの
300年間、一族の絆「山羊座の腕輪(ブレスレット)」を軸に描く珠玉の作品!

西暦61年のロンドン、ブリテン島がローマ抵抗によって征服されたのは43年のことでしたが、それから20年たらずで、ブリテンの土着民であるイケニ族が反乱を起こしました。この反乱はロンドンをも巻き込み、ようやく商都らしく整ってきた町が一夜にして焼き尽くされ、そこに残って護ろうとした人々も大多数が虐殺されました。このような歴史の大波に呑み込まれた少年、名前はルシウス・カルプルニウス。まずは彼の物語からはじまります……。(訳者あとがきより)

ローマン・ブリテンの時代を背景に描かれた連作の短篇小説を1冊にまとめたもの。
それぞれの連作短篇の主人公はみなルシウス(ルキアヌス、ルシアン)という同じ名をもち、「山羊座の腕輪(ブレスレット)」を受け継いでいる。6編が独立して読める楽しさ、わかりやすさを兼ねそなえているのは、この作品がもともとラジオ放送用の台本として書かれたものだからかもしれない。


作者】ローズマリ・サトクリフ Rosemary Sutcliff 1920〜1992年。イギリスを代表する歴史小説家。1959年、すぐれた児童文学にあたえられるカーネギー賞を受賞し、歴史小説家としての地位を確立した。『ともしびをかかげて』や『第九軍団のワシ』(ともに岩波書店)、『アーサー王と円卓の騎士』『アーサー王と聖杯の物語』『アーサー王最後の戦い』『剣の歌』『ベーオウルフ』『落日の剣』上・下(以上原書房)、『トリスタンとイズー』(沖積社)、『トロイアの黒い船団』、『オデュッセウスの冒険』(ともに原書房)などイギリス伝承やギリシア神話の再話、成人向けの歴史小説がある。1975年には大英帝国勲章のOBE、1992年にはCBEが贈られている。

【画家】チャールズ・キーピング Charles Keeping 1924〜1988年。イギリスの画家・絵本作家。ローズマリ・サトクリフなど、多くの作家の作品に挿絵を書いている。物語のなかのあるできごとをうまく描き出せば良いと考えるのはまちがいで、画家は作品の雰囲気と情感をとらえるべきだと考えていた。つねに子どもを対象に仕事を続ける作家として、同時代の画家のなかでも、とくにすぐれた独創的な画家だといわれている。二度にわたり、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞した。

【訳者】山本史郎 やまもと・しろう 1954年、和歌山県に生まれる。1978年、東京大学教養学部教養学科卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。選考はイギリス19世紀文学。訳書に『図説アーサー王物語』『ホビット』『図説ケルト神話物語』『トールキン 仔犬のローヴァーの冒険』『絵物語ホビット』『アンデルセン・クラシック 9つの物語』『魔術師マーリンの夢』、サトクリフ・シリーズとして『アーサー王の円卓の騎士』『アーサー王と聖杯の物語』『アーサー王最後の戦い』『トロイアの黒い船団』『オデュッセイアの冒険』『剣の歌』『落日の剣』上・下(以上原書房)、『アンティゴネーの変貌』(共訳、みすず書房)などがある。


2003年2月刊行

「指輪物語」のトールキンが書いたアーサー王物語

サー・ガウェインと緑の騎士:表紙 サー・ガウェインと緑の騎士
Sir Gawain and the Green Knight

J.R.R.トールキン
山本史郎訳

ISBN 4-562-03605-2
定価 本体 1600円+税
訳者あとがきより
この本は『サー・ガウェインと緑の騎士』、『真珠(パール)』、『サー・オルフェオ』というイギリス中世に書かれた三つの物語を、『指輪物語』や『ホビット』の作者として有名なトールキンが現代の英語に訳したものを、さらに日本語に移したものです。

【作者】J.R.R.トールキン(J.R.R.Tolkien)
1892-1973年。古英語および中世英語を専門とする言語学者。オクスフォード大学にて教鞭をとるかたわら、多くのファンタジー作品をてがける。『ホビット』に端を発した『シルマリルの物語』『指輪物語』など一連の「指輪」シリーズはとくに世界中を熱狂っせ、現代を代表するファンタジー作家といわれている。他の作品としては『仔犬のローヴァーの冒険』『星をのんだかじや』『道はつづくよ、どこまでも』『サンタクロースからの手紙』『プリスさん』などがある。

【訳者】山本史郎(やまもと・しろう)
サトクリフの『アーサー王と円卓の騎士』をはじめとする「アーサー王三部作」、トールキンの『ホビット』および『トールキン 仔犬のローヴァーの冒険』など多数の翻訳がある。現在、 東京大学教授。


2002年12月刊行

トールキン世界の魅力
カード、ル=グイン、フィースト、プラチェット他
SF・ファンタジー作家たちがトールキンを語る


『指輪物語』世界を読む 『指輪物語』世界を読む
〈われらが祖父トールキン〉

Meditations on Middle-Earth

カレン・ヘイバー編
北沢格 訳

ISBN 4-562-03576-5
定価 本体2200円+税


【編者】カレン・ヘイバー (KAREN HABER)
Star Trek Voyager: Bless the Beasts (Pocket Books)や、Daw Booksの三巻本シリーズ、Woman Without A Shadow、The War Minstrels、Sister Bloodをはじめとする8冊の小説の著者。Science of the X-Menの共著者でもある。彼女の短編は、アシモフズ・サイエンス・フィクション・マガジン誌やマガジン・オヴ・サイエンス・フィクション誌に掲載されたことがあり、アンソロジー、Sandman: Book of Dreamsと、Alien Petsにも収録されている。カリフォルニア州オークランド在住。

【訳者】北沢格(きたざわ・いたる)
1960年、長野県生まれ。中央大学経済学部助教授。近・現代英米詩。おもな訳書に、『また逢うために』(早川書房、2000)、『バタフライ・エコノミクス』(早川書房、2001)などがある。


2003年2月刊行

チェロを弾く少女アニタ:表紙 チェロを弾く少女アニタ
アウシュヴィッツを生き抜いた女性の手記

Inherit the Truth 1939-1945

アニタ・ラスカー=ウォルフィッシュ
藤島淳一訳

ISBN 4-562-03583-8
定価 本体1600円+税

アウシュヴィッツに送られたアニタは、チェロが弾けたおかげで収容所のオーケストラに入り、奇跡的にガス室送りをまぬがれる。

その彼女が、50年の沈黙を破り、少女の透明な眼差しを通して、絶滅収容所の真実を伝えている。
憎しみや辛辣さではなく、節度ある冷静さと飾り気のなさが、恐ろしい真実を証明している。

フランクフルター・アルゲマイネ紙

本書はアンネ・フランクとほぼ同世代の少女が体験した非常に貴重な記録であり、アンネの日記を読んだ方々が、彼女がアウシュヴィッツでどのような生活を送り、ベルゲン=ベルゼンでどのような最後をとげたのだろうかということを知る上でも重要なものであると思われる。その意味では、十代の人たちに是非とも読んでいただきたい本である。

訳者あとがきより


【作者】アニタ・ラスカー=ウォルフィッシュ 1925年、ブレスラウ生まれ。幼少の頃からチェロの才能を発揮し、13歳の頃には音楽家になることを決心していた。ユダヤ人弾圧で両親が逮捕されたあと、フランス人捕虜の逃亡を助け、脱出をはかるが、ゲシュタポに逮捕され、政治犯として監獄にいれられる。しばらくして、アウシュヴィッツに送られるが、チェロが弾けたことで収容所のオーケストラに入り、ガス室送りをまぬがれる。その後、ベルゲン=ベルゼンの収容所に移送され、食料も水もなくなって飢え死にする寸前の1944年4月15日に、イギリス軍によって解放される。その後も多くの困難に遭うが、1946年3月18日、ようやくイギリスに渡る。チェリストとして活動をはじめ、イギリス室内合奏団の創立メンバーとなった。子息のラファエルも、チェリストとして活躍している。

【訳者】藤島淳一 1952年秋田県生まれ。東海大学理学部化学科卒。在学中よりドイツ語の勉強をはじめる。4年間のサラリーマン生活後、1980-85年、旧東独ゲルリッツ市立劇場オーケストラ団員。85年、一時帰国後、旧西独に渡る。86年以降、観光ガイド、通訳。92年以降、合わせて個人ハイヤー資格を取得し、営業活動をはじめる。現在、翻訳も手がけている。

2003年1月刊行

ローレンスブロックのベストセラー作家入門:表紙 ローレンス・ブロックの
 ベストセラー作家入門


Telling Lies for Fun&Profit
ローレンス・ブロック
田口俊樹/加賀山卓朗 訳

ISBN 4-562-03599-4
定価 本体1500円+税

長編の書き出し法から
場面転換のテク、
プロット構築のケーススタディから不屈の投稿精神まで、
楽しみながら一気にマスターできる窮極の作家入門!


日本の読者の皆さまへ(一部引用)

私の小説のほうはどれもみな熱心で鋭敏な日本の読者を得て、光栄にもマルタの鷹協会賞を二度も受賞しました。そのような日本の読者で、文章を書くことに興味を持っている方々が本書にもなんらかの価値を見出してくだされば、それにまさる喜びはありません。

通読すると、“文学”も“小説”も大上段に振りかざしたりさえしなければ、
いたって身近な“技術”――“アート”であることがよくわかる。
作家志望だけでなく、広く書くことをすでに仕事にしている者にも示唆に富むことが随所に書かれている。

(訳者あとがきより)

【作者】ローレンス・ブロック Lawrence Block 1938年アメリカ生まれ。1961年に『死の裏切り』でデビュー。1970年代以降からマット・スカダー・シリーズでベストセラー作家に。シリーズ代表作の『八百万の死にざま』は映画化され、『倒錯の舞踏』ではMWA長編賞を受賞した。アメリカン・ハードボイルドの代表的作家の一人である。

【訳者】田口俊樹(たぐち・としき) 1950年生まれ。早稲田大学文学部英文科卒。英米文学翻訳家。主な訳書にローレンス・ブロックの『死への祈り』(二見書房)、マイクル・Z・リューイン『探偵家族』(早川書房)、フィリップ・マーゴリン『氷の男』(早川書房)など多数。

【訳者】加賀山卓朗(かがやま・たくろう) 1962年愛媛県生まれ。東京大学法学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書に、デニス・ルヘイン『ミスティック・リバー』、フィリップ・マゴーリン『野性の正義』、マリオ・プーヅォ『オメルタ―沈黙の掟―』(以上、早川書房)など。

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Last Modified: 2004/12/10
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