文化出版局 新刊情報


2003年6月刊行


ビバリーとしょかんへいく:表紙 ビバリー としょかんへいく
原題 "Beverly Billingsly Borrows a Book"

アレクサンダー・スタッドラー作
まえざわ あきえ訳

ISBN 4-579-40423-8
本体1400円+税

ビバリーは図書館が大好きです。
毎週火曜日の午後、ママと一緒に図書館へ行きます。
今日はいよいよ自分の“図書カード”を作ってもらえる日。
ビバリーは、自分の図書カードで、恐竜の絵本を選びました。
おもしろくっておもしろくってたまりません!
あぁ、図書館っていいな。
と、思ったら……?!



みなさんは、ご自分の図書カードをお持ちですか?
自分で本を選び、自分で本を貸りるのは、とっても楽しいことですね。
ビバリーのわくわくする気持ち、本がおもしろくてたまらない様子、
読んでいて、うんうんとうなずいてしまいます。



【作者】アレクサンダー・スタッドラー Alexander Stadler
 役者、テキスタイル・デザイナーなど様々な職業を経験した後、絵本作家が自分の天職だと気づいて作ったのがこの一冊。2003年には続編の "Beverly Billingsly Takes a Bow" を出版している。現在家族と共に、ペンシルヴェニア州フィラデルフィアに在住。

【訳者】前沢明枝(まえざわ あきえ) 青葉学園短期大学教授。専攻は言語学。アメリカ留学中に英米児童文学に親しんで以来、英語圏の児童書の紹介に力を注いでいる。翻訳には『あそびにきてね』(文化出版局)、『かぜがふいたら』『ふとっちょねこ』(朔北社)、『夏のねこ』『家出の日』『バドの扉がひらくとき』(徳間書店)などがある。


2003年5月刊行


ぼうしの上にまたぼうし:表紙 ぼうしの上にまたぼうし
原題 "A Three Hat Day"

ローラ・ゲリンジャー文
アーノルド・ローベル絵
福本 友美子訳

ISBN 4-579-40422-X
本体1000円+税


表紙の男性は3代目アール・アール・ポットルさんです。
アール・アール・ポットルさんはぼうしが大好きです。
けがわのぼうし、しょうぼうしのヘルメット、シルクハットに山高帽!
ポットルさんは悲しくなるとぼうしを2つかぶります。
もっと悲しくなると3つかぶります。
ポットルさん、なにが悲しいの?



1985年に刊行された原書が邦訳されました。
『ふたりは ともだち』などのがまくんとかえるくんシリーズで有名なアーノルド・ローベル。
ファン待望の邦訳! ポットルさんをどうぞよろしく。

訳者、福本友美子さんより紹介の言葉をいただきました!

 ローベルの絵本に出会ったのはもうずいぶん昔のことです。図書館で子どもたちに読み聞かせをしていたころ、『どろんここぶた』や『やどなしねずみのマーサ』などをくりかえし読みました。ちょっと長いけれど、お話の楽しさを知りはじめた子どもたちを、とらえてはなさない魅力がありました。ローベルの描く主人公たちには、子どもたちが本来もっている素朴さやきまじめさがあり、そこに子どもたちは大いに共感するのだと思います。それに、どの絵本にも、なんともいえぬ「おかし味」がかもしだされています。
 私がいちばん好きなのは『ふくろうくん』ですが、無理に悲しいことを考えて、涙でおちゃをわかすなんて、子どもの本の世界でなくてはありえないことではありませんか! そういう部分を私はこよなく愛するのですが、この『ぼうしの上にまたぼうし』でも、そんなおかし味がたっぷり味わえます。ぼうしを三つもかぶるなんで、かなりあやしいおじさんですが、子どもたちには、ポットルさんの寂しい気持ちがすっと理解できると思います。自分の好きなものに囲まれた暮らしをしているのに、どこか寂しいポットルさんは、そういえばふくろうくんに少し似ているかもしれません。でも、ポットルさんには、すてきな出会いが用意されているのです・・・。もう一つ、ローベルの絵本の特徴といえるものに、「家」を大切に思う気持ちがあると思います。暖かく、居心地のいいわが家。おだやかな幸せ。それは、子どもたちがいちばん求めているものかもしれません。ポットルさんは、どんな家を築いたのでしょうか? 
 この絵本は、一人で読めるようになった子どもたちを念頭に置いて訳しましたが、何度も読んでいるうちに、大人にも大人なりの味わい方ができる本なのではないかと思うようになりました。いろいろな年齢の方に楽しんでいただきたいと思います。

【作者】ローラ・ゲリンジャー アメリカのバーナード・カレッジとエール大学を卒業。新聞記者、美術評論家を経て、ニューヨークの大手出版社の編集者となり、現在に至る。臨床心理学者の夫とともに、ニューヨークに滞在。

【画家】アーノルド・ローベル アメリカのカリフォルニア州ロサンジェルス生まれ。初めての絵本『ミスター・マスターの動物園』以降数々の絵本を出版している。『ふたりは ともだち』『ふたりは きょうも』(ともに三木卓、文化出版局)などの、がまくんとかえるくんシリーズで日本でも多くのファンを持つ。1981年『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』(三木卓訳/文化出版局)でコールデコット賞受賞。

【訳者】福本友美子 慶応義塾大学文学部卒業。公共図書館勤務を経て、現在はフリーで児童書の研究、評論、翻訳、書誌作成に携わる。訳書に『いぬおことわり!』(偕成社)、『かしこいカメのおはなし』(ポプラ社)、『子どもの本の歴史』(共訳、柏書房)などがある。立教大学講師。メールマガジン「月刊児童文学翻訳」2002年5月号にインタビューで登場。



2002年11月刊行

父さんと釣りにいった日

原題:"Fishing in the Air"
シャロン・クリーチ 文
クリス・ラシュカ 絵
長田 弘 訳

ISBN 4-579-40419-x
本体1400円+税

ある朝はやく、父さんとぼくは、澄んだ、つめたい川に釣りにでかけた。
ぼくたちは、ウキのついた釣りざおを空高く投げあげた
――吹きぬけていくそよ風と、
空の切れはしと、
ぺらぺらの黄いろい大陽を
釣りあげたんだ!


ニューベリー賞受賞作家とコールデコット賞オナー(次点)受賞作家が、
父と子のきずなを、叙情的に、想像力豊かに描きます。



【作者】シャロン・クリーチ 1995年、"Walk Two Moons"『めぐりめぐる月』(もきかずこ訳/講談社)でニューベリー賞受賞。
「私は子どものころ、父と一緒に何時間も釣りをした。といっても、それほどたくさんの魚をつかまえたわけではない。ただ、すばらしい一日と、世界を見る方法をつかまえることができたと思う」と彼女は言う。

【画家】クリス・ラシュカ 1994年、"YO! YES?"『やあ、ともだち!』(泉山真奈美訳/偕成社)でコールデコット賞オナー受賞。
彼女と息子は、ニューヨーク、マンハッタンの、にれの木に囲まれた遊び場で"fishing in the air"を楽しんでいる。

【訳者】長田弘 詩人。代表的な詩集に『深呼吸の必要』(晶文社)『一日の終わりの詩集』(みすず書房)、絵本の翻訳に「詩人が贈る絵本」シリーズ(全14冊)など多数。




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Last Modified: 2002/06/17
担当:さかな
HTML編集: 出版翻訳ネットワークやまねこ翻訳クラブ